安戸 染

自分が面白いと思うもの書きます。

安戸 染

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記事一覧

You know me (第5回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

見返した日記には、一ページだけ意味のわからない箇所がある あれ? あ、やべ。 これ、違うやつだった。 違うの持ってきちゃった。 そうだ。 座右の銘だ。 とはいえ私、 …

安戸 染
3日前
7

真・ホーチエンキョム(イグ13FC6 エイプリルエディション 本当の提出作品)

これより先は有料です。 金を払えって言ってるんです。

300
安戸 染
1か月前
2

ホーチエンキョム(イグ13FC6 エイプリルエディション提出作品)

仮面ライダーアクセル的にいうなれば 59分59秒、 それが貴様らの絶望までのタイムだ、 つまり 以上でも以下でもない。 ジャスト59分59秒、 余すことも過ぎることも許さぬ。…

300
安戸 染
2か月前
2

たしばり (春の星々140字小説コンテスト応募作品③)

畑番になりたい福田さんは描いている。 猫界で畑番になるには 螺鈿に雷を蓄え細かくしたものを 鼻に蕾で留めておかなければならないのだけれど この町でそれをしようとする…

安戸 染
2か月前
3

祈り (春の星々140字小説コンテスト応募作品②)

この細い糸の一本一本がどれほどの旅をして来たのだろう。 精錬を終えた絹糸を前に 失敗できないと気を引き締める。 日本茜から頂く赤は太陽の色、祈りの色。 流れてきた多…

安戸 染
2か月前
1

ドライフラワー (春の星々140字小説コンテスト応募作品①)

食が細くなった。 最近の外食ではご飯少なめでお願いをする。 食が命の根源という説には概ね賛成で 確かに生物としてのピークを過ぎた感はある。 しかし悪いものではない。…

安戸 染
2か月前
1

村上春樹とSF論

春です。 文学していますか。 春に文学ときたら 村上春樹さんを連想するのは あながち間違いではないのかもしれません。 紅葉といえば鹿、 柳といえば銀座 月といえば墨田…

安戸 染
2か月前
12

ロケット

連続した成功体験で勝ち癖を付け運を引き寄せる。 当時はよく※自分チャレンジを行なっていた。 ※少しの頑張りで達成できるところを目標とし最後までやり遂げる事で冒頭…

安戸 染
2か月前
7

接着 (第4回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

中いなく悪おなんその下足おはてしまれかおに方様皆の場来ご ・・・ え? 文章って左上から書くの? 何そのルール、初めて聞いた。 習った?本当に? 全然記憶にないんだけ…

安戸 染
3か月前
18

クリエイトということ

よーし、羅列するぞぉ! ラ・レッツ! という事で 突然では御座います ラとルとレは高貴な感じを お手軽に出せてしまうという 魔法のような文字なのです。 ル・マンド然り…

安戸 染
3か月前
6

SETSUBUN 2045

2045年、人類は機械と肉体の細胞レベルでの融合を可能にした。 20年ほど前より科学者たちの間では 豆と人のシナジーが鬼を退かせる 何かしらの未知のエネルギーを産むので…

安戸 染
4か月前
4

2025 節分

耳をすませば遠くから聞こえてきませんか? 心に響く激しいあのビートが。 魂を震わせるあのシャウトが。 鬼は外 'n 福は内。 まもなく節分。 備えあれば憂いなし。 豆さ…

安戸 染
4か月前
8

ブンゲイドンジャラ2 提出作品4作

喜怒哀楽でそれぞれ1作ずつ。 喜 らーららら♪ ららららららら♪ らーらららー♪ ららららららん♪ らーららららー♪ 怒 馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にし…

安戸 染
4か月前
3

冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その3

「マダレム!」 敵を前に呪文を唱えた。 今、僕は課された試練に挑んでいる最中で きっとこいつがラスボス。 呪文の手応えは十分にあったが、はたして… 赤い丸が出現!よ…

安戸 染
4か月前
2

冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その2

むしろ私だけが問える。 私は私以外が問う事を認めない。 問う。 父よ、母よ なぜなのですか?と。 父、貴方は広長治。 母、貴女は広高子。 広い。 長い。 高い。 それ…

安戸 染
4か月前
1

冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その1

冬の空が広いのは何でだろう。 今日の星がやけにきれいなのは何でだろう。 きれいなほど悲しくなっちゃうのは 何でだろう。 星の数ほどある星。 どれか一つくらいは吸い込…

安戸 染
4か月前
2
You know me (第5回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

You know me (第5回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

見返した日記には、一ページだけ意味のわからない箇所がある

あれ?
あ、やべ。
これ、違うやつだった。
違うの持ってきちゃった。

そうだ。
座右の銘だ。
とはいえ私、
座右の銘のない生涯を送ってきました。
これを機に心を改めて
銘ってみようかなと思う次第で御座います。
ああ、そうだ。
一つ一つ慎重にやっていくとしよう。
さしづめ
千里の道も一歩から、
百里の道も一足から、
悪事千里を走る、
箱根

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ホーチエンキョム(イグ13FC6 エイプリルエディション提出作品)

ホーチエンキョム(イグ13FC6 エイプリルエディション提出作品)

仮面ライダーアクセル的にいうなれば
59分59秒、
それが貴様らの絶望までのタイムだ、
つまり
以上でも以下でもない。
ジャスト59分59秒、
余すことも過ぎることも許さぬ。
それがルールだ。
そしてここでは俺がルールであり正義だ。
貴様らに人権はない!
分かったかクズども!
という企画らしいので頑張ります。

という書き出しに至るまで
書いては消し、書いては消しを繰り返して
もうだいぶ時間を使い

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たしばり (春の星々140字小説コンテスト応募作品③)

たしばり (春の星々140字小説コンテスト応募作品③)

畑番になりたい福田さんは描いている。
猫界で畑番になるには
螺鈿に雷を蓄え細かくしたものを
鼻に蕾で留めておかなければならないのだけれど
この町でそれをしようとすると
やれ異獣だ、やれ瘤猫だ
などといわれてしまう。
だから
あれこれと思慮をめぐらせた福田さんは
錨で苗をたくさん描くことにしたのだ。

https://x.com/hoshiboshi2020/status/1774389502028

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祈り (春の星々140字小説コンテスト応募作品②)

祈り (春の星々140字小説コンテスト応募作品②)

この細い糸の一本一本がどれほどの旅をして来たのだろう。
精錬を終えた絹糸を前に
失敗できないと気を引き締める。
日本茜から頂く赤は太陽の色、祈りの色。
流れてきた多くの時間と生命を想う。
「あぁ…いらっしゃったのですね…」
静謐を乱してしまうのをおそれ
私は息を止めたまま綛を澄んだ染液に浸す。

https://x.com/hoshiboshi2020/status/177438950202868

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ドライフラワー (春の星々140字小説コンテスト応募作品①)

ドライフラワー (春の星々140字小説コンテスト応募作品①)

食が細くなった。
最近の外食ではご飯少なめでお願いをする。
食が命の根源という説には概ね賛成で
確かに生物としてのピークを過ぎた感はある。
しかし悪いものではない。
心身から脂や水やあくが抜け
ゆっくり枯れていくのはむしろ心地良さを覚える。
人生の後半、幸せとは何かを理解し始めている気がする。

https://x.com/hoshiboshi2020/status/177438950202868

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村上春樹とSF論

村上春樹とSF論

春です。
文学していますか。

春に文学ときたら
村上春樹さんを連想するのは
あながち間違いではないのかもしれません。
紅葉といえば鹿、
柳といえば銀座
月といえば墨田の屋形船
のそれと同じ構造ですので。

ところで初めまして。
僕の名前は村上春樹です。
こんにちは春樹です。
よかったらプロフィール見てください!
みたいな。
あーあー!言わないで。
皆まで言うな。
大丈夫です。
分かっています。

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ロケット

ロケット

連続した成功体験で勝ち癖を付け運を引き寄せる。

当時はよく※自分チャレンジを行なっていた。
※少しの頑張りで達成できるところを目標とし最後までやり遂げる事で冒頭の効果を得んとする自己鍛錬法。

数多の戦いで記憶に残っているものは
『CoCo壱の10辛を1ヶ月で食べられるようになる』
だ。
この戦いで
人は痛みに慣れる生き物である事を知る。
1.2.3.4.5.6.7.8.9.9
からの
10!

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接着 (第4回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

接着 (第4回 私立古賀裕人文学祭 応募作品)

中いなく悪おなんその下足おはてしまれかおに方様皆の場来ご
・・・
え?
文章って左上から書くの?
何そのルール、初めて聞いた。
習った?本当に?
全然記憶にないんだけど。
でもまあそういう事ならやり直します。

ご来場の皆様方におかれましてはお足下のそんなお悪くない中、このようにしてお集りいただき、誠にありがとうございます、只今ご紹介にあずかりました古賀でございます、
・・・
え?
違う?
僕、古

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クリエイトということ

クリエイトということ

よーし、羅列するぞぉ!
ラ・レッツ!

という事で
突然では御座います
ラとルとレは高貴な感じを
お手軽に出せてしまうという
魔法のような文字なのです。
ル・マンド然り、
パン・オ・レ・ザン然り、
デ・ラ・ソウル然り、
ラ・ル・クアンシエ・ル(高貴すぎ)然り、
ラ・ン・ラ・ン・ルー(高貴の極み)然り。

単語に付けるだけで
誰にでも簡単に出来てしまいますので
どんどんやったらいいと思うのです。

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SETSUBUN 2045

2045年、人類は機械と肉体の細胞レベルでの融合を可能にした。

20年ほど前より科学者たちの間では
豆と人のシナジーが鬼を退かせる
何かしらの未知のエネルギーを産むのでは?
と推測されているが、
未だそのメカニズムは解明されていない。
しかし鬼に豆が効くのは変わらない事実だ。
見ろ、あの鬼どものザマを。
残るは赤と青のデカい数体だけだ。

科学の発展。
人類の叡知。
精神と身体。
機械との融合。

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2025 節分

2025 節分

耳をすませば遠くから聞こえてきませんか?
心に響く激しいあのビートが。
魂を震わせるあのシャウトが。
鬼は外 'n 福は内。

まもなく節分。
備えあれば憂いなし。
豆さえあればお構いなし。
豆の準備はお済みですか?

そもそも何で豆?
豆で鬼が倒せるのか?という事ですが
答えはイエス。
今の世の中、兵器は数あれど
それでも鬼には古より伝わる豆なのです。

…厳しい事実を申し上げますと
他に手が無

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ブンゲイドンジャラ2 提出作品4作

ブンゲイドンジャラ2 提出作品4作

喜怒哀楽でそれぞれ1作ずつ。


らーららら♪
ららららららら♪
らーらららー♪
ららららららん♪
らーららららー♪


馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿にしやがって。馬鹿

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冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その3

冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その3

「マダレム!」
敵を前に呪文を唱えた。
今、僕は課された試練に挑んでいる最中で
きっとこいつがラスボス。
呪文の手応えは十分にあったが、はたして…
赤い丸が出現!よしっ!倒せた!


【かんじてすと】
( )のなかをかんじにしましょう。
(ひろ)いそら。
ひろ、ひろ、ひろ
まだれにムで広。
マダレム。

冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その2

冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その2

むしろ私だけが問える。
私は私以外が問う事を認めない。
問う。
父よ、母よ
なぜなのですか?と。

父、貴方は広長治。
母、貴女は広高子。

広い。
長い。
高い。

それだって微妙です。
境界線での攻防。
過去にそこに触れた人もいたでしょう。
でしたら余計になぜ?

なぜ私の名前は
広広(ひろひろし)なのですか?

冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その1

冬の星々140字小説コンテスト 応募作品その1

冬の空が広いのは何でだろう。
今日の星がやけにきれいなのは何でだろう。
きれいなほど悲しくなっちゃうのは
何でだろう。
星の数ほどある星。
どれか一つくらいは吸い込めるかもって
深呼吸してみたのだけれど
星は変わらずそこで瞬いていて
やっぱり僕は無力なまま。
ぽたんぽたんと足元に星が産まれた。