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読書感想文まとめ📕 通勤時間は読書の時間、社会人1年目は24冊読みました
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記事一覧

【読書】私の個性は、スコシ・フンガイ?~辻村深月の世界でドラえもんを

【読書】私の個性は、スコシ・フンガイ?~辻村深月の世界でドラえもんを

今年度4冊目は『凍りのくじら』。知人に「読後じんわりしてすごいよかった」と勧められ読み始めた。

実際、すごく良かった。
章ごとに1つのドラえもんの道具をテーマに、ドラえもんが大好きな主人公が、ドラえもんのエピソードとともに元彼について振り返り、自分を見つめ直す。

不二子先生のSF(スコシ・フシギ)になぞらえて他人に個性をつける主人公

不二子先生の描くドラえもんのSFの世界は、Science

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【読書】東野圭吾作品は幅が広すぎてやっぱり面白い

【読書】東野圭吾作品は幅が広すぎてやっぱり面白い

先日、東野圭吾の「ブラックショーマンと名もなき殺人」を読み、やはり東野圭吾の作品は面白いと思った。

ミステリーと一言で言っても、テーマの幅が広く、1冊で様々な楽しみ方ができる。東野作品のタイプや良さをネタバレなしで書きたいと思う。

「ブラックショーマンと…」なら

これもどうやらシリーズものらしい。最新作(2作目)は最近やっと文庫化された。

今回読んだ1作目は、元手品師の叔父と、父親を殺した

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【読書】恩師お勧め本を10年来に読んだ〜夜は短し歩けよ乙女

【読書】恩師お勧め本を10年来に読んだ〜夜は短し歩けよ乙女

今週は、「夜は短し、歩けよ乙女」を読んだ。

中学生の頃、私は大尊敬していた先生と交換ノートをしていた。
その交換ノート内で、恩師がお勧めしてきたのが、この本だった。

あれからほぼ10年…
10年越しにやっとこの本を読んだ。

率直に言えば、難しい本だった。

古文を読んでるようで、スッと文章が頭に入ってこない。単語や言い回し、比喩表現が独特だった。

また、2-3ページごとに節が区切られている

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【読書】その時々で何者にでもなれる〜鎌倉うずまき案内所

【読書】その時々で何者にでもなれる〜鎌倉うずまき案内所

先日「お探し物は図書室で」を読み、本著者2冊目にこの「鎌倉うずまき案内所」を選びました。

前回の「図書室で」と同じく、人生に何か行き詰まりを感じる人たちがオムニバス形式で登場する。

違うのは、SF要素があること。突如現れた案内所に引き込まれ、アンモナイトからテレパシーで言葉が伝授される。お土産の「困った時の渦巻きキャンディ」は、その後登場人物たちが何か行動を起こしかけた時に不思議な力を貸してく

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【読書】多様性と生きづらさ〜正欲

【読書】多様性と生きづらさ〜正欲

私は、上記のよう読んだ本は全てノートに感想文を書いている。感想文の長さは特に決めておらず、書きたいだけ書いている。

特に長い感想文を書いていたのが、昨年映画化もされた「正欲」だ。この本の感想文をnoteにも記しておきたい。

多様性に組み込まれない"多様性"

登場人物たちは、「水を見て性的に興奮する」という特殊性癖をもっている。

そんなものあり得ない、といってしまえばそこまでだが、この1点を

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辻村深月本レビュー「噛み合わない会話と、ある過去について」

辻村深月本レビュー「噛み合わない会話と、ある過去について」

辻村深月の本はこれが2冊目だ。1冊目は「傲慢と善良」。この本を読み、どうしてここまで人の内面を露わにできる言葉が書けるのだろうと感銘を受けた。そして次に選んだのがこの「嚙み合わない会話と、ある過去について」だ。

人は皆、心の中に幽霊を抱えている一見怪談話、SF系なのかと思えるこの解説文。全く異なります。

誰かに理解してほしい、でも理解されない。
こうしたかったのにできなかった。
かつて、誰かと

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【読書】「同期とつきあうな」の真意

【読書】「同期とつきあうな」の真意

 転職を考え、転職サイトに登録し2人のエージェントの方と面談をした。
実際に動き出したものの、「せめて1年頑張ろう」と思い、選考には踏み出さなかった。
 だが、転職活動を辞めたわけではない。次の納得いく就職活動のために、私がやろうと決めたことは、

現職で前向きに働く。現職でのエピソードを蓄える。

TOEICのスコアを750点以上にする。(恥ずかしながら、TOEICは誇れるスコアではありません)

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辻村深月本②「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」

辻村深月本②「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」

 辻村深月は、無意識の中にある人の心をいとも上手に表現する方だ。
母と娘、東京と地方、女の恋愛観.…コンプレックスが刺激されるほどに、痛いところを突いてくる。

 この本は、母を殺した幼馴染を探す女性が、関係者と会話形式で様々な人の「無意識の価値観」が表出していく話。

”私はここじゃない、私は彼女たちとは違う”

幼馴染を探す主人公は、東京の大学に進学しフリーのライターになったものの、地元に戻っ

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卑屈さは人をより不幸に(読書感想文:このミス大賞作品)

卑屈さは人をより不幸に(読書感想文:このミス大賞作品)

通勤時間が長いもので、毎日通勤の電車では読書を楽しんでいます。週明け2日で読み終えたのが、「レモンと殺人鬼」です。2023第21回このミステリーがすごい!の大賞作品です。
※ネタバレはなし。
主人公の性格には触れています。

この物語のテーマは、
「虐げる側と虐げられる側」であると読み取りました。本のタイトル通り、小説内では殺人事件がおきます。

 殺人事件の被害者であり続ける主人公は、非常に不幸

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【読書】家族が呪縛にならぬように(愛されなくても別に)

【読書】家族が呪縛にならぬように(愛されなくても別に)

フッ軽と貧乏性が相まり、列車で3h未満なら新幹線を使わず列車を使います。先日も列車で近隣県まで移動しながら、この「愛されなくても別に」という本を読みました。
(ネタバレなし:ストーリーには触れないが作中の会話文引用)

テーマは「愛」「家族」

物語には、3人の大学生が出てきます。それぞれが母親と何かしらの問題を抱えています。

①母親との関係に違和感を覚えつつも、「家族」が呪縛になり、母親に生活

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【読書】後悔との向き合い方〜THE POWER OF REGRET

【読書】後悔との向き合い方〜THE POWER OF REGRET

本屋で一目惚れして、珍しくすぐ購入した。
実際、読んで良かった。理由は大きく以下2点。

・研究結果をもとに、後悔についてどう向き合えば良いかが書かれている。

・様々な人の後悔が紹介されており、誰もが後悔を抱いて生きているのだという安心感を感じられる。

本書で私が学んだこと、
印象に残ったこと1.後悔との向き合い方

後悔を、感情として捉えると、絶望しか感じない。思考として捉えることで、次はど

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【読書】今の自分を満たす生き方〜お探し物は図書室まで

【読書】今の自分を満たす生き方〜お探し物は図書室まで

読書しながら、共感して涙が出たのは久々だった。「今」生きづらさを感じる人、充実感を味わいたい人に是非読んでほしい。以下、本書の文章を引用し学んだことを記述したい。

本書は、「今」をいかに生きるかが書かれている。どの世代にも響く本だと思う。少なくとも私は、本書から非常に勇気を貰い、また、充足感を感じた。

自分を信じること

本書を通じて感じたのは、「今」できることを、自分を信じて行うことだ。自分

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【読書】翻訳小説の醍醐味

【読書】翻訳小説の醍醐味

祖母から借りて翻訳小説を読んだ。翻訳小説に抵抗感はあったものの、改めて翻訳小説の楽しさを知った。

登場人物の名前が覚えられない。

翻訳小説はなかなか読み進められないのは、これこそが原因だと思う。登場人物一覧があっても、既に出てきた登場人物か否かわからなくなる。そのため、ストーリーを把握するのも難しい…。

こうして、物語に入り込むのに時間がかかる。

一方、翻訳小説の醍醐味とは

1.展開が早

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