ワイエス

風を描く絵   「海からの風」

このところの秋雨もひと段落して、今日は久しぶりに窓を開け放して過ごしている。
ぬるい風と、少し高く感じる雲の流れ。
残暑と呼ばれるそのままの気温ではあるが、真夏は彼方へ通り過ぎたのを悟る。
ぼんやり明るい曇天の空から風がゆるくふきおろし、カーテンがゆれる。

アンドリュー・ワイエスの「海からの風」に秋風を感じるのは何故だろう。
その鈍い光をたたえた空の色彩ゆえなのか、対比的に描かれている薄暗い部屋

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快楽主義者の貯蓄術

あら、ウィスキーが切れたわ。スーパー行こ。いつもの広場を通って。

ああ、世界は真夏。まばゆい太陽、ゆたかな緑、愛らしい花、精いっぱい歌う蝉。
「ぐがッ!」
何度目だろう。この広場で転ぶのは。
なんか段差があって、周りに気を取られていつも転ぶのだ。
「ッ痛てえ」
見るとみごとに膝をすりむいている。別に泣かないけど、内心、1ミリくらい、泣く。
やだパンツ丸出しだ。スカートスカート。きょろきょろ。よか

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ワイエスの"ドキュメント"を観る②

(昨日のつづき)

片岡義男『日本語の外へ』は、湾岸戦争を"観察"することから始まるが、湾岸戦争が始まった日、その報道を見た時、片岡さんは軽井沢の美術館へワイエスの展覧会を観に行っていたそうで、その話から始まる。そして「あとがき」では再びワイエスの話になる。

片岡さんもそこで「鉛筆による数多くの断片的なスケッチ」が「記憶に残った」と書いている。

ワイエスはたぶんスピードをつけてそれらのスケッチ

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ワイエスの"ドキュメント"を観る①

数日前、「外出」という仕事の前に用事ひとつつくって、新宿に出たついでに四谷三丁目まで足をのばして愛住美術館という小さな美術館を訪ねた。

今回はここで、アンドリュー・ワイエスがオルソン姉弟と彼らの家を描いた水彩画や素描、スケッチなど習作の数々を久しぶりに観ることができた。

展示されているのは全て埼玉県にある丸沼芸術の森が所蔵しているコレクションで、以前ぼくが観たのは全国の巡回していた2001年の

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私の本棚、見て楽しむ編

さて、今日は見て楽しむ本でございます。

ヘッダーの画像のようなお菓子を描くことが楽しめるようになった「透明水彩で描くお菓子」林真理子さん。美味しそうなお菓子の数々にうっとり、見て楽しく、実際に描いて楽しくレシピまでついてるなんてお得!(私は作っておりませんがw)透明水彩の性質について大変わかりやすく解説してくださってるので透明水彩初心者に超お勧めでございますよ。お菓子を描くって実は色々なものの質

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