見出し画像

お金について考える その10 お金から平和へ(中国編) 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

統一通貨=平和の固定化
〜ロシアのウクライナ侵攻に対する考察前のまとめ


経緯
 その1では、父が持って帰ってきた造幣局が作った貨幣の歴史に関する本がキッカケで、変動相場制、ニクソン・ショック(ドル・ショック)などをリアルタイムで経験しつつup to為替相場まで、これらの激しい変化も全てお金が仮想化されているからしなやかに吸収できているんだなぁと理解。そんな知識整理が人生の早い段階で整い始めたという経緯で、お金について考える時には仮想化ということを何時も意識する様になっているというお話でした。

 その2は、経済という切り口でのお金への理解。仮想化されたお金というパラメータが日常生活から世界経済まで等しく機能しているという理解のお話でした。

 そもそも経済とは市場が生産活動を調整するシステムこことで、古典ギリシア語の οικονομία(家政術)に由来するので日常生活からというのは当たり前過ぎなのですが、それこそ意識しなくなっていることでした。 

 その3は、お金について考え抜いたから基幹産業での人生を選び、その考え抜いた結果を確実に実践できたサラリーマン人生だったというお話でした。

 その4は、国という概念や民族という概念が厄介で、自国通貨も国という概念から出てきていて、国内的には各人の能力に応じて納税という形で社会貢献に使われることが最大の機能の1つだと理解して居るというお話でした。

 その5は、物理屋的な視点では、
お金について考える=為替について考える
ということというお話でした。

 その6は、物理屋からは、お金について考えと、世界経済が投機に委ねられているのは大きな課題だと見えているというお話でした。

 その7は、お金から平和へというEUの挑戦のお話でした。
本邦でも徳川家康が貨幣制度を統一し天下統一を固定化しました。統一通貨ユーロ導入も、経済を切り口に国というややこしい戦争の種をEUとなることで少しずつ潰すことに成功している人類にとってある意味でお手本かと。

 その8は、その7の裏側としてのユーロの課題のお話。経済的(お金)に弱かったギリシャ等の南欧諸国への配慮の必要性が顕在化。日本の北海道や沖縄の問題と同じで、今はより強い統合による政策の仕組み作りに苦しんでいるもののこのまま統合が深化すれば何れ解消するというレベル。なので今後に期待というお話でした。

 その9は、連邦たる米国のケースでも一旦統一通貨を作るも内戦たる南北戦争であるがそれが崩れ、結局北軍の通貨に収斂して統一通貨として今に至るという経緯が有り、EUの挑戦同様にお金の役割を深く考えさせられる歴史が見て取れるというお話でした。

………………………………………………………………………………………………………… 

 今回は、中国も実は超多民族国家でそもそも国としての統一すら不安定な状況だけど耐えているというお話です。
 
 夏王朝から始まり

 その音を継いだ中華(夏)文明として脈々とと歴史を紡いできた地域。

 当たり前過ぎて意識しなくなっていることではありますが、1949年以降「中国」とは中華人民共和国に対する略称として用いられ、地理的には中国大陸とそれに付随する島嶼部について使用されている様です。
 そもそも中国というその表記自体ですら「中国」という用語の近代的な主権国家の概念での使用が始まったのはは比較的最近のことです。1842年にアヘン(阿片)戦争の敗北で清朝がイギリスと結んだ近代的な国際条約、南京条約が「中国」という表記が使われたが最初だと言われています。

 取っ掛かりですらここまで深いのですから、その文明自体の多様性も半端ではありません。裏返せば所謂(敢えてそう呼ばせて頂きます。)中国という国の統一が如何に難しいことか、という話になります。
 知日である習近平さんが、中国を曲がりなりにも国際的に認められる大国として何とか御すことができている今を大事にして、それぞ上述の阿片戦争や日本軍による満洲国設置等を教訓に現代中国の国際的立ち位置を強引に固定化することに粉骨砕身されている姿は痛々しさすら感じます。

 勿論統一通貨としての人民元も機能しています。

 中国の多民族国家という宿命、激しい人々も当然統計的確率で存在し、民度も発展途上…。共産主義で歴史的にも中国が得意とするエリート政治を駆使…。とても私利私欲では治まらないかと。

 人類の四大文明であるメソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、そして黄河文明。そんな先進国中国。秦の始皇帝の時代には既に貨幣どころか度量衡を統一して銅貨の半両銭を貨幣重量の基準としていました。勿論大国ですから流通貨幣はいきなりは統一できませんでした。それでも乱世からの脱却、平和維持を目的に統一通貨が利用されていたのです。
 その後もいつの時代も通貨を統一することで治世、平和を維持しようとする努力は続けられました。例えば漢は、中央政府による鋳造権の独占が十分できず、王侯や民間が発行する貨幣(私鋳銭)も多数存在したと言われています。詰まり世の中が良く治まって居なかったということです。

 申し訳ない歴史ですからこそ忘れてはいけない満洲国もまた通貨の押し付けをしたのでした。

 
 中国の貨幣制度の歴史は以下に詳しいのでそちらに譲ります。

 勿論日本も徳川家康が貨幣を統一するまでは専ら中国の貨幣の助けを借り続けてきたという立場です。その意味から本邦も中国の影響下に常に有ったということになります。

 ということで本邦、EU、米国、中国に見る統一通貨が平和の固定化の一助となるという類似性を俯瞰して来ました。

 ここまで網羅的に理解した上でいよいよ至近のロシアのウクライナ侵攻を題材にここまでの知見を当てはめて考えたいと思います。

 長々お付き合い頂きましたが、やっとここまで来ました(笑)

つづく

蛇足
 えっ。もうしつこいから既に飽きちゃってたって…(⁠+⁠_⁠+⁠)
 (しょんぼり…)


この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?