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映画日記

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映画やドラマについて。
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自由な中年女になる!

自由な中年女になる!

劇中でのなんとも爽快なパンチライン! 

昨日、『ストーリー・オブ・マイライフ/私の若草物語』を観に、映画館へ。待った甲斐があった。観賞後、素直にそう思える傑作だった。

当初は3月公開される予定だった作品で、とても楽しみにしている作品だった。公開に当たった関係者の方の記事を読み、別の感慨もこみ上げてくる。

グレタ・ガーウィック監督女性作家オルコットの名作小説をグレタ・ガーウィッグ監督を現代版ア

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思春期=『私ときどきレッサーパンダ』

思春期=『私ときどきレッサーパンダ』

(instgramより転載)

“思春期あるある“てんこ盛り(特にヲタ属性の方)。“母娘あるある“もてんこ盛り(特に母親が厳しかった方)。ナイフみたいに尖りがちで、自分の中の何かが破裂しそうになる、あの頃をポップに描ききってるのが偉業。さらに、生理の話をがっつり入れたのも偉業。

いつの間にか折り合いをつけて大人になったわけだが、まだまだこの感じ、自分の中に残っているなぁなんて思いつつ。自己受容か

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『THE BATMAN』=これが、バットマン

『THE BATMAN』=これが、バットマン

(instagramより転載)

とにかく暗くてシリアス。陰鬱で、徹底的にオフビート。「これがバットマン」「これがゴッサムシティ」を再定義しているかのよう。私たちは、こっちでいきますんで」という、DCからMARVELへの挨拶状みたいな一本。

“闇”な世界観に浸りたい人には、たまらない3時間。

(そう、3時間。体勢を変えずにいすぎたようで、最後、腰がくだけるかと思いました☺️)

MCUに毒され

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『ハウス・オブ・グッチ』

『ハウス・オブ・グッチ』

豪華な(懐かしの)大映ドラマ観てるみたいで、名優たちの悪ノリ?的こってり演技対決が楽しかったです。

「ミケーレはパオロが転生したのかも?(センスの話として)」と考えると、ジャレッド・レトが演じることに妙に納得。

こんなドタバタの中(ドタバタだから?)、救世主トム・フォードが現れ(トム期がグッチに対する個人的ピークゆえアガりました☺️)、今やドラえもんとまでコラボして…ほぼ事件は社会人になってか

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ジョーカー

ジョーカー

衆議院選挙。そして、ハロウィン当日。痛ましい事件が起きた。選挙結果ももちろんのこと、いろいろと頭の中が整理できない。

映画『ジョーカー』を観た時に書いた約2年前のnote。

映画が公開された当時、深く共感した西森路代さんの寄稿。

アーサー、そしてジョーカーは、現実の世界において弱い立場にある人間に目を向けることのできない人に共感されるようなキャラクターではないし、この映画は人の露悪的な感情を

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【最近のお仕事】僕は、正しく傷つくべきだった

【最近のお仕事】僕は、正しく傷つくべきだった

映画『ドライブ・マイ・カー』の主人公・家福は、妻を失った後、最終的に「僕は正しく傷つくべきだった」という境地にたどり着く。ライター西森路代さんに映画評を寄稿いただき、記事がTwitterで拡散し、さまざまなコメントが寄せられた。

セルフケア、家父長制がテーマの映画「傷つくことに正しさなんているのかよ!」と、(ジェンダーで区切って語ることは的確ではないかもしれないが)主に男性とおぼしきアカウントか

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メンズ美容とバックラッシュ

メンズ美容とバックラッシュ

2008年のノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんが死去。ニュースで過去の講演会の動画が流され、「未来は良い方向に向かっている。逆流もある。けれど、未来は明るい」というようなことを語られていた。その信念があってこそ、研究に没頭、邁進できたのだろうと思う。

先日、お笑いコンビの「きつね」の大津さんの美容に関するインタビューをアップした。その美容への探究心はもちろん、大津さんの物事を俯瞰から見て、そ

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大豆田とわ子と三人の元夫。とどのつまりは…

大豆田とわ子と三人の元夫。とどのつまりは…

非常に楽しめた連続ドラマ『大豆田とわ子と3人の元夫』が遂に終わってしまった。

前回、「男女8人恋(でもない)物語」というnoteを書いた直後に、イチオシなかごめちゃんが亡くなってビックリしたけれど。

網戸やシナモンロールのエピソードの小粋な回収は、本当に楽しかったし、唄ちゃんの姿なき彼氏・西園寺くん問題も解決(!?)されたようで良かった…などなど。自分の中での最終回は、先週で、昨夜の回はご褒美

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男女8人恋(でもない)物語

男女8人恋(でもない)物語

社会とうまく適合できないキャラクターが主軸となる。ざっくり言うなら、それがこれまでの坂元裕二作品の特徴だったと思う。一転、「おっ、今回はこうきたか!」と思ったのが昨晩の第4回の感想だ。

ドラマの『大豆田とわ子と三人の元夫』の話である。

松たか子演じる主人公のとわ子は、明らかに、普通に、いや、まわりの期待に応えて生きてこれちゃった側の人であることがよりクリアになった回であった。

「友人でなく家

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韓国ドラマ『ナビレラ』で体感する、愛する技術

韓国ドラマ『ナビレラ』で体感する、愛する技術

・たいていの人は愛の問題を、愛する能力の問題としてではなく、愛されるという問題として捉えている。

・愛の問題とはすなわち(愛するにふさわしい相手、あるいはその人に愛されたいと思えるような相手を見つけるのが難しいという)対象の問題であって、能力の問題ではない、という思い込みをしている。

世界的ベストセラー『愛するということ』からの抜粋(要約)である。

「おじいさんがバレエを始めるらしい」。サス

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NETFLIX『彼女』を観て、考えた

NETFLIX『彼女』を観て、考えた

NETFLIXで『彼女』を観た。監督が男性だということで嫌な予感はしていたが、本当に予感が的中してしまった。

あくまで男性目線の『彼女』
原作は話題になった発売当時に読んだきり(約10年前)ではあったけれど、#me too 以降の今、この作品を映像化することに、なぜ、ここまで無責任になれてしまったのだろうか?

日常的に夫から暴力を受けていた女と、その女を慕い、請われるままに彼女の夫を殺したレズ

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セルフパートナーシップ。そして、連帯と

セルフパートナーシップ。そして、連帯と

ここ数日に触れた本や映画は、いずれも女性たちの連帯がテーマだった。私が意図的にピックアップしているのではなく、完全に時代のテーマなのだと思う。

私のinstgramのぶっきらぼうな評文と共に。

映画『あのこは貴族』

階層違えど、ロールプレイさせられていることに変わりなく。移動手段で見える景色は変わるよね! ニケツ最高‼︎

『モキシー〜私たちのムーブメント』

シスターフッド❤︎★ 声を上げ

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「できること」やるんじゃなくて、「できないこと」やるんだよ

「できること」やるんじゃなくて、「できないこと」やるんだよ

『佐々木、インマイマイン』を観た。

映画を観終わった後、脳内に流れたBGMは(作品中に印象的に使われる、楽曲ではなく)、ブレッド&バターの『あの頃のまま』だった。

人生のひとふし まだ卒業したくないぼくと
たあいない夢なんか とっくに切り捨てた君

私は地方から東京に出てきた。地方から出ることを選択することも、選択しないことも自由であった。

けれど、「地方から出る」「夢を追う」という選択肢を

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顧客をユーザーと呼ぶのは、SNSと○○だけ!?

顧客をユーザーと呼ぶのは、SNSと○○だけ!?

instgramがtiktokの真似(?)をしたり、Twitterがinstgramの真似(?)をしたり⁉︎

SNSのアップデートが止まらない。

「いろいろなプラットフォームは、最後は一番強いところに集約されていく」という話を聞いたことがある。ゆえに、どんどんライバルのサービスを取り組み、自身のサービスに利用者を集約させようとする動きは、(ビジネスとして考えるとき)理解はできる。

できるのだ

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