マガジンのカバー画像

がん当事者の声

22
がん当事者の方のnoteをまとめました。 ※追加・削除依頼はコメントか、kumagaitasuku@gmail.comまでお願いします。
運営しているクリエイター

記事一覧

しんどいときは、しんどいって言ったほうがいい?

しんどいときは、しんどいって言ったほうがいい?

昨年の夏に、友人がお空に旅立ってしまった。

長年の闘病の末のことだった。
でも、闘病していたとはいえ、何かしら楽しいことを見つけては、
活動的に過ごしていた彼女。
音楽が好きだった彼女。
野球が好きだった彼女。
美味しいものが好きだった彼女。

春になると、我が家の近くにある太閤桜を、毎年楽しみにしていた。
見に来る年もあれば、体調によっては、見に来れない年もあり。
どちらにせよ、一緒に太閤桜の

もっとみる
「ごめんね」と「ありがとう」が心を削る

「ごめんね」と「ありがとう」が心を削る

親のしつけの影響だろうか。
私は「ごめんね」と「ありがとう」をよく言うようにしている。
コミュニケーションを円滑にする、魔法の言葉だと思う。

癌による苦痛には、身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、そしてスピリチュアルペインがある。

もちろん身体的にも精神的にもかなり辛かったが、私にとってはスピリチュアルペインが一番苦しかった。

「家族や職場の人に迷惑をかけている」
「自分は何もできなくて無価

もっとみる
がんは人生へのプレゼント!?

がんは人生へのプレゼント!?

がんになると、自分の弱さを強く感じる。
もう駄目だと思うことも多かった。

何度となく死を意識し、死と向き合った…

ただ助けてくれる人の存在と、それに甘えないと生きられない自分も知った。

そして自分の弱さに向き合うほどに、何故か自分の知らない自分の強さが芽生えていく。

そのうち人生の優先順位のガラガラポンが始まる。
何故かそれが漠然とわかり始めた頃に、改めて「決断できる」自分の強さに気づく。

もっとみる
“これが最善” がん治療の選び方 その1

“これが最善” がん治療の選び方 その1

進行がんと診断され、腫瘍内科に紹介されていらした方の最初のハードルは、何といっても「どの治療を選べばいいか?」だと思っています。
“がん”になってしまっただけではなく、“進行している”と言われて不安や焦りを感じない方はまずおりません。
そして、そのようなこれまで経験したことのない極度の不安や焦りを感じている状況で、いくつかの選択肢を提示されても、「どれを選べばよいのか?」、迷うのは当然だと思います

もっとみる
【AYA世代】ガンになって

【AYA世代】ガンになって

AYA(アヤと読みます)世代とは、Adolescent&Young Adult(思春期・若年成人)のことをいい、15歳から39歳のがん患者を指しているそうです。

先日テレビから
「AYA世代をご存知ですか?
昨今、若年層のがん患者が急増しています。・・・」
と特集放送が流れてきました。

(・・・私ってAYA世代のがん患者なんだ。)
一昨年前ガンが発覚しました。
社会的には壮年世代ですが、がん罹

もっとみる
何で私が。

何で私が。


 

しんどい期2回目

 手術前最後の受診から国家試験直前までが、しんどい期2回目です。この時期に病気以外の色々なことも重なっていたので、しんどい期1回目より少し重症だったような気がしています。明るくない話が続きますが、ご容赦ください。

限界を迎える

 手術前最後の受診日。家に帰ってから突然心の限界を迎えました。その日、就職先から連絡を受けて4月からのことに向き合わなければと思ったのがきっ

もっとみる

当事者だから言えること

私は、がんサバイバーです。もう少し具体的に言うと、現役のガン患者です。ステージも最高位。転移3回。5年生存確率も言われました。そこから、9月で10年になります。本当によく、生かされているなと。
 以前、こんな体験をしました。
私が通院している病院は、県内で有名な「がんに対して実績ある病院」です。大学病院ということもあり、施設も充実していますし、がんに対してのサービスも充実しています。それゆえに、様

もっとみる
はじめての抗がん剤 

はじめての抗がん剤 

私が初めて投与した抗がん剤は

ドキソルビシン(A)
すごく綺麗なザクロみたいな赤い色。
悪魔の点滴とか言われているそうで、
投与直後から赤いおしっこが出るという…👻

シクロホスファミド(エンドキサン)(C)

この二つを同じ日に投与していくAC療法。

3週間に一回のペースで投与。✖️4回で約3ヶ月。
さらにもう一種類、抗がん剤3ヶ月後半戦はまだ決まってない。
今回の抗がん剤の反応を見て白血

もっとみる
障害が、私と人類を進化させる。だからへラルボニーで挑む。

障害が、私と人類を進化させる。だからへラルボニーで挑む。

34歳にして突然、障害当事者になりました。

これまでの人生を振り返ると、普通の学校に通い、普通の大学を卒業して、普通に就職して、普通に結婚してーー。

東京で働く、アラサー女子。圧倒的マジョリティ。それが私のはずでした。

ところが、私のお腹には、初めて妊娠した赤ちゃんだけでなく、大きな悪性腫瘍がすくすく育っていました。末期の原発不明がんでした。

突然、重ったるい話をしてしまってごめんなさい!

もっとみる
誰かと一緒に目標を決めること

誰かと一緒に目標を決めること

今日はとても嬉しい言葉をもらったので、noteに残しておきたいと思います。

元々3月に職場復帰をする予定だったわたし。

一旦退職したけど、わたしの事情を知った元上司Mさんからの特別な配慮により、再雇用をしてもらえる予定でした。

末期の癌患者と知った上で受け入れてくれる場所は本当に本当に稀で、
わたしにとっては職場復帰をすることが一つの希望でもありました。

でもそれが今月手術となり復帰が難し

もっとみる
がんと共に生きる⑦がん=不幸ではない

がんと共に生きる⑦がん=不幸ではない

病気になったこと、がんになったことを「よかった」とか「幸せ」と思う日は永遠に来ないであろう。しかし、病気になったこと、がんになったことを「不幸」とも思わない。そう思えるようになったのには、いくつか理由がある。

がんになったことで得られたものがあるからだ。
友達、お客さんなど、関係性の深さや、出会ってからの年月も関係なく、たくさんのメッセージや励まし、贈り物、心から私の回復を願う想いを感じられたこ

もっとみる
XELOX(ゼロックス)治療法について

XELOX(ゼロックス)治療法について

わたしが受けるのはXELOX(ゼロックス)治療法は
世界100ヵ国以上で使用されている飲み薬ゼローダと
点滴薬オキサリプラチンを組み合わせて
進めていく化学治療法

見えないがん細胞を攻撃して死滅させ、その増殖を防ぐ働きがあるけど
正常な細胞にも影響も与えてしまうために個人差はあるけど
よくない影響(副作用)が現れるそう

この治療を受けるまですごく悩んだけど
自分なりに勉強をして考えて
治療を受

もっとみる

今、生きているという事        ①きっかけ

これからの人生悔いのないように。。。

私は、2015年に初めて子宮頸がんの検査で陽性(HSIL)が出て再検査をした。 再検査は、12月。 
検査結果は、年明けになる予定で、その年の12月31日年の暮れは姉や甥っ子が来て賑やかでとても楽しいはずなのに、とても悲しかったことを覚えている。「これが最後の年越しになるかな~」

そう思った時、娘に料理の1つでも教えておいたほうがいいのかな???

当時、

もっとみる
がんサバイバーを名乗れない

がんサバイバーを名乗れない

がんサバイバーという言葉は癌になる前から聞いたことはあった。

がんに罹患して、根治した人のことかなと漠然と思っていた。

しかし、実際にがんになってから調べてみると、治療中の人も診断されたばかりの人も含まれていて"がん経験者"って意味で使われているよう。

かくいう私も、"がんサバイバー"なのだが、自分ががんサバイバーを名乗るのはなんとなく躊躇いがある。
(もちろん、がんサバイバーと名乗っている

もっとみる