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もしお風呂でおしっこすると色が変わる入浴剤があったら

ツイッターでこんな興味深いツイートを見つけた。

ツムラの人へ
子供が湯船でおしっこしたら色が変わってお知らせしてくれる入浴剤作ってください。お願いします。

湯船でおしっこする課題とソリューション。

趣旨としてはこうだろう。

ある親御さんが、子供がよく湯船でおしっこして困っている。子供がおしっこしたかどうかをお湯の色で判断できたら便利だ。色でバレてしまうから、子供もおちおちおしっこできなくなるだろう。株式会社ツムラに、尿で反応して変色する入浴剤を開発してほしい、というものである。

ここでは課題を指摘しながら、同時に解決法まで提示されている。非常によくできたツイートだと思う。

通常の消費者は、「子供が浴槽でおしっこして困る」というように嘆くだけで終わってしまう。問題を指摘する「ご意見」だけで完結する。しかし、このツイートでは、その問題を解決するためにどういう特徴をもった何を開発すればいいかまで具体的に要望が示されている。

このような消費者は稀だ。なぜなら、その解決法は、うまくいけば特許も取得できてしまう魅力的な製品のアイデアになり得るからだ。商品開発の第一歩を踏み出しているといっても過言ではない。

課題の解決方法は、しばしば製品を開発するメーカー自身が苦悩して生み出すものである。「おしっこで色が変わる入浴剤を開発してほしい」というこのツイートの要望はその手間を省略できてしまう

「おしっこするとバレる入浴剤」のニーズ。

もっとも、おしっこで色が変わる入浴剤が開発可能だからといって、採算がとれるだけのニーズが存在するかはまた別の問題である。ここからは市場調査の話だ。

子供が湯船におしっこをする家庭は数多く存在するだろう。自分も子供の頃はジャンジャン浴槽で用を足していたものだ。

しかし、だからといって、「子供が湯船におしっこをしたことがわかる入浴剤」にお金を払って手に入れようとする家庭がそこまで存在するはずがない。

スーパーに「おしっこで色が変わる入浴剤」が陳列されていたとして、レジに持っていくのも勇気がいるのではないか。カゴに入れた時点で、「自分の家庭では子供が湯船におしっこします」とアピールするようなものである。恥ずかしくて、近所のスーパーでは買いづらいだろう。

そうなるとネット通販で買うことになるだろうか。しかし、アマゾンの「ほしいものリスト」に突っ込んでおきながら買っていないままのエログッズがどれだけあるか数えてみてほしい。自分の場合、オナホや彼女に使うつもりのバイブや拘束具や海外の輸入品の紙おむつがたんまりとある。すでに所有しているアイテムでも満足しているため、改めて買う必要性を感じない。

要するに、「ほしい」と「買う」にはそれくらいの距離がある、ということだ。「ほしい」と思っている人のうち、実際に財布から金を出す人はわずかである。

真のニーズ。

ならば本当に「おしっこで色が変わる入浴剤」は売れないのだろうか。

ここで考え直してみたい。そもそも、この商品の顧客は「子供が浴槽でおしっこして困る」親御さんに限定されるのか、ということである。

まず、浴槽におしっこして色が変わる入浴剤があるとすれば、子供は放尿を控えるかもしれないが、一部の子供はむしろ積極的におしっこして遊ぶだろう。

そして、そんな遊びに興じるのは、なにも子供だけとは限らない

その入浴剤でおしっこすると、おしっこに反応してお湯の色が変わるのだ。あまりに面白すぎる。大人だって、そこにおしっこしたくなるに決まっている。

ここからは、大人の時間だ。「おしっこで色が変わる入浴剤」の真のニーズを語っていこうか。

なぜ大人は、お風呂でおしっこするのか。

過去記事の紹介になるが、恥ずかしながら自分と彼女はよくおしっこで遊んでいる。

おしっこは人肌で温められており、恋人の体温を感じることができる。体外に排出されているものでも、愛する人のぬくもりが得られる。それがドキドキする。愛おしくて仕方がなくなる。

十分に水分補給して、スポドリやカフェインで尿意を催させて、あるときは限界まで我慢してから、またあるときは随時尿意を催し次第、恋人の前で放尿することを楽しんでいる。

なんでそんなことをするのかと聞かれても、楽しいから仕方がない。冷静になってはいけない。プレイ(遊戯)とはそういうものだ。チェスプレイヤーやマラソンランナーに、「それに何の意味があるのか」と聞くのは野暮である。

おしっこはベッドの上でもするし、おむつを着用して屋外ですることもある。

もちろん浴室でもプレイしている。

浴室はベッドと違って、尿がどこに飛び散っても構わない豪快にじゃんじゃん出して楽しめるメリットがある。漏らすのを見られるのもあり。恋人の身体に浴びせるのもあり。ゴクゴク飲むのもあり。

風呂場なら、その場ですぐにシャワーを浴びてきれいにできるのも魅力的だ。

繰り返すまでもないだろう。この商品の顧客は「子供が浴槽でおしっこして困る」親御さんに限定されない。お風呂でおしっこして二人の時間をエンジョイする大人のカップルにも十分ニーズがある

莫大な需要。

変態プレイには様々なものがあるが、おしっこはその中で最もポピュラーなものだ。

さて、「おしっこで色が変わる入浴剤」をカップルが使うとどうなるか。

尿道がゆるい女の子なら、彼氏と浴槽でイチャイチャしながらお湯の色を変えてしまうだろう。気持ちよすぎたのが彼氏に丸わかりだ。二人で愛し合った証が、お湯の色になる。

こんなのもいい。二人で浴槽につかって、ジャンケンして負けた方が放尿する。湯船では尿の放物線は見れないが、入浴剤はみるみる変色していく。ジャンケンに負けた彼氏が気難しそうな顔をしていても、しっかり「すっきり」しているのはバレバレである。

おしっこした彼氏をからかえば、たちまち恥ずかしそうな表情に変わるだろう。その次は彼女の番になるかもしれない。なんなら二人同時に放尿するのもありだ

他にも「おしっこで色が変わる入浴剤」の使い道は多岐にわたる。挙げたらキリがない。実際に使用している最中にも、思いもよらなかった楽しみ方がひらめくだろう。

要するに、想定される顧客は「子供が浴槽でおしっこして困る」親御さんだけではない。少子化のご時世、むしろ、親御さん以外の顧客の方が多いかもしれない。

そんな商品が発売されれば、世の中の高校生カップルも、大学生カップルも、夫婦も含めて、裸を許し合える関係にある二人が「おしっこで色が変わる入浴剤」を求めるはめになる。

そこには想像を絶する莫大な需要が見込める。

じきに「おしっこで色が変わる入浴剤」の潜在的な市場がメーカーに認識され、製品が続々と発表されることだろう。

みんながお風呂でおしっこして、入浴剤の色を変えて、笑顔になる。

それは新しい愛の行為である。

株式会社ツムラは、競合他社に先んじて、迅速に「おしっこで色が変わる入浴剤」を開発すべきだ。

我々は、今なお入浴剤の真の楽しみ方を知らない。

そして、遠くない未来にそれを知ることになる。ツムラがそれを開発するその日から。


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