壱橋零菜

*連載小説「春に成る」、毎週土曜日更新予定* 物語、詩などの創作を掲載したり、ハーバリ…

壱橋零菜

*連載小説「春に成る」、毎週土曜日更新予定* 物語、詩などの創作を掲載したり、ハーバリウムやアート作品などのハンドメイド商品を展示・販売をしています。 つくり出すものは、周りの方々から教えていただいたこと、支えてもらった言葉、感謝の気持ちなどを含めて表現しています。

マガジン

  • 【小説】春に成る

    * 毎週土曜更新予定 * 絵・詩で表現した物語の小説版です。どれかだけでも、全部繋げて見ていただいても構いませんので、楽しんでいただけたら幸いです。

  • 作品展示

    ハーバリウムやアート作品など、つくったものを掲載していきます。【作品販売】と記載しているものは、販売中のものになります。(申し訳ありませんが、購入のタイミングによって、販売が終了してしまっている場合もあります)

  • ***precious to me***

    かけがえのない経験・体験、大切な繋がりなど、私にとっての宝物置き場です。

  • 絵で読む物語

    絵と詩で物語を表現しています。 そこからイメージした見てくださった貴方だけの物語。 文章での物語も別で掲載していきますが、それぞれ楽しんでいただけたら幸いです。

  • 【ご案内】

    ようこそ、お立ち寄りくださいました! こちらのnoteの説明などをさせていただきます。

記事一覧

本日は母の日💐
そして、フォロワーの風の歌のナウシカさんのお誕生日です🎂おめでとうございます✨

皆さん、良い一日をお過ごしください🍀

壱橋零菜
1日前
5

【連載小説⑪‐4】 春に成る/サンドイッチ

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ サンドイッチ(4) 床に無造作に散らばっていたものを片付けて、飛び散ったものを拭きながら、流果が戻って来たらなんて言った…

壱橋零菜
2日前
9

【作品展示】母の日

5月12日は母の日ということで、母にプレゼントをつくりました。 オイルは入れないので、ハーバリウムではないのですが、ドライフラワーとペイントした竹炭を瓶に入れてま…

壱橋零菜
4日前
8

【連載小説⑪‐3】 春に成る/サンドイッチ

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ サンドイッチ(3) プルと、鳴った辺りで、音が消えた。 「ハル!」 「流果、ごめんね、心配かけて。珈琲、ありがとう」 「…

壱橋零菜
9日前
11

【作品販売・詩】 『くるり』 ハーバリウム(アートコースター付き)

『くるり』繋いでいく、空と大地のハーバリウムを販売しています。 作品についてのイメージ、説明をさせていただきます。 ※簡単な説明で大丈夫な方はコチラ くるり、世…

壱橋零菜
11日前
14

【連載小説⑪‐2】 春に成る/サンドイッチ

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ サンドイッチ(2) 「姉ちゃん、今日も休んだの?」 「そうなの、ご飯もほとんど食べないし。ほんと、どうしちゃったのかしら…

壱橋零菜
2週間前
10

【連載小説⑪‐1】 春に成る/サンドイッチ

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ サンドイッチ(1) 「なんかね、今日、敬が変なんだよね」 こっそり話し掛けると流果も小声で返す。 「変? 何かあった?」…

壱橋零菜
3週間前
19

【作品展示・詩】 優しい夜

今回ご紹介させていただくのも、前回のように感謝の気持ちを形にして、知り合いの方へプレゼントしたものです。 作品に詩を添えて、ご紹介させていただきます。 お時間あ…

壱橋零菜
3週間前
17

【連載小説⑩‐4】 春に成る/ビーフシチュー

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ ビーフシチュー(4) いつもは、様子を窺っている音楽が、今日は主役であるかのように流れていた。隣でずっと黙ったままの流果…

壱橋零菜
1か月前
20

【作品展示・詩】試練

以前、ハーバリウムを販売させて頂き、素敵な繋がりから、たくさん学ばせていただきました。 今も販売準備中ですが、今回ご紹介させていただくのは、感謝の気持ちを形にし…

壱橋零菜
1か月前
14

【連載小説⑩‐3】 春に成る/ビーフシチュー

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ ビーフシチュー(3) 「何だと? いい気になりやがって!」 「流果!」 慌てて間に入って、男性を少し離す。 「あの……」…

壱橋零菜
1か月前
13

【作品公開】はじめました。

いつもと変わらない日々なのに、だいぶ桜の木が柔らかい色に染まって、なんだかワクワクしてきます。 そんな気分に後押しされて、XとInstagramで今まで作成したものも含め…

壱橋零菜
1か月前
11

【連載小説⑩‐2】 春に成る/ビーフシチュー

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ ビーフシチュー(2) 「流果、大丈夫かな。ごめん、何もできなくて……」 敬は野菜を切りながら、淡々と答える。 「ああいう…

壱橋零菜
1か月前
14

【連載小説⑩‐1】 春に成る/ビーフシチュー

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ ビーフシチュー(1) 「見過ぎだろ」 「だって、私達が考えたものが、実際商品になってるんだよ。何度も見るでしょ」 レジ横…

壱橋零菜
1か月前
14

まだ見切り発車状態ですが、ハーバリウムなどの作品掲載アカウントをつくりました。noteにも作品は載せていく予定です。よろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

X⬇️

https://x.com/onart01info/status/1768617485094568055?s=46&t=R1g20k73qgszPaJ9fJF8Tg

Instagram⬇️

https://www.instagram.com/on_art01?igsh=MTJwanZqYzgxZDdsaA%3D%3D&utm_source=qr

壱橋零菜
1か月前
8

【連載小説⑨‐6】 春に成る/オムライス

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ オムライス(6) ベンチに座ってから、ずっと黙ったまま、どこか悲しく、苦しそうに、降りしきる雨を眺めている流果。 思わず…

壱橋零菜
1か月前
17

本日は母の日💐
そして、フォロワーの風の歌のナウシカさんのお誕生日です🎂おめでとうございます✨

皆さん、良い一日をお過ごしください🍀

【連載小説⑪‐4】 春に成る/サンドイッチ

【連載小説⑪‐4】 春に成る/サンドイッチ

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

サンドイッチ(4)

床に無造作に散らばっていたものを片付けて、飛び散ったものを拭きながら、流果が戻って来たらなんて言ったら良いのか考えていた。雑巾で撫ぜるけど、残るワイン跡。

『流果、さっきのはね、そういうのじゃないの。ホント、気にしないで!』

そういうのじゃない……って言い切れる? 敬も流果も好きだけど……どういう好きなんだろう。そういうのだとも言

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【作品展示】母の日

【作品展示】母の日

5月12日は母の日ということで、母にプレゼントをつくりました。

オイルは入れないので、ハーバリウムではないのですが、ドライフラワーとペイントした竹炭を瓶に入れてます。

表面は、『母』としての感謝を伝える花束のイメージ。

ピンクの花が大小あるので『親子』っぽく。
家族を癒すイメージを大切にしたくて、華々しくなりすぎない花束に。

竹炭は『十二日足』という、朝日をイメージした家紋をベースにしつつ

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【連載小説⑪‐3】 春に成る/サンドイッチ

【連載小説⑪‐3】 春に成る/サンドイッチ

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

サンドイッチ(3)

プルと、鳴った辺りで、音が消えた。

「ハル!」

「流果、ごめんね、心配かけて。珈琲、ありがとう」

「ううん、何か……したくて」

「今夜、時間作れる? 流果と敬に話したい事があるんだけど」

「うん、僕は良いけど……敬は、難しいと思う。夜、店にはいるみたいだけど、何回声掛けても反応ないし……」

「敬にも、毎日声掛けてくれてたん

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【作品販売・詩】 『くるり』 ハーバリウム(アートコースター付き)

【作品販売・詩】 『くるり』 ハーバリウム(アートコースター付き)

『くるり』繋いでいく、空と大地のハーバリウムを販売しています。

作品についてのイメージ、説明をさせていただきます。

※簡単な説明で大丈夫な方はコチラ

くるり、世界が変わった

ボロボロと流れる

グッと噛みしめる

ピリピリと走る

ぐらぐらと揺れる

ポツンと佇む

白く、空虚に染まる

くるり、空に伸ばす手

渦巻き、治まらない熱

思い出す、遠い日々

くるり、風の行先

彼方に、きっ

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【連載小説⑪‐2】 春に成る/サンドイッチ

【連載小説⑪‐2】 春に成る/サンドイッチ

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

サンドイッチ(2)

「姉ちゃん、今日も休んだの?」

「そうなの、ご飯もほとんど食べないし。ほんと、どうしちゃったのかしら。那津、アンタ何か知ってる?」

「いや……」

あれから、どのくらい時間が経ったのか、そんなことはどうでも良かった。どうしてマスターが? 代われるものなら代わりたい。マスターがいなくなる? 嫌、嫌、嫌、そんなの無理。いなくなってしま

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【連載小説⑪‐1】 春に成る/サンドイッチ

【連載小説⑪‐1】 春に成る/サンドイッチ

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

サンドイッチ(1)

「なんかね、今日、敬が変なんだよね」

こっそり話し掛けると流果も小声で返す。

「変? 何かあった?」

「何してても上の空っていうか……さり気なく聞いてみたんだけど、話してもらえなかったんだよね。だから、流果になら話してくれるかなって」

「うーん、分からないけど、僕からも聞いてみるね」

店内には、まだお客さんは流果だけ。空気を

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【作品展示・詩】 優しい夜

【作品展示・詩】 優しい夜

今回ご紹介させていただくのも、前回のように感謝の気持ちを形にして、知り合いの方へプレゼントしたものです。

作品に詩を添えて、ご紹介させていただきます。
お時間ある時に、見ていただけたら幸いです(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

【優しい夜】

夜が来る
疲れた、寂しい、怖い
後ろ向きに進む

夜が来た
温か、穏やか、緩む
見上げて立ち止まる

朝が来る
眠たい、始まる、待って
くるまって、抵抗

朝が来た

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【連載小説⑩‐4】 春に成る/ビーフシチュー

【連載小説⑩‐4】 春に成る/ビーフシチュー

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

ビーフシチュー(4)

いつもは、様子を窺っている音楽が、今日は主役であるかのように流れていた。隣でずっと黙ったままの流果を、気にしながらも、結局何もできなかった私が、なんて言って良いか分からず、むしろ女の私が入って来て嫌だったかもと思いながら、この状況でさっきの質問をする勇気もなく、敬が手当てしてくれた手の包帯を見つめていた。

「何もできねぇくせに間に

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【作品展示・詩】試練

【作品展示・詩】試練

以前、ハーバリウムを販売させて頂き、素敵な繋がりから、たくさん学ばせていただきました。

今も販売準備中ですが、今回ご紹介させていただくのは、感謝の気持ちを形にして、知り合いの方へプレゼントしたものです。

作品に詩を添えて、ご紹介させていただきます。今後も販売したものも、贈ったものも、noteに残していこうと思います。

お時間ある時に、見ていただけたら幸いです(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

【試練】

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【連載小説⑩‐3】 春に成る/ビーフシチュー

【連載小説⑩‐3】 春に成る/ビーフシチュー

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

ビーフシチュー(3)

「何だと? いい気になりやがって!」

「流果!」

慌てて間に入って、男性を少し離す。

「あの……」

「うるせぇ!」

いとも簡単に振り払われて、コンクリートの上に転がった。どうしよう、どうしよう、咄嗟についた手が熱を持ち、心臓の音が頭に響く。力じゃ敵わない、怖い!

記憶の中の流果が笑顔で『ハル』と呼ぶ。

ダメ、このままじ

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【作品公開】はじめました。

【作品公開】はじめました。

いつもと変わらない日々なのに、だいぶ桜の木が柔らかい色に染まって、なんだかワクワクしてきます。

そんな気分に後押しされて、XとInstagramで今まで作成したものも含め作品公開専用のアカウントを作成しました。

それぞれのコンセプトがありますので、お時間ある方は読んでいただき、もしよろしければ覗きに来ていただけたら幸いです。

【X】…気軽に見れる作品倉庫と情報提供

noteほど詳細ではない

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【連載小説⑩‐2】 春に成る/ビーフシチュー

【連載小説⑩‐2】 春に成る/ビーフシチュー

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

ビーフシチュー(2)

「流果、大丈夫かな。ごめん、何もできなくて……」

敬は野菜を切りながら、淡々と答える。

「ああいうのは女が出てくと、余計面倒臭くなるだろ」

「でも、流果まで追い出す方法しかなかったのかなって……」

「……アイツ、いつもなんだよ」

「え? いつも追い出されてるの?」

「ちげぇよ、追い出した事はない……聞いてるかもしんねぇけ

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【連載小説⑩‐1】 春に成る/ビーフシチュー

【連載小説⑩‐1】 春に成る/ビーフシチュー

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

ビーフシチュー(1)

「見過ぎだろ」

「だって、私達が考えたものが、実際商品になってるんだよ。何度も見るでしょ」

レジ横に、ちょこんと並んでいる、切手型のドリップ珈琲。流果の手によって、あの時想像したものより、何百倍も素敵になった。

「昨日だっけ? それに気づいたバーのお客さんに、めっちゃ宣伝して、買ってもらってたよね?」

コロコロと笑うのは、い

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まだ見切り発車状態ですが、ハーバリウムなどの作品掲載アカウントをつくりました。noteにも作品は載せていく予定です。よろしくお願いします(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”

X⬇️

https://x.com/onart01info/status/1768617485094568055?s=46&t=R1g20k73qgszPaJ9fJF8Tg

Instagram⬇️

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【連載小説⑨‐6】 春に成る/オムライス

【連載小説⑨‐6】 春に成る/オムライス

※先に絵と詩をご覧いただく場合はコチラ

オムライス(6)

ベンチに座ってから、ずっと黙ったまま、どこか悲しく、苦しそうに、降りしきる雨を眺めている流果。

思わず、背中に手を当てて、さする。

「……何?」

冷たく、温度のない目と音は、流果じゃないみたいで、慌てて手を離す。いきなり触って嫌な気持ちにさせたのかもしれない。

「あ……ごめん。なんか、ちょっと苦しそうに見えて……。あの、小さい頃

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