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水車小屋のネネ 津村記久子
「水車小屋のネネ」
夜中の2時半に読み始め、朝まで一気に読んだ。
心の隅々まで、朝露のような無垢の珠が転がって、塵芥を吸い取ってくれるような本だった。
辛い場面や悪人だってちょっぴり出てくるのだけれど、それを凌駕するひとの温かさに洗われる本だった。
良心や親切ということばは、なんとなく斜に構えたり偽善やけれん味が加わったりして素直に受け取れないことが多いけれど、ここにある良心や親切は、その直球
東京インスタレーション 11/23目黒ブルーズアレイ
11/23、備忘録。
素晴らしいLIVE、音場だった!
ブルーズアレイというライブハウスには、何度もお世話になっている。
大西順子さんのライヴ、三沢またろうさんのライヴ、10年前には働く店の30周年記念セッションパーティーで、なんとアマチュアバンドでステージに立たせていただいたこともある。
その場所が、すごいことになっていた。
あちこちに置かれたドラムセット、パーカッションのステーション、ピ
内田光子のシューベルト
大好きなピアニスト、内田光子。
小さなホールの鳴りを息遣いを閉じ込めた清冽な音に結晶して聴かせてくれている。
ピアノを始めた頃、辿々しい指先で父が弾いていた「楽興の時」を覚えている。娘には自在に弾かせたくてか、月賦でピアノを買い、楽典の初歩を教えてくれたりもした。
即興曲OP90(D899)の四曲は、そこからの十年でやっと弾けるようになった、思い出深いシューベルトである。
内田光子は糸を紡ぐよ
第10回Twitter文学賞
下北沢B&Bでの発表会が中止になり(残念)、
YouTubeのLIVE配信で視聴した
第十回Twitter文学賞。
国内文学、海外文学、前年に出版されたもののなかから各一点だけ、投票できる読者賞。
今回、私の投票作品はふたつとも第一位!
海外部門
ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」(岸本佐知子訳)
国内部門
佐藤亜紀「黄金列車」
昨年はここ十年でもっともガイブンを読めた年だった。本屋に
読書録「ヒッキーヒッキーシェイク」
昔、電車の中で開高健のエッセイを読んでいて、名前表記を間違われる件について、「開口健様と書いてきたのがあって、これには閉口した」というところで爆笑してしまい、車内の顰蹙を買った。
先日、ヒッキーヒッキーシェイクの文庫版361ページで同じく爆笑してしまい、車内の冷視を浴びた。
これはひとことでは言えないネタなので、興味持った人は最初から読んでください☺️
写真右の、幻冬社刊の単行本カバー。この