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記事一覧
【読書】東野圭吾作品は幅が広すぎてやっぱり面白い
先日、東野圭吾の「ブラックショーマンと名もなき殺人」を読み、やはり東野圭吾の作品は面白いと思った。
ミステリーと一言で言っても、テーマの幅が広く、1冊で様々な楽しみ方ができる。東野作品のタイプや良さをネタバレなしで書きたいと思う。
「ブラックショーマンと…」なら
これもどうやらシリーズものらしい。最新作(2作目)は最近やっと文庫化された。
今回読んだ1作目は、元手品師の叔父と、父親を殺した
【読書】その時々で何者にでもなれる〜鎌倉うずまき案内所
先日「お探し物は図書室で」を読み、本著者2冊目にこの「鎌倉うずまき案内所」を選びました。
前回の「図書室で」と同じく、人生に何か行き詰まりを感じる人たちがオムニバス形式で登場する。
違うのは、SF要素があること。突如現れた案内所に引き込まれ、アンモナイトからテレパシーで言葉が伝授される。お土産の「困った時の渦巻きキャンディ」は、その後登場人物たちが何か行動を起こしかけた時に不思議な力を貸してく
辻村深月本レビュー「噛み合わない会話と、ある過去について」
辻村深月の本はこれが2冊目だ。1冊目は「傲慢と善良」。この本を読み、どうしてここまで人の内面を露わにできる言葉が書けるのだろうと感銘を受けた。そして次に選んだのがこの「嚙み合わない会話と、ある過去について」だ。
人は皆、心の中に幽霊を抱えている一見怪談話、SF系なのかと思えるこの解説文。全く異なります。
誰かに理解してほしい、でも理解されない。
こうしたかったのにできなかった。
かつて、誰かと
卑屈さは人をより不幸に(読書感想文:このミス大賞作品)
通勤時間が長いもので、毎日通勤の電車では読書を楽しんでいます。週明け2日で読み終えたのが、「レモンと殺人鬼」です。2023第21回このミステリーがすごい!の大賞作品です。
※ネタバレはなし。
主人公の性格には触れています。
この物語のテーマは、
「虐げる側と虐げられる側」であると読み取りました。本のタイトル通り、小説内では殺人事件がおきます。
殺人事件の被害者であり続ける主人公は、非常に不幸