三月アキ

時間があれば読書してます。 寒くなったら少し編み物も。 頚椎症がやや再発…。

三月アキ

時間があれば読書してます。 寒くなったら少し編み物も。 頚椎症がやや再発…。

記事一覧

ネネとりっちゃん

読み終えてしまった。物語の中にもうしばらく入っていたかった。 私は本が新しく出版されても、すぐに読むことはまずない。どれほど話題になっても手にするのは数年後、文…

三月アキ
8日前
14

心地いい毎日とは?【ある日の日記】

以前、友人と行った喫茶店。ランチで食べたロールキャベツ煮込みが本当に美味しかった。ただ、店内は広くなく、食事が美味しいのでお客さんが次々に訪れる。そのため長居が…

三月アキ
1か月前
34

年を取るということ【ある日の日記】

自分の考えを発言したら、相手はどう思うだろう。 もし反対の意見だったら、真っ向から反撃されてしまうのだろうか。 フーンと冷たくあしらわれ、以降相手にされない無関心…

三月アキ
1か月前
21

ウディ・アレンのラブ・コメディ?

映画「サン・セバスチャンへ、ようこそ」を観に行った。 北スペインとフランスにまたがるバスク地方にあるサン・セバスチャン。美しいビスケー湾のリゾート地の景観が作品…

三月アキ
2か月前
27

「バベットの晩餐会」を読んだら併録作品も面白かった

日本での公開は1989年2月18日。 デンマークのドラマ映画だったそうで、この「バベットの晩餐会」を映画館で観た。とても静かで文芸的な作品だった。 姉妹の家にメイドとし…

三月アキ
2か月前
41

グーテンベルク聖書と活版印刷

昨年末、クリスマス企画としてグーテンベルク聖書を図書館で展示するという新聞記事を目にした。とても興味を持ったので見に行くことにした。 活版印刷を発明したドイツの…

三月アキ
2か月前
54

ロアルド・ダールを読んで

昨年末に慌てて観に行った「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」。時間が合わず吹き替えで観ることになってしまったが、すぐに後悔することになる。ウォンカ役のティモ…

三月アキ
3か月前
37

「ノースウッズ」を知る

北米大陸の湖水地方、広大な原生林が広がるこの地域は「ノースウッズ」と呼ばれている。ここには多くの野生動物が生息していて、写真家の大竹英洋さんは野生のオオカミと出…

三月アキ
4か月前
21

表紙の美しさで出会えた「あなたを想う花」

まだ私は物語の中にいる。 余韻の強く残る作品だ。 読んでいて映像がはっきりと浮かび上がる。 それが要因かもしれない。 ヴィオレットの歩んできた人生は決して幸せでは…

三月アキ
4か月前
20

地元で古代文明を学ぶ

近所の公民館で大学連携講座を受講した。 「ラテンアメリカ地域の古代文明 メソアメリカ」 担当の大学院の先生は実際に発掘調査をされていて、書籍にまとめられている。…

三月アキ
5か月前
17

まだこれからも読み続けるよー児童文学

オシャレな雑貨屋さんの店の奥に、本を並べた小さなスペースがあった。 そこで安野光雅さんの絵が表紙に描かれた「メアリ・ポピンズ」の本を見つけてしまった。 こんなに…

三月アキ
5か月前
27

私のポワロ

ポアロが登場するアガサ・クリスティー作品の大ファンだ。 私の中のポアロは、TVドラマのデヴィッド・スーシェが演じたポワロなので(声は熊倉一雄さんの吹き替えで)、最…

三月アキ
6か月前
18

おしゃべりな猫

二匹目の猫を迎え入れようと、保護猫の譲渡会へ娘と出掛けた。 こじんまりとした会場だったが、愛らしい子猫が想像以上に参加していた。 どの子も可愛い。選べない。 あ…

三月アキ
7か月前
21

喫茶店で読書

喫茶店でコーヒーを飲みながらの読書。 間違いなくこれが今の私の趣味であり、ストレス解消法だろう。 頭の中の、こなさなければならない日々の膨大な仕事(主に家事)や情…

三月アキ
7か月前
21

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

大好きなシリーズ作品だけど、忙しくて映画館へ行くのをあきらめそうだった。やはり行って良かった。インディの最後の冒険を見届けることが出来たのだから。 #3行日記

三月アキ
8か月前
5

ほしのこんぺいとうハンター

 くまくら珠美さんの三作品を読んだ。  「ほしのこんぺいとうハンター」  「そらのきっさてん」  「そらのゆうびんやさん」 つぐちゃんはひとりで歩けない。でも眠る…

三月アキ
10か月前
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ネネとりっちゃん

ネネとりっちゃん

読み終えてしまった。物語の中にもうしばらく入っていたかった。

私は本が新しく出版されても、すぐに読むことはまずない。どれほど話題になっても手にするのは数年後、文庫になっていたりする。でもこの「水車小屋のネネ」は珍しく早々に購入した。読んでいる間に本屋大賞2位の受賞となった。(すごい!おめでとうございます!!)

本に掛けられた帯の言葉がとても気になった。
「助け合い 支え合う人々の 40年を描く

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心地いい毎日とは?【ある日の日記】

心地いい毎日とは?【ある日の日記】

以前、友人と行った喫茶店。ランチで食べたロールキャベツ煮込みが本当に美味しかった。ただ、店内は広くなく、食事が美味しいのでお客さんが次々に訪れる。そのため長居が出来ないので、その後友人とはなかなか行くことが出来ないお店になってしまっていた。

仕事が休みの朝、郵便局へ行く途中でその喫茶店の前を通った。
今日はなんだか入りたくなった。
まだモーニングサービスの時間帯だし。

スライドの扉を開ける。

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年を取るということ【ある日の日記】

年を取るということ【ある日の日記】

自分の考えを発言したら、相手はどう思うだろう。
もし反対の意見だったら、真っ向から反撃されてしまうのだろうか。
フーンと冷たくあしらわれ、以降相手にされない無関心な反応だったりしたら…。
ネガティブな妄想にとらわれて、自己主張が苦手な静かな人で過ごしてきた。思えば、激しすぎる父親似の感情を、それを嫌う母親が私の本質をぐるぐると布でくるむように隠してしまい、自分好みの子どもに育て上げてしまったような

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ウディ・アレンのラブ・コメディ?

ウディ・アレンのラブ・コメディ?

映画「サン・セバスチャンへ、ようこそ」を観に行った。
北スペインとフランスにまたがるバスク地方にあるサン・セバスチャン。美しいビスケー湾のリゾート地の景観が作品をキラキラと輝かせていて、訪れたくなる素敵な街だった。この地で開催される映画祭は、ヴェネチア、カンヌ、ベルリンと並ぶ国際四大映画祭の一つとして1953年に誕生したという。

冴えない熟年男性モートは、妻のスーが仕事のために訪れたサン・セバス

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「バベットの晩餐会」を読んだら併録作品も面白かった

「バベットの晩餐会」を読んだら併録作品も面白かった

日本での公開は1989年2月18日。
デンマークのドラマ映画だったそうで、この「バベットの晩餐会」を映画館で観た。とても静かで文芸的な作品だった。

姉妹の家にメイドとしてやって来たバベットが振る舞う晩餐会の本格的なフランス料理は圧巻だ。料理をするバベットには鬼気迫るものがあったが、それは当然で彼女はプロの料理人だったのだ。パリの暴動から逃れた先が姉妹のところなのだが、以前妹のフィリッパと交流があ

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グーテンベルク聖書と活版印刷

グーテンベルク聖書と活版印刷

昨年末、クリスマス企画としてグーテンベルク聖書を図書館で展示するという新聞記事を目にした。とても興味を持ったので見に行くことにした。

活版印刷を発明したドイツのヨハネス・グーテンベルク。
1455年頃にヨーロッパ初の聖書の印刷を行っている。
ほとんどのページが二段組42行の組版であることから「四十二行聖書」とも呼ばれている。
レイアウトは中世写本の伝統を受けつぎ、ゴシック体を使用。
180部から

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ロアルド・ダールを読んで

ロアルド・ダールを読んで

昨年末に慌てて観に行った「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」。時間が合わず吹き替えで観ることになってしまったが、すぐに後悔することになる。ウォンカ役のティモシー・シャラメが歌って踊っているではないか!! あー字幕で観るべきだった…。

少しの悲しみを抱えながら小説を読むことにする。ロアルド・ダールの
「チョコレート工場の秘密」と続編の
「ガラスの大エレベーター」
もちろん評論社から出版されてい

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「ノースウッズ」を知る

「ノースウッズ」を知る

北米大陸の湖水地方、広大な原生林が広がるこの地域は「ノースウッズ」と呼ばれている。ここには多くの野生動物が生息していて、写真家の大竹英洋さんは野生のオオカミと出会うために、この地を訪れるようになったという。

私はまず「古本屋かえりみち」を訪れて、併設された「gallery ki」で開催されている写真展に行った。「ノースウッズ 生命を与える大地」に掲載されている写真展だ。どの写真もノースウッズの研

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表紙の美しさで出会えた「あなたを想う花」

表紙の美しさで出会えた「あなたを想う花」

まだ私は物語の中にいる。
余韻の強く残る作品だ。
読んでいて映像がはっきりと浮かび上がる。
それが要因かもしれない。

ヴィオレットの歩んできた人生は決して幸せではない。
読んでいて辛くなる。
墓地の管理人として、ひとり慎ましく暮らす様子と、
今までの人生が交互に語られてゆく。
失ったものの大きさに衝撃を受けるが、そのような時にそっと寄り添い、
手を差し伸べてくれる大切な人との出会いもあり、私も心

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地元で古代文明を学ぶ

地元で古代文明を学ぶ

近所の公民館で大学連携講座を受講した。

「ラテンアメリカ地域の古代文明 メソアメリカ」

担当の大学院の先生は実際に発掘調査をされていて、書籍にまとめられている。(やはり高価で難しそうだ。)

「メソ」とは「中央にある」という意味で、ギリシア語の mesos からきているのだそう。地図を見るとメキシコからグアテマラ、エルサルバドルなどの国をまたいでたくさんの遺跡が分布している。
その中で私が興味

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まだこれからも読み続けるよー児童文学

まだこれからも読み続けるよー児童文学

オシャレな雑貨屋さんの店の奥に、本を並べた小さなスペースがあった。
そこで安野光雅さんの絵が表紙に描かれた「メアリ・ポピンズ」の本を見つけてしまった。

こんなに素敵な本があったとは…。

これを読み終えると急いで書店へ行き、同シリーズの「あしながおじさん」を購入した。私の大好きな作品だ。今でも児童書を読んで、すごく心を動かされる。ジュディがおじさまに会う場面ではワクワクしてしまった。
幸せだ。

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私のポワロ

私のポワロ

ポアロが登場するアガサ・クリスティー作品の大ファンだ。

私の中のポアロは、TVドラマのデヴィッド・スーシェが演じたポワロなので(声は熊倉一雄さんの吹き替えで)、最初は違和感がとても大きかった。今回の「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」はケネス・ブラナーが演じて3作目になる。ベネチアの美しい景色を楽しみ、ミステリーというよりホラーの要素も暗めの映像から強く感じられ、怖がりの私は時々薄目を開けながら恐る

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おしゃべりな猫

おしゃべりな猫

二匹目の猫を迎え入れようと、保護猫の譲渡会へ娘と出掛けた。
こじんまりとした会場だったが、愛らしい子猫が想像以上に参加していた。

どの子も可愛い。選べない。

あちこちのケージを見て回るうちに暑さで気分が悪くなってしまった。
「今日はもう帰ろう。」
そう伝えるつもりで娘を探すと、あるケージの前でじっと立っている。
背後から覗くと、小さなキジ猫の背中が見えた。
娘が猫じゃらしのおもちゃを隙間から入

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喫茶店で読書

喫茶店で読書

喫茶店でコーヒーを飲みながらの読書。
間違いなくこれが今の私の趣味であり、ストレス解消法だろう。
頭の中の、こなさなければならない日々の膨大な仕事(主に家事)や情報にひとまず蓋をして、本を開く。そして物語の中にスーッと入っていく。

自宅ではなかなか集中できない。
愛猫に絡まれる、床のホコリが気になる、家事時間に追われる…。

しかし、事件が起きた。足繁く通った喫茶店が閉店してしまったのだ。
居心

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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

大好きなシリーズ作品だけど、忙しくて映画館へ行くのをあきらめそうだった。やはり行って良かった。インディの最後の冒険を見届けることが出来たのだから。
#3行日記

ほしのこんぺいとうハンター

ほしのこんぺいとうハンター

 くまくら珠美さんの三作品を読んだ。
 「ほしのこんぺいとうハンター」
 「そらのきっさてん」
 「そらのゆうびんやさん」

つぐちゃんはひとりで歩けない。でも眠ると相棒のハリーとの探検が始まる。食べるとすごくおいしくて、夢がかなうお月さまを目指して。一生懸命なふたりの前に「そらのきっさてん」の雪男(猫です)が現れる。「そらの世界」は本来、下界での人生を終えたものたちがいるところだが、つぐちゃんは

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