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旅「Memories」

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旅の記憶をまとめています。
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ハワイ命③パールハーバー 零からの未来

ハワイ命③パールハーバー 零からの未来

オアフ島の或る木の下で、セラピーを受けていた。
それはセラピストの語りかけで深層心理まで下りていき、自分の問題点と、目標達成の方法をさぐろうという瞑想である。

腰を下ろすと両足へ、ドクドク地面の鼓動が伝わってくる。
合鴨の親子が、前後になって水面をすすむ。
自然の音・・・耳を澄まして、葉っぱが風に揺れる音を聴く。
目を閉じて、ゆっくりと深呼吸を始める―――

(わたしの真の使命を果たすため、いま

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ハワイ命②「こだわらない」わたしの「こだわり」 オプショナルツアー

ハワイ命②「こだわらない」わたしの「こだわり」 オプショナルツアー

ハワイではオプショナルツアーを利用する。というよりも、滞在中はそれに頼りきりになる。

なぜなら、わたしは年季の入ったペーパードライバーだからだ。自分でレンタカーを借りる度胸などない。

(ちなみにオプショナルツアーとは、ドライバー兼ガイドさんが案内してくれる、数時間とか半日とか一日単位のツアーのことをいう)。

州都ホノルルがあるオアフ島でも、観光に使える公共交通機関は、日本的な感覚ではおよそ使

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ハワイ命①想いをつたえる プロローグ

ハワイ命①想いをつたえる プロローグ


いのち。
「聖子命」「奈保子命」「明菜命」
アイドル親衛隊が、そう書かれたハチマキをつけて、熱烈に、そしてときに過激な応援をしていた時代に、大きくなった。

そんな世代だからだろうか、「推し」という言葉に、わたしはどうも馴染めない。「命」のほうが、気持ちにしっくりきてしまう。

言葉が変われば、もののとらえ方も変わっていくのだ。
あるいは、意識が先に変わって、言葉が変わっていくのだろうか・・・?

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ささやかな復讐---異邦人(イギリス ハワースへの旅)

ささやかな復讐---異邦人(イギリス ハワースへの旅)

これは、わたしが若かったころの旅の思い出である。忘れてしまう前に形にしておきたく、ここに記しておこうと思う。

その人に会ったのは、ヒースの花の終わる季節。
『嵐が丘』の舞台へ向かうバスの中でのことだった。
ロンドンの或るターミナル駅近くから出発する、長距離バス(Coachコーチ)での出来事だ。

朝8時とか9時ぐらいだっただろうか。わたしはコーチに乗り込んで、発車時刻を待っていた。
車内がだんだ

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人生は思い出でできている❷英国ランズエンド(Land's End)

人生は思い出でできている❷英国ランズエンド(Land's End)

イギリスの西の終着駅ペンザンス(Penzance)を起点にして、ランズエンド(Land’s End)を目指す旅の続き。

”地の果て”ランズエンドは、イギリス最西端の岬のことだ。そこへ連日、結果的に3度おとずれることになった。
あ、いや、正確にはそのうちの1度は未遂・・・なので、2度というのが正しい。

最初は、かの有名なガイドブック、『地球の〇〇方』を参考にした。
「バスを降りて、海ぞいの道を歩

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人生は思い出でできている❶英国セント・マイケルズ・マウント

人生は思い出でできている❶英国セント・マイケルズ・マウント

イギリスの西の端に、”地の果て”を名にもつ岬がある。
ランズエンド(Land's End)という岬のことだ。

30年ほどむかし、クリスマス前にロンドンを発って、ランズエンドを目指す旅をした。

やがて、車窓を流れゆく景色が海辺がちになる。
金色の光が照らす夕暮れどき、エクセターを過ぎた。
トーキーで1泊。そしてプリマスでも1泊。
途中の町で下車して、B&B(朝食つきの、こじんまりした宿)に泊まり

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