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『小説ですわよ』第1話
あらすじ
「ホラホラホラ、轢くぞ轢くぞ轢くぞ轢くぞ」
ショッキングピンクのハイエースが、逃げる男の背中に激突した。衝撃と鈍い音が腹の底まで響く。
「マジかよ……本当にやりやがった」
水原 舞はそう呟きたかったが、口が開いたまま塞がらず、助手席で全身を固めることしかできなかった。
男は3メートルほど吹っ飛び、地面に倒れ伏したまま動かない。血は出ていないようだ。
「よーし」
轢いた張本人――
小説ですわよ第3部ですわよ1-2
↑の続きです。
2023年 3月28日(火) 08:20。
水原 舞は、ショッキングピンクのハイエース『ピンキー』の助手席に乗りこんだ。今日の運転は相棒の森川 イチコだ。窓越しに早咲きの桜が花びらを散らしている。舞は春は特別好きでも嫌いでもなかったが、探偵社に入ってから――ピンク色の髪とジャージが正装のようになってから、桜に親近感を抱くようになっていた。
イチコは事務所の敷地からピンキー
小説ですわよ第3部ですわよ1-1
第1部↓
第2部↓
夜のちんたま自然公園。電灯の白色光を受けながら、銀髪の少年が言った。
「今夜、虎漢一家を潰すから」
やや鼻にかかった小さな声。150人以上の黒い特攻服たちが聞き耳を立てる。俺も不本意ながら、そのひとりだ。
俺が所属させられている暴走族、亜成會と虎漢一家は1年以上に渡って抗争状態にあった。当初は互いにせいぜい骨折で病院送りになる程度の戦いであったが、先週ついに亜成會か
【日記】イク年くるってる年2023
ご無沙汰しております。きゅんぽぽでございます。
さきほど、無事に仕事を納めました。
酒を飲みながら、ダラダラと2023年の総括をします。
今年は仕事が決まったのが、とにかく大きかったです。
1年半ほど心身を休められたこと自体は悪くないのですが、休んでいるとストレスの代わりに虚無と焦燥ゲージが溜まっていくのです。すると別の形で精神が病み始めていきます。
何かしなきゃいけないのは理解し
【日記】仕事が決まりました
ご無沙汰しております。きゅんぽぽでございます。
内容はタイトルの通りです。
どんな仕事かは諸事情で伏せます。
ここ1カ月、主に就職支援サービスを利用して就活していました。
ほとんど手あたり次第に応募してみましたが、大半は引っかからず。
前回の日記で「どうにでもなれ」と強気なことを書きましたが、
内心「どうにもならなかったら、どうしよう」と怯えておりました。
このまま自分は何もせ
【日記】名前を変えました
この度、私は『きゅんぽぽ』に改名いたしました。
身バレと、不要なトラブルを回避するためです。
名前に意味はありません。バカみたいな響きがいいなと思いました。
現在、仕事探しを進めております。
まだ結果は出ていません。
上手くいかなかったら、まあそのとき考えます。
人生どうにでもなれです。
肩の力を抜いて生きていきたいです。
【日記】さすが! ブレイク・スナイダー様はすごかった!
ご無沙汰しております。
最初に言っておくと、現在も無職です。
そろそろ職探しに本腰を入れます。
これについては、ある程度動きがあり次第まとめます。
今年に入ってから断続的に趣味で小説を書いておりました。
文庫本にして約2冊分の分量です。
長編小説を書くのは、仕事はおろか趣味でも初の体験でした。
力量不足を感じながらも、楽しく書けたと思っています。
その執筆活動を、サポートして
小説ですわよ第2部ですわよ6(完)
2023年 3月28日(火) 08:15。
舞とイチコは岸田に見送られ、事務所の2階から外階段を降りる。桜は先週開花したが、まだ春の朝は冷える。手をさすりながら舞はイチコに訊ねた。
「ウィル・スミスのビンタ、見ました?」
「見た見た、すごいねぇ!」
階段を降り切ったところで、イチコがいたずらっぽく笑って振り向く。ふたりがピンキーへ近づくと、舞がキーレスを押さずとも自らの意思でドアが開いた。