神山 直樹
投資の目的を「引退後の潤いのある生活」としましょう。マーケットの知識や相場観などは不要です。潤いのある生活のために、毎年3%、20年で60%の資産増を目指すのです。最初から「まとまった資金」はなくてよく、毎年の積み重ねであとから「まとまった資金にしていく」のです。これが、現役・退職世代の投資未経験者に本当に知ってほしいことです
これから投資を始めようと考えている資産形成世代のみなさまのお悩みや投資のギモンについて、日興アセットマネジメント チーフ・ストラテジスト神山直樹がお答えしていきます。
4月10日に1ドル=151円台だったドル円が、4月29日には海外市場で一時160円をつけるドル高円安になり、その後156円程度に戻るなど大きく動きました。日本政府・日銀が円買い…
日経平均株価が1カ月程度調整しています。これは、主に半導体関連の株価調整が原因とみています。 地政学リスクによる心理的な影響も多少はあると思いますが、4月に入って…
イスラエルとハマスの紛争がイランのイスラエル攻撃に繋がり、中東の地政学リスクは明らかに高くなっています。原油価格は、中国の需要停滞などからそれほど上昇してきませ…
4月5日に発表された3月の米雇用統計は、雇用者数増加は予想より多かったのですが、前年同月比の賃金上昇率は低下しました。 つまり、働く人が増えたことで、求人は満たさ…
米ドルが強いまま、しばらく150円台を維持しそうです。アメリカ経済が予想以上に強く、インフレ率が低下しても急いで政策金利を引き下げる必要はなさそうだからです。6月ご…
いまクララが車いすから立ち上がる時が来ています。「アルプスの少女ハイジ」の友達であるクララは、長らく病気だったがすでに立ち上がる程度に回復している日本経済のたと…
当面、米ドル円相場と日経平均株価がぶれやすい状況だとみています。 まず、報道などから日銀が3月19日にもマイナス金利をゼロ金利に変更するとの期待が高まりました。理…
日経平均株価が3月4日終値で4万円を超える水準に到達しました。この水準だけでなく、到達する速さに驚いています。 このところの上昇の理由は、米国の半導体関連などテク…
2月中旬からドル円相場が150円程度で推移しています。 理由のひとつが米連邦準備理事会(FRB)の利下げが遠のいたことです。1月の賃金上昇率が高まったことや高官発言など…
日経平均株価が急上昇し、バブル期の1989年につけた最高値を抜く勢いです。日本経済が「余剰から不足へ」大きな転換点となる可能性がある、との私の考えに変わりはありませ…
2023年12月の日本の賃金は前年同月比1.6%と、最近では高い上昇率となりました。今のところ物価上昇率を追い抜くほどの勢いとは言えませんが、良い方向に向かっています。 …
2月2日に発表された1月の米雇用統計では、雇用者数だけでなく賃金上昇率も市場予想を上回りました。1月の雇用統計はいろいろな調整が行われ、天候にも左右されるので信頼性…
日銀が発表した2023年12月の実質輸出は、2002年以来最高の水準でした。大事なことは、リーマンショック直前のピークであった2008年3月の水準を5パーセント以上上回っている…
Jリートは金利の上昇に弱いのか?Jリート(日本の不動産投資信託)は、多くの場合オフィスビルなどの資産の半分程度は、負債を使って保有しています。ですので、金利上昇…
アメリカは昨年12月から、また日本は年初から、株価が好調です。 まず、アメリカは金利低下が材料視されているようですが、実際には金利敏感銘柄よりも、半導体などテクノ…
日経平均株価は1月15日終値で3万5901円となり、昨年末から2438円上昇しました。日本株には強気の見方をしていますが、この上昇は理由が主に円安と金利安などと説明されてい…
2024年5月2日 10:10
4月10日に1ドル=151円台だったドル円が、4月29日には海外市場で一時160円をつけるドル高円安になり、その後156円程度に戻るなど大きく動きました。日本政府・日銀が円買い介入した可能性も取りざたされています。いまのところ市場参加者は円安の圧力が高いと感じていますが、4月中旬以来、経済統計については円安になる理由は少ないです。アメリカではインフレ率の低下が思ったより緩やかとはいえ3%を割れ
2024年4月24日 11:19
日経平均株価が1カ月程度調整しています。これは、主に半導体関連の株価調整が原因とみています。地政学リスクによる心理的な影響も多少はあると思いますが、4月に入ってから原油価格は下落しており、中東の地政学リスクが原油価格を上昇させアメリカの景気を悪化させるようにはみえません。一方で、昨年末以来の日経平均の上下動は、アメリカの半導体関連銘柄の指数であるSOX指数と似た動きをしています。特に4月に
2024年4月17日 09:32
イスラエルとハマスの紛争がイランのイスラエル攻撃に繋がり、中東の地政学リスクは明らかに高くなっています。原油価格は、中国の需要停滞などからそれほど上昇してきませんでしたが、紛争拡大懸念から一時的な原油高も起こる可能性があります。また、輸出企業の販売数量が減る恐れもあるでしょう。ただし、メインシナリオは変わらないと見ています。まず、日本の輸出企業の輸出数量は揺れるとしても、イスラエルとイラン
2024年4月10日 12:29
4月5日に発表された3月の米雇用統計は、雇用者数増加は予想より多かったのですが、前年同月比の賃金上昇率は低下しました。つまり、働く人が増えたことで、求人は満たされて雇用者数が増えたのですが、賃金を上げる必要はなくなりつつあるのだと見ることができます。これはインフレ率の落ち着きを示唆するものと考えます。結果として、米連邦準備理事会(FRB)が早めに利下げを始めなければならないほど弱い経済では
2024年4月3日 14:46
米ドルが強いまま、しばらく150円台を維持しそうです。アメリカ経済が予想以上に強く、インフレ率が低下しても急いで政策金利を引き下げる必要はなさそうだからです。6月ごろに利下げが予想されますが、信用不安も小さく、雇用も順調なので、その後の利下げは当面必要ないかもしれません。一方、日銀は予想通り政策金利をマイナスからゼロに引き上げました。しかし、まだゼロですからアメリカから日本に資金を移しても預金
2024年3月27日 16:14
いまクララが車いすから立ち上がる時が来ています。「アルプスの少女ハイジ」の友達であるクララは、長らく病気だったがすでに立ち上がる程度に回復している日本経済のたとえです。クララはペーターに車いすを壊されたことをきっかけに立ち上がることができました。日本は労働市場が不況でも調整できない体質なので、一度経済が悪化すると長い間ヒト・モノ・カネの余剰が続いてしまいます。しかし、輸出の好調やコロナ禍からの
2024年3月13日 09:17
当面、米ドル円相場と日経平均株価がぶれやすい状況だとみています。まず、報道などから日銀が3月19日にもマイナス金利をゼロ金利に変更するとの期待が高まりました。理由の一つが、まもなくまとまる春闘のベースアップ率が高くなりそうとの予想です。大企業正規社員の給与上昇の背景には、経営者のこれからの事業拡大への自信があるはずです。日銀は、それゆえ給与上昇が持続的であると判断して、マイナス金利をまずゼ
2024年3月6日 11:05
日経平均株価が3月4日終値で4万円を超える水準に到達しました。この水準だけでなく、到達する速さに驚いています。このところの上昇の理由は、米国の半導体関連などテクノロジー関連企業の好業績があり、その好影響を受けると期待される日本企業の株式が買われています。また、4日公表の法人企業統計で2023年10-12月期の設備投資が想定以上に強かったことも良い驚きでした。企業の設備投資の積極化は、賃金上
2024年2月28日 11:57
2月中旬からドル円相場が150円程度で推移しています。理由のひとつが米連邦準備理事会(FRB)の利下げが遠のいたことです。1月の賃金上昇率が高まったことや高官発言などから、利下げは6月開始、3カ月に1度0.25%ずつというゆっくりしたペースを予想します。アメリカのインフレ率は3%台前半まで低下しており、5.5%の金利はかなり高いと感じます。FRBはインフレ再燃となることを大変恐れており、現
2024年2月21日 10:58
日経平均株価が急上昇し、バブル期の1989年につけた最高値を抜く勢いです。日本経済が「余剰から不足へ」大きな転換点となる可能性がある、との私の考えに変わりはありませんが、このところの市場で上昇の理由とされるものはこの転換とは関係が薄いので、今後ブレが大きくなりやすいと予想します。上昇の理由を4つ挙げて考えます。アメリカの物価上昇率が高止まりし金利高が続くと、バリュー株優位で日本株が好まれる
2024年2月14日 16:14
2023年12月の日本の賃金は前年同月比1.6%と、最近では高い上昇率となりました。今のところ物価上昇率を追い抜くほどの勢いとは言えませんが、良い方向に向かっています。賃金は、まず人手不足により上昇しました。輸出企業はリーマンショック後、生産量を下げて人を余らせていましたが、現状はリーマンショック前の水準を超える生産が必要で、人手不足です。国内ではコロナ禍からの回復が続き、飲食や観光関連などサ
2024年2月7日 10:19
2月2日に発表された1月の米雇用統計では、雇用者数だけでなく賃金上昇率も市場予想を上回りました。1月の雇用統計はいろいろな調整が行われ、天候にも左右されるので信頼性がやや低いのですが、それでも高めに出たことは確かです。特に賃金上昇率が4%台で高めを維持したことで、インフレ継続・再燃のリスクが続くため、市場が予想していた3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げは難しそうです。これまで市場
2024年1月31日 15:22
日銀が発表した2023年12月の実質輸出は、2002年以来最高の水準でした。大事なことは、リーマンショック直前のピークであった2008年3月の水準を5パーセント以上上回っていることです。為替の影響を除く輸出の数量がピークを越えたということは、日本の輸出は、過去ピークにおいて生産した量を上回る生産をしていることになります。つまりこれまで以上にヒト・モノ・カネが必要になってきているのです。ドル高円
2024年1月30日 21:41
Jリートは金利の上昇に弱いのか?Jリート(日本の不動産投資信託)は、多くの場合オフィスビルなどの資産の半分程度は、負債を使って保有しています。ですので、金利上昇は借り入れコストの上昇になります。しかし、だから金利上昇に弱いというのは単純すぎる気がします。金利が上がる理由は通常インフレが予想されるからです。インフレであれば賃料が上がるのでコストを負担しても、分配金を減らさないで済みます。金利は
2024年1月24日 09:55
アメリカは昨年12月から、また日本は年初から、株価が好調です。まず、アメリカは金利低下が材料視されているようですが、実際には金利敏感銘柄よりも、半導体などテクノロジー関連の上昇がけん引しています。もちろん金利低下はグロース銘柄への投資家心理の支えになっているとは言えますが、それ以上に、半導体関連銘柄の世界的な利益回復や回復の予想が大きな理由となっているとみています。さらに、日本でも半導体関
2024年1月17日 10:31
日経平均株価は1月15日終値で3万5901円となり、昨年末から2438円上昇しました。日本株には強気の見方をしていますが、この上昇は理由が主に円安と金利安などと説明されているので、長続きしないと心配しています。昨年から日本株に強気の見方をしている理由は、輸出好調とコロナ禍からの正常化で、日本経済のヒト・モノ・カネが「余剰から不足へ」と構造を変え、賃金上昇、設備投資増加、金利上昇の体質に変わると