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何度も読み返したい素敵な文章の数々vol.10

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刺激を減らしたほうが退屈しないんじゃないか

刺激を減らしたほうが退屈しないんじゃないか

「ゴールデンウィーク、やることなくて退屈ですよ」そんな声がちらりと聞こえてきた。そうか、退屈なのか。

どうも、世の中的には「退屈」は良くないものみたいだ。退屈な自分は早々に消し去って、何かでリア充させないといけないし、退屈な場所に人は近づかないように気を付けている。

もう少し大きな意味でも退屈は何かとネガティブな扱いを受ける。退屈な人生とか、一緒にいても退屈な人とか、田舎は退屈じゃないの? と

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「ライターになりたい」と思ったら読むnote(商業ライティング基礎の“き”)

「ライターになりたい」と思ったら読むnote(商業ライティング基礎の“き”)

はじめまして、フリーランスでライターをしているオバラ ミツフミと申します。学生時代にプロを目指し、モメンタム・ホース代表の長谷川リョーさん(当時はフリーランス)に弟子入りし、文筆業の道に進みました。

ライターとしてお金を稼ぐまでに、およそ2年くらいの時間がかかりました。師匠には、「本当にセンスがない」と言われたほどです(笑)。

ただ、弟子入りから1年でブックライティングをまかせてもらえるまでに

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人が環境に適応する動物なら、行きたい環境に飛び込めばいい。

ここ数年で人に教える場が飛躍的に増えた。

とても有難いことで、毎回相当な準備をして臨む。コピーを書くことは、言葉を企画すること。だから、コピーライターとして、言葉の見つけ方であったり、企画のつくり方であったりを話していく。なるべく体系立てて。明確に存在する「やり方」とともに。生まれもったセンスとか、親から受け継いだ才能とか、そんなの関係ないですよ、というのを強調しながら。

なぜならとても多いか

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隣の芝生が青ければ隣に行ってみない?

隣の芝生が青ければ隣に行ってみない?

生きるというのは、ないものねだりの連続だと思う。

「あんな風に出来るんだ、いいなあ」とか、「あの人みたいに仕事ができれば!」とか。よく目にする人、よく目立つ人を見て、憧れと焦りが混じった気持ちでそんな風に思うことがある。人と比較してしまう時は弱ってる時。けど、まったく比較しないで生涯を終える鉄人なんていないと思う。

その時の気持ちは「隣の芝生は青い」という言葉で語られたりもする。

その青さが

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年齢は、もうどうでもよくないですか?

年齢は、もうどうでもよくないですか?

やめたら楽なのにと思うことがあります。年齢を気にしすぎること。

なんで、みんなそんなに年齢を気にするんだろう。ふしぎなんですよね。
もう何歳だからとか、相手にも何歳には見えないとか。どうでもよくないですか?

やたらと自分や相手の年齢確認しないと落ち着けないのは日本人だけなのかな。
数少ない出会った外国人、あるいは外国とフラットに付き合ってる知り合いを思い出しても、そんな人に会ったことがないので

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早く大人になって自由になりたいと彼はいう。だけど。

早く大人になって自由になりたいと彼はいう。だけど。

最後の晩餐になってもいいくらい美味しい会食ののちダッシュで帰宅して21時15分に息子氏を受け取ったシッターさんと話し込んでいたら、22時15分になってた。
この1時間分のお支払いすべきだ、ごめんなさい。

息子が今日シッターさんにふざけて後ろからぶつかって、シッターさんは転んでしまい、危なかったので、ちょっと強く叱ってしまいましたという話を聞いた。

私は、「そうでしたか、すみません、そういうよう

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可愛いだけじゃ生きていけない。賢くないと苦労するよ

可愛いだけじゃ生きていけない。賢くないと苦労するよ

「可愛いだけじゃ生きていけない。賢くないと苦労するよ」

女手ひとつで私たち兄弟を育てた母の口癖。

この言葉をくりかえし聞かされたおかげで、大都会東京で出現しがちなヤバいおじさんの

「可愛いね、愛人にならない? 仕事あげるよ」

なんて誘いにのることもなく20代後半まで到達できた。

同時に、大好きな彼氏から専業主婦になってほしいと甘くささやかれても

「不安すぎるわ! 私も稼ぐ力を身につけま

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いまの子は盗んだバイクで走り出さないから

いまの子は盗んだバイクで走り出さないから

マネジメント層やリーダーの取材をしていると「いまの子たちがわからない」話がよく出てくる。そんなのいまに始まったものでもなんでもないんだけど、それでもやっぱり出てくる。

そもそも若者と年長者、そこまで違わなくても同じ時間軸を共有していないパイセンや後輩と話や価値観がたまにズレるのはどうしようもない。そういうものだ。

なのだけど、なぜかいまの上の世代が「いまの子がわからない」というときに、どこか深

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誰かのせいにしていた自分へ。

こんにちは、阿部広太郎です。

ここに書いてあるコラムは、2012年、東京コピーライターズクラブの新人賞を受賞して、それからの5年間の出来事を、そのクラブに寄稿したものです。

行動して、ぶつかって、気付きながら、ひとつひとつ積み重ねています。その中で、「自分らしさ」という感覚に出会えて、今に至ります。

ここに書いたことが、誰かの新しい気付きになりますように。

こんなはずじゃなかった。
ある時

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自分の感情にもう少しだけ丁寧な名前をつけてあげること

自分の感情にもう少しだけ丁寧な名前をつけてあげること

どうも、アンテナ編集長の堤です。

今度、8月から関西の音楽メディアki-ftと組んで、音楽ライター講座【初級編】なるものを開催するんですが、そもそも我々は何故、頭をひねって言葉をアウトプットして何があるんでしょうね。「なんかすごいねん、まじヤバイ」で全部伝わらないんだろうか?

別に言葉になんかしなくたって、伝わることもたくさんあるはずなんですよ。僕が敬愛するブルース・リーだって「考えるな、感じ

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バレリーナをあきらめても

バレリーナをあきらめても

「大きくなったらなりたいものを絵にかきましょう」

幼稚園の七夕行事。
笑顔の先生は、私たち一人一人に細長い紙を渡した。

紙を受け取った私は、すぐにクレヨンを握る。何を描くかはもう決まっていた。可愛らしい衣装を着て踊るバレリーナ。毎月楽しみに読んでいる雑誌に、プリマドンナを目指す女の子の物語が連載されていて、私はそれにあこがれたのだ。

まわりの子たちのはしゃぐ声を聞きながら、私は黙々と手を動か

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ともに編集者・ライターであるパーソナリティ2人が、仕事や人生をよりよく編集するヒントを探ります。「ウェブメディアの記事」をピックアップしたり、編集者や作家の著書から学んだりしていきます。

【関連リンク】
・コンテンツメーカー 有限会社ノオト
https://www.note.fm/
・inquire Inc.
https://inquire.jp/

【パーソナリティ】
長谷川賢人 https

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「ただ、きく」から始まったいくつかのこと

「ただ、きく」から始まったいくつかのこと

今、耳を澄ますと何が聞こえますか?
わたしは、仕事部屋の窓から車が走る音と、鳥の鳴き声、そして風にゆれる木の葉擦れを聞いている。あ、部屋の掛け時計の針の音も。

橋本久仁彦さんの「ミニ・カウンセリング講座」を受けてから、自分のなかにあたらしいスイッチができた。ONにすると、いったん“自分”から離れて相手の話をそのままに聴くモードに入る、というか。ほうっておくと、相手の発言をバサバサ切り刻んでしまう

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会いたかった文章

会いたかった文章

“いい音は会いたかった人なのだ”という意味のことを早川義夫さんが書かれている。

いい音は会いたかった人。このときのいい音とは技術的なことでも形而上のものでもない。文字通り、こころの芯を食った音のことだ。

「いい音」を「いい文章」に置き換えたとき、僕は会いたかったと思われる文章を書いているのだろうか。甚だ心許ない。

どんな仕事をしていても「こんなのでいいのだろうか」と悩むことはある。自分のアウ

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