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味噌そばセットを食べたこと。ティシュソースのこと。小麦粉温泉のこと。
味噌そばセットを食べたこと。
渋谷駅。午後2時。雪にならない雨がちらつく。
スクランブル渡る。昼飯時。いくつものラーメン店を逡巡し辿り着いた場所…
「鼓膜に痛い言葉と瞳に痛い言葉についての考察を進めてみる」
・こんにゃくみたいな滑らかな首
・文学と横断歩道
・ひし形の観覧車が廻りだす場所
そんなシチュエーションこそが、まさに鼓膜に痛い言葉である。
一方の瞳に痛い言葉とは?
・羊のよう
サムゲタンを食べたこと。生きること。終電を逃して冥王星に帰れなかった君を憐れむこと。
昼食。サムゲタンを食べた。日の当たらない没交渉を繰り返した昼下がり。頭状で透明のクエッションマークを携えて、韓国料理店に足を運んだ。身を粉にして反復労働に勤しむ僕でも、昼食の時間確保くらいは必要だ。新橋の街を歩く。街では、アドレナリンを浄土に持参してしまって行き場のない魂が、冥土を縦横無尽に駆け抜ける。まるで少ない生命を惜しむように。生きるとは多分そういうことだ。
カクテキも食べた。いつか終電を
麻婆定食を食べたこと。中華街に行ったこと~中華街で中華以外を食べたい衝動に駆られるが、それはまるで分母を持たない分数のように、中途半端できまりが悪い行為だということ。
存在証明を衝動的に叫んで、スタイリッシュな誰かは不敵な笑みを浮かべる。ハウスダストを恐れた潔癖症者は、基準値を超えた濃度で隣の恋人に乱心する。水素爆弾を仕掛けたデイトレーダーは、今か今かと固唾を咽んでその瞬間を待ち構える。そして、相変わらず既読無視を繰り返す僕といえば、其れ等の異常なはすの光景を想像して、ひとりでほくそ笑んている。
電車内。京浜東北線の電車内。電車内とはきっと、そういう場所だ。
チョコを食べたこと~見えないソニックブームを避けること~消えてしまった生命~明日照らせるスポットライトを残して
渋谷駅。東急の食品売り場。1枚のチョコを買う僕は渋谷駅周辺を歩く。このルサンチマンに空中散歩させる。フワフワ浮かんで所在無さげに浮かんている。ルサンチマン。それは、見えないソニックブームをかわすように、断続的に何かを避けている。雑踏の中、ヒトでごった返すスクランブル交差点、何かを避け続けている。少なくとも僕にはそう見えた。
1枚のチョコ。314円。PASMOで支払う。ふとあの頃を思い出す。チョコ
彼女〜大人しい瞬きのこと〜
夕刻。彼女に宛てたLINEの下書きだけ書いた。まるで異国の地に不時着するチャレンジャーの気持ちだ。それは、途方も無いものに石を当てるような、無為な気持ちだ。
テキストを打つ。文字を入力する。予めて考えた言葉が溢れる。焙れる。炙れる。そして漏れ出す。
連続しない気持ちは再起動を繰り返す。再起動を繰り返した後、きっとフリーズするだろう。一瞬で微動だにしなくなる。ピタッと止まる。完全に止まる。泊まる
僕が繰り返しているシミレーションについて【朝日記】
9時半起床。起床直前の三次元の写像を、脳裏に再投影しようと試みる。しかし、上手く行かない。再投影しようとトライしても、起きた瞬間のそのイメージ(夢とも言う)は、霧のように消失してしまう。跡形もなく。
仕方ない。珈琲を飲もう。次に、無言の目盛りで物体まての焦点距離を測るように珈琲に手を伸ばす。距離を詰めて。手で触れる。手の感触の上位互換を恐れて延長線上にあるブレンディーのスティックに触れる。珈琲の
建前の空理空論を唱えるより、ここにいる天使を匿おう
朝9時半、起床。トランジット訛の純情が一人ぼっちのアイデンティティを阻む。カフェラテのように優しい虚無感に身を委ねて、蝶使いの朝をクルージング。耳に転がる前奏曲は爽快だ。建前の空理空論を唱えるより、ここにいる天使を匿おう。機械学習のルールで身につけてきたものは、身ぐるみ剥がしてしまえばいい。
ルーティンのタスク遂行開始。生まれた小さなハレーションは、やがて注意報のように耳を大きく占領する。排他的
トマトカレー麺を食べたこと。記憶を漂白した反射光の眩しい午後を見上げていたこと。
Netflixの新作ドラマを見る。サンマルクカフェ。思考のビックデータによる蜘蛛の糸を寄せて。断腸の思いで繋いだ黒歴史を。記憶を漂白した反射光の眩しい午後を僕は見上げていた。摩擦音が摩耗する三重奏の騒音を嗅ぎ分けて、脳内の君の声を聞く。業務連絡のように機械的で味気ない君の声が響く。反射光の午後。シンメトリーな心になれない思索のシーケンサーが、現実世界の認識を歪ませる。
トマトカレー麺を食べる僕。