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【推察】日本の"SS型"野球⚾️の形成は日本人の遺伝子🧬が関係している説

※注意※

このエッセイは、遺伝子が野球に影響を与えていることを仮定した割かしマジメな偏見的推察です。

結論

 読んでくださる方のために、先に結論から言ってしまおう。風土的にひっきりなしに天災に見舞われる日本ではセロトニントランスポーターSERT遺伝子SS型を保有する人が多く生き残ることができた。SS型はあらゆる物事に対して不安視する形質を示し、それはやがて日本人にとってしょうに合う守り勝つ野球、堅守堅攻のSS型野球を形成するに至ったのである――。

1.MLB・NPB野手の守備に対する印象

 MLBの映像を見ていると、内野手の華麗な守備に目を奪われる。素手でボールを処理したり、座ったまま送球したり、強肩の遠投で際どくアウトにしてしまうさまは見ていてとても気持ちが良い。体の強さを活かした守備範囲の広さがMLBの長所であるとするなら、NPBの長所は取れるアウトを確実に取っていく手堅さだろう。

 一方、外野手の守備に関してはMLBでは長打処理の巧拙の差が大きいと感じる。並未満の処理の仕方は、ボールの追い方が緩慢であったり、内野手への返球が思い切り山なりになっていたり、中継ポイントとズレたりしていて、モタモタしている印象が強い。これは大量に点差が開いた試合展開に限らず、NPBを見慣れているからかなりもどかしく映る。

2.物事を不安視する遺伝子を多く持つ日本人

 例に挙げたMLB外野手のプレーに違和感を抱く理由は、NPBを基準にしているためだ。だから、並の選手が並のプレーをすれば防ぐことができたであろう進塁や得点を許すと「ちゃんと守備していたら、背負わなくてもいいピンチや大量失点を回避できたかもしれないのに……」ともったいなさを感じてしまう。

 もしかすると、この感情の根本には日本人の遺伝子が関係しているのではないだろうか。というのも、統計的に日本人は物事を楽観視するより不安視する傾向があることが遺伝子の研究によって明らかになっているからだ。

 その不安遺伝子の名は「セロトニントランスポーターSERT遺伝子」と言う。SERTは人の不安感をコントロールしていて、この数が多いと楽観視しやすいロング型に、少ないと不安視しやすいショート型になる。遺伝子の組み合わせはLL・SL・SSの3種類があり、人種によってその割合は異なる。例えば、日本人とアメリカ人のおおよそのパーセンテージは下記の通りだ。

       楽観 ← 中間 → 不安
       LL : SL : SS(%)
日 本 人   3 : 32 : 65
アメリカ人  32 : 49 : 19

前向きに生きる|くらしの良品研究所|無印良品、2022年1月12日

 データを見ると分かるように、日本では楽観視するLL型の人がほとんど存在せず、7割近くが不安視しやすいSS型を持っている。この原因は諸説あるものの、日本の風土が関係している説が有力とされている。

 日本列島に日本人が住み始めて以来、台風や洪水、豪雪、土砂崩れ、地震、津波、火山噴火などの天災にひっきりなしに見舞われてきた。このようなお世辞にも住みやすいとは言えない居住環境において、LL型は「まぁなんとかなるでしょう」と楽観視して何も対策をしない。それに対して、SS型は「天災がいつ来るかも分からない」と不安視して被害を最小限に抑えたり、最悪の状況を回避する備えをする。この生存戦略を数百年、数千年と繰り返している間にLL型は徐々に徐々に淘汰されていった、とする説だ。

3.自然形成されるNPBの"SS型"野球、MLBの"LL型"ベースボール

 仮にSERT遺伝子が人種ごとの野球観に影響を与えているとするなら、NPBがSS型、MLBがLL型の人にとってしっくりくる野球とベースボールがそれぞれ形成されていくのはごく自然な流れだろう。

 SS型野球の特徴を一言で言えば「堅守堅攻」だ。例えば、守備面では余計な四球を出さず、怠慢プレーやエラーなどで簡単に進塁させないことで失点を最少に抑える。攻撃面では走塁の手を抜くことなく、隙があれば一つでも前の塁を狙うことを心がける。また、犠打を用いて進塁を試みたり、併殺打を打ってでも1点を奪うように、少しでも利が得られるアウトならば良しと考える。SS型野球は守備主体の投手戦に強い。

 一方、LL型ベースボールの特徴は一言で言えば「力攻個守」だ。守備面では選手個々人の技量に左右されることが多い。そのため、ある程度の失点は甘受して、それを上回る得点で勝利することを考える。だから、みすみすワンアウトを献上する犠打は大量得点が期待できないので頻繁には使わない。それよりも、ホームランや長打を打つことができるパワーヒッターをずらりと並べて、どこからでも得点できる高火力の打線を組んだ方が思考がシンプルになって良い。LL型ベースボールは攻撃主体の打撃戦に強い。

4.推察

 言うまでもなく、日本のSS型野球はプレミア12やWBCなど世界大会の舞台においても通用していて、各世代の侍JAPANが好成績を挙げている。その要因は、SS型を持つ多くの日本人選手がSS型野球観に納得し、共有できているからと考えられる。誤解を避けるために言及しておくと、これはSS型とLL型のどちらが優れていて、どちらが劣っていると言っているのではない。

 過半数の日本人が風土的にSS型の遺伝子を獲得し、しょうに合っているSS型野球を極めていった結果、偶然にも世界レベルに到達していたという意味だ。相性の良さが重要なのだとすると、これから野球が発展していこうとしている野球新興国は、自身の形質に見合った野球観と野球スタイルを確立させ、それを磨き続ければいずれ世界と互角に戦えるようになるものと予想される。

 遺伝子レベルで見れば、SS型野球は世界的に見ても珍しいNPB特有のものである。だからこそ、SS型野球に慣れた多くの日本人にとってはLL型ベースボールであるMLBの野球観を受け入れるのは難しいのかもしれない。冒頭で述べたMLB外野手の守備に対する違和感は、自分がSS型の野球観フィルターを通してLL型のベースボールを見たことによって引き起こされた、ある意味当然のリアクションだと考えられるのだ。

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