岩崎史奇(コント文学作家)

『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!(ワタナベコメディスクール放送作家コ…

岩崎史奇(コント文学作家)

『笑い』と『人間』を書いているコント文学作家です!(ワタナベコメディスクール放送作家コース卒) 香川県高松市出身。よろしくお願いします🐙

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記事一覧

コントな文学『ファーストキスだったのに』

コントな文学『ファーストキスだったのに』 大学のゼミの飲み会終わりの帰り道、突然唇を奪われた・・・ファーストキスだったのに。 ファーストキスだったのに、いきなり…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。ゾンビ編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。ゾンビ編』 俺達が通う高校にゾンビが現れた。 逃げ遅れたクラスメイトの女子の高田さんがゾンビに噛まれてしまった。 高田さんが…

コントな文学『田中明彦のピーク』

コントな文学『田中明彦のピーク』 田中明彦13歳の春。 学校から帰宅中に道端で倒れている妊婦を発見し、救急車を呼んだ。 迅速な対応のおかげで、妊婦は搬送先の病院で…

コントな文学『すべてのホームシッカーに花束を』

コントな文学『すべてのホームシッカーに花束を』 上京して足立区の北千住で初めての一人暮らし。 俺はホームシックになった。 土曜日に引っ越してきて今日が水曜日で一…

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。新しい歌のお兄さん編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。新しい歌のお兄さん編』 かつて、私が心の底から愛した男。 そして、心の底から憎んだ男。 幼児向け番組に出演している新しい歌…

コントな文学『それでも、夕焼けは綺麗だった』

コントな文学『それでも、夕焼けは綺麗だった』 17歳。 片思いだと思っていたけど両思いだった。 高嶺の花のクラスメイトが初めての彼女になった。 初デートは放課後デ…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。マジックミラー号編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。マジックミラー号編』 マジックミラー号? マジックミラー号って何だい? え?アダルトビデオの企画物? 僕はそういう下品な類の…

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。卒業式編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。卒業式編』 私が6年間通った小学校の卒業式が行われている。 「卒業証書授与」 五十音順に卒業生が校長先生から卒業証書を授与…

コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』

コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』 元気になってまた大好きな野球がしたい。 その為には手術を受けて病気を治さなくちゃいけない。 でも手術の…

コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった』

コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった。相方編』 「紹介するね。こいつ、俺の相方のミサ」 「そういう芸人みたいに彼女の事を相方って呼んじゃうノリ、見てる…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。性欲モンスター夫婦編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。性欲モンスター夫婦編』 「ねえ、最近ダンナとしてる?」 「う〜ん…月に1回あるか無いかかなぁ…」 「ウチは週1ペース」 「マジ…

コントな文学『心配性 in サンポートホール高松』

コントな文学『心配性 in サンポートホール高松』 僕は心配性だ。 心配性な僕は今日、ヒット曲が1曲だけのシンガーソングライターのライブに来た。 有名なヒット曲が1曲…

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。一人娘編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。一人娘編』 一人娘の彩が幼稚園の年長さんになる年に妻の亜希子が他界した。 それから20年。 まるで死んだ亜希子の生き写しのよ…

コントな文学『憧れていたプロポーズ』

コントな文学『憧れていたプロポーズ』 石﨑将太33歳。 高校卒業後、青森から上京して寿司職人になり10年以上が経過した。 俺はついに明日、小さいながらも夢だった自分…

コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』

コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』 芥川賞を受賞した小説家なのに… マジで? 信じられない… 家の本棚にマンガしかないじゃん。 しかもドラゴンボールとワンピ…

『今日も世界で誰かが嘘をついている。菜子ちゃんからの質問編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。菜子ちゃんからの質問編』 「どうしてママはパパと結婚したの?」 5才になる娘の菜子からの質問だ。 6年前、私は付き合っていた…

コントな文学『ファーストキスだったのに』

コントな文学『ファーストキスだったのに』

コントな文学『ファーストキスだったのに』

大学のゼミの飲み会終わりの帰り道、突然唇を奪われた・・・ファーストキスだったのに。

ファーストキスだったのに、いきなり舌を入れられた。

ファーストキスだったのに、上の歯も下の歯も舐められた。 

ファーストキスだったのに、ダイソンの掃除機ばりの吸引力で舌を吸われた。

ファーストキスだったのに、何か視線を感じるから恐る恐る目を開けたら、キスしながら顔

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『今日も世界で誰かが嘘をついている。ゾンビ編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。ゾンビ編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。ゾンビ編』

俺達が通う高校にゾンビが現れた。

逃げ遅れたクラスメイトの女子の高田さんがゾンビに噛まれてしまった。

高田さんが少しずつゾンビに変化し始める。

小学校から同じ学校に通っている親友の松永功太郎が高田さんに近付いていく。

「離れろ松永。お前までゾンビになっちまう」

「アレ、もう助からないパターンのやつだよね?
ゾンビになったら、もう人じゃない

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コントな文学『田中明彦のピーク』

コントな文学『田中明彦のピーク』

コントな文学『田中明彦のピーク』

田中明彦13歳の春。

学校から帰宅中に道端で倒れている妊婦を発見し、救急車を呼んだ。

迅速な対応のおかげで、妊婦は搬送先の病院で無事に女の子を出産し母子共に助かった。

翌日、田中明彦は学校で先生に呼び出されて校長室へ行くと警察から感謝状が贈られた。

助けた妊婦の旦那さんも来ていて、泣きながらお礼を言ってくれた。

この様子は夕方の全国ニュースでも放送され

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コントな文学『すべてのホームシッカーに花束を』

コントな文学『すべてのホームシッカーに花束を』

コントな文学『すべてのホームシッカーに花束を』

上京して足立区の北千住で初めての一人暮らし。

俺はホームシックになった。

土曜日に引っ越してきて今日が水曜日で一人暮らし5日目。

土曜の夜は初めての一人暮らしに浮かれて楽しく過ごしたが、人生で初めて日曜日の夜に1人で晩ご飯を食べていたら涙が溢れてきた。

実家の居心地の良さ。
母ちゃんの温かくて美味しいご飯。
そして父ちゃんや妹やペットも含め

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『今日も世界で誰かが虚しくなっている。新しい歌のお兄さん編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。新しい歌のお兄さん編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。新しい歌のお兄さん編』

かつて、私が心の底から愛した男。

そして、心の底から憎んだ男。

幼児向け番組に出演している新しい歌のお兄さんは私を弄んで踏み躙った男だった。

5才の娘の優花がテレビに映る新しい歌のお兄さんの動きに合わせて踊っている。

私が初めてを捧げた男。

いや、私の初めてを奪った男とは知らずに…

私は付き合っていると思っていた。

疑い

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コントな文学『それでも、夕焼けは綺麗だった』

コントな文学『それでも、夕焼けは綺麗だった』

コントな文学『それでも、夕焼けは綺麗だった』

17歳。

片思いだと思っていたけど両思いだった。

高嶺の花のクラスメイトが初めての彼女になった。

初デートは放課後デート。

マック行って、プリクラ撮って、自転車二人乗りして、公園のベンチで一緒に夕焼けを見ている。

「一緒に聴こ」

彼女がイヤホンを片方差し出してきた。

恋人と片耳ずつイヤホンを付けて音楽を聴く事に憧れてたんだろうなって思っ

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『今日も世界で誰かが嘘をついている。マジックミラー号編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。マジックミラー号編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。マジックミラー号編』

マジックミラー号?

マジックミラー号って何だい?

え?アダルトビデオの企画物?

僕はそういう下品な類のものは観た事が無いから知らないよ。

本当だよ、アダルトビデオなんか観たこと無い。

進学校から現役で東大に入って勉強漬けで忙しかったからね、観るヒマも興味も無かったよ。

それに僕は卒業したら官僚、いずれは事務次官になって日本を動

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『今日も世界で誰かが虚しくなっている。卒業式編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。卒業式編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。卒業式編』

私が6年間通った小学校の卒業式が行われている。

「卒業証書授与」

五十音順に卒業生が校長先生から卒業証書を授与されていく。

そして私の順番が来た。

私は卒業証書を受け取る際に気になってしまった。

アレ?
校長先生ってこんなに顔のアブラのテカリ凄かったっけ?

顔面が餃子の王将の床じゃん。

校長先生には悪いけど、ちょっと気持ち悪いな。

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コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』

コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』

コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』

元気になってまた大好きな野球がしたい。

その為には手術を受けて病気を治さなくちゃいけない。

でも手術の成功確率は30%だ。

手術を受ける勇気が出ない僕の病室に現れたのはベーブ・ルースのようなホームランバッターじゃなくて軽自動車の所有者でした。

「俺はベーブ・ルースじゃないから君の為にホームランを打つ約束はできない。代わりに今から軽

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コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった』

コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった』

コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった。相方編』

「紹介するね。こいつ、俺の相方のミサ」

「そういう芸人みたいに彼女の事を相方って呼んじゃうノリ、見てるこっちが恥ずかしくなってくるよ」って友達じゃない大学の同期に言えなかった。

あの日、僕には勇気が足りなかった。



コントな文学『あの日、僕には勇気が足りなかった。フェス編』

「明日フジロック参戦しに行くんだよ」

ヒマワリのよ

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『今日も世界で誰かが嘘をついている。性欲モンスター夫婦編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。性欲モンスター夫婦編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。性欲モンスター夫婦編』

「ねえ、最近ダンナとしてる?」

「う〜ん…月に1回あるか無いかかなぁ…」

「ウチは週1ペース」

「マジで?めっちゃ愛し合ってんじゃん。ウチなんか下の子ができてから1回もしてないわ。完全にレスよ」



立花陽子36歳。
今日は大学の同期の友人グループの女子会でカフェに来ている。

私とダンナは結婚10年目で小1の娘と5歳の息子が

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コントな文学『心配性 in サンポートホール高松』

コントな文学『心配性 in サンポートホール高松』

コントな文学『心配性 in サンポートホール高松』

僕は心配性だ。

心配性な僕は今日、ヒット曲が1曲だけのシンガーソングライターのライブに来た。

有名なヒット曲が1曲しかない。
しかも3年前の曲なのに地方の1500人キャパのホールが埋まるのか心配していた。

せめて1000人以下のキャパのホールでやった方が無難じゃないのかと心配したけど、8割以上埋まった客席を見て僕は一安心した。

だが、次

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『今日も世界で誰かが虚しくなっている。一人娘編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。一人娘編』

『今日も世界で誰かが虚しくなっている。一人娘編』

一人娘の彩が幼稚園の年長さんになる年に妻の亜希子が他界した。

それから20年。

まるで死んだ亜希子の生き写しのように彩は美しい女性に成長した。

そして男手一つで大切に育てた彩は昨年、義理の息子になった裕一君と結婚した。

今日は彩と裕一君が結婚して初めて迎えた亜希子の命日だ。

例年よりも早く満開になった庭の桜は、亜希子が彩と裕一君を祝福す

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コントな文学『憧れていたプロポーズ』

コントな文学『憧れていたプロポーズ』

コントな文学『憧れていたプロポーズ』

石﨑将太33歳。

高校卒業後、青森から上京して寿司職人になり10年以上が経過した。

俺はついに明日、小さいながらも夢だった自分の店を出す事になる。 

まるで一国一城の主になった気分だ。

オープンを前日に控えた店内のカウンターに職人見習いの頃から、ずっと俺の事を応援し支え続けてきてくれた彼女を座らせた。

自分の店を出すという夢は、いつしか俺と彼女2人

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コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』

コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』

コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』

芥川賞を受賞した小説家なのに…

マジで?

信じられない…

家の本棚にマンガしかないじゃん。

しかもドラゴンボールとワンピース全巻揃ってんじゃん。

王道中の王道じゃん。

芥川賞とか純文学って小難しくて暗そうなイメージがあったけど親近感湧くなぁ…

「え?芥川賞作家なのに家具は全部ニトリで揃えたの?」
普通中の普通じゃん。
親近感湧くなぁ〜。

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『今日も世界で誰かが嘘をついている。菜子ちゃんからの質問編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。菜子ちゃんからの質問編』

『今日も世界で誰かが嘘をついている。菜子ちゃんからの質問編』

「どうしてママはパパと結婚したの?」

5才になる娘の菜子からの質問だ。

6年前、私は付き合っていた彼氏に二股を掛けられていた事が発覚する。

加えて仕事でも大きなミスをして私の心はボロボロになっていた。

そんな時に飲み屋で声を掛けてきた男に甘えて癒やしてもらって…

「弱ってる時に優しくしてくれた男との間に、あなたができたからよ

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