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エッセイストになりたいねん

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自分の人生や日々の生活に起きたことをエッセイにしています。
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#イギリス

おやつこそ人生の喜び 〜焼き菓子とほうじ茶ミルクティーの不思議な関係〜

おやつこそ人生の喜び 〜焼き菓子とほうじ茶ミルクティーの不思議な関係〜

昨日のおやつが美味しかったから今日もまた幸せでいられるし、今日のおやつが美味しかったから明日もまた幸せでいられるんだろうな。

というくらいに最近おやつが生きがいになっている。毎日それはもう単調な生活を送っているので(しかしそれを気に入ってもいる)、朝起きてから晩ごはんまでのちょうど狭間、午後4時を過ぎたくらいに食べるおやつはこれ以上ないくらいに美味しく感じる。1日の中間地点に何か一つ楽しみを設け

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フィッシュアンドチップスの日 〜イギリス料理のおもいで〜

フィッシュアンドチップスの日 〜イギリス料理のおもいで〜

今日の晩ごはんはフィッシュアンドチップスだった。いろいろと偶然が重なり、さらには私のわがままを聞いてもらった結果訪れた幸運である。幸運の女神はこういう思いがけない場面で突然微笑んでくるのだ。私は突然の微笑みに心躍らせながら買い出しから母が帰って来るのを待っていた。今日はフィッシュアンドチップスだ!

フィッシュアンドチップスとはイギリス好き的には言わずと知れたブリティッシュソウルフードで、どんな食

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サナトリウム生活からコンテスト受賞までの1年間。 #noteでよかったこと

サナトリウム生活からコンテスト受賞までの1年間。 #noteでよかったこと

私事ではありますが、この度4月24日をもちまして無事、「外に出なくなって1年目♡記念日」を迎えることができました。「外に出なくなって」とは文字通りそのまんまで、なんとこの私、1年間、家から一歩も外に出ていないのです。そう、ただの一歩たりとも!!!!

1年も外気に触れないなんて、こんな経験なかなか出来るものではありません。

ここはサナトリウムか?隔離施設か?ジブリ映画の世界か?私は菜穂子か?もう

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イギリス音楽体験記|ウォータールーの夕暮れ

イギリス音楽体験記|ウォータールーの夕暮れ

イギリス留学も終盤に差し掛かった頃のことである。半年住んだロンドンにもすっかり慣れた一方で、私は不完全燃焼に陥っていた。思えば冬の間中うつ状態で家に籠もりきりで何もしていない。学校はサボり倒したし、罪悪感で死にそうである。せめて最後に一花咲かせて帰りたい。故郷に錦を飾りたい! いやまあロンドンは故郷じゃないけど、とにかくこのままでは終われないという焦燥感があった。

そんな折に日本人の友達に教えて

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どんよりイギリス記|人見知りだった私が留学でちょっとだけ前を向いた話。

どんよりイギリス記|人見知りだった私が留学でちょっとだけ前を向いた話。

大学を卒業してすぐイギリスに留学した。もとい、すぐと言っても五月末の出発だったので時間に全然余裕はあった。当時の私は人生に対してまるでやる気がなく、せっかく行けることになったイギリス留学もさほど楽しみにはしていなかった。タイムマシンがあったら頭をハリセンでバシバシ叩いてやりたいくらいだ。

とはいえ私にも無気力の理由は様々あり、要するに人生がつらかったのである。自分に全く自信がなかったため大学四年

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ブラまっしぐら|ロンドンのおばさんとコインランドリー

ブラまっしぐら|ロンドンのおばさんとコインランドリー

ロンドンに住んでいた時のことである。私の下宿先には洗濯機が無かった。いや、正確には洗濯機自体は存在していたのだが(それも部屋の目の前にあるバスルームに)、同居する大家さん以外は使ってはいけないということで、私は仕方なくコインランドリーに通っていた。お風呂やトイレを使うたび、その場に鎮座する洗濯機が視界に入り、こんなにも近いのにこんなにも遠い…と、恨めしげな目をしていたが、それも今となっては良い思い

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イギリス紅茶実習|note✕午後の紅茶「#紅茶のある風景 投稿コンテスト」 準グランプリ受賞作

イギリス紅茶実習|note✕午後の紅茶「#紅茶のある風景 投稿コンテスト」 準グランプリ受賞作

初めて紅茶を飲んだ時のことは覚えていない。記憶の一番深いところにあるのは、小さな頃のお祝いの食事風景だ。誕生日やクリスマスの夜、いつもより少し豪華な食卓を囲みながら、冷蔵庫に待ち受けるホールケーキの存在に心を踊らせていた。メインは食事のはずなのに、私の心はいつも食後の方を向いていて、料理を食べ終わるなり、いそいそとケーキをテーブルに置いたものだ。

母が紅茶を入れてくれるので、それをワクワクしなが

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