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青年海外協力隊🌍

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2019.1~2021.1 ザンビアで暮らす2年間の記録
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#海外

緊急一時退避になりました。

緊急一時退避になりました。

一時帰国が決定した。

治安の悪化
研修の中止
アジア人へのヘイト

実は中間報告さえもできていない。

数週間前からすっかりペースダウンしていた私は、この一時帰国に対して悲しみや悔しさを感じられずにいる。

むしろそのことが悔しくて悲しい。

だって全力で向き合えてなかったってことだから。

1年目に区切りをつけることも、配属先と共有することもできず、周囲の状況に振り回されるようにして時間が流れ

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停電のなかで思うこと

停電のなかで思うこと

いま目の前にある人的・物的資源に限りはあるけど上手に使ったらもっともっとよくなるのに。アイディアはたくさんたくさん思いつくのに実行できない。
ひとを動かす力もお金も知識も経験もないし、それより一番はここで暮らす彼らの幸せに責任を持つことができないという自覚があること。そんな覚悟もできないし、そんな放漫さもない。

そんな悔しさと葛藤を毎日のように感じる日々。

自分の無力さは重々わかっているつもり

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原点に触れ思うこと

原点に触れ思うこと

今日もアウトリーチは中止になった。クリニックにいても人手は足りているし、特にできることも見つからずアンケートの集計をしたり修正をしたりしながら時間をつぶすように過ごしていた。
なんのためにここにいるのかという無力感。
何もせずに時間だけが過ぎていく焦燥感。
物事がうまく進まないことへの虚無感。
そんな感情に心を覆われながら、気にしないように気を紛らわせながら。

そこにマラリア検査が怖くて泣いてい

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支えることと支えられること

支えることと支えられること

自分が支えられる立場になって、
世の中には支えられるひとと支えるひとの2種類の人間がいるのではなくて
みんな支えてもらわなきゃいけにことがあるし
逆にだれかの役に立てる。
だから困ったときには助けてといいやすくて、
自分のできることでだれかを支えるということをだれもが少し気軽にできるとみんなすごく楽になるのではないかなと思っています。

これは厚生労働省 元事務次官 村木厚子さんのことば。

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今日のできごと①

今日のできごと①

ザンビアでは揚げパンやスコーンをバケツにたんまり入れて子どもや女性が売り歩く姿をよく目にする。
時々クリニックでも揚げパンやスコーンを売っている。今日は同僚のひとりがスコーンをバケツにいてれクリニックのスタッフに売っていた。
同僚からスコーン買ってと頼まれたので、お昼ご飯にちょうどいいなと思って一つ買うことにした。そこにボスがやってきてた。バケツからスコーンを一つ取り出して、当然のごとくパクリと口

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活動のこと④

活動のこと④

今日はクリニックの倉庫の整理をしていた。
はじめてクリニックを訪れたときからいつかは手をつけなければと思いつつ、どこから初めていいかわからず2か月が経ってしまった。

着任当初は、私が日本人の感覚で片付けをしたらかえって使いにくくなって同僚たちを困らせてしまうのではないかとためらいもあった。でも一緒に働くなかで、物を探すのに手間取っている姿を何度も目にし、ついに倉庫の整理整頓に手を出してみることに

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迷うことと決めること

迷うことと決めること

最近元職場の同僚がSNSに近況を投稿していた。
そこには先輩を交え、楽しく食事をしている写真があった。
私の退職で足りなくなった人員を補うために他病棟から移動してきた看護師のおかげで病棟の雰囲気はかなり変わったらしい。
私が働いていたころは、先輩を交えて休日に食事に行くなんて考えられない職場だった。休日どころか、仕事中でさえ先輩に一言話しかけるのに緊張していた。
元同僚の写真を見ながら、もっと雰囲

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日本人らしく暮らすこと

日本人らしく暮らすこと

おはよう、と言って起きる。
いただきます、といって食べる。
ごちそうさま、といって食事を終える。

最近、ひとりでこんなことをはじめてみた。

ザンビアに来たばかりのころは、ザンビアに適応することに躍起になっていた。

シマ(ザンビアの主食)を手で食べる。
食事の前には毎回お祈りをする。
日曜日には教会に行く。
チテンゲ(ザンビアの布)を身に着ける。
現地語を話す。

ザンビアの文化や習慣、この地

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今日出会った親子のこと

今日出会った親子のこと

今日出会った親子の話。

今日も遠隔地のコミュニティーにいって成長モニタリングの手伝いをしていた。
1組だけ、重度の低栄養状態の子どもがいた。

1歳2か月になる男の子の双子。
体重は6kgと5.6kg。通常生後2~3ヶ月でこのくらいの体重になる。1歳2ヶ月かの平均体重は8~11kg。重度の低体重だった。
2人ともぐったりとしていて、時折視線が合わない。泣く力も弱く、声もほとんど発さない。歩くこと

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活動のこと⑤

活動のこと⑤

この週末、活動のためのツールをいくつか用意した。

成長モニタリングの出席カード。
平成世代には懐かしいラジオ体操のカードから着想を得た手作りカード
低体重児を発見しても私はお金も食料もあげられるものはなにもない。
でもせめて毎月の成長モニタリングには来てほしい。
心配していることが伝わってほしい。
そんな思いからはじめてみた。月ごとに開催日が異なる成長モニタリング。毎月何日に開催されるか分かるよ

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"笑いもの"にされて思うこと

"笑いもの"にされて思うこと

とてもとても嫌なことがあったとき、逃げるように食べたり飲んだり浪費したりしてきたのに、それがうまくできないいまの状況。
時々溺れそうになってここにくる。
ねえ!聞いてよ!もうさ~、と話したいのに日本は真夜中だし、この国のなかにそんな話を気軽にできる相手はいない。
言語能力はさておいて、自分のコミュニケーション能力のなさに苦しめられている。
よくこんなんで看護師してたな、と我ながらびっくりしてしまう

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高熱に魘されながら考えたこと

高熱に魘されながら考えたこと

日本を離れて半年。
日々を過ごすなかで確信が強くなっていることは、2年間で私が変えられることはなにもないってこと。

国が変わらなければ、住民の暮らしは変わらない。
住民が変わらなければ、国は変わらない。

どんなに大金を投入したってドナーはドナーであって、外国人があれやこれや口だししたところで動くのはお金だけ。

ましてやなんのスキルもお金もないボランティアがたった2年間で変化を起こせるわけなん

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6ヶ月が経って思うこと

6ヶ月が経って思うこと

1号報告書を提出してから3か月が経ち、2号報告書を提出するときがきた。
1月28日に日本を経ち、ザンビアに来て6か月が経った。
2年間の任期のうち4分の1が過ぎた。
早いような
遅いような
やっとのような
あっという間のような
そんな6か月間。

海外に出ることに抵抗はなかったし、国際協力に携わることはずっと前からの夢だった。
ある程度の過酷な状況は十分覚悟してきたつもりだったし、なにがあっても揺

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週末を村で過ごしながら考えたこと

週末を村で過ごしながら考えたこと

任地から約4時間離れた村で週末を過ごした。
幹線道路沿いの近隣の町から車で約1時間半、悪路を行った先にあるモザンビーク国境の村。
日本で文化人類学の研究をされている教授が約30年前からフィールドとしている村で、マラウイからザンビア東部に暮らしているチェワ族が暮らしている。

普段、私は町で暮らしている。町と言っても首都からはだいぶ離れているし、スーパーマーケットやファストフード店はないし、規模も小

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