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【エッセイ】異なる生産者さんの柴漬けの食べ比べ[飲食物を愛でる](1633文字)

異なる生産者さんの柴漬けの食べ比べをしてみました。

生産者Aさんは、春に菜の花漬けを購入して食べたら、とても美味しかった漬物名人の方で、生産者Bさんは、商品の野菜が何でも美味しい、よくお喋りする生産者さんのお母様と見られる方。

とても楽しみにしていました。

柴漬けは、茄子を主体に乳酸菌発酵させた塩漬けで、すぐき漬けや千枚漬けとともに京都三大漬物とされる京都の伝統的漬物です。

茄子を主体に、青唐辛子・胡瓜・紫蘇を漬けるとのことですが、購入先の里の駅のある町では、紫蘇は特産の赤紫蘇を使っているようです。

まずは、生産者Aさんの柴漬けから。

生産者Aさんの柴漬けは、茄子を縦に薄切りにしたものが、ざっくり切られているか、切られていない赤紫蘇とともに、口がゴムで止められた小さな柔らかいビニール袋に入れられていました。

商品ラベルには、「茄子・紫蘇・塩」と書かれていました。

茄子と紫蘇(たぶん赤紫蘇)を横方向に細切りにして、小皿に盛り付けました。

さて、お味は。

とても美味しかったです!

茄子が生き生きとしていて、形もしっかりしていて、噛み応えがあり、ほどよい塩味と酸味と旨味がありました。

噛んでいたら、かつおのような味がしましたが、商品ラベルには書いていないので、秘伝のタレでも使っているのかな?

赤紫蘇の香りが本当に良く、上品で深みのある味でした。

「ごはんと合うね!」
と夫。
「ごはんの美味しさを再確認させてくれた。妻のぬか漬けをさらに美味しくさせてくれた。この方はやはり漬物がお上手。菜の花漬けも素晴らしかったし、これという漬け方があるのだろうね」

実は、前日に、お粥と合わせてみたのですが、お粥と合わせるには、塩味が薄く、茄子の歯応えがあって、味も複雑なため、生産者Aさんの漬物の良さが霞んでしまう感じがしたのです。

ごはんには、とても合いました!

ごはんも柴漬けも引き立て合って、とても美味しくいただけました。

食べ終わって随分時間が経ってからも、懐かしく思い出し、また食べたくなる味です。

さすが漬物名人!

次に、生産者Bさんの柴漬けをいただきました。

生産者Bさんの柴漬けは、全て細かく刻んだものが、硬いビニール袋に密封されて入っていました。

こちらのほうが、私には柴漬けのイメージです。

もしかしたら、お粥には、こちらのほうが合うかもしれません。

商品ラベルには、「原材料名/茄子・胡瓜・赤紫蘇・食塩」と書かれていました。

ビニール袋から出して、小皿に盛り付けました。

さて、お味は。

とても美味しかったです!

見た目、赤紫蘇がいっぱい入っていました。

細かくなっているだけに、何とも良い香りでした。

食べると、まず胡瓜、次に茄子、そして、赤紫蘇と、シャクシャクとした心地良い歯触り。

野菜の旨味が目立ちました。

薄味なので、ごはんなしでも美味しくいただけました。

「上品な味だなぁ」
と夫。
「今時珍しいね。塩味も酸味も控えめ。水分が少なくて、余計な味がしない、塩だけで漬けた感じ。これが伝統的な柴漬けなのかな?これは好きだなぁ」

食べ終わって随分時間が経ってから思い出しても、ほんわか幸せな気分になる味です。

こちらもまた食べたくなります。

さすが商品の野菜が何でも美味しい生産者Bさん一家。

どちらも全然違う見た目に、違う食感、違う味で、どちらが優れている、あるいは、劣っているというわけでもなく、選ぶのは好みだと思います。

私は、茄子を大好きなので、茄子の生き生きしていた生産者Aさんの柴漬けのほうが、ほんの少しだけ、印象に残りました。

でも、どちらも本当に美味しく、また食べたくなる味です。

生産者Aさんと生産者Bさんの柴漬け、とても美味しかったです。

ありがとうございました、ごちそうさまでした!

追記)里の駅のある町では、茄子と赤紫蘇だけというのが伝統的な柴漬けらしいです。
その後、生産者Bさんの柴漬けを買い続け、生産者Bさんのお勧めの「卵かけごはんに混ぜて食べる」に夫婦揃ってはまり、毎朝、美味しくいただいております。


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