野々瀬雀

ののせさく/京都芸術大学文芸コース/舞台・ミュージカル研究会/N高「青空の余白」共著/…

野々瀬雀

ののせさく/京都芸術大学文芸コース/舞台・ミュージカル研究会/N高「青空の余白」共著/アイコン 秋村遊

記事一覧

〖歌詞/詩〗さらば相棒

ポソッと呟いたマニアックな冗談に すぐにお決まりのセリフを返す君 ペショッと疲れてさ おとなしいボクに どしたのって距離感がお互い様だった 示しあわせたみたいに同…

野々瀬雀
10時間前
8

【短歌】ファッショニスタ・母

五つなる吾子をだく母しのぶ夜 わたしは腕に五キロのお米 母からの仕送りセンスがピカイチで トキメキチャージもうひと踏ん張り 古着屋であれこれ眺めど勝てないや 彼女…

野々瀬雀
2週間前
6

〖詩〗 待つ

僕はいろんなものを待っている 日々気長にどこかで待っている 今夏公開の映画 さんぽ道を撮り歩く秋 冬の朝の澄んだ空気 友人の新居を吹き抜ける春 いつか誇れる自作の詩 …

野々瀬雀
4週間前
15

弾ける言葉は檸檬の香り

この文章と出会ったとき、私は胸を打たれた。今までも好きな歌として楽しんでいたのだが、音楽ではなく文学表現として、改めてこの歌詞を読んだとき、あまりの美しさに驚い…

野々瀬雀
1か月前
1

サナギ

言いかけてやめた言葉の雨降る待合室 人間どうし体温恋し同志合法 「▒▒以外は頼れない案件」駄 惰 汰 ダ だから言ったのに 最初に 経血みたいにドロドロな孤毒 触れぬが…

野々瀬雀
1か月前
5

短歌 2024.2.16〜3.2

《パンの木歌会 提出短歌》 魚骨(うおぼね)の什器貼り紙吹き曝し街から一つファミマが消えた ちょっと良い酒ビン拵える部屋はひとりで汚しひとりで掃除 《短歌》 ざくざ…

野々瀬雀
2か月前
2

短歌 うどん

ごぼ天を三本うどんに並べれば揚げたてサクサク反復横跳び

野々瀬雀
3か月前
1

ピルグリム・ピローファイト

(2022/10/20 01:52:18) TOHOシネマ新宿でレイトショーを観た。 水曜日は安く見られる為、木曜になってしまう前にメイクをしてお洒落をバチバチに決めて電車に乗った。 「…

野々瀬雀
6か月前
2

グッド・モーニングブルー

(2022/10/19 09:33:34) 朝の匂いがする。 冬になろうとしている気配がする。 朝霧の湿っぽい匂い。 青い世界。 朝っていいなぁ!まあ、もう9時を半分まわってるんだけ…

野々瀬雀
6か月前

リザゼラ

全人類生まれた時から光り輝くまるで太陽 だけど私隠れたとして重い扉開ける人なんて いないわ 経験上 価値観なんて狭い視界 限定されたウムヴェルト 1人あたりに与えられ…

野々瀬雀
6か月前
1

ゐちごとチョコレート

蕁麻疹が出来やすいたべもの 筍 生の椎茸 火の通ってないじゃがいも 午前10時起床 体たらくブランチ 細い枝のような四肢を伸ばす じんじんがりがりじんじんじんじん

野々瀬雀
6か月前

なんで

なんでなんでなんでなんでなんで なんでなんでなんでなんでなんで 思うことばかり なんでなんでなんでなんでなんで なんでなんでなんでなんでなんで 嫌う言葉狩り なんで…

野々瀬雀
6か月前

七並べでダイヤの8を持っていた。
♦の大きい方を堰き止めていたら、
気がついたら1が揃って13からになって、
負けた。♦のAを見て終わったと思ったよ。
おわり。

2021/03/13

野々瀬雀
6か月前

アネ

生まれたときは間違いなく、自他共に認める長女だった。今の状態は自分でもよく分からないし、誰かに伝えたとて何かが都合よく変化するはずも無かった。 思春期が〜アイデ…

野々瀬雀
6か月前

エッセイ 五臓六腑を見渡して

グトリグトリ強い日差しが体力を奪う。信濃町駅に初めて降りた。電車の中は二酸化炭素と、タンパク質と、皮脂、汗、隣に座る強い香水の匂いが、熱を持って空気のかたまり…

野々瀬雀
6か月前
3

部屋にヤギが歩き始めた。
草をはみつつあっちやこっちで歩いている。

野々瀬雀
8か月前
〖歌詞/詩〗さらば相棒

〖歌詞/詩〗さらば相棒

ポソッと呟いたマニアックな冗談に
すぐにお決まりのセリフを返す君

ペショッと疲れてさ おとなしいボクに
どしたのって距離感がお互い様だった

示しあわせたみたいに同じ話くりかえし
ハモる音にハマってく 周りすら巻き込んで
なんとなくいる君がいつも通りのボクらで
お互いの孤独を吸い込んで 風船とばした

さらば相棒 現在«いま»は何をして
会えないから幸せでいろよ
フラフラと気ままな猫みたい
そう

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【短歌】ファッショニスタ・母

【短歌】ファッショニスタ・母

五つなる吾子をだく母しのぶ夜
わたしは腕に五キロのお米

母からの仕送りセンスがピカイチで
トキメキチャージもうひと踏ん張り

古着屋であれこれ眺めど勝てないや
彼女は噂のファッショニスタ・母

〖詩〗 待つ

〖詩〗 待つ

僕はいろんなものを待っている
日々気長にどこかで待っている

今夏公開の映画
さんぽ道を撮り歩く秋
冬の朝の澄んだ空気
友人の新居を吹き抜ける春
いつか誇れる自作の詩
洗濯物が乾くこと

親戚の兄やんと食うラーメン
後輩ちゃんと被るシフト
狙いのトレーナーが値下がること
うちで酒瓶を空にする日
来月は君の誕生日

いつか素直に話せること
衣服に穴をあけながら
変わらず気長に待っている

弾ける言葉は檸檬の香り

この文章と出会ったとき、私は胸を打たれた。今までも好きな歌として楽しんでいたのだが、音楽ではなく文学表現として、改めてこの歌詞を読んだとき、あまりの美しさに驚いたのだ。
米津玄師さんの「あたしはゆうれい」。歌詞の一節を引用する。

あなたの瞳はいつだって綺麗で 心の奥まで見透かすようだ その水晶体が写す世界で あたしはどうにか生きてみたくて ひたすら心に檸檬を抱いた(1)

タイトルから分かるよう

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サナギ

サナギ

言いかけてやめた言葉の雨降る待合室
人間どうし体温恋し同志合法
「▒▒以外は頼れない案件」駄
惰 汰 ダ だから言ったのに 最初に

経血みたいにドロドロな孤毒
触れぬがよろし君は溶ける
酢酸 関わればもうベシャベシャに
あっち行ってよボクに言わせないで

このカラダは呪い込みよ
魅せる恥 先越し暴かれぬため
気遣わぬよう気遣えるよう
なんて贅沢 世間知らずyou know?

良いよねお互い都合

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短歌 2024.2.16〜3.2

短歌 2024.2.16〜3.2

《パンの木歌会 提出短歌》

魚骨(うおぼね)の什器貼り紙吹き曝し街から一つファミマが消えた

ちょっと良い酒ビン拵える部屋はひとりで汚しひとりで掃除

《短歌》
ざくざくと「まごころの味」とはなんだ店員ひとりデカビスケット

目の前でちゅっちゅすんなよここ駅ぞレジ無き場所でも凛と立ちたい

<余白>
ちょっと良い酒ビン拵える部屋は
あなたがいなくて寂しいです

短歌 うどん

ごぼ天を三本うどんに並べれば揚げたてサクサク反復横跳び

ピルグリム・ピローファイト

(2022/10/20 01:52:18)

TOHOシネマ新宿でレイトショーを観た。
水曜日は安く見られる為、木曜になってしまう前にメイクをしてお洒落をバチバチに決めて電車に乗った。

「もっと超越したところへ」
面白かった。23:58という時間が良かったのかもしれない。想像してた展開を良い意味で…いや悪くは無いが良いという程でも無いかもしれない…裏切られる結末だった。僕は好きだ。にやにやしなが

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グッド・モーニングブルー

(2022/10/19 09:33:34)

朝の匂いがする。

冬になろうとしている気配がする。

朝霧の湿っぽい匂い。

青い世界。

朝っていいなぁ!まあ、もう9時を半分まわってるんだけども。僕にとっては早起きな方で。自律神経なんて失調してしまっているからね。

「落ち葉くらべ」のことを考えていた。

本当は今日休みのはずだったのだけれど、店長に呼ばれたのでバイトのヘルプに行く。

お腹が痛

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リザゼラ

全人類生まれた時から光り輝くまるで太陽
だけど私隠れたとして重い扉開ける人なんて
いないわ 経験上
価値観なんて狭い視界 限定されたウムヴェルト
1人あたりに与えられたお砂糖
今週分を火曜に舐め切ってしまって
知らないことがあることを知っている
その殻を破るのは難しい現実
せめて私の視界にうつる 世界の皆に祝福を

救ってくれた帝王だって
ただの廃墟の厨二病
願望だっていつか真理に

らんたった

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ゐちごとチョコレート

ゐちごとチョコレート

蕁麻疹が出来やすいたべもの
筍 生の椎茸 火の通ってないじゃがいも

午前10時起床 体たらくブランチ
細い枝のような四肢を伸ばす
じんじんがりがりじんじんじんじん

なんで

なんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんで
思うことばかり
なんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんで
嫌う言葉狩り

なんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんで
止まれない仕方無い
なんでなんでなんでなんでなんで
なんでなんでなんでなんでなんで
1人きりでは無い

嫌うくらいなら端から
ボクと仲良くしないでよ
社交辞令面倒臭いの
ボクは

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七並べでダイヤの8を持っていた。
♦の大きい方を堰き止めていたら、
気がついたら1が揃って13からになって、
負けた。♦のAを見て終わったと思ったよ。
おわり。

2021/03/13

アネ

アネ

生まれたときは間違いなく、自他共に認める長女だった。今の状態は自分でもよく分からないし、誰かに伝えたとて何かが都合よく変化するはずも無かった。
思春期が〜アイデンティティが〜……とただでさえ誰もが迷子になりがちな世界。
終末モラトリアムの今もまだよく分からないけれど確かなこともある。可愛くて誇れるきょうだいの、
僕は、間違いなく貴方の姉です。

多分うちの本丸の一期一振と同じ気持ち。

エッセイ 五臓六腑を見渡して

グトリグトリ強い日差しが体力を奪う。信濃町駅に初めて降りた。電車の中は二酸化炭素と、タンパク質と、皮脂、汗、隣に座る強い香水の匂いが、熱を持って空気のかたまりになっていた。

わたし、わたし。丁寧に襟を正し、人へ提出する文章ならば「私」を使うのが妥当だろうと思っている。本当はそんなこと無いのよ、私の中にある世間、私の中にある理想の正しさがそう云うのよ。後ろめたさなんてものは、周囲にあるものが形成

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部屋にヤギが歩き始めた。
草をはみつつあっちやこっちで歩いている。