見出し画像

【読書感想文】フィツジェラルド「グレート・ギャツビー」

こんばんは!
とうとうこの日がやってきた!湧き上がっている男、小栗義樹です!

さぁ今日は!読書感想文を書きます!
いよいよやってきました!この時が!

グレート・ギャツビーの感想を書きます!

スコットフィッツジェラルドの名作であり代表作でもある「グレート・ギャツビー」

先週の読書感想文でやろうかなぁと思って、一度思いとどまった作品です。どうして思いとどまったのかと言えば、この作品の感想文を書くのなら、きちんとした準備期間が欲しいと思ったからです。

そうなんです。

僕は「グレート・ギャツビー」が、信じられないほどに好きなのです!

好きな小説を3冊上げろと言われたとします。僕は迷わずこう答えるでしょう。「カラマーゾフの兄弟」「ノルウェイの森」そして「グレート・ギャツビー」

ドストエフスキー最高傑作との呼び声が高い遺作「カラマーゾフの兄弟」
村上春樹さんの代表作であり恋愛の最深部を描いた「ノルウェイの森」
そして、スコットフィッツジェラルドの代表作であり、アメリカ最高の時代を完璧にトレースした超名作「グレート・ギャツビー」

全て高校生の時に出会い、1年に2回は読み直すほど、僕の脳内に深く刻み込まれ、未だに心をつかんで離しません。(なお、カラマーゾフの兄弟については高校1年生の時に挫折し、2年ほどの空白期間があります)

小説・文学・ビジネス書・思想書・ハウツー本と、わりと何でも読む僕ですが、この3作品については、音楽でいうところのQUEEN・LUNA SEAクラス。僕の人生を変えたと言っても、言い過ぎではないくらい、深い影響を与えてくれた作品です。

先週の読書感想文から1週間が経過しました。この1週間でじっくり読み返しましたが、やっぱり面白いです。そして分かりました。この作品を1回の読書感想分でまとめるのはムリゲーです。少なくとも、今の僕には出来ません。そんな文章力を持ち合わせているとは、とてもじゃないけど思えないのです。

だから前提として、複数回やろうと思います。それぞれテーマを設けて、複数にわけて紹介し、僕が思う、多面的な魅力を紹介したいなぁと考えています。

じゃあ、今回はどうするのか?
グレート・ギャツビーの何について語るのか?

今回は、

成熟についてです。

グレート・ギャツビーが持ち合わせている「成熟」という部分をメインテーマにして、感想を述べていこうと思います。

成熟とは何か?
これは僕の捉え方ですが、成長と比較すると分かりやすいかなと思います。簡単に言いますと、成長とは壁を乗り越えることで、成熟とは壁と折り合いをつけ、自分で判断することです。

より強くなる・強い奴と戦いたい。こういう気持ちを持ち、愚直に訓練を積む。その強大な敵に立ち向かって勝つ。これは成長です。身近な題材としては、ジャンプマンガ的なものだと言えます。

それに対して成熟は、強くなって見えてきたもの、例えば、不条理とか憤るべき問題などを考慮して、倒すべきか別の方法を探すべきかを己で決める。マンガやアニメを題材にしたので揃えるならば、魔法少女まどかマギカなんかに垣間見えるものです。

成熟とは視野が広がること・心の余裕です。自分の行動・考え・気持ちに、他者との関係が入ってくることを指します。

グレート・ギャツビーは物語が進行するに連れて、主人公のニックの圧倒的に成熟していきます。社会を知り、人間関係を知り、欲を知り、強さと弱さを知り、それに合わせて成熟していくのです。

読み始めた時のニックの印象と、読み終えた後のニックの印象は大分と変わります。これが、グレート・ギャツビーのすごい所だと思うのです。

この作品、基本はギャツビーの行動原理を軸に物語が進んでいきます。ニックはある種、語り部的な主人公です。読んでいる人は、自然とギャツビーに目線がいくように出来ています。

ただ、この作品が長い間愛され続け、世界中で読まれるようになったのは、ニックの成熟という部分が大きいのではないかと思いました。

成熟に必要な条件は、先ほど申し上げた通り、様々な人間・環境・変化・問題に直面することです。それは簡単に言うと、カタルシスに直結します。カタルシスがあるということは、考察・解釈の余白・想像増進に繋がります。様々な要素が内包されているグレート・ギャツビーは、そこまでであれば、他の名作と変わらないような気がするのですが、これらの要素を鬼盛りにしたうえで、最後にはきちんと主人公が成熟します。

これは、なかなか出来ることではないと思います。というか、ほとんど無理なのではないでしょうか?

美徳は文量です。これだけの要素を踏まえ、主人公を成熟させているのにも関わらず、グレート・ギャツビーは、決して長くありません。文庫本1冊にまとまっています。

人間模様をきれいに処理しつつ、問題提起まで行い、かつこの文量。もはや奇跡ではないかなと思うのです。

ここまで書けばお分かりかもしれませんが、最初に提示した3冊。カラマーゾフの兄弟・ノルウェイの森・グレート・ギャツビーは、共通して登場人物が成熟します。その中でもグレート・ギャツビーは、圧倒的に文量が少ないのです。

もちろん、カラマーゾフの兄弟やノルウェイの森は、哲学・宗教や恋愛の最深部といった、本来人が扱えるのかよく分からない大テーマをきれいに扱っていて、グレート・ギャツビーは、ある瞬間の時代を切り取ったものなので、文量に差が出るのは当然なのだと思うんですけど、それでもここまでまとめるのは、神のなせる業なのではないでしょうか?

驚きあり・スリルあり・ワクワクあり・恋愛ありのグレート・ギャツビー。アメリカ史を勉強するうえで、これほど楽しい教材は無いと思います。

これは本当にオススメです。ギャツビーのような努力した成功者、それに憧れてバンドマンを、ニックのような成熟した人間を目標に、広告の営業を始めた僕は、今もなおグレート・ギャツビーの世界に向けてひた走っています。

誰かの人生を変えてしまう、それくらいのパワーがある作品だと思います。

本は恐らく、ブックオフにあります。買いに行くのが面倒であれば、電子書籍がいいでしょう。読むのすら怠いという方は、映画もあります。触れておいて損することは無いと思います。時間がある時に、アクセスしてみてほしいです。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?