さより

発達障がい当事者の大学生。 発達障がい者ならではのこと、ただの女の子としてのこと、いろ…

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発達障がい当事者の大学生。 発達障がい者ならではのこと、ただの女の子としてのこと、いろんなことを書いていきたい。 不登校、部分登校を経験し、大学に入学したものの、一年後期を休学。この4月から復学している。

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自己紹介|さよりって誰なん

初めまして、さよりと申します。 ずっと始めたいなと思っていたnoteをついに始めました。 日頃つらつらと考えていることを書いていきます。  広汎性発達障がい当事者の大…

さより
8か月前
1

きもかわいいってなんなんだ

 きもかわいい、が理解できない。  気持ち悪いものは気持ち悪いのではないか? それがかわいいってなんだ? あばたもえくぼみたいなことか?  それなら、気持ち悪いっ…

さより
7日前

自己啓発本の棚の前で

 本屋さんに行って、自己啓発本の棚の前に行くと、なんだかほっとしたような、愛おしいような気持になる。  そこにある大量の「こうすれば人生が楽になる」とか「幸せに…

さより
2週間前

堂々と好きっていうことが正義なの?

 読書好きなんです、という後輩が「目が悪くても、本さえ読めればいいんで」なんて言うのを聞くと、なんだか困ってしまう。こっぱずかしいような、反発したくなるような、…

さより
3週間前
6

言葉がわたしに刺さるとき

 小川洋子さんのエッセイ、「カラーひよことコーヒー豆」に、こんな一節が出てくる。 「大げさな励ましなど所詮、励ます側の自己満足でしかない。特別な才能や資格を持っ…

さより
1か月前
4

発達障がい|パニックと見捨てられ不安

大学に復学して、一週間が経った。 先週は木曜日あたりから崩れ始め、木曜の夜、金曜日の朝とずっとパニックを起こしていた。 パニックを起こす過程で、誤解が生じ、父に怒…

さより
1か月前
5

徒然日記|憧れとの再会

 憧れと思わぬ形で再会することがある。  とある人から、何かの折にもらったプレゼントにネイルオイルがあった。中にお花が入っていて、目にも心地よい実用性のあるプレ…

さより
3か月前

徒然日記|工事現場のおじさんと仲良くなるには

 帰り道、小学生が工事現場の警備員さん(?)に挨拶しているところを見かけた。おっ、珍しいな、と思ったら、もっと珍しいことに警備員さんがにこにこと話しかけていた。…

さより
3か月前
1

徒然日記|ご褒美を選ぶひと

 スーパーで、手に持ったパンを棚に戻そうとして手を止め、しばらく考えてそれを棚に戻し、ほかのパンに目を走らせている男性がいた。その姿を横目に見つつ、わたしは深く…

さより
3か月前
2

徒然日記|お墓と笑顔

 お墓っていいなあ、と思った。帰り道、お墓の横を通ったときのことだ。おばあさんとおじいさんが三人、お墓から出てくるところで、自転車のわたしが頭をさげるとにこにこ…

さより
3か月前
2

徒然日記|自転車を担いだ人

 大学に行く途中で、踏切を渡る必要がある。いつもはそれほど待つことなく開くごく普通の踏切である。しかし、今日は私が踏切についたときにはすでにたくさんの人が集まっ…

さより
3か月前
2

毎日日記|髪の毛の水分

 久しぶりにエアコンをつけた。我が家には扇風機のような形で、ファンがある場所が発熱するタイプの暖房器具があり、それに頼って今冬は生きていたのだが、いかんせん今日…

さより
3か月前

毎日日記|観葉植物と司書さん

 図書館で「三月のライオン」を読んでいると、ばたばたばた、と走る足音と「おかあさん!ねえ!」と大きな声がした。小学校低学年……もしくは幼稚園の年長さんくらいだろ…

さより
4か月前

毎日日記|レジの前後の子どもたち

 業務スーパーに行って、レジに並んだ。目の前は二人の息子さんを連れた夫婦で、おにいちゃんの方が会計をしている横から買い物かごを熱心に見つめていた。 「買ったよ」…

さより
4か月前

毎日日記|炊飯器感謝

 この家に引っ越してきたとき、家電がなかった。正しくは、トースターとすべてがやんわり凍ってしまう冷蔵庫しかなかった。そののち、段階を踏んで電子レンジが投入され、…

さより
4か月前
3

毎日日記|食べ物アクシデント

 朝起きる前の半分覚醒していて、半分夢の中の状態で、実家のチョコチップクッキー入りのワッフルを食べる夢を見た。起きたときには完全にチョコチップの口になっていた。…

さより
4か月前
2
自己紹介|さよりって誰なん

自己紹介|さよりって誰なん

初めまして、さよりと申します。
ずっと始めたいなと思っていたnoteをついに始めました。
日頃つらつらと考えていることを書いていきます。

 広汎性発達障がい当事者の大学生です。
 たぶんみんなが想像する「発達障がい児」とはちょっとずれてます!笑
 でももちろん、いわゆる「発達障がいっぽい」部分もめっちゃあります。
 発達障がいについてもたくさん書くと思うので「発達障がいおもろいやん」って思っても

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きもかわいいってなんなんだ

きもかわいいってなんなんだ

 きもかわいい、が理解できない。
 気持ち悪いものは気持ち悪いのではないか? それがかわいいってなんだ? あばたもえくぼみたいなことか?
 それなら、気持ち悪いってなんなんだ? 目玉がごろごろ転がっているのもじっと見つめれば可愛く見えてくるのか?
 会えば会うほど好きになる単純接触効果みたいなものか? 見れば見るほど可愛く見えてくるのか?
 心当たりがないこともない。そんなにタイプじゃないなと思っ

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自己啓発本の棚の前で

自己啓発本の棚の前で

 本屋さんに行って、自己啓発本の棚の前に行くと、なんだかほっとしたような、愛おしいような気持になる。
 そこにある大量の「こうすれば人生が楽になる」とか「幸せになるための十か条」とかの本を書いた人がいるということ、そしてそれらを読む人たちがこんなにもたくさんいるということに、人間のどうしようもなさと愛おしさを感じるのだ。
 たぶん、人生はそんなに簡単なものではない。これさえ読めば絶対に幸せになる、

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堂々と好きっていうことが正義なの?

堂々と好きっていうことが正義なの?

 読書好きなんです、という後輩が「目が悪くても、本さえ読めればいいんで」なんて言うのを聞くと、なんだか困ってしまう。こっぱずかしいような、反発したくなるような、なんとも言えない気持ちになるのだ。
 そのまっすぐさがまぶしいのだろうか、好きなものをどれくらい好きかを言うことにためらいのないその姿勢が目に染みるのだろうか。
 そんな気もする。でも少し違うような気もする。
 大きな声で言えば、それだけそ

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言葉がわたしに刺さるとき

言葉がわたしに刺さるとき

 小川洋子さんのエッセイ、「カラーひよことコーヒー豆」に、こんな一節が出てくる。

「大げさな励ましなど所詮、励ます側の自己満足でしかない。特別な才能や資格を持った人だけが、再生への光を授けられるのでもない。当たり前の愛情さえあれば、人は立ち直れる。」

 これを初めて読んだとき、涙が溢れ出てきて止まらなかった。自分でも驚くほど泣いて、泣いて、しばらく読み進めても、また同じページに戻って泣いた。

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発達障がい|パニックと見捨てられ不安

発達障がい|パニックと見捨てられ不安

大学に復学して、一週間が経った。
先週は木曜日あたりから崩れ始め、木曜の夜、金曜日の朝とずっとパニックを起こしていた。
パニックを起こす過程で、誤解が生じ、父に怒鳴りつけられるという事件が起きた。これにより、ただでさえひどかった、見捨てられ不安が爆増した(父も誤解によって傷ついていたので、父が悪いわけではない)。
そこで、この「見捨てられ不安」というものについて考えてみた。

まず、パニックを起こ

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徒然日記|憧れとの再会

徒然日記|憧れとの再会

 憧れと思わぬ形で再会することがある。
 とある人から、何かの折にもらったプレゼントにネイルオイルがあった。中にお花が入っていて、目にも心地よい実用性のあるプレゼントだ。
 それを見た瞬間、姉の部屋で「これなに?」と憧れの目で見つめていた記憶がよみがえった。姉のネイルオイルも確か中にお花が閉じ込められていて、なんだか大人の女性が持つ素敵なグッズに見えたものである。憧れてはいたものの、爪に意識を払う

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徒然日記|工事現場のおじさんと仲良くなるには

徒然日記|工事現場のおじさんと仲良くなるには

 帰り道、小学生が工事現場の警備員さん(?)に挨拶しているところを見かけた。おっ、珍しいな、と思ったら、もっと珍しいことに警備員さんがにこにこと話しかけていた。ふたりは知り合いだったらしい。
 なんて素敵な光景を見たんだ……! と胸がほかほかした。警備員さんとランドセルが背中よりも大きいような小学生がどうやって仲良くなったのかはわからないが、なんとも温かい気持ちになる光景だった。
 わたしも、工事

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徒然日記|ご褒美を選ぶひと

徒然日記|ご褒美を選ぶひと

 スーパーで、手に持ったパンを棚に戻そうとして手を止め、しばらく考えてそれを棚に戻し、ほかのパンに目を走らせている男性がいた。その姿を横目に見つつ、わたしは深く共感してしまった。あんまり行儀のいいことではないとわかりつつも、わたしもつい優柔不断でそういうことをしてしまう。自分へのご褒美を選んでいるときなんてなおさら。
 こうやって悩みに悩んだ結果、思い通りの、もしくは予想を超えたおいしさに出会える

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徒然日記|お墓と笑顔

徒然日記|お墓と笑顔

 お墓っていいなあ、と思った。帰り道、お墓の横を通ったときのことだ。おばあさんとおじいさんが三人、お墓から出てくるところで、自転車のわたしが頭をさげるとにこにこと道を開けてくれた。そこから香ってくるお線香の匂いと、おばあさんの優しい笑顔で、お墓っていいなあ、と思った。
 わたしはキリスト教の家で育ったので、もちろん仏壇というものは家になく、墓参りという習慣もない。しかし、なんとなく憧れはあった。

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徒然日記|自転車を担いだ人

徒然日記|自転車を担いだ人

 大学に行く途中で、踏切を渡る必要がある。いつもはそれほど待つことなく開くごく普通の踏切である。しかし、今日は私が踏切についたときにはすでにたくさんの人が集まっていた。踏切が全然開いていないのだ。
 たぶん電車の遅延の関係だろう、ときどき“開かずの踏切”になるその踏切には一応歩道橋があり、真ん中には自転車を押していくための細いスロープすらある。しかし、かなり急な傾斜であることから、日頃は利用する人

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毎日日記|髪の毛の水分

毎日日記|髪の毛の水分

 久しぶりにエアコンをつけた。我が家には扇風機のような形で、ファンがある場所が発熱するタイプの暖房器具があり、それに頼って今冬は生きていたのだが、いかんせん今日は寒すぎた。
 しかし、エアコンをつけると乾燥する。加湿器をつけても、圧倒的な力を持つエアコンにはほとんど意味がなさそうである。
 お風呂からあがって濡れているタオルを室内干し用の物干しざおにかけたら、すぐに乾いた。やはりエアコンというのは

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毎日日記|観葉植物と司書さん

毎日日記|観葉植物と司書さん

 図書館で「三月のライオン」を読んでいると、ばたばたばた、と走る足音と「おかあさん!ねえ!」と大きな声がした。小学校低学年……もしくは幼稚園の年長さんくらいだろうか、小さな男の子が走り回っているようだった。ちら、とそちらを見て、誰もがそうするように、私も手に持った漫画に視線を戻した。
 しかし、彼はなかなかの声量でしゃべり続けた。おかあさんもたしなめたりしているのだが、一時的には静かになっても、ま

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毎日日記|レジの前後の子どもたち

毎日日記|レジの前後の子どもたち

 業務スーパーに行って、レジに並んだ。目の前は二人の息子さんを連れた夫婦で、おにいちゃんの方が会計をしている横から買い物かごを熱心に見つめていた。
「買ったよ」と言ってもらったのだろうか、それとも会計が終わったことをわかっているのだろうか、お父さんがお金を払い終えるとお菓子の袋をふたつ引っ張り出し、弟に片方を渡していた。嬉しそうなその笑顔と、きょとんとした顔で受け取っている弟の対比がたまらなくかわ

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毎日日記|炊飯器感謝

毎日日記|炊飯器感謝

 この家に引っ越してきたとき、家電がなかった。正しくは、トースターとすべてがやんわり凍ってしまう冷蔵庫しかなかった。そののち、段階を踏んで電子レンジが投入され、きちんと冷凍庫と冷蔵部分が分かたれた冷蔵庫がやってきたのだが、その際涙が出んばかりに感動したことを覚えている。特に感動したのは電子レンジで、これさえあれば、すぐ温かいものが食べられるという有難みは冬だったこともあり身に沁みた。
 そして今日

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毎日日記|食べ物アクシデント

毎日日記|食べ物アクシデント

 朝起きる前の半分覚醒していて、半分夢の中の状態で、実家のチョコチップクッキー入りのワッフルを食べる夢を見た。起きたときには完全にチョコチップの口になっていた。
 我が家にチョコチップなどというおしゃれなものも、ワッフルメーカーもないので、近くのスーパーに菓子パンを買いに行った。チョコチップでなければ、とにかくチョコレートの気分だったのだ。しかし、なぜかスーパーの帰り道、私の手の中にあったのはカレ

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