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★詩やショートショート他、投稿いたします★ 著作:「フランジ」/文芸社 https…

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★詩やショートショート他、投稿いたします★ 著作:「フランジ」/文芸社 https://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-22878-5.jsp

マガジン

  • ワタシノ美術館

    「あ、コレクションしたい」を集めます。

記事一覧

代理し代行する代弁者

「白夜に夜通し行進したことはあるかい?」  目の前のカラッゾ(あるいはカランゾ)と名乗る男は、自分が囚われの身であることを歯牙にもかけず、よほど私が追及する内容…

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1か月前
47

正しいねむり - 水 -

暗闇を走る軽自動車 ヘッドライト照らす畦道 玄関のぼんやり明るい平屋建 家に帰り着く安心と不安 軋む床 軋む階段 軋まないベッド 紐を引いて明かりをつける 私の部屋だ…

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1か月前
56

井戸端プロレス/私/Cocco

学校の帰り道 JAの駐車場に人だかり 囲まれた中央にリング おばさんとおばさんが デスマッチ中らしい 片方は赤い三つ編み もう片方は短髪 片方は長ネギを持ち もう片方はゴ…

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2か月前
62

ナイトメア

怖い夢を見た 追いかけられる夢 逃げても逃げても 追いかけてくる夢 振り返るたびに 近付いてくる オジサン、、、 こちとら全速力 歳は取ったが 脚力には自信あり 追って…

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3か月前
68

アダルトチルドレン

駅構内に併設されている比較的新しい書店。 学校帰りの女子高生が2人。 彼ピ待ちのミホコ(以下、「ミ」)と、それに付き合わされるサトミ(以下、「サ」)。 興味ないけど…

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3か月前
55

non title

近頃はぐっと寒く 頭も体も固まる 嫌な季節 呼吸していても 生きていることが多少 止まっているかのよう 意識がここにあってない ビルに点滅する 航空障害灯のよう 災禍…

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4か月前
71

マッチ売りの少女

 ネオン輝く夜の街。 少女「マッチいかがすか?」  酔いどれサラリーマンが千鳥足。 少女「マッチいかがすか?お兄さん。     すぐご案内ですよ」  ホントは興…

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5か月前
62

アオハル

まだ新しさの残る図書館で 2人の男女が 本棚を挟んで背中合わせ 女はジェンダー的にも トラディショナルで 男は最近 迷っているところ 受験を控えたこの冬は 暖冬なのか …

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6か月前
62

uNcontrol

死神から鎌をもらった もう使わないからと 僕を殺しに来たんじゃないの? と聞くと そうだけど 定時は過ぎたし 仕事は今日で終わりだから と言って 僕の胸に鎌を押しや…

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7か月前
65

丸いこと

父さんは言った この世は丸い とんと丸いと 水平線の彼方の曲線美 見果てぬ向こう側を追って走れば いずれ元いたところに 立ち返る 海岸線を横に走ったとて同じ 父さんの…

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7か月前
63

うさぎとかめ

兎さんは スタートダッシュで 早々に消えてもらって 基本的には 亀さんのペースに合わせて 番組が進みます ガヤ的に色んな動物がやってきて 亀さんをイジリつつ それぞれが…

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8か月前
82

ヘンないきもの

遠くから見ると 犬に見えた 近寄ると猫のようにも見えたが 思いのほか足が多い よくよく見ると 課長に顔が似ているし スマホのカメラで撮ろうとすると ボディービルダー…

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8か月前
63

苦益列車

僕は苦しいんだ 僕は悩んでいるんだ 頭を抱えながら 何もない貨物車両の片隅で 塞ぎ込む それでも列車は 何処かへ僕を運んでいく ガタンゴトン ゴトンゴトン 壁に空い…

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8か月前
68

水満たすこと

コップ一杯の水 溢れそうで 不安になる 8分目だと 全然飲んでいないと 横槍が入る 半分以上なくなると 勝手に注ぎ足されたりもする 空っぽだと ああ 僕には何もないん…

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9か月前
70

鳥、さえずる時

妻と子供より 少し遅く起きる 慌ただしく 居間と寝室 洗面所を行き来する 妻の足音を聞きながら 今日もまた 寝起きが良くなくて 申し訳ないと思う 居間に散乱する 玩具 …

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9か月前
73

寝たふりパトラッシュ

逝ったかな? 逝ってないか まだ呼吸はしてるね とても遅くなったけど ああ それにしても 走馬灯って 犬でも見るんだ ネロとの日々が ゆっくり映(なが)れるんだね ひた…

mASAO
10か月前
62
代理し代行する代弁者

代理し代行する代弁者

「白夜に夜通し行進したことはあるかい?」

 目の前のカラッゾ(あるいはカランゾ)と名乗る男は、自分が囚われの身であることを歯牙にもかけず、よほど私が追及する内容とはかけ離れたことばかりを話す。

「南極に着いて、すぐの話さ。きっとガイドの皮を被った狼達にとっては、いつものことなんだろうが、観光気分が抜けないうちに、さっさと事を進めたかったんだろうな」
「"事"ってのは?」
「事は事さ。アンタにだ

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正しいねむり - 水 -

正しいねむり - 水 -

暗闇を走る軽自動車
ヘッドライト照らす畦道
玄関のぼんやり明るい平屋建
家に帰り着く安心と不安

軋む床
軋む階段
軋まないベッド

紐を引いて明かりをつける
私の部屋だということの確認
すぐに消して
YouTubeのチルった光だけで
深まる夜に沈む

夜は紺から黒になる

ベッドの下から染み出す水
水位は少しずつ上がる
少しずつ少しずつ

シーツが濡れると
身体が浸るまで時間はかからない
顔だけ

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井戸端プロレス/私/Cocco

井戸端プロレス/私/Cocco

学校の帰り道
JAの駐車場に人だかり
囲まれた中央にリング
おばさんとおばさんが
デスマッチ中らしい
片方は赤い三つ編み
もう片方は短髪
片方は長ネギを持ち
もう片方はゴボウを束にして
取っ組み合い
つかみ合い
目を腫らして
鼻血流して
真剣(?)勝負

私もあんな風に
ぶつかり合える性格なら
いいのだけれど

それにしても
こんなことしてて
警察沙汰にならないかと
思ってたのは勘違い
パトカーが

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ナイトメア

ナイトメア

怖い夢を見た
追いかけられる夢
逃げても逃げても
追いかけてくる夢
振り返るたびに
近付いてくる
オジサン、、、

こちとら全速力
歳は取ったが
脚力には自信あり
追ってくるのは
めっぽうオジサン
しかも歩いて
のらりくらり

それなのに
それなのに
どんどん
どんどん
差が縮まる

振り返るたび
フォルムが少しずつ
ハッキリしてくる

当たり前だが
ハゲている
前から頭頂部にかけて
だけど
ハゲ

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アダルトチルドレン

アダルトチルドレン

駅構内に併設されている比較的新しい書店。
学校帰りの女子高生が2人。
彼ピ待ちのミホコ(以下、「ミ」)と、それに付き合わされるサトミ(以下、「サ」)。
興味ないけど、雑誌ザッピング中。

ミ:
「アダルトチルドレンとは、子供時代の家庭環境や親の言動(例えば、アルコールや薬物の依存、虐待など)が原因となって、心が傷つけられた大人を指します、、、」だと!?うちの親ピじゃん。

サ:
むしろ、超絶うちの

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non title

non title

近頃はぐっと寒く
頭も体も固まる
嫌な季節
呼吸していても
生きていることが多少
止まっているかのよう
意識がここにあってない

ビルに点滅する
航空障害灯のよう

災禍は止まない
今も昔も
歳を重ねると
テレビは表面を撫でるような
意味のない言葉で溢れている
そんな風に聞こえる
「テレビを消しなさい」と
子供の頃
意味を感じなかった母の言葉
そちらの方が重みを増し
秤のバランスを崩していく

p

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マッチ売りの少女

マッチ売りの少女

 ネオン輝く夜の街。

少女「マッチいかがすか?」

 酔いどれサラリーマンが千鳥足。

少女「マッチいかがすか?お兄さん。 
   すぐご案内ですよ」

 ホントは興味ある癖に、シカトこ
 く、スーツ2人組。
 と、今度は、丸々とした汗かき、お
 よび高身長のガリガリが、現れる。

少女「マッチいかがすか?お安くしと
   きますよ」

丸々「どど、どうする?」

ガリガリ「べ、別にどっちでもい

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アオハル

アオハル

まだ新しさの残る図書館で
2人の男女が
本棚を挟んで背中合わせ

女はジェンダー的にも
トラディショナルで
男は最近
迷っているところ

受験を控えたこの冬は
暖冬なのか
急転
極寒か

ともかく2人は高鳴る胸が
どういう意味かと思索を重ねる


「月を見ようと
 見上げた首は
 ヘルニア」


「そうさ
 夢の世界は
 いつだって
 ナルニア」


「変な音がする膝
 本当に整形外科医は

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uNcontrol

uNcontrol

死神から鎌をもらった
もう使わないからと

僕を殺しに来たんじゃないの?
と聞くと

そうだけど
定時は過ぎたし
仕事は今日で終わりだから

と言って
僕の胸に鎌を押しやった

思ったよりは軽い
柄は長いから
振ったら重いのかも

彼は(彼女は?)
去っていく後ろ姿ごしに
スカルの面を外す
黒い衣も脱ぎ去った

ひとり立ちすくむ

こんな物をもらったところで
使い方も教わらないで
どうしろってんだ

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丸いこと

丸いこと

父さんは言った
この世は丸い
とんと丸いと

水平線の彼方の曲線美
見果てぬ向こう側を追って走れば
いずれ元いたところに
立ち返る
海岸線を横に走ったとて同じ

父さんの手は温かった
きっと興奮していたに違いない

私はその日から
丸い物を追い
丸い事を求めた
延々と丸を描き続けた年頃もあった
丸い部分を探しては
触らずにはいられなかった

特に目玉が好きだった
魚や鳥
犬や猫
飽き足らず
友の目

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うさぎとかめ

うさぎとかめ

兎さんは
スタートダッシュで
早々に消えてもらって
基本的には
亀さんのペースに合わせて
番組が進みます
ガヤ的に色んな動物がやってきて
亀さんをイジリつつ
それぞれがネタやったり
歌ったりして盛り上げます
時々
中間地点の兎さんにフリがありますんで
その時は一言
途中から終盤までは
寝たフリか
寝てもらってもかまいません
スタッフが起こしますんでね

テレビの向こうで
ゆっくりと
ボーっと寝そべ

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ヘンないきもの

ヘンないきもの

遠くから見ると
犬に見えた

近寄ると猫のようにも見えたが
思いのほか足が多い

よくよく見ると
課長に顔が似ているし

スマホのカメラで撮ろうとすると
ボディービルダーっぽく見える

酔っ払っているからだろうかと
明日も来てみる

すると
もう一匹増えている

電信柱を挟んで
狛犬のような立ち位置

しかし犬というよりは
狸に近い

思い切ってグッと近寄ると
ハシビロコウみたいに振る舞う

素面

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苦益列車

苦益列車

僕は苦しいんだ
僕は悩んでいるんだ

頭を抱えながら
何もない貨物車両の片隅で
塞ぎ込む

それでも列車は
何処かへ僕を運んでいく

ガタンゴトン
ゴトンゴトン

壁に空いた穴から
光が差し込む

外は深い夜で
雲ひとつない空に
星の明滅がよく見える

広い平野に
ところどころ木々

みぞおちが痛いほど
外の世界は広い
太陽が昇るとさらに
絶望的に広いのだ

だから闇よ
明けないでくれ
苦しくて辛

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水満たすこと

水満たすこと

コップ一杯の水
溢れそうで
不安になる

8分目だと
全然飲んでいないと
横槍が入る

半分以上なくなると
勝手に注ぎ足されたりもする

空っぽだと
ああ
僕には何もないんだと思うし

「同じもので」
と意にそぐわないことも
平気で口にして
満たそうともする

勢いよく倒れる
驚く
ビックリする
ごめんなさいと言う時も
誰がやったのと問う時も
ぼう然とする時も
事実は同じ

また入れればいいじゃな

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鳥、さえずる時

鳥、さえずる時

妻と子供より
少し遅く起きる

慌ただしく
居間と寝室
洗面所を行き来する
妻の足音を聞きながら

今日もまた
寝起きが良くなくて
申し訳ないと思う

居間に散乱する
玩具
チラシ
ビニール袋

転がる息子の手に
半円柱の積み木
細く高く
声を楽しむ息子に
心奪われて候

外から舞い込む
ヒヨドリの声
マンションの駐車場を挟んだ先
お寺の大木に住まう家族

今日みたいに
かんかんと日の照る時も

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寝たふりパトラッシュ

寝たふりパトラッシュ

逝ったかな?
逝ってないか
まだ呼吸はしてるね
とても遅くなったけど

ああ
それにしても
走馬灯って
犬でも見るんだ
ネロとの日々が
ゆっくり映(なが)れるんだね
ひたすら一緒にいたよね

毎日毎日毎日毎日毎日
毎日毎日毎日毎日毎日
everyday everyday
everyday everyday
everyday
毎日 my family ネロ only
I need 4クール
ye

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