産業ダイアローグ研究所

精神科専門医・指導医であり、認定産業医でもある米沢宏が所長を務める株式会社ジャパンEA…

産業ダイアローグ研究所

精神科専門医・指導医であり、認定産業医でもある米沢宏が所長を務める株式会社ジャパンEAPシステムズ「産業ダイアローグ研究所」のnoteです。オープンダイアローグのアイデアの産業領域での活用を推進し、「ビジョン・クラフティング研究所」と共にEAPの新たな可能性を探って参ります。

マガジン

  • オープンダイアローグとその周辺

    オープンダイアローグだけでなく、産業領域で活用できるさまざまな心理社会的アプローチを紹介します。

  • 産業オープンダイアローグ研究会

    2018年にスタートした産業領域におけるオープンダイアローグ活用のための勉強会の活動を掲載します。

  • JES学術活動

    米沢だけでなく株式会社ジャパンEAPシステムズ スタッフの学会・講演活動を紹介します。

  • 健康経営

    健康経営に関する情報を掲載していきます

  • JESセミナー

    ジャパンEAPシステムズ、ならびに産業ダイアローグ研究所等で開催されるセミナーについてご案内します。

記事一覧

副所長のフィンランド視察記(2024年度第1回産業OD勉強会)

 2024年度の第1回産業オープンダイアローグ勉強会を4月25日にオンライン開催しました。年度初めでみなさんお忙しかったのか参加者は6名でした。  今回は副所長の春日が…

学会参加報告:交流分析学会2024その2 講習会

 交流分析学会2024の2日目は講習会でした。1日目はこちらをご覧ください。天気が良くてよかった! 【門本先生の「関係性交流分析」】▼寝坊!遅刻!!  2日目は完璧…

学会参加報告:交流分析学会2024その1

 私の専門の一つ、交流分析の学会に参加してきました。自分の研究発表は無し。RC(後述)の発表を考えていたのですが、準備が間に合わず。  江戸川大学は初めて訪問し…

【申込開始】公開型オンライン研修(管理職のためのメンタルヘルス・ラインケア研修、ハラスメント対策研修)

 当社では「管理職に研修を受けさせたくても対象者が少なく、毎年の実施が難しい」「業務上、一度に人数を集めづらいが、複数回開催するとコストがかさむ」などのお困りの…

JES契約企業から85社が健康経営優良法人に認定

 今回は「JESからのお知らせ」から転載です。  2024年3月11日付で経済産業省と日本健康会議から発表された「健康経営優良法人2024」において、当社(ジャパンEAP…

改めて「共存共栄」を思う(JES通信【vol.179】2024.04.10. Mr.榎本の徒然ダイアリーより)

 今回は当社社長、榎本正己が半年に1回JES通信に執筆しておりますコラムを転載します。 Mr.榎本の徒然ダイアリー ─────── 改めて「共存共栄」を思う  皆様…

さんぽセンター東京で復職支援の研修を担当しました

 2019年から年2回、東京産業保健総合支援センター(さんぽセンター東京)の産業医研修会のお手伝いをしております。今回のテーマ、復職支援は2022年3月、2023年3月に続い…

首尾一貫感覚(SOC)と復職支援(JES通信【vol.178】2024.3.12.ドクター米沢のミニコラムより)

 今回の記事はすでにnoteに掲載したもの(資料1)をJES通信コラムのために加筆したものです。内容は基本的に同じです。ご了承ください。  先月のJES通信vol.177…

産業ストレス学会発表:外部EAPの内面化が企業の問題対応能力向上に寄与

 当社中部支社のカウンセラー、夏目こころが、2023年12月の第31回日本産業ストレス学会(資料1)にて「企業における外部EAPの内面化のプロセス検討」と題して一般演題…

産業オープンダイアローグ研究会2023報告

 産業オープンダイアローグ研究会(勉強会)の報告をまたまたさぼっておりました。2023年5月に第1回勉強会の報告をして以来になります。2023年度は以下のような内容で6…

人は、目に見えないものは信じにくいのか

1.感染の二極化 この冬の流行(いわゆる第10波)は2月初旬にピークアウトしたようですが(資料1)、みなさんの周囲では「体調不良」でお休みされる方、あるいは無理…

フジEAP健康経営実践研究会で講演

 2月に行われた株式会社フジEAPセンターの健康経営実践研究会で、オープンダイアローグの紹介をしてきました。 -------------------------------------------------…

産業ストレス学会発表:首尾一貫感覚が復職継続の指標になる可能性

 2023年12月に行われた日本産業ストレス学会では、当社から米沢を含め3人が登壇しましたが(資料1)、今回は組織コンサルテーションチーム槇本英典による一般演題発表の…

震災とコロナ5度目の冬(JES通信【vol.177】2024.2.13.ドクター米沢のミニコラムより)

1.震災後のメンタルヘルス 能登の震災から1ヶ月が過ぎました。当初は被害の全貌がなかなか明らかになりませんでしたが、日を追って入ってくる映像や情報に愕然とした…

埼玉いのちの電話研修講師:自死問題への取り組み

▼埼玉いのちの電話に関わるようになった経緯  2023年11月、今年度も電話相談員の研修で、自死(自殺)の講義を行ってきました。  社会福祉法人埼玉いのちの電話のお手…

2024年冬における抗原検査キットの活用

▼コロナの動向と抗原検査の意義○コロナの動向  研究所noteでは新型コロナウイルスに関する情報も定期的に取り上げてきました。この冬もこの冬も12月から増え始め、年…

副所長のフィンランド視察記(2024年度第1回産業OD勉強会)

副所長のフィンランド視察記(2024年度第1回産業OD勉強会)

 2024年度の第1回産業オープンダイアローグ勉強会を4月25日にオンライン開催しました。年度初めでみなさんお忙しかったのか参加者は6名でした。
 今回は副所長の春日が話題提供しました。我々が取り組んでいるオープンダイアローグは、フィンランドの西ラップランド地方にあるケロプダス病院で生まれましたが、昨年、ケロプダス病院は地域の医療センターに吸収され、その役目を終えたとのことでした。その辺の事情も含

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学会参加報告:交流分析学会2024その2 講習会

学会参加報告:交流分析学会2024その2 講習会

 交流分析学会2024の2日目は講習会でした。1日目はこちらをご覧ください。天気が良くてよかった!

【門本先生の「関係性交流分析」】▼寝坊!遅刻!!

 2日目は完璧に寝坊して1時間遅刻!ワークショップだから途中からは入れてくれないんじゃないだろうか!?とドキドキしながら会場に向かったけれど、教室入り口の前を通ったら、わざわざ大会長が廊下に出て迎え入れてくださいました。感謝。
 午前の講師は大正

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学会参加報告:交流分析学会2024その1

学会参加報告:交流分析学会2024その1

 私の専門の一つ、交流分析の学会に参加してきました。自分の研究発表は無し。RC(後述)の発表を考えていたのですが、準備が間に合わず。
 江戸川大学は初めて訪問しました。流山市の新興住宅地にある、こぢんまりとしつつも広々としたキャンパス。東京ではオフィスビルのような大学が増えましたが、昔ながらの大学らしい大学だなと思いました。

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【申込開始】公開型オンライン研修(管理職のためのメンタルヘルス・ラインケア研修、ハラスメント対策研修)

【申込開始】公開型オンライン研修(管理職のためのメンタルヘルス・ラインケア研修、ハラスメント対策研修)

 当社では「管理職に研修を受けさせたくても対象者が少なく、毎年の実施が難しい」「業務上、一度に人数を集めづらいが、複数回開催するとコストがかさむ」などのお困りの声にお応えして、公開型オンライン研修を毎年行っております。
 昨年度好評だった管理者向けのメンタルヘルス・ラインケア研修とハラスメント対策研修の2種を今年度も実施いたします。

 本研修の特徴は、事例を通じて理解を深め、具体的な対応方法を

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JES契約企業から85社が健康経営優良法人に認定

JES契約企業から85社が健康経営優良法人に認定

 今回は「JESからのお知らせ」から転載です。

 2024年3月11日付で経済産業省と日本健康会議から発表された「健康経営優良法人2024」において、当社(ジャパンEAPシステムズ)の契約企業のうち85社が健康経営優良法人の認定を受けました。

 認定企業の内訳は以下の通りです。

<グラフ>

 この結果は、ひとえに各企業様における日頃からの健康経営への取組みの賜物であり、改めて敬意を表します

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改めて「共存共栄」を思う(JES通信【vol.179】2024.04.10. Mr.榎本の徒然ダイアリーより)

改めて「共存共栄」を思う(JES通信【vol.179】2024.04.10. Mr.榎本の徒然ダイアリーより)

 今回は当社社長、榎本正己が半年に1回JES通信に執筆しておりますコラムを転載します。

Mr.榎本の徒然ダイアリー ─────── 改めて「共存共栄」を思う

 皆様こんにちは。
 ジャパンEAPシステムズの榎本です。
 4月と10月は、私が徒然なるコラムを執筆しております。

 先日、ある企業のEAP窓口の責任者であるS様が定年退職されました。その企業とのEAP契約の開始は18年前にさかのぼ

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さんぽセンター東京で復職支援の研修を担当しました

さんぽセンター東京で復職支援の研修を担当しました

 2019年から年2回、東京産業保健総合支援センター(さんぽセンター東京)の産業医研修会のお手伝いをしております。今回のテーマ、復職支援は2022年3月、2023年3月に続いて3回目です。

日時:2023年3月1日(金)14:00~16:00
研修名:復職支援の勘どころ(実地研修)
内容:うつ病や適応障害による休職者の復職支援、復職判定について、事例を踏まえ業務起因性精神疾患の考え方、休職者の

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首尾一貫感覚(SOC)と復職支援(JES通信【vol.178】2024.3.12.ドクター米沢のミニコラムより)

首尾一貫感覚(SOC)と復職支援(JES通信【vol.178】2024.3.12.ドクター米沢のミニコラムより)

 今回の記事はすでにnoteに掲載したもの(資料1)をJES通信コラムのために加筆したものです。内容は基本的に同じです。ご了承ください。

 先月のJES通信vol.177で、当社のリワークプログラムに関する産業ストレス学会での発表を紹介しました。この内容を少し詳しく解説した記事を、産業ダイアローグ研究所noteに掲載したところ(資料1)、短期間のうちに多くの方が見てくださり、関心の高さがうかがえ

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産業ストレス学会発表:外部EAPの内面化が企業の問題対応能力向上に寄与

産業ストレス学会発表:外部EAPの内面化が企業の問題対応能力向上に寄与

 当社中部支社のカウンセラー、夏目こころが、2023年12月の第31回日本産業ストレス学会(資料1)にて「企業における外部EAPの内面化のプロセス検討」と題して一般演題発表を行いました。

▼研究の目的、方法

 ある企業において、通常のEAPサービス(電話・メール・面接相談)とカウンセラーによる企業訪問(派遣相談)を組み合わせた形式での休職復職支援を約7年間にわたり実施し、従業員だけでなく、上司

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産業オープンダイアローグ研究会2023報告

産業オープンダイアローグ研究会2023報告

 産業オープンダイアローグ研究会(勉強会)の報告をまたまたさぼっておりました。2023年5月に第1回勉強会の報告をして以来になります。2023年度は以下のような内容で6回実施しました(zoomによるオンラインのみ)。

 いずれもエキサイティングで面白かったのですが、内容が多岐に渡り過ぎて、米沢が文章にまとめきれなかったというのが正直なところです。講義や会議と違ってそれぞれが感じたことを言葉にして

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人は、目に見えないものは信じにくいのか

人は、目に見えないものは信じにくいのか


1.感染の二極化 この冬の流行(いわゆる第10波)は2月初旬にピークアウトしたようですが(資料1)、みなさんの周囲では「体調不良」でお休みされる方、あるいは無理に出勤される方も少なくないのではないでしょうか。一部ではコロナの抗原検査で感染を確認し、療養される方もいますが、「風邪くらいでは休まない」という考えが復活したのかもしれません。
コロナ病棟のドクターの話を聞くと、この冬はコロナの肺炎が増え

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フジEAP健康経営実践研究会で講演

フジEAP健康経営実践研究会で講演

 2月に行われた株式会社フジEAPセンターの健康経営実践研究会で、オープンダイアローグの紹介をしてきました。

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講演名:フジEAP 2023年度 健康経営実践研究会
    繋がること。話すこと。
    ~ 2 on 1 ミーティングでメンタルヘルス対策を見直す ~
日 時:20

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産業ストレス学会発表:首尾一貫感覚が復職継続の指標になる可能性

産業ストレス学会発表:首尾一貫感覚が復職継続の指標になる可能性

 2023年12月に行われた日本産業ストレス学会では、当社から米沢を含め3人が登壇しましたが(資料1)、今回は組織コンサルテーションチーム槇本英典による一般演題発表の内容をご紹介します。

演題名:メンタルヘルス不調により休職した労働者を対象とした1か月間のEAPリワークプログラムの復職準備性および復職継続への効果
発表者・共同演者:槇本英典1)、榎本正己1)、清野俊充1)、吉田耕平1)、安原京

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震災とコロナ5度目の冬(JES通信【vol.177】2024.2.13.ドクター米沢のミニコラムより)

震災とコロナ5度目の冬(JES通信【vol.177】2024.2.13.ドクター米沢のミニコラムより)


1.震災後のメンタルヘルス 能登の震災から1ヶ月が過ぎました。当初は被害の全貌がなかなか明らかになりませんでしたが、日を追って入ってくる映像や情報に愕然とした方も少なくないのではないでしょうか。地盤が4m(二階建て住宅の高さ)隆起したとか、海岸線が数百m沖に動いたなど、想像を絶する事態に言葉を失いました。

▼被災者の回復の二極分化

 大災害が起きた時、まず自分の命を守り、可能な範囲で救助に動

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埼玉いのちの電話研修講師:自死問題への取り組み

埼玉いのちの電話研修講師:自死問題への取り組み

▼埼玉いのちの電話に関わるようになった経緯

 2023年11月、今年度も電話相談員の研修で、自死(自殺)の講義を行ってきました。
 社会福祉法人埼玉いのちの電話のお手伝いを始めたのが1991年ですから、もう30年以上のお付き合いになります。電話相談員の研修で自死について講義をしてもらえないか、と声をかけられたのがきっかけでした。私は筑波大学の大学院で稲村博先生に指導を受けました。稲村先生は日本の

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2024年冬における抗原検査キットの活用

2024年冬における抗原検査キットの活用


▼コロナの動向と抗原検査の意義○コロナの動向

 研究所noteでは新型コロナウイルスに関する情報も定期的に取り上げてきました。この冬もこの冬も12月から増え始め、年明けから急拡大しています(資料1)。オミクロン系になって感染力はインフルエンザの3倍などとも言われており、この冬も多くの方が感染する可能性があります。何とか賢く乗り切りたいものです。

○抗原検査は自分の感染を確認し、他人にうつさな

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