Kazuoki Crest

物理(物の理屈)を極めるつもりが、24時間戦えますか、のベンチャーで技術屋として働いて…

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物理(物の理屈)を極めるつもりが、24時間戦えますか、のベンチャーで技術屋として働いてきました。が、極度の緊張性頭痛で何もできなくなって10年余、脇見歩きで「なんやこれは????」とつぶやきながら、徘徊してしのいでいます。映画、音楽、ガーデニングで癒されるのが薬です。

記事一覧

ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(3)シベリア民族

おさらい 前々回「シベリアに独立を!」という本を読みながら、シベリア民族についての知識を深めていこうとしていたところでした。  著者「田中克彦」氏は、モンゴル語…

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4日前
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ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(2)草原の実験

タイトル画像は、核実験でできたクレーター 前回どこまで書いたか、頭の整理  ロシアのウクライナ侵攻の時に、ジョージア(グルジア)について気になってたら、たまたま…

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10日前
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ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(1)

イントロロシアがウクライナに侵攻した2022年4月のメモ 次の歌詞、ここ一か月、頭の中でリフレインし始めることしばしばです。 特に最後の、ジョージアズ おんまいまい…

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3週間前
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SHINE:転落からの帰還

 今回は「SHINE」(1996)。オーストラリアの映画。  アーティストが上り坂で転落。失われた人生からの帰還を描く。  実際に日本にも来て公演したことのある、デヴ…

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2か月前
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ブルージャスミン~TAR~ダンサーインParis・・それぞれの人生

 前回紹介した「泳ぐひと」を見た後には、人生に敗北した現実を突き付けられた主人公、ネッド・メリルの妻ルシンダや娘たちの人生はどのようなものだったのだろう・・・な…

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2か月前
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時の狭間のシネマ:「泳ぐひと」

1950年代から1960年代初めのアメリカの経済成長の波に乗った富裕層と、それを支える家族や地域社会を蝕みつつある病の兆しを、絶妙なタッチで描いた奇妙な味の異…

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3か月前
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歴史の断層と交流:めぐりあう時間たち

映画「めぐりあう時間たち」 数年前、「めぐりあう時間たち(The Hours)」をWOWOWで見た。(妻がドラマ好きのおかげで、随分前にWOWOWを契約し、家では、そのおこぼ…

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3か月前
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記憶の記録:ニジンスキー

タイトル画像は、QUEEN ”I want to break free” のMVで、ニジンスキーの「牧神」のポーズをとるフレディー・マーキュリー はじめに・経緯  この稿を書き始めるに至っ…

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4か月前
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ベートーベンの第九「歓喜の歌」の周辺

 今年は、ウィーンでの「第九」の初演(1824年)から200年、日本での日本人による初演から100年という節目。  そこでベートーベンの交響曲第九番と、その曲構成を…

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4か月前
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歴史の断層と交流:年末恒例「ベートーベンの第九」

はじめに コロナ禍に襲われて、2020年から三年中断した「一万人の第九」が12月3日、四年ぶりに大阪城ホールで開催されました。私は2018、19年の二回参加して以来の、…

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4か月前
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ごまめのごたく:歴史の断層と交流

はじめにー茨木市福井というところ  千里丘陵の探索から茨木とアジアの関わりへ、好奇心の赴くままに探索してきたのですが、ちょうど、千里丘陵の北側に活断層が東西に…

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7か月前
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ごまめのごたく:茨木からアジアへ

まえがき前回の「千里丘陵から茨木へ」の続きです。  資料をあさっていると、たいがいテーマや地域ごとに歴史が語られるので、私のような歴史に疎いものには、難解な映画…

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8か月前
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ごまめのごたく:千里丘陵から茨木へ

イントロ 山田の周辺(2)で述べたように、千里丘陵の東北、西国街道沿いに道祖本(サイノモト)という旧地名があって、その北東1kmの所に紫金山古墳が、南側2km…

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9か月前
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ごまめのごたく:千里丘陵の周辺

イントロ 最初に勤めた会社が、千里中央と桃山台の間の東豊中にあって、自動車で通っていた。駐車場のすぐ脇は竹林で、ムカデがいた。大阪万博会場を東西に突っ切る大阪…

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9か月前
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ごまめのごたく:山田の周辺(2)

しばらくは、'note'の続きです。 あちこちの脇見歩きで面白いものにぶつかると、また小さなわき道に入ってしまいます。そのうちにどこにいるのか分からなくなって、大きな…

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9か月前
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ごまめのごたく:山田の周辺

あれこれ調べたことを、ここでえいやっと並べてみます。覚書'note'です。 へたすると、脈絡のない羅列になりそうなので、時期尚早ではありますが、現時点での推定結論?的…

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10か月前
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ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(3)シベリア民族

ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(3)シベリア民族


おさらい 前々回「シベリアに独立を!」という本を読みながら、シベリア民族についての知識を深めていこうとしていたところでした。
 著者「田中克彦」氏は、モンゴル語を専門とする言語学者で、ポーターニンというシベリアの探検家、地理学者、民俗学者の生い立ちと活動を中心に、話を進めています。

ポターニンの生い立ちと背景:復習

 ロシアの探検家、地理学者、民俗学者のポターニンは1835年、シベリアの、旧

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ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(2)草原の実験

ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(2)草原の実験

タイトル画像は、核実験でできたクレーター

前回どこまで書いたか、頭の整理

 ロシアのウクライナ侵攻の時に、ジョージア(グルジア)について気になってたら、たまたま、ジョージア・ドイツ合弁映画「ジョージア、白い橋のカフェで会いましょう」を見たのだった。
 映画のタイトル、街角や、日記を書くシーンなどで、ジョージア語の文字がいたるところに出てくるのだが、これにすごく感銘して調べると、世界で一番かわい

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ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(1)

ごまめのごたく:ロシアのもろもろ(1)

イントロロシアがウクライナに侵攻した2022年4月のメモ

次の歌詞、ここ一か月、頭の中でリフレインし始めることしばしばです。

特に最後の、ジョージアズ おんまいまいまいまい・・・マーインド

ビートルズの通称「ホワイトアルバム」1968 の第一曲 Back in the USSR。

The Ukraine(ユークレイン) girls really knock me out

They lea

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SHINE:転落からの帰還

SHINE:転落からの帰還

 今回は「SHINE」(1996)。オーストラリアの映画。
 アーティストが上り坂で転落。失われた人生からの帰還を描く。
 実際に日本にも来て公演したことのある、デヴィッド・へルフゴットの生涯を描く。厳格な父親に一流のピアニストになることを強いられ、コンクールでラフマニノフを演奏するが、精神に変調をきたして、記憶障害となる。そののち何年かして、あてどなく雨の中をさまよっているへルフゴットのシーンか

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ブルージャスミン~TAR~ダンサーインParis・・それぞれの人生

ブルージャスミン~TAR~ダンサーインParis・・それぞれの人生

 前回紹介した「泳ぐひと」を見た後には、人生に敗北した現実を突き付けられた主人公、ネッド・メリルの妻ルシンダや娘たちの人生はどのようなものだったのだろう・・・などと妄想の余韻が残る。

 
 時代の波に乗って儲けた男が、事業に失敗してその資産を全て失ってしまった後の、妻の側から物語
2014年ウッディアレン監督の映画

ブルージャスミン 映画の冒頭から最後のシーンまで、ジャスミンの独り言らしからぬ

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時の狭間のシネマ:「泳ぐひと」

時の狭間のシネマ:「泳ぐひと」

1950年代から1960年代初めのアメリカの経済成長の波に乗った富裕層と、それを支える家族や地域社会を蝕みつつある病の兆しを、絶妙なタッチで描いた奇妙な味の異色作です。

 1970年ごろ、たいがい街のどこかに単館映画館があって、複数の映画が併映されていてた。指定、入れ替え無しで、上映途中で入ってもよかった。満席で立ち見、通路の階段に座ってみてもよかったし、オールナイト上映も普通にあった。
 学

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歴史の断層と交流:めぐりあう時間たち

歴史の断層と交流:めぐりあう時間たち


映画「めぐりあう時間たち」 数年前、「めぐりあう時間たち(The Hours)」をWOWOWで見た。(妻がドラマ好きのおかげで、随分前にWOWOWを契約し、家では、そのおこぼれで映画を見てます)DVDに落として三回くらい観た。

2002年アメリカ映画。
 ヴァージニア・ウルフの小説「ダロウェイ夫人」の主人公である、クラリッサ・ダロウェイ風の人々の群像劇。

・ 1923年の英国、リッチモンドで

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記憶の記録:ニジンスキー

記憶の記録:ニジンスキー

タイトル画像は、QUEEN ”I want to break free” のMVで、ニジンスキーの「牧神」のポーズをとるフレディー・マーキュリー

はじめに・経緯

 この稿を書き始めるに至った経緯を少し説明しておきます。
 ぼくは、関心を持ち始めると、たいがい、「ここ掘れワンワン」と深堀し始めるのですが、ところが脇見歩きが性分で、探索を始めると、棚から牡丹餅というか、本題と関係ないようなことに気

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ベートーベンの第九「歓喜の歌」の周辺

ベートーベンの第九「歓喜の歌」の周辺

 今年は、ウィーンでの「第九」の初演(1824年)から200年、日本での日本人による初演から100年という節目。
 そこでベートーベンの交響曲第九番と、その曲構成を支える、第4楽章の合唱「歓喜の歌」の解釈の変遷のごたくです。

はじめに 違和感 日本で、年末の恒例になっているのですが、聞くだけなら、歌詞の内容に踏み込むことはあまりないと思います。
 一般的なイメージとしては、世界中の人々が、人種

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歴史の断層と交流:年末恒例「ベートーベンの第九」

歴史の断層と交流:年末恒例「ベートーベンの第九」


はじめに コロナ禍に襲われて、2020年から三年中断した「一万人の第九」が12月3日、四年ぶりに大阪城ホールで開催されました。私は2018、19年の二回参加して以来の、三回目の参加ですが、やっと開催されたということで、今までになく盛り上がっていました。 今回は、1983年の最初の開催以来初めて、全都道府県からの参加があったそうです。
(タイトル写真は、12月2日本番前日リハーサル開場4時45分の

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ごまめのごたく:歴史の断層と交流

ごまめのごたく:歴史の断層と交流


はじめにー茨木市福井というところ

 千里丘陵の探索から茨木とアジアの関わりへ、好奇心の赴くままに探索してきたのですが、ちょうど、千里丘陵の北側に活断層が東西に入っていて、そこを亀岡街道が横切っているあたり、茨木市福井周辺を実際に現地を歩きながら過去に思いをはせていると、ここは「歴史の断層と交差点」だ、という感じがします。
 もとはといえば、10年ほど前に茨木童子に関心を持って「茨木童子の素顔に

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ごまめのごたく:茨木からアジアへ

ごまめのごたく:茨木からアジアへ


まえがき前回の「千里丘陵から茨木へ」の続きです。
 資料をあさっていると、たいがいテーマや地域ごとに歴史が語られるので、私のような歴史に疎いものには、難解な映画を読み解くのと同じで、時系列が行ったり来たりして、因果関係が分からなくなります。
本稿では、できる限りあちこちで起こるいろんな事件を、時系列で組み立てるよう努力してみました。
ごまめのつぶやき:時の流れの積層に、地域の歴史が重層し、離れ離

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ごまめのごたく:千里丘陵から茨木へ

ごまめのごたく:千里丘陵から茨木へ


イントロ 山田の周辺(2)で述べたように、千里丘陵の東北、西国街道沿いに道祖本(サイノモト)という旧地名があって、その北東1kmの所に紫金山古墳が、南側2kmほどの所に、紫金山公園があること。また、明治初期のプロイセン皇孫遊猟事件や、山田別所のイザナギ神社に、中国遼東半島の金洲城の瓦を模したカメレオンみたいな狛犬が奉納されていること(これは、「脇見歩きのつぶやき:山田という所」参照)などを書いた

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ごまめのごたく:千里丘陵の周辺

ごまめのごたく:千里丘陵の周辺


イントロ 最初に勤めた会社が、千里中央と桃山台の間の東豊中にあって、自動車で通っていた。駐車場のすぐ脇は竹林で、ムカデがいた。大阪万博会場を東西に突っ切る大阪中央環状線(中環:中国自動車道路に並走)を車で走っているときは、千里丘陵を突っ切ていることは十分意識していたし、車の車窓からの景色には、必ず竹藪が目に入るので、千里丘陵というと竹藪の丘というイメージが昔からある。
しかし、東西南北どこまでが

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ごまめのごたく:山田の周辺(2)

ごまめのごたく:山田の周辺(2)

しばらくは、'note'の続きです。
あちこちの脇見歩きで面白いものにぶつかると、また小さなわき道に入ってしまいます。そのうちにどこにいるのか分からなくなって、大きな本道に出会うことを願いながら、さまようことになります。

関連する地域を、今昔マップで示しておきます。

佐井寺と山田寺「脇見歩きのつぶやき:山田という所」の流れで、「茨木童子の素顔に迫る」を読み直して、山田別所で出会った伊射奈岐神社

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ごまめのごたく:山田の周辺

ごまめのごたく:山田の周辺

あれこれ調べたことを、ここでえいやっと並べてみます。覚書'note'です。
へたすると、脈絡のない羅列になりそうなので、時期尚早ではありますが、現時点での推定結論?的なことから。

1.山田の地名を有する、次の場所は、天照大御神と豊受大御神(大御は最上級の敬語)の伊勢への遷座に関連する共通の特徴がありそう。
 丹後山田、伊勢の宇治山田、奈良県桜井市の山田、吹田市の山田、伊丹の山田

2.これらの地

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