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きらきら星

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大好きな星空のこと。 これを読んだあなたが、美しい星空に出会えますように🌠
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夜のお茶会

夜のお茶会

こんばんは。

もしかして、夜のお散歩ですか?

まだ眠くならないんですね。

私もです。

あの、紅茶はお好きですか?

実は、ちょうど淹れたてなんです。

一杯いかがですか?

このティーカップ、私のお気に入りなんです。

晴れている夜は、このカップの水面に、ゆらゆら星が浮かぶんですよ。

月が出ている日は、紅茶が金色にかがやいて特別な気分になれます。

お腹は空いていませんか?

実は、クッ

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空想~星空のカフェ~

空想~星空のカフェ~

おすすめはウィンナーコーヒー

ふんわり雲のクリームをのせて

半月のスプーンでまぜてみて

おだやかな色が重なり合い

美しい層をなす

大きな渦が生まれたら

カップの中に“木星”の出来上がり

もしも紅茶がお好きなら

“火星”色のアップルティー

お好みで満月のレモンを添えて

茶葉の種類はたくさんあるけれど

今宵のおすすめは“プレアデス星団”

若い星々ならではの

ふわりと浮かぶ青色

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今朝の星々 -3つの光-

今朝の星々 -3つの光-

早朝にぱちりと目が覚めた。

久しぶりに金星を見たくなって、窓を開ける。

夜の氷が溶けゆく空に、刺すようなするどい輝きを放つ金星の姿があった。
いつ見ても変わらない、黄金色の美しい輝き。

近くには春の乙女星スピカが、ほの白く灯っている。

眩いヴィーナス“金星”と、清らかな乙女“スピカ”。

対照的なふたつの光にそれぞれ女性像を描きつつ、金星の下の方に目線を移していく。

次にさがしたいのは、

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秋の朝から冬の朝へ

秋の朝から冬の朝へ

布団の温もりから離れがたい朝。
もうそんな季節になってしまったんだなぁ、と寝返りを打つ。
少しでも長くこうしてまどろんでいたい。
時間をちらちら気にして、自分との闘い。

先月までは明け方に目が冴えてしまうことが多かった。朝焼けや明けの明星こと金星の光をご褒美のように感じて、特別感に浸っていた。

最近はいつの間にか朝が来ていて、金星が東から南東の空へ移動し、すっかり青空にまぎれる頃に目を覚ます。

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夜明けをえがく

夜明けをえがく

明け方に目を覚ます。
スマホの時刻は5時前を示している。

南に向いた窓のカーテンをそろそろと引っぱる。
まだ暗い空にあかあかとかがやく星々が視界に飛び込んだ。
こっちにも。そっちにも。

やった、晴れてる

窓をゆっくり開ける。
ひやりと冷たい空気が流れ込み、冬を思い出させた。

冬の大三角、オリオン座、おおいぬ、こいぬ。

オリオンの腰のベルトにあたる“三ツ星”と、腰に刺さった剣“子三ツ星”。

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月と初風~星影ものがたり~

月と初風~星影ものがたり~

前回の投稿で、創作した物語の冒頭を載せました。

その続きをようやく書き終えたので投稿します。

あの夜に見た、美しい月や星を思いだしながら書き繋いでみました。
私の中にある、月や星たちへの勝手なイメージで書き上げています。
(イメージは、見る日によって変化します)

お時間がありましたら、読んでいただけると嬉しいです。

雷雨が過ぎ去ると、ふたたびしずかな夜がやって来ました。
ひとつ、またひとつ

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月と初風

月と初風

虫たちの音色が、薄まった夏の香りをさらに遠くへ運んでいく。

風の色が変わったことを肌で知る夜。

今日の雲は、表情豊かだった。

綿をゆっくり引き裂いたような雲と、小さな魚の群れのような雲と、ふかふかのクリームパンのような雲、他にも多くの雲たちが大きさも高さもばらばらに空に浮かんでいた。

広い空を見渡すと、どこもかしこも雲だった。

(描けないけれど)一枚の絵に残しておきたいほど面白く、(描か

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真夜中の空、そして朝と今。

真夜中の空、そして朝と今。

目が覚めた真夜中に、秋の星を見た。
 

昼間中私を苦しめていた頭痛は、一度眠るとおさまっていて、すっきりしていた。
立ちあがって窓を開ける余裕もある。
夜風が気持ちいい。

ここ最近の週間予報では、月曜日にずっと雨傘マークが付いていた。
すでに一面曇り空だろうと予想して窓を開けると、小さい雲が所々に浮かんでいるだけで快晴だった。
秋の星がちらちらとくっきり光って、東の空には半月に近い月まで昇って

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夏の夜に

夏の夜に

夏の夜、ベランダ。とろりとした空気が肌にまとわりつく。

灯り。まわりの家々から。
明るい夜空が、もう一段明るくなる。
月が出ていればさらに。

だから、夏の夜空は濃紺。冬は漆黒。
手触りも違う。とろりと、さらり。

向かいの家の上空に、光の点をとらえる。

ひとつ、またひとつ。もうひとつ。

次々に見つかる光の点をつなぐと、釣り針のような形、さそりの全身が浮かび上がる。

夏の星を見上げるのは、

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さよなら春

さよなら春

ゆっくりと星空を見上げる-

そんな時間を持つことができたのは、久しぶりのことでした。

南の空に浮かぶ、レモンの形の月。
窓から差し込む月光が枕元にまで届きます。

月の左下には春の星、スピカ。
スピカはおとめ座の星で、「麦の穂先」という意味です。
おとめ座は農業の女神・デーメーテールの姿。
今夜はその姿をまばゆい月の光に隠し、
最後の「春」の夜に想いを馳せていたのかもしれません。

ここ数日、

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細い月と金星、とても綺麗です🌟🌙
寄り添って輝いていました。
地球照も美しかったです。

孤独な星に魅せられて

孤独な星に魅せられて

ひとつ、ふたつ。

カーテンの向こうには、春のおだやかな星明かり。

南の空高くには、しし座の明るい星々が集まっていて、
中でも一番明るい「レグルス」は獅子の心臓のあたりで光り輝く一等星。

そのレグルスから、そろそろと目線を下ろしていくと、ぼんやりと明るいひとつの星にたどり着きます。

「アルファルド」

うみへび座の二等星で、別名は「コルヒドレ(ヒドラの心臓)」。
うみへび座の心臓の位置を示す

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ピンク色の月、そして花

ピンク色の月、そして花

昨晩は、満月が夜を照らしていました。

4月の満月は“ピンクムーン(桃色月)”と呼ばれます。

満月の呼び名は、アメリカの先住民族(ネイティブアメリカン)が、季節を把握するために名付けたものといわれています。

アメリカでは、芝桜やフロックスといった鮮やかなピンクの花々が咲く時期。
山や丘がピンク色に染まるそうです。

日本では、この時期のピンクの花といえば、桜。

本当はもう少し濃いピンク色を想

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春の星座に会いたい

春の星座に会いたい

昨晩、眠る前に窓の外を見ると、ぼんやりと曇が空全体を覆っていました。
残念ながら、星空観察はお預けでした。

“春に三日の晴れなし”

春は天気に揺らぎが多く、タイミングが合わないとなかなか星空を見ることができません。

また、春は実にさまざまな形の雲が、昼夜問わず楽しそうに空を泳いでいます。
夜まで残ってしまった雲によって、せっかく出ていた星が隠されてしまうことも。

そして、春の星は光の強さも

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