Mon CHIKAMATSU

「優しいお医者さん」を哲学しにイタリア ローマへ留学🇮🇹 少し放浪しながら、日々の生活…

Mon CHIKAMATSU

「優しいお医者さん」を哲学しにイタリア ローマへ留学🇮🇹 少し放浪しながら、日々の生活を過ごす中で考えたこと感じたこと、たまに料理のことを書いていきます。

マガジン

  • 丁寧になんて生きれないけれど。

    半径5kmの生活から離れて少し人間活動に専念する日々を綴ります。

  • ローマに恋して

    ローマ留学中の体験を紡いでいくお話。I will cherish my visit here in memory as long as I live.

  • MON’S キッチン

    思いの丈をちょっと変わったレシピでお伝えします。

記事一覧

固定された記事

【医学生 必見】海外臨床実習で準備するポイントをまとめてみた

ちょうど1年前のいま頃、イタリアに留学することを決心しました。出国してしまえば、どうにかするしかないと吹っ切れますが、やはり準備は大切です。 僕自身はいつ何をし…

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Passion is …

ラジオから流れてくる、音と声とが美しいと感じたのは生まれて初めてかも知れない。 音楽家の原摩利彦氏と坂本美雨氏の語らい、父である坂本龍一を共に慕いながら一音楽人…

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Head of Insight, 1st March 2020

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白衣ではなく作務衣に袖を通して

新年を迎え、ようやく世の中も日常らしい落ち着きを取り戻してきた。 今年は雪深い温泉地でご夫妻が営む旅館に住み込ませていただき、私は年越しをすることができた。外は…

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富山の夏に想いを馳せて。

富山が醸す重たげな空気は、少し煩わしくなる時もあるが今日はそれが丁度良い。 8月1日は富山大空襲の日であるそうだ。その2年後、復興し鎮魂と平和への祈りから花火大会…

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さよなら の挨拶を。

Arrivederci というのは、イタリア語の「さよなら」なのだが、普段は気軽にCiaoを使う。正しい使い分けなのか分からないが、診察室から患者さんが出て行く時や少しフォーマ…

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非日常な日々に想うこと

慣れというのは喜ばしいようで、 感覚は狂っていく。 限りがあることに気づいたときに、いや自ら区切りをつけていることがほとんどなのだが、過ぎた時間の後にはただ寂し…

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ズッキーニの花に想いを馳せてみる

日本では梅雨の蒸暑さがまとわりつく頃でしょうか。ローマは例年と異なるそうで、夏の気配は遠そうだ。街行く人らにはダウンジャケットを羽織る姿も見かける。花冷えという…

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こんにちは、ぼく。

1ヶ月後、1年後の君は今日もどこかで 打ちひしがれているでしょう。 目の前のことに必死であるようで、 納得しなければ動きたくない性分は きっと、変わらずにいる。 lik…

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より遠くの世界を見てみたい

僕らが暮らす世界において見えているものはどれくらいあるだろうか。いま手にあるiPhoneの液晶の先にあるものを僕は目にすることはおそらくない。 遠くの国に思いを馳せて…

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ライオンにはなれないけれど。

留学している、いま繰り返し聴いている曲があります。(写真はPizza di Spagna の近くのお店にて) 神様について ヒトについて考えるものですね やはり僕たちの国は残念だけ…

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ロジック 論理と言葉について考える

ロジックによって時間のあり方が縛られ過ぎてはいないかと、ふと思う。 時間をもてあそぶ、というとあまり良い意味にはならないが、余暇を楽しむのが許されるのは何故だろ…

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夏におすすめ!イタリア風 サラダごはん

記事の合間に留学中に作ったイタリアのごはんをお届けしようと思います!(調理時間 20分ほど) イタリアでも実はお米は食べられていて、スーパーでも結構な種類が売られて…

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教会に住む? 不思議な繋がりについて

今回はローマで最初の頃過ごしたホリデー・ハウスのお話です。(写真はハウスを出た通りから) ホリデー・ハウスというのは馴染みのない言葉ですが、バンガローなど貸別荘…

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医療とAI 若者たちが考えること

留学前のことですが、名古屋で産婦人科学会の医学生フォーラムに参加していました。 忙しない出発でして、ようやくまとめれました。(写真はローマの街で見つけた落書き) …

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日本とイタリアの違い? 子連れOKだったこと

週末は病院で講習会に参加してきました。(写真はランチタイム、食後はもちろんエスプレッソ) テーマとしては出生前後のケア、胎児治療に関するもので、研究所の先生も登壇…

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【医学生 必見】海外臨床実習で準備するポイントをまとめてみた

【医学生 必見】海外臨床実習で準備するポイントをまとめてみた

ちょうど1年前のいま頃、イタリアに留学することを決心しました。出国してしまえば、どうにかするしかないと吹っ切れますが、やはり準備は大切です。

僕自身はいつ何をしたら良いのか見当がつかず がむしゃらに過ごしてきました。結果として良かったこともあれば、もっと早く知っていたらスムーズにできたかも知れないこともあったり。

今回は 僕が実際にいつ頃に何をしていたのかを一覧にしてみました。そして 医学生の

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Passion is …

Passion is …

ラジオから流れてくる、音と声とが美しいと感じたのは生まれて初めてかも知れない。

音楽家の原摩利彦氏と坂本美雨氏の語らい、父である坂本龍一を共に慕いながら一音楽人である両者のやりとりが楽しい。原摩利彦氏のアルバムpassionへのコメント、それを朗読する坂本美雨氏の言葉が何度も頭の中で渦巻き続ける。

ラオスの日の入とともに

passionは炎のような情熱を連想することが多いだろう。20歳の僕も

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白衣ではなく作務衣に袖を通して

白衣ではなく作務衣に袖を通して

新年を迎え、ようやく世の中も日常らしい落ち着きを取り戻してきた。

今年は雪深い温泉地でご夫妻が営む旅館に住み込ませていただき、私は年越しをすることができた。外はマイナス10℃にもなる土地なのだが、暖かく心静かに過ごすことができる。

まだ流通が発達していない頃の、この土地では雪にはばかれるため越冬するため自前で漬けた野菜を食し、時には焼いて食べたことから漬物ステーキとなる文化ができたそう。

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富山の夏に想いを馳せて。

富山の夏に想いを馳せて。

富山が醸す重たげな空気は、少し煩わしくなる時もあるが今日はそれが丁度良い。

8月1日は富山大空襲の日であるそうだ。その2年後、復興し鎮魂と平和への祈りから花火大会を催すようになる。

これまで気にとめていなかった花火だが、ふと外に出てみた。我が家は田んぼに囲まれ、富山平野の中心に呉羽丘陵の麓にあるのだが、この丘陵を境に富山は呉西・呉東と二分して呼ばれる。

パッと鮮やかな光に遅れて、胸を射抜くそ

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さよなら の挨拶を。

さよなら の挨拶を。

Arrivederci というのは、イタリア語の「さよなら」なのだが、普段は気軽にCiaoを使う。正しい使い分けなのか分からないが、診察室から患者さんが出て行く時や少しフォーマルそうなときに“arrivederci アリヴェデルチ” と言っていた。
もう一度会う、という意味を含んだ別れの挨拶である。

帰国前の挨拶に行ったときのこと。その日の朝は研究所で文献をまとめて、レジデント達の業務が落ち着く

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非日常な日々に想うこと

非日常な日々に想うこと

慣れというのは喜ばしいようで、
感覚は狂っていく。

限りがあることに気づいたときに、いや自ら区切りをつけていることがほとんどなのだが、過ぎた時間の後にはただ寂しさだけが残る。

ローマに来た当初は硬水が合わず、なるほどマグミットを飲んでいるような感覚かとトイレの中で思い過ごす時間が次第に短くなるように、
苦くて口に馴れなかったエスプレッソを炎天下でも欲して片言に注文して気取るようにもなる。

C

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ズッキーニの花に想いを馳せてみる

ズッキーニの花に想いを馳せてみる

日本では梅雨の蒸暑さがまとわりつく頃でしょうか。ローマは例年と異なるそうで、夏の気配は遠そうだ。街行く人らにはダウンジャケットを羽織る姿も見かける。花冷えというのが合う。

天気はどうであれ、旬はやって来る。
パッと黄の鮮やかな花が他の野菜を押しやるかのように並び、その物珍しさからつい手に取ってしまった。

薄い花びらにふっと息を吹きかけて開くとめしべが覗く。これを取り除くのだが、花びらがちぎれな

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こんにちは、ぼく。

こんにちは、ぼく。

1ヶ月後、1年後の君は今日もどこかで
打ちひしがれているでしょう。

目の前のことに必死であるようで、
納得しなければ動きたくない性分は
きっと、変わらずにいる。

like a comet pulled from orbit
as it passed a sun
like a stream that meets a boulder
half away through the wood
Who

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より遠くの世界を見てみたい

より遠くの世界を見てみたい

僕らが暮らす世界において見えているものはどれくらいあるだろうか。いま手にあるiPhoneの液晶の先にあるものを僕は目にすることはおそらくない。

遠くの国に思いを馳せて旅に出るのは、ただ瞳に映しに行くことなのか。

僕らは巨人の肩の上に立っているだけなのだよ。
その存在を無視して、勝手なことをしたら手術は上手くいかないに決まっている。

日本で心臓外科で実習をしていた時に耳にした言葉である。どの血

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ライオンにはなれないけれど。

ライオンにはなれないけれど。

留学している、いま繰り返し聴いている曲があります。(写真はPizza di Spagna の近くのお店にて)

神様について ヒトについて考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけれど
何か大切な処で道を間違えたようですね

あなたや日本を捨てた訳ではなく
僕は 現在(いま) を生きることに
思い上がりたくないのです

さだまさし 「風に立つライオン」

この曲自体はアフリカ ナイロビで活動した

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ロジック 論理と言葉について考える

ロジック 論理と言葉について考える

ロジックによって時間のあり方が縛られ過ぎてはいないかと、ふと思う。
時間をもてあそぶ、というとあまり良い意味にはならないが、余暇を楽しむのが許されるのは何故だろう。(写真はヴァチカン美術館の廊下)

予約していたら早く入れた。

美術館の列に並ぶ道すがらに少し後悔をしつつ、朝起きて思い立ったから訪れる訳で気まぐれな性格だから仕方ない。異なるエンジン音、飛び交う言葉に耳を傾け、見上げればカモメが舞う

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夏におすすめ!イタリア風 サラダごはん

夏におすすめ!イタリア風 サラダごはん

記事の合間に留学中に作ったイタリアのごはんをお届けしようと思います!(調理時間 20分ほど)

イタリアでも実はお米は食べられていて、スーパーでも結構な種類が売られています。リゾットとかで食べますよね。

お寿司用など日本食のためのお米も売られているのですが、やはり少し高いので買ったのはこちら↓

1kgで1,59€(=200円くらい)なので、日本で買うお米よりも安いのかな。炊いてみると少し日本米

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教会に住む? 不思議な繋がりについて

教会に住む? 不思議な繋がりについて

今回はローマで最初の頃過ごしたホリデー・ハウスのお話です。(写真はハウスを出た通りから)

ホリデー・ハウスというのは馴染みのない言葉ですが、バンガローなど貸別荘に近いもののようで、ここはシスター達を中心に運営されています。

もともとはバチカン市国にあるサン・ピエトロ寺院を訪れる巡礼者の方のための場所で、イースターの時期は大変混み合っていました。

Nazionale通りの都会の街並みから一歩中

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医療とAI 若者たちが考えること

医療とAI 若者たちが考えること

留学前のことですが、名古屋で産婦人科学会の医学生フォーラムに参加していました。
忙しない出発でして、ようやくまとめれました。(写真はローマの街で見つけた落書き)

医学生フォーラムとは日本産婦人科学学会学術講演会では毎年「医学生フォーラム」という全国の医学部から6年生がおよそ100人 集まり、与えられた産婦人科医療のテーマについて事前に予習して、ディスカッションとプレゼンをするセッションがあります

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日本とイタリアの違い? 子連れOKだったこと

日本とイタリアの違い? 子連れOKだったこと

週末は病院で講習会に参加してきました。(写真はランチタイム、食後はもちろんエスプレッソ)

テーマとしては出生前後のケア、胎児治療に関するもので、研究所の先生も登壇することもあり行きました。

受付をして中に入ると、前から順に席が埋まっています。日本だとつい後ろに座りたがるけど、やはり海外ってそうなんだ、と。これは予想の範囲です。

驚いたのは、会場に先生方や学生に混じってベビーカーに乗った赤ちゃ

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