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たどりつかない? あるいは、ようやく たどりつく
不思議な日である。
初めに乗った電車を気分よく降り、
次の電車に乗る。
気分のよさから ふと覚めて、
駅の名前に目をやると
反対に進んでいることに気づく。
が、気づいたのが遅く、
もうひとつ先の駅へ。
終点の駅でよかった…。
下手したら、ずっと先まで行って気づき、
落ち込んでたかも。
よかったね、と自分をなぐさめる。
いったん逆流して
初めの乗り換え駅を通り過ぎて、順走。
次なる乗り換
読書する居場所。今ここにいる偶然
電車に乗った。
電車には、週に数回乗るので、
とくに変わったことではない。
が、違った。
このあたりが空いていそう、
と 車両に足を踏み入れたとき、
一人の青年に目を奪われた。
本を読んでいる。
その人は、車両の連結部に近い
三人掛けの席の端に座り、
姿勢よく、本を読んでいる。
暑いのか、上着を脱いで膝の上に置き、
(上着の畳みかたも人柄が出ているふうだ)。
本の世界に浸っている。
軽い笑み
プラタナス。心に添う景色が、そこに
ずいぶんと前、職場が、
神保町にほど近い、そのビルにあった。
隣りは、フランス語学校で、
階段を降りると、カフェテリアがあり、
ちょっとした読みものも
置かれていたように記憶している。
その学校の学生ではなかったが、
売店で何かを買ったこともある。
御茶ノ水駅から下った界隈は、
トチノキやプラタナスが
並木となって景色をつくっている。
それは少しだけ、
現実から遠のく時間をくれる。
職場のある
月の輝く夜に。何を食べよう
考えてた。寝ても覚めても。ここ数日、
なかなか答えのでない問いが頭に浮かび、
答えを探してる。愉しんでる。
それは、
月の輝く夜に。
煌々と輝く月の美しい夜に
似合うのは、どんな料理だろう。
という、
あまり役に立たない、
けれど、
考えるに値すること。
たわいのない遊びを始めたら、
これが、意外に
答えのでない難問でした。
たとえば、
森のくまさん一家なら、
ほっくほくのじゃが
色づく葉に耳をすませば。
………!
風を受けて落ちた葉は、乾いた音がする。
色づいた後に、
物言わぬまま地面を飾る。
踏むと、思い思いに音を立て、
小気味よく耳に響く。
この音を聴くたびに、
この音を聞いて嬉しくなった
幼いころの自分と会える。
色づく葉の美しさに目を奪われる、
今このとき、
耳をすませば、
聴こえるだろうか。
乾いた音にひそむ 温かな ささやきが。
☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆☆
"雑"誌。という贅沢
久しぶりに、
本当に久しぶりに
雑誌を買った。
ムックでもなく、文芸誌でもなく。
学生時代から
いつごろまでだろう。
よく見て、よく読んだ ある雑誌。
特集に惹かれて、手にしてた。
このたびも特集に惹かれて、手にした。
表紙をめくり、見返しの広告を見て、
ゆっくり中身をすくいとりながら
読み進めていく。丁寧に。
空いた時間に楽しむ、というより
読むための時間をつくる、
という向き合いか
サイドミラー越しの空
車で走ってた。
車線を変えようと、サイドミラーを見る。
映ったのは、真っ青な空 と つかめそうな雲。
一瞬で、世界が変わった。
小さなフレームに切りとられた空は、
切りとれるわけがないくらいの強さで
飛び込んできた。
広がる、 広がる。
圧倒的な美しさ。
ちっぽけな 鏡に映ったのは、
ちっぽけな わたし?
こんなふうに…。
空と会う時間は、
ふいに 訪れることもある、のです。
心揺れる、食欲の秋。
ポテチはお好きですか?
わたし、好きです、ポテトチップス。
そして、密かに決めてます。
食べるなら、K屋のポテチと。
でも。でも、ですね。
今日は、迷いました。
いつものスーパーマーケットで。
見つけたのです。
花藻塩味のポテチを。
正確には、じゃがいもチップス 花藻塩味。
C社のもので、瀬戸内の海水を使い、
海藻からでた旨みを凝縮してつくられた
塩を使っているそう。
うーん、食べてみた
小さくて 大きな生命。
こっちの端から、あっちの端まで。
丁寧に見る。
ゆっくり見る。
さあ、今日も、
朝いちばん、
庭と語らう時間だ。
晴れの日も、雨の日も。
庭は、毎朝、違う顔をしている。
と、同時に
こちらの心模様が
晴れでも、雨でも、曇りでも、
変わらずに迎えてくれる。
この夏は、
若苗色のルドベキアが気に入って、
手をかけていた。
ある朝、見ると
ルドベキアの花びらが千切れている。
どうした
大きな夢の木の下で。
夢。
眠っているときに みるほうでは なくて、
胸(の内)に抱くほうの。
ここに来て、
夢を叶えたい と思うようになった。
思い描くのは、
大きな木。
幹は太く、枝葉が分かれる 大きな木。
大きな夢の根幹から、
幹が伸び、力いっぱい枝葉を広げる。
わたしは、
毎日、水やりをする。
枝葉についた 小さな夢たちは、
風にそよいだり、
日差しを受けたり、重なったり。
雨が降れば、
雫となって、遠