Mayu

デザインリサーチャー。人文学修士(美学)→メーカーでインハウスデザイナー→🇫🇮Aalto…

Mayu

デザインリサーチャー。人文学修士(美学)→メーカーでインハウスデザイナー→🇫🇮Aalto大学大学院(IDBM/Design)。デザインという文化そのものに興味があります。フィンランドでの暮らしとデザインの気になったトピックを書いています。

マガジン

  • 【デザイン・美術】展示会の記録

    デザイン、美術関連の展示会の記録です。現在はフィンランド在住なので、フィンランド、ヨーロッパの展示会情報が主です。

  • フィンランドとデザイン

    フィンランドデザインについての学びや気づき。フィンランドデザインの歴史から、最新のデザインまで幅広く書いています。

  • フィンランドの暮らしと文化

    フィンランド大学院留学生の暮らし。単身フィンランドに渡航して、色々ありますが、なんとか毎日やっている日々の記録です。フィンランドの暮らし、女性一人でフィンランドに住むこと、大学院生の生活に興味がある方はよければご覧ください。

  • Aalto大学大学院でのデザイン学び直し

    Aalto University/ IDBM (International Design Business Management)でデザインを専攻しています。主に大学での学びや、デザインについての学び直しを記録しています。

記事一覧

Milano Design Week 2024の記録と雑感

こんにちは。フィンランドのAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 タイトルの通り、ミラノデザインウィークを見に行きました。ちょうど大学でEvaluatio…

Mayu
2週間前
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雪降る日に復活礼拝堂(Erik Bryggman設計)を再訪した

こんにちは、Mayuです。私は今フィンランドのAalto大学大学院にデザイン留学をしています。私のnoteではデザインとフィンランドでの日々について書いています。 先日、ト…

Mayu
5か月前
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フィンランド デザイン・建築博物館のこれまでとこれから

こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 以前の展覧会記録で少し触れたのですが、フィンランドのデザイン博物館と建築博物館が…

Mayu
5か月前
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Garden Futures展:大好きなデザイン博物館・建築博物館にあと何回いけるのか

こんにちは、フィンランドのAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 ヘルシンキのデザイン博物館と建築博物館で共同開催中の展示会、Garden Futures: Des…

Mayu
6か月前
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カイヤ・アーリッカ展:アーリッカの創設者、お茶目で可愛くて子どものような強い人

こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 先日、ヘルシンキのタイデハッリで開催されていた、カイヤ・アーリッカの展示を見てき…

Mayu
6か月前
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フィンランドの”今”が見つかるデザインギャラリー、LOKAL

こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。 ヘルシンキにはiittala、artek、marimekkoをはじめとしたデザインショップや、セカンド…

Mayu
6か月前
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【行き方解説付き】パイミオのサナトリウムの当時の暮らし。本当に"機能的"であるということ。

パイミオのサナトリウムはフィンランドの機能主義建築の代表作として、また建築家アイノ、アルヴァ・アールト夫妻の出世作としてよく知られています。パイミオのサナトリウ…

Mayu
7か月前
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Aalto大学でのデザイン修士を目指される方へ。IDBM(Design)の雰囲気や学んでいること。

こんにちは、Mayuです。私は今、フィンランド Aalto大学の修士課程、IDBM (International Design Business Management)でデザインを学んでいます。 10月も半ばに差し掛か…

Mayu
7か月前
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フィンランドの食文化について思うこと、ゼロウェイストレストランNollaと学食

先日、ヘルシンキのゼロウェイストレストラン Nolla(ノッラ)を訪れました。最初はゼロウェイストを実践しているレストランだとは知らなくて、何度か前を通りかかった時に…

Mayu
7か月前
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フィンランド最大の家具見本市、Habitare 2023

Habitare(ハビターレ)はフィンランドで開催される、国内最大規模のインテリア・家具の見本市です。フィンランドのブランドが主ですが、他国のブランドも出展しています。…

Mayu
7か月前
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ヘルシンキデザインウィーク2023

初めてのヘルシンキデザインウィーク訪問でした。メイン会場での展示に加えて、街中の店舗や施設でも130近くの関連イベントが行われています。 2023年度の全体テーマは O…

Mayu
8か月前
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フィン・ユールとデンマークの椅子展

東京都美術館で開催中の『フィン・ユールとデンマークの椅子』に行ってきました。タイトルの通り、フィン・ユールの作品だけでなく、デンマークのデザイン史を辿りつつ、そ…

Mayu
1年前
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ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで

東京都現代美術館で開催中の「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」 Jean Prouvé(ジャン・プルーヴェ)は、1901年フランス・パリ生まれ。金工職人としてキャリアを…

Mayu
1年前
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Dimore Gallery-ミラノサローネ2022

中央駅の西側エリアにある、ディモーレギャラリーの新拠点となるディモーレチェントラーレ。ミラノサローネと直接の関係はないですが、面白かったものです。 元々、このエ…

Mayu
1年前
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LOUIS VUITTON-ミラノサローネ2022

ルイ・ヴィトンはサンバビラ駅の近くにて展示。会場は、ジュゼッペ・デ・ミンが1939年に構想したパーキングビルで、現在はショッピングモールとなっているそうです。 オ…

Mayu
1年前
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karimoku case study-ミラノサローネ2022

カリモク家具のグローバルコレクション、「Karimoku Case Study」は本会場にブースを構えていました。 建築家の芦沢啓治さんがブルーボトルコーヒーのカフェとオフィス向…

Mayu
1年前
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Milano Design Week 2024の記録と雑感

Milano Design Week 2024の記録と雑感

こんにちは。フィンランドのAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。

タイトルの通り、ミラノデザインウィークを見に行きました。ちょうど大学でEvaluation Weekと呼ばれるピリオド間の休みと重なっており、丸1週間滞在することができたものの、全く見切れず、改めてその規模の大きさを感じることに。ですが4月のミラノは既に初夏の陽気で、今年はお天気も良く最高でした。

今年で

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雪降る日に復活礼拝堂(Erik Bryggman設計)を再訪した

雪降る日に復活礼拝堂(Erik Bryggman設計)を再訪した

こんにちは、Mayuです。私は今フィンランドのAalto大学大学院にデザイン留学をしています。私のnoteではデザインとフィンランドでの日々について書いています。

先日、トゥルクにある復活礼拝堂(Ylösnousemuskappeli)を訪ねました。8年前にも訪れたことがあるのですが、その時はろくに調べもせずに一人でふらっと行ったため、ちょうどお葬式が行われている最中でした。

遠目に建物の外観

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フィンランド デザイン・建築博物館のこれまでとこれから

フィンランド デザイン・建築博物館のこれまでとこれから

こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。

以前の展覧会記録で少し触れたのですが、フィンランドのデザイン博物館と建築博物館が統合移転されるそうです。現在は最終決定の合意段階で、これから建築コンペが始まるみたいです。(2023年12月現在)
この二つの博物館は、Korkeavuorenkatuという地区にあり、二つの建物は今現在もすぐ近く(徒歩30秒)に

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Garden Futures展:大好きなデザイン博物館・建築博物館にあと何回いけるのか

Garden Futures展:大好きなデザイン博物館・建築博物館にあと何回いけるのか

こんにちは、フィンランドのAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。

ヘルシンキのデザイン博物館と建築博物館で共同開催中の展示会、Garden Futures: Designing with Nature に行ってきました。
ヴィトラデザインミュージアムがキュレーションした展示会の巡回展になるのですが、デザイン博物館と建築博物館の初の共同開催ということで、けっこう大々的に告知

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カイヤ・アーリッカ展:アーリッカの創設者、お茶目で可愛くて子どものような強い人

カイヤ・アーリッカ展:アーリッカの創設者、お茶目で可愛くて子どものような強い人

こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。

先日、ヘルシンキのタイデハッリで開催されていた、カイヤ・アーリッカの展示を見てきました。
カイヤ・アーリッカ(Kaija Aarikka1929-2014)はフィンランドのデザイナーで、アーリッカ社を設立した起業家でもあります。アーリッカと聞いてピンとこずとも、この羊を見たことがある、という方は多いのではない

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フィンランドの”今”が見つかるデザインギャラリー、LOKAL

フィンランドの”今”が見つかるデザインギャラリー、LOKAL

こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。

ヘルシンキにはiittala、artek、marimekkoをはじめとしたデザインショップや、セカンドハンドのお店があちこちにあり、街中の至る所でこれらの名作デザインやヴィンテージのプロダクトに出会うことができます。

一方で、フィンランドで今活躍している、注目されているデザイナーは?どこで出会えるんだろう?

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【行き方解説付き】パイミオのサナトリウムの当時の暮らし。本当に"機能的"であるということ。

【行き方解説付き】パイミオのサナトリウムの当時の暮らし。本当に"機能的"であるということ。

パイミオのサナトリウムはフィンランドの機能主義建築の代表作として、また建築家アイノ、アルヴァ・アールト夫妻の出世作としてよく知られています。パイミオのサナトリウムが名作と言われる所以は、単にフィンランドに機能主義建築をもたらしたということだけでなく、使う人の気持ちや心地良さを機能主義建築の言語に融合させた「人間的な機能主義」を結実させたことにあります。
ユネスコ世界遺産にも登録されている同建築は、

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Aalto大学でのデザイン修士を目指される方へ。IDBM(Design)の雰囲気や学んでいること。

Aalto大学でのデザイン修士を目指される方へ。IDBM(Design)の雰囲気や学んでいること。

こんにちは、Mayuです。私は今、フィンランド Aalto大学の修士課程、IDBM (International Design Business Management)でデザインを学んでいます。

10月も半ばに差し掛かり、海外大学院の出願準備を進められている方は、モチベーションレターやポートフォリオ作成に本腰を入れられる頃ではないでしょうか。モチベーションレター作成にあたっては、「自分が何を学び

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フィンランドの食文化について思うこと、ゼロウェイストレストランNollaと学食

フィンランドの食文化について思うこと、ゼロウェイストレストランNollaと学食

先日、ヘルシンキのゼロウェイストレストラン Nolla(ノッラ)を訪れました。最初はゼロウェイストを実践しているレストランだとは知らなくて、何度か前を通りかかった時に素敵な店内だな、と思って、ずっと気になっていたんです。

一言で言うと、食事は本当に楽しくて最高におすすめのレストランです。期待していた通り、インテリアがまず素敵ですごく居心地が良かった。Nollaは食事だけでなく、ペーパーナプキンや

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フィンランド最大の家具見本市、Habitare 2023

フィンランド最大の家具見本市、Habitare 2023

Habitare(ハビターレ)はフィンランドで開催される、国内最大規模のインテリア・家具の見本市です。フィンランドのブランドが主ですが、他国のブランドも出展しています。2023年度のテーマはTogether。9/13-9/17まで開催され、41,560人が訪れたそうです。同時期に開催されているヘルシンキデザインウィーク(2023年度の記事はこちら)が「市民を巻き込んでデザインを考える場」であるのに

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ヘルシンキデザインウィーク2023

ヘルシンキデザインウィーク2023

初めてのヘルシンキデザインウィーク訪問でした。メイン会場での展示に加えて、街中の店舗や施設でも130近くの関連イベントが行われています。

2023年度の全体テーマは Once upon a time(昔々)
2025年のヘルシンキデザインウィーク20周年に向けて、過去から持続可能な未来へのストーリーを語る、というテーマ設定でした。

ヘルシンキデザインウィークは思ったよりこじんまり、していたんで

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フィン・ユールとデンマークの椅子展

フィン・ユールとデンマークの椅子展

東京都美術館で開催中の『フィン・ユールとデンマークの椅子』に行ってきました。タイトルの通り、フィン・ユールの作品だけでなく、デンマークのデザイン史を辿りつつ、その中でフィン・ユールがどのように働き、影響を受け与えたかを知ることができる内容でした。

1930年のストックホルム博覧会、スウェーデンとフィンランドだけでなく、デンマークの名だたるデザイナーたちにも相当な影響を与えたというのがわかり、冒頭

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ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで

ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで

東京都現代美術館で開催中の「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」

Jean Prouvé(ジャン・プルーヴェ)は、1901年フランス・パリ生まれ。金工職人としてキャリアをスタートさせます。その後、その知識と経験を椅子、建築へと展開させていきます。特にスチールやアルミといった工業材料に親しみ、家具や建築における新たな可能性を示しました。

ジャン・プルーヴェの仕事を見ていてると、「ものを作る人

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Dimore Gallery-ミラノサローネ2022

Dimore Gallery-ミラノサローネ2022

中央駅の西側エリアにある、ディモーレギャラリーの新拠点となるディモーレチェントラーレ。ミラノサローネと直接の関係はないですが、面白かったものです。

元々、このエリアは治安が悪く、地域住民からも改善を求める声が多かったそうです。実際歩いてみると、長く暗いトンネルがあったり、中央駅から離れるにつれ、徐々に不安になる雰囲気はありました。薄暗い高架下は、ギャラリースペースとして開発が進んでおり、ディモー

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LOUIS VUITTON-ミラノサローネ2022

LOUIS VUITTON-ミラノサローネ2022

ルイ・ヴィトンはサンバビラ駅の近くにて展示。会場は、ジュゼッペ・デ・ミンが1939年に構想したパーキングビルで、現在はショッピングモールとなっているそうです。

オブジェ・ノマドの新作を含むコレクションを展示。パトリシア・ウルキオラ、フェルナンド&ウンベルト・カンパーナ、アトリエ・オイ、ロー・エッジズ、アトリエ・ビアゲッティ、吉岡徳仁、ネンド、バーバー&オスガビー、マルセル・ワンダーススタジオ、

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karimoku case study-ミラノサローネ2022

karimoku case study-ミラノサローネ2022

カリモク家具のグローバルコレクション、「Karimoku Case Study」は本会場にブースを構えていました。

建築家の芦沢啓治さんがブルーボトルコーヒーのカフェとオフィス向けにデザインしたチェアを新たなラインナップとして発表。ゆったりと座り心地の良いチェアは、無垢材を切り出した背面や、アームレストの曲線など、細部の美しい仕上げが際立っていました。

これまで、カリモク家具としてはミラノサロ

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