高次脳よしこ

30代、子育て中の専業主婦が突然脳出血になり、一命をとりとめたものの高次脳機能障害とな…

高次脳よしこ

30代、子育て中の専業主婦が突然脳出血になり、一命をとりとめたものの高次脳機能障害となりました。脳が半分動いてないよしこが思う世の中と、わたしと、暮らし方を綴ります。2019年、東京都の医療関係者向け講演会に登壇しました。 #高次脳機能障害 #脳出血 #専業主婦

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  • 高次脳機能障害になった主婦の体験談

    30代で脳出血から高次脳になった普通の主婦が当事者として感じたリアル体験談や悩みを綴ります。有料価格を設定していますが、中のノートはほぼ全文公開です。お気持ちで購入いただけると嬉しいです。

記事一覧

マガジンを有料に設定しました

「高次脳機能障害になった主婦の体験談」という形でノートをまとめ、有料設定しました。 なぜ有料で販売するのか?私の体験談が貴重でお金をとる価値があるから、と言えれ…

脳出血後の妊娠

脳出血から退院してしばらくは、ワーファリンという血液をさらさらにする薬を飲んでいました。血栓をできないようにする薬です。 納豆・クロレラ・青汁・グレープフルーツ…

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高次脳機能障害とはつまり一体何か? 当事者の体験からの具体例

「高次脳機能障害」と検索すると病院とか論文とかのサイトが出てきます。 でもお医者さんや看護師さん向けの内容なのか、体験談とかではなく、一般的に症状としてこういう…

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脳出血になり日常に戻って7年。少し整理できた頭で、いま思うこと。

受傷後に生まれた待望の第二子が幼稚園に入り、少しは自分の時間を持てるようになりました。 退院直後とは違って、辛かった事も私の経験値になっているので、子育ても楽…

障がい者手帳を自分で申請するも病院と行政でたらい回しにされた話

市役所の対応退院してから早5年、障がい者福祉施設の方に「障がい者手帳を取得出来るかもしれない」と聞いた私は、まず、市役所を訪れました。 「障がい者手帳を取りたい…

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脳出血から5年、そこではじめて自分が障がい者だと気づかされたこと

福祉センターに参加したある日「障害者手帳は持ってるの?」と聞かれました。 さも、当たり前のように聞かれましたが、私には青天の霹靂でした。 えっ? なんで? …

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脳出血から退院し、5年たってはじめて福祉に繋がったときのこと

退院後の、生きづらいけの3-4年を経て、やっと心に余裕ができ始め、気持ちが落ち着いてきました。と、共に、自分の辛い気持ちを聞いて欲しい。当事者同士で分かち…

1

情報の量とスピードに頭の処理が追いつかない感覚

私が、スピードについて行けなくて、困ったことのひとつに、動き回ってすぐ見失ってしまう息子を探す事があります。 色んな事に好奇心旺盛だった、2-3歳の時期…

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自転車で移動することの情報処理量に圧倒されるから遠回りの道を選ぶ

家族で自転車移動する時、夫にはなんて事ない道の移動でも、私には、わ ざと、タスクを増やす難しい道を選んでるようで、本当に疲れました。家から 外出する事に…

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右見て、左見て、右見たことを忘れて横断歩道が渡れない。外出は苦行です

例えば、自転車に乗る/エスカレーターに乗る/子供の行動を追うなどがあるため、外出は苦行でした。 急性期病院の先生に、高次脳だと診断された時に「新しい事か…

お買い物に行ってパニックになるよりも宅配に頼っちゃうのが安心

家事の買い物に関しては、ゆっくり品物を見て買えるように、基本、宅配にしています。 お店だと、音や、人の動きなど、余計な情報が多く、買い物に集中しづらく、…

1

家事や料理で工夫していること

料理はマルチタスクでするものだと思われがちですが、無理に3つくちコンロを同時に使わなくてもいいと気づきました。 午前中に素材を切る作業だけやったり、…

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高次脳のわたしが編み出したスケジュール管理の工夫

苦手なスケジュール管理での工夫は、1つの予定に対して、スマホにリマインドして、冷蔵庫に貼ってあるホワイトボードに書き、カレンダーにも書き込むことです…

4

子供のお喋りで頭が真っ白に

家事をしようにも、家事の順序立てが出来ない。やっと順序立てが出来ても、子供に話しかけられる度に、今までの思考が一瞬にして吹っ飛んでしまうので、また、一…

4

日常会話に頭がついていかなかったときのこと

退院後、家族との会話でも、自分の言いたい言葉が、瞬時に出てこなくてモヤモヤした思いが常にありました。 でも、関わる人数が少ないので、そこまで苦痛には…

1

対面で左右が逆であることが認識できない。子供のお着替えを手伝うだけでも混乱してしまう話

脳出血のリハビリを経て退院し、家に戻ってとても大変だったのが、息子に服を着せる事でした。 「相手に服を着せる」という想定のリハビリはありませんでしたの…

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マガジンを有料に設定しました

「高次脳機能障害になった主婦の体験談」という形でノートをまとめ、有料設定しました。

なぜ有料で販売するのか?私の体験談が貴重でお金をとる価値があるから、と言えればいいのですが、特にそんなことはありません。

高次脳機能障害になって、専業主婦で、小さい子供がいて、障がい者手帳は取得できましたが障害年金はもらえていません。

夫は会社員で、私と子供たちは夫の扶養に入っています。

パートなどに出られ

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脳出血後の妊娠

脳出血から退院してしばらくは、ワーファリンという血液をさらさらにする薬を飲んでいました。血栓をできないようにする薬です。

納豆・クロレラ・青汁・グレープフルーツなどは同じような作用があるので(ビタミンKの取りすぎになるので)食べてはダメということでした。

どういうことかというと、怪我をしたときに血が止まらなくなるのだそうです。なるべく怪我をしないように気をつけました。

そんなある日、第二子の

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高次脳機能障害とはつまり一体何か? 当事者の体験からの具体例

高次脳機能障害とはつまり一体何か? 当事者の体験からの具体例

「高次脳機能障害」と検索すると病院とか論文とかのサイトが出てきます。

でもお医者さんや看護師さん向けの内容なのか、体験談とかではなく、一般的に症状としてこういうことが起きますという説明や理論がほとんどでした。

「高次」な「脳」の「機能障害」であり、「高次機能」の「障害」なのだと理解しました。私のnoteはそういう理論的な話ではなく、当事者が感じたことのまとめですので、こんなふうに理解しています

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脳出血になり日常に戻って7年。少し整理できた頭で、いま思うこと。

脳出血になり日常に戻って7年。少し整理できた頭で、いま思うこと。

受傷後に生まれた待望の第二子が幼稚園に入り、少しは自分の時間を持てるようになりました。

退院直後とは違って、辛かった事も私の経験値になっているので、子育ても楽しく感じています。

継続して
・初めての体験
・初対面の人と話す
・自分の想定外の事にパニックになる
・代替え案を考える
など関しては、苦手な事に変わりませんが、
「失敗しても、次、頑張ろう」
という前向きな気持ちで取り組めるよ

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障がい者手帳を自分で申請するも病院と行政でたらい回しにされた話

障がい者手帳を自分で申請するも病院と行政でたらい回しにされた話

市役所の対応退院してから早5年、障がい者福祉施設の方に「障がい者手帳を取得出来るかもしれない」と聞いた私は、まず、市役所を訪れました。

「障がい者手帳を取りたいんですけど」と相談するつもりで窓口で聞いてみると
「ご本人ですか?」「病院の先生の指示ですか?」「身体ですか? 精神ですか?」と、矢継ぎ早に聞かれました。

当時の私には早口でまくしたてられたように感じ、パニックに

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脳出血から5年、そこではじめて自分が障がい者だと気づかされたこと

脳出血から5年、そこではじめて自分が障がい者だと気づかされたこと

福祉センターに参加したある日「障害者手帳は持ってるの?」と聞かれました。

さも、当たり前のように聞かれましたが、私には青天の霹靂でした。

えっ? なんで? 私、障害者なの?

って困惑したのが、正直な気持ちです。

その頃の私は、高次脳だと診断はされたものの、高次脳機能障害イコール障害者という事は全く合致しておらず、急性期、リハビリ病院共に、私が中途障害者になったことを明言してくれて

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脳出血から退院し、5年たってはじめて福祉に繋がったときのこと

脳出血から退院し、5年たってはじめて福祉に繋がったときのこと

退院後の、生きづらいけの3-4年を経て、やっと心に余裕ができ始め、気持ちが落ち着いてきました。と、共に、自分の辛い気持ちを聞いて欲しい。当事者同士で分かち合いたい、と思うようになりました。

最初はネットで、「三鷹 高次脳機能障害 当事者会」で調べてみました。が、調布や、所沢では出てきたものの、私の住む三鷹市では、そのような団体は無いようでした。

当時の私は、バスや電車を乗

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情報の量とスピードに頭の処理が追いつかない感覚

情報の量とスピードに頭の処理が追いつかない感覚

私が、スピードについて行けなくて、困ったことのひとつに、動き回ってすぐ見失ってしまう息子を探す事があります。

色んな事に好奇心旺盛だった、2-3歳の時期の息子は、一瞬で、目の前から居なくなります。

スーパー、公園、児童館。どこへ行っても目が離せません。

見失わないように気を張りっぱなしでしたが、視界からいなくなってしまいます。すぐ探しますが、見た場所をすぐ忘れて

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自転車で移動することの情報処理量に圧倒されるから遠回りの道を選ぶ

自転車で移動することの情報処理量に圧倒されるから遠回りの道を選ぶ

家族で自転車移動する時、夫にはなんて事ない道の移動でも、私には、わ ざと、タスクを増やす難しい道を選んでるようで、本当に疲れました。家から 外出する事にウンザリしていました。

とくに退院直後は、今ほど言葉数が多くなかったので、どんなに疲れても、それが何故だかを夫に伝える事は出来ませんでした。

歩くのも、自転車に乗るのも、こんなに辛いのに、なんで、わかってくれないのた

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右見て、左見て、右見たことを忘れて横断歩道が渡れない。外出は苦行です

右見て、左見て、右見たことを忘れて横断歩道が渡れない。外出は苦行です

例えば、自転車に乗る/エスカレーターに乗る/子供の行動を追うなどがあるため、外出は苦行でした。

急性期病院の先生に、高次脳だと診断された時に「新しい事が覚えづらい」と言われたので、名前や、場所が覚えられなくなるのかな? と思っていましたが、見た物を1秒単位で忘れていくとは思ってませんでした。

例えば、動きが速い物を見ると、記憶として浸透する前に、次の瞬間には、その物

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お買い物に行ってパニックになるよりも宅配に頼っちゃうのが安心

お買い物に行ってパニックになるよりも宅配に頼っちゃうのが安心

家事の買い物に関しては、ゆっくり品物を見て買えるように、基本、宅配にしています。

お店だと、音や、人の動きなど、余計な情報が多く、買い物に集中しづらく、買い忘れが多くなるので、今の私には、カタログから、自分のペースで商品を選ぶ方が合っていると思います。

宅配で足りなかった物をお店で買い足しています。

家事や料理で工夫していること

家事や料理で工夫していること

料理はマルチタスクでするものだと思われがちですが、無理に3つくちコンロを同時に使わなくてもいいと気づきました。

午前中に素材を切る作業だけやったり、一品仕上げておいて、夕方にあったかいまま出せる料理を作ります。結果、一汁二菜になれば構わないと思うようになったので、シングルタスクを自分のペースでこなして用意しています。1日かけて夕飯をちゃんと作れればいいという考え方です。

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高次脳のわたしが編み出したスケジュール管理の工夫

高次脳のわたしが編み出したスケジュール管理の工夫

苦手なスケジュール管理での工夫は、1つの予定に対して、スマホにリマインドして、冷蔵庫に貼ってあるホワイトボードに書き、カレンダーにも書き込むことです。

子供の小学校の予定であれば、息子自身にも何度も確認しながら、自分の記憶としても残す、というやり方をしています。

常に先の予定の事まで考えていると、キャパオーバーで、一瞬一瞬の新しい事が記憶として頭に入って来なくなりま

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子供のお喋りで頭が真っ白に

子供のお喋りで頭が真っ白に

家事をしようにも、家事の順序立てが出来ない。やっと順序立てが出来ても、子供に話しかけられる度に、今までの思考が一瞬にして吹っ飛んでしまうので、また、一から順序の構築。
この繰り返しを一日の中で何度となく行います。

まるで、賽の河原の石積みみたいです。作っては壊され、作っては壊され。

一つの手順から行動に移すまで、頭の中は少ないキャパシティでフル回転してるので、何ひとつ終

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日常会話に頭がついていかなかったときのこと

日常会話に頭がついていかなかったときのこと

退院後、家族との会話でも、自分の言いたい言葉が、瞬時に出てこなくてモヤモヤした思いが常にありました。

でも、関わる人数が少ないので、そこまで苦痛には感じていませんでした。

ところが、息子の幼稚園入園を機に複数の人達と関わる事が避けては通れない状況になりました。

初対面の人と話す事、初めての経験、自分の予想外の展開が、本当に苦手になっていた私には、人と会話するというのは、

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対面で左右が逆であることが認識できない。子供のお着替えを手伝うだけでも混乱してしまう話

対面で左右が逆であることが認識できない。子供のお着替えを手伝うだけでも混乱してしまう話

脳出血のリハビリを経て退院し、家に戻ってとても大変だったのが、息子に服を着せる事でした。

「相手に服を着せる」という想定のリハビリはありませんでしたので、帰ってビックリ、息子に服を着せる事が出来ません。
何故なら、向き合った相手の右左が自分のそれとは逆である事が、認識出来ないのです。自分の左右も確認しながらでないと認識出来ないのに、向かい合った相手の左右は自分とは逆。

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