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【詩】『催花雨、青い窓辺』
催花雨はまたやって来た
湿り気を帯びた青い窓辺
憂鬱な肉体が沈む浅葱色の水槽
沈む私のしずかな肖像
羽だけは濡らさぬように
羽ばたけなくなるだろうから
謝りたかった
そんな言葉たちが乾いた地面に残されて
浅くなった意識の底では
また夢を反芻するミニシアター
謝ってもきっとまだ足りない
催花雨が去っていった
うるわしの午後
光舞う庭に白色エンゼルの吐息
憂鬱そうな
【詩】立方体との邂逅
鮮やかに染まることを待っているような白いプラスチック製の立方体
棒で突けば崩落しそうな平屋の内部にて
浮:遊
している
展開される物体
内部には僕の肉体
君が?僕で
僕が?君だ
深夜の廊下
軋ませていく僕の足音
二足歩行で歩み寄るドッペルゲンガー
こちらには来ないでと願う本能の真向かいには知りたいと欲する理性が腕(かいな)を伸ばしていて葛藤を無機質を孕む目で生産し