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ライフスタイル オブ フィンランド!

ライフスタイル オブ フィンランド!

先日、フィンランドの友人を訪ねた。

彼女は大学の研究員で、日本の地方創生に関心があり、日本を訪ねたことをきっかけにご縁ができた。

彼女はパートナーと共に、田舎暮らしをすることを決め、3年前にヘルシンキから移住した。ヘルシンキから電車で1時間ほどの小さな街が最寄り駅で、そこからさらに30分ほど車で走らせた場所に住んでいる。

自宅は昔、小学校だった一帯にあり、先生の宿舎として使われていたところを

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デンマークの新たな"子ども観"。

デンマークの新たな"子ども観"。

先日、お世話になっているDさんに興味深いお話を伺った。
Dさんは、ペダゴー(pædagog)の資格を取るための大学に通っている。

Dさんによると、今デンマークの教育分野では
子ども観(デンマーク語でBørnesyn)
の転換が起こっているという。

新たな子ども観では
"Børn gør det godt, hvis de kan"
というのが基本的な姿勢になるそう。

日本語にざっくりと訳すと

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修士論文を書き終えて。

修士論文を書き終えて。

先日、修士論文の公聴会が終わり、修士課程を終えた。

この2年間「修士論文」という大きな目標に向かって日々進んできたから、嬉しくもあり、それが突然終わってしまって、なんだか寂しくもある。それだけやり切れたということでもあると思う。

この2年間、誰よりも「エフタスコーレ」と向き合ってきた。エフタスコーレとは、デンマークのオルタナティブな学校で、10代後半の若者が共同生活を通して自分を見つめ直す。

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「自己決定」と「自己責任」。

「自己決定」と「自己責任」。

ーーどう生きるのか?

親世代のように、いい学校にいって、いい会社に入って、家庭をもって、老後は年金をもらって...という安定したライフコースを辿るのが難しくなり、運良くそうできたとしても、それが本当に幸せなのかもわからない。そんな時代を生きる若者にとって、常に突きつけられるこの問いに、私たち大人はどのように応えていくことができるのか。

そのヒントを探るため、デンマークの進路選択を例に考えてみた

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海外は好きだけど、日本に住み続けたい。

海外は好きだけど、日本に住み続けたい。

最近腹落ちしたこと。

海外に行くのは好き。特に私にとってデンマークは特別で、何度行ったって飽きないし、これからもずっと関わり続けたい国。

でも「デンマークに移住したい?」と聞かれると、「ん〜住むのはちょっとね…」と答えてきた。自分でもなんでかな?と考える中で、一つの答えが出た気がする。

デンマークが嫌とか、そういうことでは全くなくて、私はやっぱり日本が好き。

日本の「文化」が大好き。

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🇩🇰 調査レポート07【私たちは北欧社会から何を学べるのか】

🇩🇰 調査レポート07【私たちは北欧社会から何を学べるのか】

先日、同じ研究室の友人と電話で話しました。彼女はスウェーデンにて、若者の社会参画に関する調査を実施しています。

私たちはよく、北欧に住んでみて感じていること・学び・発見。そして、その背景にある日本との地理・歴史・文化の違いについて話し合います。特にこの後半部分を考えるのが、私は好きであり、同時に苦しくもあります。

前半部分だけで議論するとどうしても「北欧社会は〜だ。だから日本より良い」となりが

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🇩🇰 調査レポート06【デンマーク教育の根底にあるもの】

🇩🇰 調査レポート06【デンマーク教育の根底にあるもの】

デンマークの教育現場では、日本の教育を受けてきた私からは驚くようなシーンに出会うことが多々あります。

きっとデンマークと日本では、教育の目指すそもそものところが違うんだろうな。そんな感覚を抱きつつ、ずっと言葉にすることが出来ずにいました。

そんな中、留学時にお世話になった方が夕食に招いてくださいました。Dさんは現在ペダゴー(pædagog)の資格を取るための大学に通っています。ペダゴーとは、身

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🇩🇰 調査レポート05【ジャパンブランド】

🇩🇰 調査レポート05【ジャパンブランド】

オーデンセを後に次はオーフス(Århus)というデンマーク第2の都市に移動し、こちらでも知り合いのお宅に泊めさせて頂きました。

お世話になったMさんは、デンマークで働きながら、日本語教師としても活躍されています。

海外に出ると日本の良さがわかると言いますが、私もまさにその一人で、留学を経て日本の良さを再発見することが出来ました。一方で、そうはいってもやはり、デンマークをどこかひいき目に見てしま

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「生きづらさ」を越えて。

「生きづらさ」を越えて。

私は研究を通して、若者の生きづらさと向き合っている。生きづらさにそっと寄り添って、その人がありのままで生きられる社会を作りたい。

「若者の」と言うより、「私の」生きづらさと言ったほうが正しいかもしれない。一当事者として、自身が感じてきた生きづらさ。その正体を知りたい。もしできるなら、今生きている人、これから生まれてくる人が、その生きづらさを感じなくて済むようにできたらいいな。そんな気持ちで、日々

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"welfare"から"well-being"な福祉へ。

"welfare"から"well-being"な福祉へ。

福祉の研究室で学び始めて約一年。まだまだ知識も経験も浅いが、自分なりに「福祉」と向き合う中で少しずつ見えてきたことがある。

元々デンマークのことを研究したくて進学を決めたが、当時は福祉を専門にしようとは全く思っていなかった。縁あって、北欧の福祉を専門とされる先生に出会ったのがきっかけだ。

ある時先生は「福祉や社会保障は困ってる人を救うだけじゃなくて、みんなにとっての選択肢を広げるもの」と仰って

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「ただ在る」ことの大切さ。

「ただ在る」ことの大切さ。

先日、関西学院大学准教授で社会学を専門とされる、貴戸理恵先生が書かれた「個人的なことは社会的なこと」という本を読んだ。

東京新聞において、2013年から今年の2月まで、8年間にわたり連載された時評をまとめた著書である。当初は「教育に関連して、子ども・若者、女性といった視点から書いてほしい」という大まかな依頼を受けたそうだ。

テーマは『教育(いじめ、体罰等)』『労働(非正規雇用、就職活動等)』『

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高学歴の女は結婚に不利なのか。

高学歴の女は結婚に不利なのか。

先日大学の授業で『#Metoo運動』や『ジェンダーギャップ』について議論することがあり、とある出来事を思い出した。

知人と話している時のこと。私が大学院へ進学したと伝えると「高学歴だと結婚に不利だ」との主旨のことを言われた。

その時はいつものノリかと笑って受け流したが、後になってモヤッとした気持ちが心に残った。

私は学歴が欲しくて勉強しているわけじゃなく、自分がやりたいからやっている。周りが

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23歳で初めて選挙に行ったはなし。

23歳で初めて選挙に行ったはなし。

昨日、初めて選挙に行った。

本当に恥ずかしながら、23歳になって初めて。18歳から選挙権を有していたにも関わらず、5年間も権利を放棄していたなんて、今思うとなんてことをしていたのか....と悔やまれる。

「若者の政治参加の低さ」が謳われる中、確実に私も「政治に無関心な若者の一人」であった。

そんな私が今回投票に行こうと思ったのは、大学院生になって福祉について学ぶようになったからである。

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本当の意味での「多文化共生」とは。

本当の意味での「多文化共生」とは。

先日、大学の授業で日本の「多文化共生」に関して留学生と話す機会があった。

授業で取り上げられた文献「An interactive perspective for understanding minorities and education in Japan (Okano, K. H. & Tsuneyoshi, R. 2011)」によると、日本において「多文化教育」を指す言葉は大きく3つに分けら

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