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塾なし中学受験の話

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轍(わだち)とは、人生の足跡、歩んだ道のり| 塾をやめ家庭学習で中学受験をした記録
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受験は入口に過ぎない【中学受験】

受験は入口に過ぎない【中学受験】

中学受験で志望校に合格をいただいた後のお話。

「もう切り替えなさい」と、怒る低い声が聞こえた。

4月から通う中学の制服や備品購入のために学校に訪問していた時のことだった。

広い体育館には、サイズサンプルの体操着や靴、備品がブースごとに並べられていた。
サイズを確認する親子やどっちにするか相談をしている親子、同じ小学校の友達だろうか、仲良く話している親子連れ。

体育館の中は中学受験を戦い抜き

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最後の文化祭

最後の文化祭

今年、娘の学校で文化祭が開催された。

コロナでオンライン配信での文化祭が続いていて、3年ぶりにやっと学校での対面開催となった。
事前に予約した日程で、人数制限あり時間制限ありの開催だったけれど、
それでも通常開催できて本当に良かったと思う。

娘にとっても最後の文化祭となったから。

来年は高校3年生になり、いわゆる受験期に入る。
文化祭には、創作する側での参加は無く、保護者と同じ観覧する側とな

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和室をパパ塾にする

和室をパパ塾にする

うちはマンションでよくある間取りだ。
当時、リビングに隣接している和室を子ども部屋にしていた。

小学1年生になった時に学習机を購入すると、自分の部屋が欲しいと娘が言い出した。
本当はそうするつもりでいたのだが、子ども部屋にしようとしていた部屋は、夫の仕事部屋になっていた。
天井まで積みあがった本の数と数台のパソコンの入れ替え作業を考えるだけで億劫になり、6年生のこの時も和室が子供部屋のままだった

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競争心がエンジンをかける

競争心がエンジンをかける

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平日の朝、7時半。
「ママ、時間だよ~!」
と娘の声が、聞こえてきた。

私は、食べ終わったばかりの朝食の食器を片付けながら
「はい」と返事をする。

濡れた手を拭きながらリビングへ行くと
娘は、リビング横の自分の机に座っている。
夫はダイニングテーブルのいつもの席に、
私は慌てて夫とは対角線上に座った。

目の前には白いプリント1枚。
そして鉛筆と消し

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家庭学習で中学受験を目指す

家庭学習で中学受験を目指す

塾をやめてからはどうだったかというと…

私は、中学受験のことをどうするかずっと考えていた。

今まで友達と遊ぶことも我慢して頑張って来た娘。

ここで終わりにしていいのか?

それは夫も同じ考えだった。

娘は?
塾を行っていたことを忘れたように毎日友達と遊ぶ約束をして帰って来た。
それはそうだ、今まで何度となく断ってきたのだろうから。

私より夫の方が今まで頑張って来たのに、という思いが強かっ

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塾をやめた理由

塾をやめた理由

娘が小学6年生になったばかりの5月、塾をやめた。

中学受験をするべきなのかさえ見失った春、塾に娘の気持ちを打ち明けた。
受験をするかどうか、一旦リセットして考えてみます、と。

塾には面白い先生がいるんだよ、と娘から話は聞いていた。
成績のことを除いたら、塾に通うこと自体は、学校生活の延長のようで娘は楽しかったのだと思う。
塾に入ると良い雰囲気だなと感じるのは、生徒と先生の距離感。
通っていた塾

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塾のために必死に教えるってなんだ?

塾のために必死に教えるってなんだ?

我が子とは言え、教えるって本当に難しい。
感情的になってしまい、冷静でいられない。

家の中は、ぎくしゃくしていた。

そして娘から一言。

「どうして受験したいって言ったのか、自分でも分からない」

それがきっかけでスタートした我が家の中学受験。
(その時の詳細はこちら)

受験する娘本人が、迷っている。

受験するかどうかも含めて、もう一度家族でこれからの事をじっくり考える必要があった。

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塾に通い続ける意味とは

塾に通い続ける意味とは

塾に行き始めて半年も経つと、歪みが生じ始める。

塾で使用していたテキストは、四谷大塚の教材と塾独自のテキストやプリントだった。

四谷大塚といえば、有名な予習シリーズ。

理想は、塾に行く前に予習をして、塾で学び、その日に復習して理解することが望ましい。

しかし、うちはまったく出来ていなかった。

正確にいうとやる時間が無かったのだ。
予習はできないまま塾へ通っていた。

塾は、国語、算数、理

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文化祭での出来事で覚悟を決めた私

文化祭での出来事で覚悟を決めた私

夏休み明けに学校説明会にようやく参加した私たちは、その勢いで気になった学校へ次々と足を運んでいた。

スケジュールが可能であれば積極的に参加した方が、各学校の特色の違いが明確になったし、比較することもできた。

正直、説明会に参加する人数を見て人気のある学校が一目瞭然だった。

秋になると学校説明会に加えて文化祭も開催され始める。

土日開催の文化祭には、夫も含め親子で参加した。

当たり前なのだ

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服装は清潔感あるもので

服装は清潔感あるもので

9月の中旬、申し込みをした私立の中高一貫校の学校説明会の日が迫っていた。

(洋服って何着ていけばいいのかな?)
ふと疑問に思う。

中学受験を見据えて、小3から塾に行かせている男の子のママ友がいた。

中学受験に関しては、情報量も学校説明会の経験もかなりの先輩だ。

保護者と子ども、どんな服を着て説明会に来ているのか、彼女に聞いてみた。

「スーツの人もいるけど、きれい目な恰好なら浮かないと思う

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習いごとの一つのような塾生活

習いごとの一つのような塾生活

塾生活の始まり塾の春期講習は、春休みも終わる3月28日から
一週間で終わった。

小学校の春休みは学年も変わるし、
夏休みのような宿題も無く、
プールのような活動も何もない。

塾をスタートするには、時間的に余裕がある時期だったと思う。

友達と一緒に学校へ行く感覚、そんな感じを娘は持っていたようだ。
春休みに塾をスタートし、楽しそうに通っていたのでやめる理由もなく、
小5になってもそのまま通塾し

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通う塾を決めてから知る「中学受験」

通う塾を決めてから知る「中学受験」

個別塾と集団塾の見学私が見る限り、娘は学校の勉強に遅れている様子は無かった。

塾に行きたいという娘に対して、
「塾に行ってまで勉強しなくていい」
なんて言う理由も、私には見つからなかった。

自分から学びたいのなら是非学んでほしい!
と思うのが、親心だ。

娘に聞くとお友達の塾は駅前にある「〇〇塾」というだけ。

塾に行かせる気持ちなど全く無かった私は、
駅前にあるというその塾を探しに行くことか

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中学受験塾に行くことになったきっかけ

中学受験塾に行くことになったきっかけ

娘が、小学4年生も終わるという春休みのことだった。

「友達が行ってる塾に行きたい」

お友達の名前を聞いて驚いた。

普段良く遊んでいる子ではなかったからだ。

同じクラスの「頭のいい子」としてよく名前があがる子だった。

その子と同じ塾に行きたいと突然言い出したのだ。

春休みが終われば小学5年生。

塾に行っている子もちらほら耳にしていた。

「学校の授業に遅れていて、遅れを取り戻すために塾

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家庭学習で中学受験した話

家庭学習で中学受験した話

はじめに我が家の中学受験は、計画していたものではなかった。

娘の「お友達と同じ塾に行きたい」の一言から中学受験が始まった。

当時、受験の記録としてインスタグラムで受験アカウントを始めたのだが、時間的余裕も、気持ちの余裕も正直全くなかった。

時々更新するのが、やっとだった。

その時繋がっていた人達は、ほとんどが大手や個別塾に通っていた。
塾をやめて家庭学習で中学受験をする我が家には、ちょっと

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