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客体化される日本サブカルチャー──『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』からみる文化の交換可能性について
Ⅰ はじめに 本稿は2021年にサービス開始された、スマートフォン向けゲームアプリ『ブルーアーカイブ -Blue Archive-」』(NEXON Games開発・Yostar運営)を足掛かりに、近年存在感を増すスマホゲーム市場に見られる興隆を国内の文化的な流れの中に位置付け、さらにその現状と本作の将来的可能性を検討するものである。
『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』(以下、「ブ
自省の時代に考える物語との向き合い方──京都アニメーション作品「小林さんちのメイドラゴンS」を起点に
はじめに 2021年7月7日、京都アニメーションTVアニメ復帰作となる「小林さんちのメイドラゴンS」の放送が開始された。本作はクール教信者による連載漫画「小林さんちのメイドラゴン」(双葉社)を原作とし、2017年に放送されたTVアニメ「小林さんちのメイドラゴン」の第2期にあたる。
主人公、小林さん(以下、小林)はシステムエンジニアとして働く26歳の独身女性。ある日、酔った勢いから異世界のドラゴ
「がっこうぐらし!」と生きること──現実と虚構の狭間
本稿は、芳文社『まんがタイムきららフォワード』にて2012年7月号から2020年1月号にかけて掲載された「がっこうぐらし!」(完結済み、原作コミックス全12巻)に関する論考です。
※全12巻のネタバレを含む。(おたより編は除く)
はじめに 2020年1月、7年半の連載に幕を下ろした「がっこうぐらし!」。2015年にはアニメ化され、そのインパクトと共に記憶している人も多いのではないだろうか。
「ご注文はうさぎですか?」の魅力について──名もなき花の持つ世界
はじめに今月十日、TVアニメ「ご注文はうさぎですか?BLOOM」の放送が始まりました。二期放送から五年、一時期は種田さんの活動休止により続編も危ぶまれましたが、今回無事に待望の三期が放送されることとなりました。いちファンとして本当に嬉しい限りです。
本作は芳文社の四コマ雑誌「まんがタイムきららMAX」に原作を持つ所謂「日常系」の作品です。本稿ではそんな日常系の在り方にも触れながら、改めて「ごちう
劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅲ.spring song 感想 間桐桜という女
第三章を見てきたので感想を
いうまでもないですけど、黒セイバーvsライダー戦、凛vs桜戦。期待はしていたけれど、その期待を軽々と超えてくる圧巻の作画でした。言峰がイリヤを抱えて走るシーンはfateシリーズを通しても指折りのお気に入りだったので映像化が叶って感涙です。
と、前置きをして始めます。今回の劇場版三部作には大いに満足しているし、HFは自分も一番好きなルートです。その上でラストについて、
『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』完 アニメーションの意義
現在第3期放送中のTVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』に関して。
本作は原作がライトノベルであるということもあり、言葉遊びが非常に特徴的な作品である。第3期10話では陽乃が『形だけ、言葉だけこねくり回して、目をそらして、……上手く言い訳して、理屈つけて、そうやって誤魔化して、騙してみたんだよね。』と多少意地悪く表現している。
こうした所謂屁理屈によって、主人公、比企谷八幡がの
姫石らきは終わらない夢を見る
チャオ!しんさくンネ🐹です。
アイカツオンパレード、終わっちゃいましたね…寂しさもあるけど、新シリーズのノエル編が嬉しすぎて相変わらずニコニコしてます。
今回は改めてこの「アイカツオンパレード!」という作品の構造を、姫石らきを中心に考察していきます。
アイカツシステムと世界線
アイカツシステムとは、アイカツシリーズ内でアイドルがドレス姿に変身するために用いられるシステム。スターズではシス