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動物に関する本のレビュー集

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動物に関する本のレビューを集めてあります。哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類という脊椎動物から、昆虫を含む節足動物、貝類などの軟体動物、ミミズなどの環形動物といった無脊椎動物まで… もっと読む
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記事一覧

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

笑うカイチュウ―寄生虫博士奮闘記

 寄生虫博士として有名な、藤田紘一郎さんの著書です。
 カイチュウをはじめとした、寄生虫についてのエッセイ集です。

 とにかく、面白いです(^^)
 知られざる寄生虫の生態や、それに関わる人間模様が、具体的に書かれています。
 笑いながら、寄生虫についての知識が付きます。楽しめるうえに、お得な本ですね(^^)

 藤田さんは、「日本人にアレルギーが増

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日本の憑きもの―俗信は今も生きている

日本の憑きもの―俗信は今も生きている

日本の憑きもの―俗信は今も生きている

 日本の憑きものについての、古典的名著です。
 日本の憑きものを調べるにあたって、本書を抜きにすることは、考えられません。決して欠かせない基礎文書です。

 本書を読めば、日本の憑きものについて、基本的な知識は、押さえたことになります。
 ただし、内容がぎっしりなので、読み通すには、時間がかかります。

 狐憑き、犬神憑き、蛇憑きなど、憑きものには、

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鳥630図鑑

鳥630図鑑

鳥630図鑑

 題名のとおり、600種以上もの鳥が載っている図鑑です。
 日本で見られる鳥は、すべて網羅されていると言って、過言ではありません。日本では、まれにしか見られない種も、載っています。

 種数のわりに、本書は、コンパクトです。野外へ持ってゆくことを、想定しているからでしょう。気軽に手に取れるサイズって、いいですね(^^)
 そのぶん、一種一種の説明の量は、少ないです。でも、最低

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河童考―その歪められた正体を探る

河童考―その歪められた正体を探る

河童考―その歪められた正体を探る

 河童の正体について、いろいろと考察した本です。
 過激な論はなく、穏当で、おおむね、理解できる論でした。

 河童の名称、河童の性質、民俗学から見た河童、美術の中に現われる河童など、さまざまな面から、河童に迫っています。
 「河童に似て非なるもの」についても、取り上げています。河伯【かはく】、ミズチ、猿、川獺【かわうそ】、カメなどです。

 ただし、こ

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海に暮らす無脊椎動物のふしぎ 歩くホヤ、夜遊びする貝、踊るクモヒトデ……沖縄の海に生きる動物たちのびっくり仰天!な生き方 (サイエンス・アイ新書)

海に暮らす無脊椎動物のふしぎ 歩くホヤ、夜遊びする貝、踊るクモヒトデ……沖縄の海に生きる動物たちのびっくり仰天!な生き方 (サイエンス・アイ新書)

海に暮らす無脊椎動物のふしぎ 歩くホヤ、夜遊びする貝、踊るクモヒトデ……沖縄の海に生きる動物たちのびっくり仰天!な生き方 (サイエンス・アイ新書)

 生き物が好きな方でも、「無脊椎動物が好き」という方は、少ないですね。
 「生き物好き」という方でも、お話を聞いてみると、たいていが、「犬・猫などの哺乳類好き」か、「インコ・ブンチョウなどの鳥好き」か、どちらかです。

 それは、とてももったいな

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爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル

爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル

爬虫・両生類ビジュアルガイド ヤドクガエル

 カエルの中の、ヤドクガエル科だけに特化した図鑑です。マニアックで、いいですね(^^)
 図鑑であるとともに、飼育法のガイドブックにもなっています。

 ヤドクガエル科のカエルたちは、とにかく、美しい種が多いです。日本人が普通に思い浮かべる「カエルの色」では、ありません。
 コバルトヤドクガエルなど、種名のとおり、コバルトブルーに輝きます。イチゴ

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恐竜異説

恐竜異説

恐竜異説

 恐竜の解説書です。二〇一四年現在からは、二十五年前に出ました。

 普通、二十五年どころか、五年も経てば、科学解説書の内容は、陳腐化してしまいます。
 ところが、本書は、二十五年の時を経ても、なお、読む価値があります。

 ということは、出た当時は、極めて画期的な内容だったのですね。

 「恐竜は、のろまな巨大生物ではなくて、敏捷に動けた」、「鳥は、恐竜から進化した。というよ

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日本の帰化生物 (エコロジーガイド)

日本の帰化生物 (エコロジーガイド)

日本の帰化生物 (エコロジーガイド)

 外国から日本にやってきて、居着いてしまった生物を、紹介した本です。
 動物と植物と、両方載っています。

 本書では、帰化生物という言葉が使われていますが、最近では、外来生物と呼ばれるほうが多いですね。
 帰化生物(外来生物)は、自然にそうなったのなら、問題にはなりません。
 ところが、近年は、人間によって、大量に、急速に、帰化生物(外来生物)が生

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絶滅哺乳類図鑑

絶滅哺乳類図鑑

絶滅哺乳類図鑑

 絶滅した哺乳類を、まとめて紹介した本です。
 丁寧なイラストが、たくさん載っています(^^) 人類登場以前に絶滅した種が多いので、写真はありません。

 解説も、簡潔で、わかりやすいです(^^)
 簡潔すぎて、もの足りない方も、いらっしゃるかも知れませんね。でも、それは、仕方がないと思います。絶滅哺乳類は、わかっていることが少ないからです。

 恐竜図鑑は世に多いのに、

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毒虫の飼育・繁殖マニュアル

毒虫の飼育・繁殖マニュアル

毒虫の飼育・繁殖マニュアル

 世間一般で、「毒虫」と思われている生き物の飼育マニュアルです。
 クモ、サソリ、ムカデ、ヤスデ、サソリモドキ、ウデムシ、ヒヨケムシなどが載っています。

 毒虫といっても、昆虫は、一種も載っていません。昆虫以外の節足動物【せっそくどうぶつ】が、紹介されています。
 また、題名に反して、毒を持たない生き物も、取り上げられています。あくまで、世間的に「毒虫」と思わ

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邪悪な虫

邪悪な虫

邪悪な虫

 最初に書いておきます。虫嫌いの方は、本書を読まないほうがいいです。
 ますます、虫が嫌いになるからです。世の中に、嫌いなものや恐ろしいものが増えるのは、不快ですよね。

 私は、虫好きです。その私でさえ、本書を読んでいると、虫が恐ろしくなってきます(^^;

 本書は、題名どおり、「邪悪」な虫しか載っていません。
 誰にとって邪悪かといえば、ヒトにとってです。要するに、ヒトに

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哺乳類型爬虫類―ヒトの知られざる祖先

哺乳類型爬虫類―ヒトの知られざる祖先

哺乳類型爬虫類―ヒトの知られざる祖先

 「哺乳類型爬虫類」という題名を聞いて、どれだけの方が、それが何かを思い浮かべられるでしょうか?

 もし、これが何なのか、すぐにわかるという方であれば、ぜひとも本書を読むべきです!
 そういう方は、間違いなく、古生物好きでしょうからね。そもそも、著者の金子隆一【かねこ りゅういち】さんの名前を見た時点で、ぴんと来るでしょう。「これは、良書だ」と(^^)

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このすばらしき生きものたち―カンブリア大爆発から人工生命の世紀へ

このすばらしき生きものたち―カンブリア大爆発から人工生命の世紀へ

このすばらしき生きものたち―カンブリア大爆発から人工生命の世紀へ

 生物学のダイナミズムを体験できる本です(^^)

 「カンブリア爆発」や、「バージェス頁岩【けつがん】生物」という言葉を、聞いたことがありませんか? それらの言葉に興味があるなら、ぜひ、本書をお読み下さい(^^)

 カンブリア爆発とは、今から約五億七千万年前、カンブリア紀と呼ばれる時代に起こった事件です。この時代、地球上に

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カエルの不思議発見―「四六のガマ」の科学

カエルの不思議発見―「四六のガマ」の科学

カエルの不思議発見―「四六のガマ」の科学

 カエルを紹介した本です。
 理系の本ですが、難しくありません。さらりと読めます。一冊読み通せば、カエルについて、基本的な知識が身に付きます(^^)

 写真が多くない代わりに、絵が多く載っています。この絵が、緻密で、素晴らしいです。

 もちろん、解説文のほうも、質が良いです。やさしい言葉で、興味深いカエルの生態などが、語られています。
 ただ

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