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アーバニズムと愛の不具合 恋愛(作品)評論シリーズ② ”蛙化現象”を考える🐸
ことばのはじまり 蛙化現象とは、昨今インターネット上で若い世代を中心に使用されるようになった恋愛ワードである。最も有名な例として、好きだった相手がフードコートでキョロキョロしながら席を探す姿を見たことで恋愛感情を失い忌避感情に変わったというものがある。今年6月5日にシンクタンクのZ総研が発表したトレンドランキングによれば、Z世代間の流行語第一位はこの蛙化現象だった。Google Trendsでの
パンドラの箱開封してみた 恋愛作品評論シリーズ①『花束みたいな恋をした』
※この記事はネタバレを含みます
はじめに 恋愛作品が嫌いだ。とにかく大嫌いだ。死ぬまで近寄らない。親の死に目よりみたくない。もしも頭に銃口を突きつけられて、何時何分何秒地球が何回まわったかをそろばんで数えさせられて、宇宙の成り立ちを理解してしまって脳がパンクしてしまい、死んだ方が楽なのに泣いて藻掻いてまだ生にしがみつく自分の愚かさに気付かされて、「お前を救ってやるから恋愛作品をみろ」と言われたと
海外のアングラ音楽から見る”セリカ・サンプリング”
1⃣はじめに内田樹の「日本辺境論」をご存じだろうか。日本とは何か、日本人とは何かを、主語を大きくしながら体系づけた傑作である。本書によれば、日本人は周りを見渡しながらキョロキョロと、〈ここにはない何か〉を探しているという。言われてみればそうである。保守革新に関わらず、どんな時でも「海外では~」という文言がかなりの説得力を持つ。
今回の話はこの理論に対するアンチテーゼではない。単なる疑問の一つ、果
ノリで入管視察した話
はじまり
某テレビ局の選考を受ける友人がいた。ホテル代が浮くと聞いて私も行った。名古屋に来るのは初めて。何かの流れで入管に行くことになった。お互いがジャーナリストを目指していることもあり、興味があったからかもしれない。
当日、我々は乗るバスを間違えて、別の場所にきてしまった。桜本町から千年駅で乗り換え、競馬場前で降りる。名古屋入国管理局がある場所だ。その外観の清潔さは世間の悪いイメージとかけ離