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#読書感想文
カート・ヴォネガット&スザンヌ・マッコーネル 『読者に憐れみを――ヴォネガットが教える「書くことについて」』
★★★★☆
2022年6月刊行。訳者は金原瑞人さんと石田文子さん。
ヴォネガットの作品といえば早川書房の文庫シリーズですが、短篇集やエッセイなどは各出版社から出ている気がします。その昔、ヴォネガットにハマって順番に読んでいき、読破したあとは短篇集やエッセイ集などを読んだので、訳されたものはほぼすべて読んだと思います。
今作は、厳密にはヴォネガットの著作ではなく、ヴォネガットの講義を受講した
ジョン・ケネディ・トゥール 『愚か者同盟』
★★★★★
気がついたら読書感想を投稿するのは2年ぶりです。そのあいだもいろいろ読んではいたのですが、なかなか感想を書いてアップする余裕がありませんでした。
べつに誰が読むわけでもないのだからいいじゃないか、と思っていたのですが、ときどき思い出したかのように「スキしました」の知らせが届き、読んでくれる人がいるのだなあ、と励まされました。今後はできればこまめに投稿していきたいです。
そして、
リディア・デイヴィス 『ほとんど記憶のない女』
★★★☆☆
2005年刊行の本書は、リディア・デイヴィスの5冊目の短篇集だが、訳書としては初めてになるらしい。訳者は岸本佐知子。アメリカでは作家としてよりもフランス文学の翻訳家として名が知れていて、フーコー、ブランショ、サルトル、プルーストなどを手がけているそうだ。手がけた著者の名前を見るだけでも、かなりしっかりとした文芸翻訳家であることがうかがえる。
僕はその名をポール・オースターの
カーソン・マッカラーズ 『心は孤独な狩人』
★★★★☆
2020年8月に新訳として刊行された本書。訳者は村上春樹。原書が出たのは1940年なので、約80年前です。
訳者あとがきにも書いてありますが、これがマッカラーズの処女作というのだから驚きです。23歳の新人作家がこの重厚な物語を書いたというのは、なんというか、信じがたいです。とんでもない才能というのでしょうか、ただただ脱帽です。
聾唖の男、十代の少女、カフェの店主、流れ者の
吉本ばなな 『「違うこと」をしないこと』
★★☆☆☆
2018年10月刊行の対談&エッセイ&お悩み相談本です。たまたまもらったので読んだ次第です。
吉本ばななの小説は昔まとめて何冊か読みました。直近だと『キッチン』を再読した記憶があります。平易だけれど、フックのある文体、それを支える独自の価値観をしっかり感じさせます。それから、やさしい。これくらいやさしい小説を書く人ってそれほどいない気がします。
小説のことはさておき本書
内田樹 『そのうちなんとかなるだろう』
★★★★★
今年の6月に出た内田樹氏の自叙伝です。
共著も含めると、これまでに100冊(200冊?)以上の著書を出している内田樹さんですが、おそらく自伝的な本はこれが初めてでしょう。
これまで僕も氏の著書を何十冊と読んできましたが——そして、ブログもたくさん拝読してますが——、時系列に沿ってご自身の人生について語っているものは寡聞にして知りません(各エピソードは色々なところで語られて