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【レビュー】大松達知『ばんじろう』(六花書林)
先にかりんの先輩・丸地卓也さんのブログでもレビュー(https://fuyuubutu.blogspot.com/2024/02/blog-post.html)があった大松達知さんの歌集。収録歌数は五百首を超えて…
【レビュー】大松達知『ばんじろう』(六花書林)
先にかりんの先輩・丸地卓也さんのブログでもレビュー(https://fuyuubutu.blogspot.com/2024/02/blog-post.html)があった大松達知さんの歌集。収録歌数は五百首を超えておりとても気合の入った一冊という印象でした。僕は大松さんと同じ英語の教員なので、大松さんの歌集は「ことば」に触れるときの誠実さや、ある意味生徒と同じような好奇心に満ちた目線にすごく注目して
もっとみる【レビュー】富田睦子『声は霧雨』(砂子屋書房)
昔から何かとお世話になりっぱなしの、富田睦子さんの第3歌集。直近ではNHK全国短歌大会の予選選者でご一緒させていただきました。
今回の歌集で色濃く現れているのは、思春期の娘さんに向き合っている母親の顔。僕も教員としてこの世代の子どもたちには常日頃から接しているわけですが、より近いところで、しかもたったひとりの娘さんの心や身体と真摯に向き合っている歌を読むと、身につまされるものがあります。自分が同
【レビュー】正岡豊『白い箱』(現代短歌社)
正岡豊さんの歌に初めて出会ったのは、まだ高校生のころ。出会った、と言っても当時は入手困難だった『四月の魚』(現在は「現代短歌クラシックス」で復刻版が出ている)を読んだわけではなく、ある入門書に掲載されていたこの作品に、ただただ衝撃を受けたという出会いでした。
当時も今もうまく説明できないんですけど、この歌にすごく悪魔的な魅力を感じたのをよく覚えています。あるいは寓話的とも言えるような、少し幼い世
フェイク(50首) 第三回笹井宏之賞応募作品
先日発売された短歌ムック「ねむらない樹-vol.6」に、第三回笹井宏之賞応募作の10首抜粋が掲載されました。選考委員、ならびに関係者の皆さま、ありがとうございました。
これまで新人賞の応募作公開はほとんど行っていませんでしたが、この作品は自分でもいい意味で「あまり作りこまれていない」作品であり、そういう意味で以前の投稿時代の歌のように気軽に読んでもらいたいなと思ったので、noteにて全50首を公
食をうたうー『異国』Vol.3
ーーさて、どうしたものか、と思う。
「食」は短歌だけでなく、あらゆる文芸における重要なテーマだ。現代社会における生活と密接に結びついているという部分が大きいだろう。芸能人やレポーター、グルメ記者等は味を詩的に表現することが求められている。多くの作家が「食」をテーマにするエッセイやルポルタージュを書いてきたし、それらはすべからく「文化」や「民族」といった難しい問題を問いかけてくるものであった。
言語をうたうー『異国』vol.2
ポルトガル語が話されている国々には太陽が良く似合います。リスボン、リオデジャネイロ、サルヴァドールの街並みと海岸の夕陽はあまりにも美しい。(…中略)南米大陸のブラジル、アフリカ大陸のアンゴラやモザンビーク、大西洋、インド洋や太平洋の島々でポルトガル語が話されたり公用語になっているのは、ポルトガルの海外発展の結果です。
…ポルトガル語が定着したといいましても、世界のポルトガル語圏の人々が同じ発
異国をうたう、それぞれ
7月~8月にかけて、二つの短歌企画に参加した。結社の先輩である上條素山さんが中心となった、映画『タゴール・ソングス』応援企画短歌ネプリと、『あおなじみ』でもお世話になっている鈴木智子さんがTwitter上で呼びかけていた短歌同人『異国』である。小さいころから外国に人一倍あこがれが強かった僕にとって、どちらもとても興味深い企画だった。
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以下の作品は『タゴール・ソングス』応援企
「かりん」2020年5月特集号を読む【番外編】若手座談会風レポート(後半戦)
※前半戦は6/11投稿の記事をご覧ください。
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【碧野みちる:10首目】
薬効が切れ卒倒するわたくしの此処がロボットプラネットユートピア
郡司:初読のときは深く鑑賞できそうだったけれど、調べたら「ロボットプラネットユートピア」の元ネタは音楽ゲーム(CHUNITHM)の楽曲名だと知って、どう解釈すればいいか分からなくなった。音ゲーしすぎて倒れちゃっ
「かりん」2020年5月特集号を読む【番外編】若手座談会風レポート(前半戦)
2020年5月11日、オンライン会議ツールを用いて、「かりん」所属の若手六名(郡司和斗、川島結佳子、貝澤駿一、碧野みちる、丸地卓也、小田切拓)による歌会が行われました。全員が出詠している「かりん」2020年5月号の特集を用いた歌会の中で、この議論をテキストに残して公開したら面白いのではということになり、実行することにしました。(公開場所が僕のnoteというのは他にもっとなかったのかと思わなくはない
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