高橋聡ゼミ

明治大学政治経済学部高橋聡ゼミです! 現在、ゼミの活動として「ジェンダーで学ぶ生活経済…

高橋聡ゼミ

明治大学政治経済学部高橋聡ゼミです! 現在、ゼミの活動として「ジェンダーで学ぶ生活経済論 第三版」(ミネルヴァ書房)、「ケアと家族愛を問う」(青弓社)の輪読を行っています。 ゼミでの討論・議論の様子や、書評記事などを作成・掲載していきたいと思います。 よろしくお願いします!

マガジン

  • ディスカッション ワーク・ファミリー・バランス

    高橋ゼミ7期(2024年度)

  • ディベート ジョブ型雇用社会とは何か

  • ディベート ケアと家族愛を問う

    高橋ゼミ6期(2023年度春~秋学期)

  • 本紹介

    不定期で本を紹介します

  • ディベート ジェンダーで学ぶ生活経済論

    週ごとにテーマを決めて議論します。 5〜6月は『ジェンダーで学ぶ生活経済論』(ミネルヴァ書房)の各章に関連したテーマで議論します。

記事一覧

「ディーセントワーク」、「ケイパビリティ」についてディスカッション(2024/4/24)

高橋美恵子『ワーク・ファミリー・バランス』p1~21より 今回は「ディーセントワーク」、「ケイパビリティ」について報告、議論を行いました。 ディーセントワークまずは本…

高橋聡ゼミ
12日前
2

「日本の労働組合の取り組み・ストライキの原因、要求内容」についてディスカッション(2024/1/10)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何かー正社員体制の矛盾と転機』p.262〜292より 今回は、日本の労働組合の取り組み・ストライキの原因、要求内容について調べました。 …

高橋聡ゼミ
3か月前

「職場のメンタルヘルス・ケア」についてディスカッション(2023/12/20)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用とは何かー正社員体制の矛盾と転機』p.230〜260より 今回は、職場のメンタルヘルス・ケアについて調べました。大企業や中小企業など、あらゆる…

高橋聡ゼミ
3か月前
1

「女性総合職の働き方」についてディスカッション(2023/12/13)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用とは何かー正社員体制の矛盾と転機』p.201ー227より 今回は、女性総合職の働き方について調べました。 男性とは違った、キャリア形成における難…

高橋聡ゼミ
3か月前
6

「働き方改革後の過労問題」についてディスカッション(2023/12/6)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何かー正社員体制の矛盾と転機』p.169〜200より 今回は、働き方改革後の過労問題(働きすぎの問題)について調べました。 改革は進んで…

高橋聡ゼミ
3か月前

各国の非正規労働の形態・実態

濱口桂一郎著『ジョブ型雇用社会とは何か―正社員体制の矛盾と転機―』(岩波新書)の第三章を読み、世界各国の非正規労働の形態について調べ、その特徴をまとめていきまし…

高橋聡ゼミ
5か月前
4

「追い出し部屋」「働かないおじさん」についてディスカッション(2023/11/22)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か-正社員体制の矛盾と転機』p.96〜137より 今回は、メンバーシップ型雇用社会に特有の、いわゆる「追い出し部屋」「働かないおじさ…

高橋聡ゼミ
5か月前
5

ジョブ型雇用とは(序章〜第1章)(2023/10/25)

 濱口桂一郎著『ジョブ型雇用社会とは何か―正社員体制の矛盾と転機―』(岩波新書)の序章~1章前半までを読み、ゼミ生同士で間違ったジョブ型雇用について話し合いまし…

高橋聡ゼミ
5か月前
6

日本のリスキリング制度や特徴、事例

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か-正社員体制の矛盾と転機』p69-96 入口以前の世界より。 令和5年11月15日(水) この日は、日本のリスキリングの制度や特徴、実例…

高橋聡ゼミ
5か月前
2

「子育て不安/子育てに対するネガティブな感情」(第5章関連)(2023.10.4)

 今回のテーマは、子育てに対する不安感やネガティブな感情です。出産費用や教育費に対する経済的な不安、育児と仕事を両立していく肉体的な負担、1人で子育てをする精神…

高橋聡ゼミ
7か月前
9

2024年度ゼミ試験情報

高橋聡ゼミは第7期生を募集します。2024年度研究テーマ「日本型企業社会とこれからの働き方/休み方」に関心のある方は、専門演習要項をよく読み、Oh!-meiji公開のガイダン…

高橋聡ゼミ
7か月前
1

「各国の学校外教育」(第4章関連)(2023.9.27議論)

 今回のテーマは「学校外教育」です。日本では、子どもを塾やスポーツクラブに通わせる家庭が多いようですが、海外での習い事事情はどのようになっているのでしょうか。ア…

高橋聡ゼミ
7か月前
5

齋藤純一『不平等を考えるー政治理論入門』筑摩書店(ちくま新書)

推しコメ(高橋聡) 本書を通じて読者は、J.ロールズを中心とする現代の政治理論家たちの最先端の議論のエッセンスを通覧できる。評者が本書から学んだことは多々あるもの…

高橋聡ゼミ
8か月前
1

「デンマークとスウェーデンの子育て」(第2章関連)(2023.7.19議論)

 今回は、デンマークとスウェーデンの子育てについてディベートを行った。デンマークとスウェーデンともに北欧の国であるが、議論を重ねていく中、両国の子育て事情に違い…

高橋聡ゼミ
9か月前
2

「東アジア諸国人が結婚に消極的な理由 日本・中国・韓国の比較」(第1章関連)(2023.7.12議論)

日本 ・欧米と比較して自立志向が弱い  欧米:自立への圧力が強く、低収入の若者にとって同棲・結婚は経済的に合理性     がある  日本:親元を離れて自立しなければ…

高橋聡ゼミ
10か月前

「チャイルディズムについて」(第1章関連)(2023.7.12議論)

本日より、宮坂靖子著「ケアと家族愛を問う」の輪読を行ってまいります。 チャイルディズムとは? 「子供を大切にする考え方」 子どもや若者を社会の一員と考え、制度的に…

高橋聡ゼミ
10か月前
「ディーセントワーク」、「ケイパビリティ」についてディスカッション(2024/4/24)

「ディーセントワーク」、「ケイパビリティ」についてディスカッション(2024/4/24)

高橋美恵子『ワーク・ファミリー・バランス』p1~21より
今回は「ディーセントワーク」、「ケイパビリティ」について報告、議論を行いました。

ディーセントワークまずは本文において用いられた際のディーセント・ワークの定義を振り返ってみよう。
ILOで述べられた際の定義としては、「全ての人の権利が保障され、十分な収入を生みだし、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事」。
いわば「働きがいのある人間ら

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「日本の労働組合の取り組み・ストライキの原因、要求内容」についてディスカッション(2024/1/10)

「日本の労働組合の取り組み・ストライキの原因、要求内容」についてディスカッション(2024/1/10)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何かー正社員体制の矛盾と転機』p.262〜292より

今回は、日本の労働組合の取り組み・ストライキの原因、要求内容について調べました。

Aさん:
日本のストライキ【大橋】
・日本の労働争議(ストライキ含む)の発生件数は年300件前後

・ストライキの参加人数は少ない
2021年:日本→1000人 アメリカ→8.1万人 カナダ→29万人 韓国→5.1万人
・日本の

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「職場のメンタルヘルス・ケア」についてディスカッション(2023/12/20)

「職場のメンタルヘルス・ケア」についてディスカッション(2023/12/20)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用とは何かー正社員体制の矛盾と転機』p.230〜260より

今回は、職場のメンタルヘルス・ケアについて調べました。大企業や中小企業など、あらゆる現場におけるメンタルヘルス・ケアの難しさが見えてきました。

Aさん:
ストレスチェック制度
「労働安全衛生法」により、50人以上の労働者(非正規雇用労働者も含む)がいる事業所で年に一回実施することが義務化(50人以下は努力義務)

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「女性総合職の働き方」についてディスカッション(2023/12/13)

「女性総合職の働き方」についてディスカッション(2023/12/13)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用とは何かー正社員体制の矛盾と転機』p.201ー227より

今回は、女性総合職の働き方について調べました。
男性とは違った、キャリア形成における難しさが見えてきました。

Aさん:
■女性総合職の離職率は高い
10年間で58.1%、20年間で85.5%が離職
一般職への転換:転換制度のある企業で過去3年に利用者あり約44%
■政策の矛盾
雇用の「量」→改善傾向:女性就業者数

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「働き方改革後の過労問題」についてディスカッション(2023/12/6)

「働き方改革後の過労問題」についてディスカッション(2023/12/6)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何かー正社員体制の矛盾と転機』p.169〜200より

今回は、働き方改革後の過労問題(働きすぎの問題)について調べました。
改革は進んでいる一方、そこには負の側面があることが見えてきました。

Aさん:
⚪︎年間総労働時間の推移 *10.11
男性:1669時間(2019) → 1633時間(2022)
女性:1542時間(2019) → 1512時間(2022)

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各国の非正規労働の形態・実態

濱口桂一郎著『ジョブ型雇用社会とは何か―正社員体制の矛盾と転機―』(岩波新書)の第三章を読み、世界各国の非正規労働の形態について調べ、その特徴をまとめていきました。

《ドイツ》
◯非正規労働=パートタイム労働、有期契約労働、派遣労働←ほぼ日本と同様
◯特徴
・ミニジョブ(僅少労働)
収入が月 450 ユーロ 以下である場合に、所得税及び社会保険料の労働者負担分が免除される就労形態。パートタイム労

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「追い出し部屋」「働かないおじさん」についてディスカッション(2023/11/22)

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か-正社員体制の矛盾と転機』p.96〜137より

今回は、メンバーシップ型雇用社会に特有の、いわゆる「追い出し部屋」「働かないおじさん」について調べました。
特に「働かないおじさん」問題については、メンバーシップ型雇用社会だからこその、構造的な理由が見えてきました。

追い出し部屋
Aさん:
◯追い出し部屋とは
企業から戦力外とされた,いわゆるリストラ対象者・社

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ジョブ型雇用とは(序章〜第1章)(2023/10/25)

ジョブ型雇用とは(序章〜第1章)(2023/10/25)

 濱口桂一郎著『ジョブ型雇用社会とは何か―正社員体制の矛盾と転機―』(岩波新書)の序章~1章前半までを読み、ゼミ生同士で間違ったジョブ型雇用について話し合いました。

・ジョブ型雇用の誤解例

 ポストに必要な能力を記載した「職務定義書」を示し、労働時間ではなく成果で評価する。職務遂行の能力が足りないと判断されれば欧米では解雇もあり得る。

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日本のリスキリング制度や特徴、事例

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か-正社員体制の矛盾と転機』p69-96 入口以前の世界より。

令和5年11月15日(水)
この日は、日本のリスキリングの制度や特徴、実例などゼミ生同士で調べて、報告と議論を行いました。

◯リスキリングとは
リスキリング…既に就業している人に対して、新しい知識や技術を習得させること就業能力の向上を図る企業が事業戦略に合わせ、社員に新しいスキルや知識を身につけさ

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「子育て不安/子育てに対するネガティブな感情」(第5章関連)(2023.10.4)

「子育て不安/子育てに対するネガティブな感情」(第5章関連)(2023.10.4)

 今回のテーマは、子育てに対する不安感やネガティブな感情です。出産費用や教育費に対する経済的な不安、育児と仕事を両立していく肉体的な負担、1人で子育てをする精神的な負担など、さまざまな子育て負担を挙げられると思います。こういった負担と、子育てに対してネガティブな意識や感情との関係について話し合いを行いました。

子育ての経済的な負担

等価世帯所得が低いほど、子育て費用に対する不安が大きい
ただし

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2024年度ゼミ試験情報

2024年度ゼミ試験情報

高橋聡ゼミは第7期生を募集します。2024年度研究テーマ「日本型企業社会とこれからの働き方/休み方」に関心のある方は、専門演習要項をよく読み、Oh!-meiji公開のガイダンス動画を必ず視聴した上で応募してください。
演習要項は↓のURLから読めます。

https://acrobat.adobe.com/id/urn:aaid:sc:AP:748ffb99-d228-40b2-b279-1223

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「各国の学校外教育」(第4章関連)(2023.9.27議論)

「各国の学校外教育」(第4章関連)(2023.9.27議論)

 今回のテーマは「学校外教育」です。日本では、子どもを塾やスポーツクラブに通わせる家庭が多いようですが、海外での習い事事情はどのようになっているのでしょうか。アメリカ、ドイツ、中国、韓国、中東における学校外教育について調べ、話し合いました。

アメリカの学校外教育

◯スポーツを中心とした習い事が多い
集団スポーツ→芸術文化系→個人スポーツの順で多い

■米国政府による調査:
・6~17歳の子供の

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齋藤純一『不平等を考えるー政治理論入門』筑摩書店(ちくま新書)

齋藤純一『不平等を考えるー政治理論入門』筑摩書店(ちくま新書)

推しコメ(高橋聡)

本書を通じて読者は、J.ロールズを中心とする現代の政治理論家たちの最先端の議論のエッセンスを通覧できる。評者が本書から学んだことは多々あるものの、ここでは二点だけあげておく。

第一は、本書のタイトルが示す「平等」(*)という価値(観)を政治理論の中心に置く意味である。著者によると、社会制度の存在理由は市民間の「平等」な関係の確立・維持にある。
*著者によると、「平等」は同

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「デンマークとスウェーデンの子育て」(第2章関連)(2023.7.19議論)

「デンマークとスウェーデンの子育て」(第2章関連)(2023.7.19議論)

 今回は、デンマークとスウェーデンの子育てについてディベートを行った。デンマークとスウェーデンともに北欧の国であるが、議論を重ねていく中、両国の子育て事情に違いがあることが見えてきた。福祉の手厚い北欧諸国の子育てを、政策、保育施設、ジェンダーなどを取り上げながら紹介していく。

デンマークの子育て・育休中の所得補償

 出産日割手当は、なんと従前賃金の100%。そして上限額は、自給換算で1,480

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「東アジア諸国人が結婚に消極的な理由 日本・中国・韓国の比較」(第1章関連)(2023.7.12議論)

「東アジア諸国人が結婚に消極的な理由 日本・中国・韓国の比較」(第1章関連)(2023.7.12議論)

日本
・欧米と比較して自立志向が弱い
 欧米:自立への圧力が強く、低収入の若者にとって同棲・結婚は経済的に合理性
    がある
 日本:親元を離れて自立しなければならないという圧力が弱い
    →生活水準の低下を避けるための親との同居(18-34歳の未婚者の約75%)
     が合理的な選択で同棲・結婚以外の選択肢がある

・「恋愛結婚」の衰退
 交際相手を持つ若者が減少し、恋愛=面倒・リス

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「チャイルディズムについて」(第1章関連)(2023.7.12議論)

「チャイルディズムについて」(第1章関連)(2023.7.12議論)

本日より、宮坂靖子著「ケアと家族愛を問う」の輪読を行ってまいります。

チャイルディズムとは?
「子供を大切にする考え方」 子どもや若者を社会の一員と考え、制度的に阻害されないようにする試み。そして歴史的に根付いている大人前提を覆すような試み。(※この言葉は多義的で使われる文脈、学問分野によっても意味が異なる。)

デンマークにおける官製チャイルディズムの成り立ち
官製フェミニズム(ジェンダー平等

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