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DOUBLE BLUE |詩
届きたての贈り物
白くて円い 掛け時計
真ん中に「DOUBLE BLUE」
とだけ書いてある
岩戸を開く呪文みたいに
何だか唱えてみたくなる
「DOUBLE BLUE」
ふいに、文字盤から流れ出す
青のバイブレーション
澄みわたる空のブルー
見渡すかぎりの海のブルー
わたくしの睫毛や
指のさきを
蒼く染め
そこいら中を
浄めるように
ゆっくり ゆっくり
拡がっていく
すべてが
青色
ことばのしずく |詩
明け方の夢に
降りてきた
いくつかの言葉
詩のようなフレーズ
目覚めたら
もう思い出せない
朝露の珠のように
つるるんと
落ちてきたけれど
閉じたまぶたの裏側で
蒸発してしまった
あたたかなさざ波だけ
この胸に残して
けど
それは
循環する水のように
空へ昇っていき
生まれたての
つやつやとした
新たな言葉のしずくとなって
いつか誰かの眠りのふち
祈りのように
春雨のように
またしづ