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セントビンセント日記

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カリブ海はセントビンセントでの日々のブログ。青年海外協力隊(JICA海外協力隊)2019‐2021 として駆け抜けた2年間で見聞きして考えたことをつらつらと。南国の風を添えて。 … もっと読む
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#note海外組

協力隊トークライブで話したこと(たぶんこれが最終報告になるんだろうな)

協力隊トークライブで話したこと(たぶんこれが最終報告になるんだろうな)

先週行われたJICA関西主催の協力隊トークライブでぼくが話したことを例によって、noteで文字起こし的に置いておきます。(思い出しながらなので当日とは多少違ったことを書いてます)

Microsoft Teamsを使ってやったのですが、画面にカメラオンの人が見えず、反応が探れなくて自分の話がウケてるのか、スベってるのかわからないのがしんどかったですが、その前に行われたリハーサルで、JICAの推進員

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草の根の専門員の先輩とディナーへ

草の根の専門員の先輩とディナーへ

遡ることおよそ5カ月前、任期満了の先輩隊員を見送った。その先輩隊員が今年の5月からこの東のカリブ諸国を管轄するトリニダード・トバゴの日本大使館で草の根文化無償資金協力専門員として働いているんだけれど、その人がセントビンセントに仕事でやってきたので、夕食をともにした。

このトリニダード・トバゴの日本大使館の管轄は、アンティグア・バーブーダ、ドミニカ、セントルシア、セントビンセント、グレナダ、ガイア

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うーん、タピオカ粉でわらび餅を作ったけど反応はいまいちだぞ

うーん、タピオカ粉でわらび餅を作ったけど反応はいまいちだぞ

前回、フード事業兼PR施策としてあてにしていたタピオカミルクティーがこけたことを書いた。

それで、じゃあわらび餅をつくるしかないかという答えにいたったわけだ。わらび粉は当然ないけれど、ようはでんぷんなので、キャッサバのでんぷんを抽出したものがタピオカ粉(たぶん)だから、なにかしら餅はできるはず。

ということで何度かトライして、作業数少なく、わりに簡単にできることがわかったから今度は、現地の人に

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カリブで3Dのライオンキングが観れるなんて

カリブで3Dのライオンキングが観れるなんて

カーニバルが終わるとイベントはほんとに何もなくなる。

ほんとに、盆と正月いっしょに来たようなてんてこ舞いの忙しさだったわけだ。

平和でゆったりした日常と言えば聞こえは良いけれど、東京で娯楽にどっぷり浸かって生きてきたぼくのような人間にとっては退屈で退屈で干からびそうになる。

そんなわけで、この国に来て半年、ようやくセントビンセント唯一の映画館に行ってきた。

昔は2館あったそうだが、1つは残

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一晩寝かしたタピオカは見る影もなかった

一晩寝かしたタピオカは見る影もなかった

先日つくったタピオカミルクティーは、あれこんな感じだっけ?と消化不良に終わった。

あのままじゃ、わざわざタピオカを使う意味がわからないし、ミルクティーだけでいい。相乗効果のようなものがない。完全に無駄。

けれど、シロップへの漬け込みが甘かったんじゃないかという一縷の望みをかけて、一晩つけてみた。

味が染みて、タピオカ自体がおいしくなっているんじゃないか、一発逆転があるんじゃないかと期待した。

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カリブの島で生活を始めてから半年が経ちました

青年海外協力隊としてセントビンセントに派遣されてから半年、任期の4分の1が終わった。かなりあっという間だったなという印象。

みんなの憧れ、カリブ海の南の島での生活。

ぼくのような南の島に派遣される隊員は、一般に「リゾート隊員」と羨望と嫉妬を込めて呼ばれる。

常夏、透き通ったきれいな海、陽気な人々、トロピカルなフルーツ…。

そんなイメージがあったし、ネパールの山奥での凍えるような生活や、アフ

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君が…タピオカミルクティー…なのか?―粉から作ってみた―

君が…タピオカミルクティー…なのか?―粉から作ってみた―

ちょうど1カ月ほど前、タピオカミルクティーをカリブで売ろうと思うんだという記事を書いた。

カリブには、セントビンセントにはタピオカミルクティーなんていう概念がないし、タピオカを粒にしようという発想もない(たぶん)。こっちではタピオカは片栗粉的な使われ方をしている。

実際、ぼくも普段は片栗粉してタピオカ粉を買ってオムレツに入れたりしている。

タピオカミルクティー屋さんをここセントビンセントで開

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国の功労者の葬儀に行ってきた

国の功労者の葬儀に行ってきた

グロリア・バレンタインという女性の葬儀に参列してきた。

ひょっとしたら、向こうはぼくの存在を認識していたのかもしれないけれど、面識はない。少なくとも、ぼくはまったく知らない人。

新聞記事によると、彼女は本物の愛国者だったようだ。

ネットボールを始めとする、国のスポーツ振興を推し進めたのが最も大きな功績らしい。初の女性首相まであと一歩のところまでいったとも言われている。

なぜ、ぼくがそんな人

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結局、どこの人も似たような悩みを抱えてる気がしてきた

結局、どこの人も似たような悩みを抱えてる気がしてきた

「息子の自由研究のテーマ、なにか良いアイデアはない?」

ファビーナがぼくに尋ねた。あまりにも突拍子もないことだったから、それをscience projectと聞き取れず、sion (土地の名前)projectと勘違いして、またなにかイベントがあるのかと思った。

よくよく聞くと、夏休みの自由研究なにをするのか悩んでいるのだという。

たしか彼女の息子、ジェイは13歳くらい。日本でいうところの中学

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普通に始まった日常と昨晩の残り香

普通に始まった日常と昨晩の残り香

カーニバル明けの平日は、それまでの喧騒がウソのように普通の朝だった。出勤する人たち、渋滞するメインロード、開店準備する人たち…寸分違わずいつも通り。

昨晩はそこら中に散乱していたゴミもあらかた片付いていた。清掃業者が夜の内にせっせと片付けをしていたのが功を奏したんだろう。なんでも先延ばしにしたがるこの国でこれは相当珍しいことだと思う。カーニバルにはそうさせる、なんとしてもカーニバルの文句を言わせ

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カリブ、それぞれのレイシズム

カリブ、それぞれのレイシズム

Fuck you! small dick chink!! (ばーか、短小中国人!)※Chinkは中国人の蔑称

ある日、見知らぬ女性からSNSでそんなメッセージが届いた。

身に覚えがなさすぎて、ぽかーんとしてしまった。そりゃ黒人のそれに比べれば、ぼくらアジア人はね…とも思った。

そもそもぼく、この国で誰ともそんな関係になってないんだけどな。し…心外だ。

そもそもほんとに知らないアカウントから

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料理できる人はモテるの意味を完全に理解した

料理できる人はモテるの意味を完全に理解した

ヨーロッパではさ、料理できる人ってモテるんだよ。

そんなことを日本にいるとき、何度となく聞いたし言われてきたけれど、いまいちピンときてなかった。

ピアノ弾ける人は素敵だよね、みたいな話かと思ってた。

なんだってできないよりはできた方が良いに決まってるけれど、そんなに披露する機会なくないかって。

日本にいるときも、海外に出張したときもプライベートで旅行したときも、誰かと食事するのって外食ばか

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インドネシアの結婚式がヤバかった件について

インドネシアの結婚式がヤバかった件について

ちょうど1ヵ月前、インドネシアの友人から結婚式の招待状が届いたという話をしたけれど、現地時間の昨日、式があった。

共通の友人がほんとに現地から中継してくれて、インドネシアとセントビンセントの時差は11時間だから、こっちの時間で金曜日の夜中12時半ごろから始まった。

さっそく見出し画像で見せてしまっているけれど、びっくりした。やべえ。ドラクエやないか。

王族とか貴族感がすごい。

玉座があるや

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ぼくらは依存先を分散しながら軽やかに社会と向き合おうとしてる

ぼくらは依存先を分散しながら軽やかに社会と向き合おうとしてる

ピザを食べに行かないかと誘われたのは午後5時過ぎだった。

ど平日。なんでも、セントルシアから友人が来ているらしい。

帰宅したばかりで、夕食の用意はまだしていなかった。

断る理由は平日だという他にもいくらかあったけれど、貴重な誘いとを天秤にかけて勝るものをぼくは持ち合わせていなかった。

ゆとりある生活。

東京では感じることのなかった感情をぼくは感じ始めている。

それに、食の選択肢の極端

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