月餅

映画のこと、本のこと、考えたことを書いていこうと思います。

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1回観ただけでは満足できない。映画『aftersun』レビュー

2週間ほど前に初めて『aftersun』を観た。1回目から「良い映画だな」と直感的に思ったけれど、映像が綺麗だな~父娘の関係が素敵だな~くらいの感想で、色々な要素を汲み取…

月餅
10か月前
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コロナ禍にPCR検査場で働いたことがどんなことだったのか記録する。

明日は2024年4月1日。 4年前の今頃、私はコロナ禍で医療系ベンチャーに入社し神奈川の病院でPCR検査場の運営をしていた。 個人的な体験としてもかなり強烈で人生で一番スリ…

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1か月前
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2023年映画ベスト10

こんにちは。2023年も終わりですねえ。 今年は時間があったのもあって、劇場で数観たいなと思っていたのですが、見逃したものも多々ありました。。無念。その中でもベスト…

月餅
4か月前
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読書レビュー『聖なるズー』

本書は、長年DV被害に遭ってきた著者がドイツで動物性愛者(通称ズー)を対象にフィールドワークを行い、見えてきたありのままの姿を記したノンフィクション作品である。 …

月餅
8か月前
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滑稽なのに普遍。映画『イニシェリン島の精霊』レビュー

『イニシェリン島の精霊』を観ました。 単なる感想 『スリービルボード』が本当に大好きなので、とても期待していた。 これはあまり事前情報を入れない方が良いだろうと…

月餅
8か月前
8

キャラと飲み会

久しぶりに大人数の飲み会に参加した。 話したことがない人が多い飲み会だったので緊張レベルが高かったからなのか、それとも一定期間人と話してなかったのでコミュニケー…

月餅
8か月前
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不条理なのは、人が人に欲情するのが悪ではないということ。

先日、ナンパについていってみた。 急に話しかけられるとびっくりして逃げてしまっていたので、今まではナンパ師の話をまじまじと聞いたり、ついて行ったことはなかった。…

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9か月前

ホッチキスinかつ丼

職場の近くに好きな定食屋さんがある。 私はそこのかつ丼が大好きで、午前中に起きたトラブルをなんとか収拾させ達成感と疲労感で頭をもたげている時や、おぞましい食欲に…

月餅
9か月前
3

渇望する力

私は生まれてこの方、ありがたいことに、両親から無償の愛を受け続けてきた。これに関しては誰がどう見ても確固たる事実だと思う。だけどそんな環境に身を置いていたがため…

月餅
9か月前
3

2022年人ハイライトと2023年抱負

2022年の抱負は、「やったことないことをやる」だった。 かなりのインドア派である私だが、今年はなんか色々な体験を通して、世の中のことも、自分のことも理解を深めたい…

月餅
9か月前
8

映画好きな人に100の質問

自己紹介にちょうど良さそうだし、台風で帰京できないしで「映画好きな人に100の質問」をやりたいと思います。よろしゅう 1. 年齢 26歳! 2. 邦画派?洋画派? 邦…日本 …

月餅
9か月前
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人の行動と責任まで背負いこまないこと

一昨日、antshouseというクラブイベントに行った。 新宿2丁目のクラブには行ったことがあるのだけど、本当に音楽メインのクラブ自体が初めてで、クラブ一人で行くのこわー…

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9か月前
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強烈!分からないからこそ面白い「未知との人間の遭遇」映画3選

映画を観るモチベーションの1つとして、「訳の分からない未知のものを観たい」というのがある。 訳の分からないものを観ることで、「何これー!全然意味わかんねー!」と思…

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9か月前
3

『CLOSE』を観て考えた自死のこと。

『CLOSE』が周りで好評だったので観に行きました。 今回は良い映画なのかどうなのかとかそういう感想が特に浮かばなくて、やはり一番大きなテーマである「近しい人間の自…

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10か月前
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1回観ただけでは満足できない。映画『aftersun』レビュー

1回観ただけでは満足できない。映画『aftersun』レビュー

2週間ほど前に初めて『aftersun』を観た。1回目から「良い映画だな」と直感的に思ったけれど、映像が綺麗だな~父娘の関係が素敵だな~くらいの感想で、色々な要素を汲み取り切れなかった。

そして本日、2度目の観賞を終えた。
完全に打ちのめされてしまった。涙が出るとか、そんな外側の現象がどうでも良くなるほど内側がブルブルと震える感覚があった。
この映画の何がそんなにすごいのかを言語化したい。ネタバ

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コロナ禍にPCR検査場で働いたことがどんなことだったのか記録する。

コロナ禍にPCR検査場で働いたことがどんなことだったのか記録する。

明日は2024年4月1日。
4年前の今頃、私はコロナ禍で医療系ベンチャーに入社し神奈川の病院でPCR検査場の運営をしていた。
個人的な体験としてもかなり強烈で人生で一番スリルのあった期間だったので記録として書き記すことにしました。

運転の練習とマスク売りの2ヶ月2020年3月31日。2月初旬頃に報道された横浜フェリー内集団感染から2カ月弱。段々と「これはやばいんじゃないか」という空気が世に蔓延し

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2023年映画ベスト10

2023年映画ベスト10

こんにちは。2023年も終わりですねえ。

今年は時間があったのもあって、劇場で数観たいなと思っていたのですが、見逃したものも多々ありました。。無念。その中でもベストはこんな感じです。

10.CLOSE映画としてめちゃめちゃ好きだった、という訳ではないけど、近しい人を無くした人の折り合いの付け方、向き合い方がほぼ出尽くしていてそこが良かったなと記憶している。自分と向き合うことを余儀なくされた映画

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読書レビュー『聖なるズー』

読書レビュー『聖なるズー』

本書は、長年DV被害に遭ってきた著者がドイツで動物性愛者(通称ズー)を対象にフィールドワークを行い、見えてきたありのままの姿を記したノンフィクション作品である。
ズーとは、主に犬や馬等の動物を性愛対象とする者である。
この本のすごいところは、ズーという全く未知の存在について知る事ができると同時に、ズーがパートナーである動物たちへの接し方や考え方から、人間を性愛対象とする人々にとっても学ぶ点が多い事

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滑稽なのに普遍。映画『イニシェリン島の精霊』レビュー

滑稽なのに普遍。映画『イニシェリン島の精霊』レビュー

『イニシェリン島の精霊』を観ました。

単なる感想

『スリービルボード』が本当に大好きなので、とても期待していた。
これはあまり事前情報を入れない方が良いだろうと私の映画インスティンクトが言っていたのでよく分からないまま観た。

一体何を観たんだろう…と思うくらい新鮮な映画だった。
まず、アクションでもSFでは断じてない。ヒューマンドラマ…?かもしれない。一番近いのはコメディなのだろうか。でもコ

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キャラと飲み会

キャラと飲み会

久しぶりに大人数の飲み会に参加した。

話したことがない人が多い飲み会だったので緊張レベルが高かったからなのか、それとも一定期間人と話してなかったのでコミュニケーション能力が著しく低下したのか分からないが、自分らしく振舞うことができなかった。

でもこれは一定期間話してないから、というそれらしい理由では片づけられないことを私は知っている。 やっぱ、大人数の飲み会が苦手なのである。

その理由の1

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不条理なのは、人が人に欲情するのが悪ではないということ。

不条理なのは、人が人に欲情するのが悪ではないということ。

先日、ナンパについていってみた。

急に話しかけられるとびっくりして逃げてしまっていたので、今まではナンパ師の話をまじまじと聞いたり、ついて行ったことはなかった。
ただ今回の場合非常に穏やかに声をかけてきたのでそこまで驚かず、まだ私に声をかける奴がこの世にいるのねと感心しながら話を聞いていた。

2022年の人生方針は「人生でやったことがないことをやる」だったし、もうナンパされることもないかもしれ

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ホッチキスinかつ丼

ホッチキスinかつ丼

職場の近くに好きな定食屋さんがある。

私はそこのかつ丼が大好きで、午前中に起きたトラブルをなんとか収拾させ達成感と疲労感で頭をもたげている時や、おぞましい食欲に襲われている時に食べに行く。

ある日いつものようにかつ丼を食べていたら、ガリっという音がした。何だろう~と口から取り出してみたら、ホチキスの芯だった。

お、ホチキスだ。と思った。

私は潔癖症どころかどちらかと言えば汚い側の人間だし、

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渇望する力

渇望する力

私は生まれてこの方、ありがたいことに、両親から無償の愛を受け続けてきた。これに関しては誰がどう見ても確固たる事実だと思う。だけどそんな環境に身を置いていたがために私には不足しているものがある。

それは「渇望する力」だ。

それは喉から手が出るくらい愛情を渇望する貪欲さだ。両親からも兄弟からも愛されて育った私は、友達と喧嘩しても、惚れた人に好きになってもらえなくても、いつだって周りには信頼してる人

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2022年人ハイライトと2023年抱負

2022年人ハイライトと2023年抱負

2022年の抱負は、「やったことないことをやる」だった。
かなりのインドア派である私だが、今年はなんか色々な体験を通して、世の中のことも、自分のことも理解を深めたいと思うことが多かった。

その結果、なんだかドキドキすることが多く刺激の多い一年だったように思う。
以下、私が2022年にやってみたことだ。

① 空中ブランコをする

私は東海オンエアが好きなのですが、彼らがこんなことに挑戦していた。

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映画好きな人に100の質問

映画好きな人に100の質問

自己紹介にちょうど良さそうだし、台風で帰京できないしで「映画好きな人に100の質問」をやりたいと思います。よろしゅう

1. 年齢
26歳!

2. 邦画派?洋画派?
邦…日本
洋…西洋
ということで良いのだろうか。質問に答えるとしたらどちらも派です。良い映画だったらどの国とか関係なく好き。

3. 字幕派?吹き替え派?
字幕版しか観ない

4. 映画館で観る派?
観る映画による

5. その理由

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人の行動と責任まで背負いこまないこと

人の行動と責任まで背負いこまないこと

一昨日、antshouseというクラブイベントに行った。

新宿2丁目のクラブには行ったことがあるのだけど、本当に音楽メインのクラブ自体が初めてで、クラブ一人で行くのこわーいという気持ちで友達を誘った。
友達が来てくれることになって安堵したのも束の間、急に大変な焦りが出てきた。何故なら私はこのイベントに関して小袋成彬が主催すること以外何も知らなかったからだ。一人で行くなら全然いいのだけど、あまり情

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強烈!分からないからこそ面白い「未知との人間の遭遇」映画3選

強烈!分からないからこそ面白い「未知との人間の遭遇」映画3選

映画を観るモチベーションの1つとして、「訳の分からない未知のものを観たい」というのがある。
訳の分からないものを観ることで、「何これー!全然意味わかんねー!」と思うと不思議と高揚してくる。(共感してくれる人いるよね?)

私は怪獣系、ヒーローものにあまり興味がないため必然的に「未知の人間」を観ることになる。

そんな未知との人間に遭遇をさせてくれる骨太映画を3つ紹介します。

車との子供を産みます

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『CLOSE』を観て考えた自死のこと。

『CLOSE』を観て考えた自死のこと。

『CLOSE』が周りで好評だったので観に行きました。

今回は良い映画なのかどうなのかとかそういう感想が特に浮かばなくて、やはり一番大きなテーマである「近しい人間の自死」について考えざるを得なかった。

突然のレミの死によって周りの人は様々な反応を示す。家族や友人と普段通り雑談している場面で突然泣き出してしまう。レミのことを分かった口聞いたクラスメイトに腹を立てる。淡々と普段通りの仕事や学校生活を

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