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セイのカクリツ:「多様“性”」に満ちた未来をいきる

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太古の時代、生物の「性」は一つのみであり、細胞分裂や株分けで自分のクローン体を増やすだけだった。そこから「メス」と「オス」に分化し、遺伝子交換によって生殖するようになったのは「多… もっと読む
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2021年4月の記事一覧

上野千鶴子の歴史修正主義② 歴史修正主義を正統化したのは誰か?

上野千鶴子の歴史修正主義② 歴史修正主義を正統化したのは誰か?

上野千鶴子一派の歴史修正主義を検証する連載、第二回です。

第一回のnote記事では、従軍慰安婦問題の第一人者・吉見義明と上野千鶴子の歴史修正主義をめぐる論争を紹介しました。

上野は、歴史の事実など存在しない、色んなものの見方があるだけだと主張し、「単一の歴史的事実」の存在を信じている時点で、自由主義史観も吉見らの(正統な)歴史学もどっちもどっちだ、と批判したのです。

それに対して、吉見は、「

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上野千鶴子の歴史修正主義 ① 従軍慰安婦問題をめぐる歴史学との論争、あるいは「上野流フェミニズム社会学」は学問と呼ばれる資格があるのか

上野千鶴子の歴史修正主義 ① 従軍慰安婦問題をめぐる歴史学との論争、あるいは「上野流フェミニズム社会学」は学問と呼ばれる資格があるのか

フェミニズムは歴史修正主義と戦ってきた?最近、「フェミニズム VS 歴史修正主義」という図式で語る人が増えているように思います。

文化人類学者・山口智美はあるインタビューで、日本会議および安倍晋三が、従軍慰安婦問題に対する歴史修正などを通じて、フェミニズムに対するバックラッシュを仕掛けてきたと主張しました。

もちろん、それは事実です。2005年、戦時性暴力の問題を取り上げようとしたNHKの番組

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伊是名夏子さん騒動から、あらためてキング牧師とマルコムXについて考える。

伊是名夏子さん騒動から、あらためてキング牧師とマルコムXについて考える。

コラムニスト・伊是名夏子さんのブログが話題になってから、2週間近くが経ちました。世間的には、いくつもの「炎上案件」のうちの一つとして消化されたにすぎず、人々はまた別の興味あるネタへと飛び移っていった感がありますが、私自身は今回の件に関してはかなり“当事者”に近い立場なので、いまだこの件から離れることができていません。この2週間、ずっと「ああでもない、こうでもない」と頭を悩ませています。

今回の件

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伊是名夏子さんの炎上から考えること。

伊是名夏子さんの炎上から考えること。

今日で45歳になりました。これも、ひとえに日頃から支えてくださるみなさんのおかげです。あらためて感謝申し上げます。

本来なら、誕生日に際してもう少しポジティブなメッセージを発信したいところなのですが、日曜日あたりからこちらのブログがかなり物議を醸しているようなので、8年前の「銀座イタリアン事件」の反省も踏まえつつ、私なりの見解を述べたいと思います。

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女の子の姿になって初めて、わたしは鏡を直視できるようになった。

物心ついた時には、

すでに自分の顔が嫌いだった。

ほんとうは女の子として生きていきたいのに!!などと思える余裕は無くて。

ただ一方的に適応を迫られるだけの

地獄のような境遇。

家は宗教団体で、うやうやしく掲げられた教祖の肖像画に睨まれながら暮らす日々。ほかの信者たちからみて、わたしだけが明らかに異質な存在で、教団内の誰とも気が合わない。そんなわたしがいることを両親は明らかに恥じていた。

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「男らしさ」なんて、もう誰も求めてない・頼んでない、という話。

「男らしさ」なんて、もう誰も求めてない・頼んでない、という話。

 今回のシン・時事恋愛(2010年〜11年に連載していたオトナ女性のための恋愛コラムの再掲)は、「男らしさなんて要らない」がテーマです。

これがもう10年前のことですから、今の20代たちにとってはなおさらで、「男らしさ? それって食べれるんですか?」かもしれません。

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男性に対して、タフな力強さや引っ張っていってくれるマインドを期待しない動きが、若い世代の女子たちの間で広がっています。

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女性にエンジニアをいう新キャリアを。令和版”女子教育”を目指して

女性にエンジニアをいう新キャリアを。令和版”女子教育”を目指して

ローンチを発表した未経験から最短6ヶ月で世界に通用するクラスのエンジニアになれる、女性のためのオンラインプログラミングブートキャンプ「Ms.Engineer」、どうして女性に限定したのか?というと、令和版”女子教育”を意識しています。

私は日本初の女子大学、日本女子大を幼稚園からエスカレーターで卒業したという筋金入りの女子校育ちなのですが、女性だけで学ぶ環境というものの利点を肌で感じて育ちました

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【関西弁】感動:トランスジェンダーの娘を持つ父親の証言

少し前に話題になったやつですけど、今更ながら翻訳しました。

インターネットが変えた“カミングアウト”─若者に知識を与え、人々をつなぐ【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.7】

インターネットが変えた“カミングアウト”─若者に知識を与え、人々をつなぐ【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.7】

今回はLGBTについて、インターネットが果たしている役割について解説をしている。

最近、ニュースやSNSを見ると、自らの性的指向や性自認をあきらかにする「カミングアウト」をする人が増えてきた。

LGBTの人々のなかには、自らのアイデンティティについて、友人や家族にはけっして話さない人もいるものの、ピュー研究所の調査によれば、アメリカ人のゲイ男性4人に3人が、人生において大切な人全員、あるいはほ

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はて、妊婦体験、どうしたら進化させられるのか?

重りのジャケットをつけた議員さんの妊婦体験が直近話題になっていました。

これまでも<どこかの知事が妊婦ジャケット体験~>などと見かけるたびに「取り組み自体は素晴らしいのに、、、なんとかならんものか~」と感じていました。

妊婦の大変さや困難を実感するのが目的だとすると、手段があっていないのではないかと感じ、もやもやしてしまうのだ。
なんなら間違ったメッセージを強めることにもつながるのではないか?

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俳優か、女優か、役者か。

俳優か、女優か、役者か。

何日か前に。
"女優"という表記について話題になっているのを目にしました。

ぼくは"俳優"だろうが、"女優"だろうが、"役者"だろうが、"声優"だろうが…自分が名乗りたいものを名乗れば良いと思いますし、他人がどう呼称しようが誰にも規定されることはないと考えています。

▼俳優・女優・声優・役者ぼくは昔から、男女関係なしに座員を紹介する時は「うちの俳優です」と紹介しています。

これはあくまでぼく

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【1分で読める500字コラム】難しくて困るよね、権利と人権

【1分で読める500字コラム】難しくて困るよね、権利と人権

何にでも「権利」に置き換える世の中に、少し疲れています。先日は「生理中に快適に過ごす権利」というキャッチコピーを目にして、どういう意味なのかと、1分ほど凝視してしまいました。いえ、広告が言わんとしていることは、頭では理解しているんですけども。

広告としてのコピーなら、アリか。アリだな。「権利」は範囲の決まっているもの。生理は女性特有のもので、しかも期間もある。権利は単なる装飾言葉で、主張を表すイ

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強い自己責任論に疑問を持った話

強い自己責任論に疑問を持った話

「自分の面倒は自分で見る」
「自分の生活費を稼げないなんて、自立ができていない証拠だ」

そうした考えが、当たり前だと思って生きてきた。

その感覚が変わったのは、ある一本の動画を見てからだった。

この動画は、皆で賞金の100ドルを貰うために、走ってレースをするという内容だ。ただスタートの前に、インストラクターからいくつかの質問を投げられる。インストラクターの質問に該当する度に、特別に2歩前に進

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