エムラスタ

【RAPになる前の詩を投稿してます】MC // 岐阜県出身、大阪在住。XR関連のお仕事…

エムラスタ

【RAPになる前の詩を投稿してます】MC // 岐阜県出身、大阪在住。XR関連のお仕事をしながら、マイペースに活動中。 現在←クラシックカーのお仕事←Romancrew(解散してないよ)。

記事一覧

光速停止

速い スピードが 光速と言って差し支えないだろう 誰も咎める者はいない 速すぎるからね 振動もないから 止まっているようにさえ感じる 誰かが教えてくれなければ 誰も教…

エムラスタ
1か月前
2

空気 -1-

空気に線を描くには どのペンにしよう そもそもペンなのか 色を選ぶ前に 空気を前に 佇んでいる

エムラスタ
7か月前
4

green line -2-

鮮やかな緑の線は 釣り糸よりもずっと細いのにもかかわらず 暗闇であることに助けられ 制限なく動くその姿を 僕たちに見せつけるのでした 科学者が偶然にも生み出したのか…

14

震える空気の旅 -3-

静寂のなかで弾ける ミクロのバブルは 真の静寂が何かを 教えてくれたんだ 以前は目を開けていたら その音に気づくことは出来なかった 微かに 震える空気は ゆっくりと …

6

やがて花は

やがて花は 散るという やがて花は 枯れるという やがて花は 土に還るという 愛でる瞬間は あなたが決めて 「やがて」を イヤホンケースに入れて 旅にでましょう …

10

ゆめのなか

ゆめを見ている ゆめの中にいる 満月は空に浮かんでいるのだと思っていたんだけど 小さな、君のコップに 浮かんでいたんだ 炭酸水なのか サイダーなのかは 分からないの…

22

記憶

眠りの狭間に 忘れものをしたと 手を伸ばすのだけど 古いホテルのエレベーターのように アナログな音を鳴らして ゆっくり 落ちてゆく 望んだはずはなく 人は眠りとともに…

20

ニュートン

彼はなにを見たのか? 彼はなにを考え続けていたのか? ピアノの黒鍵は白鍵に埋もれ 音波は斜塔の傾きを生み 風が吹き 厨房では料理長にネズミが顔を出しウィンク 最後の日…

35

球体

砂漠を転がったわけでもないのに 限りなく丸い この球体は 砂を纏い 薄い膜を張っているようにみえる 触れると砂はサラサラと溢れ落ちるのに いままでそうしてこなかった …

27

By Your Side

岩に生えた苔から
一雫
何百メートルを旅して
緑に囲まれた
透き通った小さな水たまりに

波紋は広がる

静けさのなかで

他に動いているものはなく

波は水たまりを彩る

心が揺れている

あなたはそこにいただけ

17

青年

大きなお寺の塀を乗り越えて 葉を目一杯に伸ばす木々たち 濃緑の日傘の下を 青年は歩いている 背は高く 華奢な左手には 昭和の医師が持つような ラクダ色をした鞄 目指す先…

13

ランタン

煌々と彼の鼻筋を照らすランタンは いまが真夜中であることを改めて思い出させる 左ひと差し指を立てたまま 現代のモーツァルトが誰であるのかを 皆に言って聞かせている …

24

横顔

横顔 ストローは水面から顔を出し 彼女をじっと見つめている アナログな音をしたバイクが 軽快に駆けていくのを 彼女はストローの視線を避けるように眺めていた 僕は申し…

16

ある日の土曜

ある日の土曜 車窓に張り付く緑の虫が斜めに歩けば 遠くに望む山々を登るように見えた 平日の喧騒は トンネルを抜けた瞬間ピタリと止んだ イヤホンから流れる音楽を Jam…

19

一瞬

一瞬 急な旋回に驚き 思わず尻もちをつきそうになったんだ いや、いまなっている最中だ 出来ることなら 余裕を見せたいよ スローモーションになる景色 手を伸ばしたはずが…

11

100年

100年 息子が生まれた 何事もなければ彼はこれから100年ほど生きることになる 何事もなければと言ったが、死なずとも人生において何事もないことなどない 当たり前のこと…

12

光速停止

速い スピードが
光速と言って差し支えないだろう
誰も咎める者はいない
速すぎるからね
振動もないから
止まっているようにさえ感じる
誰かが教えてくれなければ
誰も教えるものなどいない
速すぎるからね
衝撃とともに停止することは避けたい
ゆっくりと 時間をかけて まるで卵が孵化するように ゆっくりと 風のはじまりから カーテンを揺らすまで 一瞬のように ゆっくりと 時を駆けて ゆっくりと 止めよう

もっとみる

空気 -1-

空気に線を描くには
どのペンにしよう

そもそもペンなのか

色を選ぶ前に
空気を前に
佇んでいる

green line -2-

鮮やかな緑の線は
釣り糸よりもずっと細いのにもかかわらず
暗闇であることに助けられ
制限なく動くその姿を
僕たちに見せつけるのでした

科学者が偶然にも生み出したのか
または僕の心の奥底の記憶の波形なのか

速度は一定であり
まぶたを閉じて開けたときさえ違和感なく流れ続ける

やがて終わりの時

それが分かることが不思議だ

ただはっきりと
まもなく終わることを認識している

あなたが選び
僕が選

もっとみる

震える空気の旅 -3-

静寂のなかで弾ける
ミクロのバブルは
真の静寂が何かを
教えてくれたんだ

以前は目を開けていたら
その音に気づくことは出来なかった

微かに
震える空気は
ゆっくりと

あなたのもとへ向かいました

遠い遠いあなたの場所へ

時には偶然、赤いバスに出会い
峠を上り
窓から見える青々とした絨毯に
銀色の糸の束を放り出したような
美しき滝の音に
かき消され
旅した震える空気は
消えることもあります

もっとみる

やがて花は

やがて花は
散るという

やがて花は
枯れるという

やがて花は
土に還るという

愛でる瞬間は

あなたが決めて

「やがて」を

イヤホンケースに入れて

旅にでましょう

聞こえますか?

花は散り花は枯れ花は土に還る

愛でる瞬間はあなたが決めて

いつか聞くから

「やがて」の美しい音色を。

ゆめのなか

ゆめを見ている
ゆめの中にいる

満月は空に浮かんでいるのだと思っていたんだけど

小さな、君のコップに
浮かんでいたんだ

炭酸水なのか
サイダーなのかは
分からないのだけども

泡が星のようにね
星ではないんだけどね
そう見えたんだ

起きた時に
拍手が聞こえたら

ゆめを見ていたのかもしれないね
それとも、
ゆめの中にいたのかもしれないね

どちらにしても

ゆめ
ゆめ
ゆめ

果てしない広

もっとみる

記憶

眠りの狭間に
忘れものをしたと
手を伸ばすのだけど
古いホテルのエレベーターのように
アナログな音を鳴らして
ゆっくり
落ちてゆく

望んだはずはなく
人は眠りとともに齢をとる
皺は静かに深く
記憶をレコード盤に刻むように

眠らずの世界があるなら
そこは涙で溢れていることでしょう
例え海の底から見る星々が美しくても
私は忘れものを置いて
今宵また
眠るでしょう
#詩 #現代詩 #自由詩 #

もっとみる

ニュートン

彼はなにを見たのか?
彼はなにを考え続けていたのか?
ピアノの黒鍵は白鍵に埋もれ
音波は斜塔の傾きを生み
風が吹き
厨房では料理長にネズミが顔を出しウィンク
最後の日に
魂は地へ それとも天へ

リンゴが落ちた
リンゴが落ちた

あなたと手を繋ぎ
抱き合い
月を見よう
#旅する日本語 #恋草 #詩 #現代詩 #自由詩 #ニュートン #リンゴ #ネズミ #ピアノ #料理長 #月 #万有引力の法則

球体

砂漠を転がったわけでもないのに
限りなく丸い この球体は
砂を纏い
薄い膜を張っているようにみえる
触れると砂はサラサラと溢れ落ちるのに
いままでそうしてこなかった
どれだけの月日を過ごしてしまっただろう
そっと手のひらにのせ
薄い膜に沿って
指を転がす
浮かびあがるのは
ひんやりと
肌に馴染む
鏡のように
私を映す
限りなく丸い球体
#詩 #現代詩 #自由詩 #砂 #球体

By Your Side

岩に生えた苔から
一雫
何百メートルを旅して
緑に囲まれた
透き通った小さな水たまりに

波紋は広がる

静けさのなかで

他に動いているものはなく

波は水たまりを彩る

心が揺れている

あなたはそこにいただけ

青年

大きなお寺の塀を乗り越えて
葉を目一杯に伸ばす木々たち
濃緑の日傘の下を
青年は歩いている
背は高く 華奢な左手には
昭和の医師が持つような
ラクダ色をした鞄
目指す先には1923年に建てられた赤レンガ倉庫がある
真っ青な空に
屋根はくっきりと輪郭を残し
まるで浮かんでいるようにも見える
そして青年もまた
赤レンガにくっきりと輪郭を残し
まるで浮かんでいるように見える
赤レンガ倉庫が
彼の職場だ

もっとみる

ランタン

煌々と彼の鼻筋を照らすランタンは
いまが真夜中であることを改めて思い出させる
左ひと差し指を立てたまま
現代のモーツァルトが誰であるのかを
皆に言って聞かせている
一人はコーヒーを片手に反論するタイミングを探しながら
一人は手枕に頭を沈め
彼の動く右手を追いながら
一人は写真で見るアドリア海のような色をしたテントの中央にかかった
ランタンが照らす
彼の鼻筋を眺めながら

私は質問した

もっとみる

横顔

横顔

ストローは水面から顔を出し
彼女をじっと見つめている
アナログな音をしたバイクが
軽快に駆けていくのを
彼女はストローの視線を避けるように眺めていた
僕は申し訳なく思い
ストローを自分の顔に向けた
水滴の上半分をカットしたような不完全なコップは
たくさんの完璧な姿を持つ水滴を身に纏っていた
彼女の横顔は美しい
#詩 #現代詩 #自由詩 #彼女 #横顔 #アナログ #バイク #コップ #ス

もっとみる

ある日の土曜

ある日の土曜

車窓に張り付く緑の虫が斜めに歩けば
遠くに望む山々を登るように見えた
平日の喧騒は
トンネルを抜けた瞬間ピタリと止んだ
イヤホンから流れる音楽を
James BlakeからKeith Jarrettへと変えた
100mほど先を新幹線が飛んでった
車内アナウンスがピアノに乗って
僕が生まれた場所へ
20代の頃はホームシックがどこかにあって
まるで少年のあの日に帰るように思えたけれ

もっとみる

一瞬

一瞬

急な旋回に驚き
思わず尻もちをつきそうになったんだ
いや、いまなっている最中だ
出来ることなら
余裕を見せたいよ
スローモーションになる景色
手を伸ばしたはずが
指先から溶けていくように
力が抜けて
お尻の先は
ヨセミテの大地が広がるかのよう
ならば身を委ね
無限や永遠が広がる頭上を見つめる
君は驚いていた
いまは笑っている
僕はずっと目を開けていたはずなのに
君は驚いていた
いまは笑って

もっとみる

100年

100年

息子が生まれた
何事もなければ彼はこれから100年ほど生きることになる
何事もなければと言ったが、死なずとも人生において何事もないことなどない
当たり前のことだが、私が死んだ後も彼は生き続ける
私と妻との想い出を胸に、生き続ける
彼が生きる最後の年の頃には、車はやっと空を飛んでいるだろうか?傘という原始的な雨避けは違う形に進化しているだろうか?人間が持ついくつの悩みを解決しているだろう

もっとみる