ほりそう / 堀 聡太

栃木県小山市出身。edit:ふつうごと(http://futsugoto.com)、o…

ほりそう / 堀 聡太

栃木県小山市出身。edit:ふつうごと(http://futsugoto.com)、osanai(http://osanai.site

マガジン

  • 感想 | ほりそう

    世の中の「もの」「こと」に関して、感じたこと / 想ったことを綴ります。

  • 日々のあわ | ほりそう

    日々の雑記についてまとめます。「あわ」のようにフワフワと浮かび、ともすれば消えそうなささやかな感情を記します。

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    息子のこと / 息子に向けたメッセージを綴ります。

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    ことば(言葉)について、僕自身の試行錯誤を記録するマガジンです。

  • TOITOITO仕事の振り返り(2023年度 第3四半期)

    2021年8月に創業した株式会社TOITOITOの、2023年度 第3四半期の仕事振り返りをまとめたnoteです。日次で行なったこと、週毎のKPT、計画と現実の差異、学びなどを週に1回更新していきます(3ヶ月合計10〜15本程度)。

記事一覧

固定された記事

推さないWebサイト「osanai」を作りました。

2022年8月15日、映画テキストサイト「osanai」をリリースしました。 * 何を提供するサービスなのかosanaiとは、推さないという意味です。 推す・推し活といった言葉が頻…

愛すべき、言行一致しない人間たち。(小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を読んで)

昨年読んだ『地図と拳』から、小川哲ブームが続いている。 ブームとはいえ、たかだか小川哲さんの書籍は3冊しか読んでいない。雑誌「Pen」で連載されている「はみだす大人…

自分で、自分の育て方を学んでいく(宇多田ヒカル)

4月10日、宇多田ヒカルさんがベストアルバム「SCIENCE FICTION」をリリースした。 メディア出演もあり、いくつかの番組をチェックした中で、「NHK MUSIC SPECIAL」でのフ…

地元で生まれ、地元で育つ。

GW、公園で遊んでいたら、息子が小学校の友達と遭遇した。 ご両親も来ていたので、ご挨拶。「堀さん、若いですね。20代ですか?」なんてジョークを真に受けそうになりつつ…

GWは家で過ごす。

妻の両親が遊びに来ている。 3月末に引っ越して、物理的に離れてしまったけれど、機会をつくって会いにきてくれるのは嬉しいこと。この日に合わせて、妻もせっせと迎える…

(映画「マリウポリの20日間」を観て)

「マリウポリの20日間」 (監督:ミスティスラフ・チェルノフ、2023年) ── 先日行なわれたアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した本作。奇しくも、ウクライナ…

車移動に慣れる

東京に住んでいたとき、「車なんて絶対に要らないよ」と思っていた。 東京を離れ、地方の町に住む意思決定をしたときも、なるべく車を使わないような暮らしを模索していた…

ヤーレンズのおしゃべりは、ずっと聴いていられる。

M-1グランプリ2023で準優勝を果たし、注目のお笑いコンビとなったヤーレンズ。月に1回、最終土曜日にヤーレンズが「オールナイトニッポン0」にレギュラー出演することにな…

社会の課題解決の担い手は「私たち」である。(田内学『きみのお金は誰のため』を読んで)

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街に書店がない

消滅可能性の市区町村が公表されて間もなく、「書店ゼロ」の自治体に関するニュースも報じられた。 僕は先月引っ越したが、かろうじて転居先の町には大きめの書店がひとつ…

エッセイのプレイリストとか

Apple MusicやSpotifyの普及によって、音楽は「サブスクで聴くもの」というメディアになった。 20代の頃はせっせと購入またはレンタルしていたCDは(僕にとっては)過去の…

1分間スピーチ

小学校の頃、毎週月曜日だったか、ふたりくらいが前に出て1分間スピーチをする時間があった。 これがけっこう難しく、みんな「何を話そうか」とネタ探しに必死だったと記…

住んでいる地域が「消滅」しないとしても。

「少子化だから人口が減って、将来けっこう大変なことになりそうですよね」なんて感じで、あまり危機感を抱いていなかった10年前。 自分の住む地域がなくなってしまうかも…

タモリと発信の怖さ。

かつて、若かりし頃にこんな発信をした。 14年前のことなので呆れるよりも笑ってほしいのだが、即、「『夕刊⇔タモリ』のネタはそれはもう何十年も前から言われている」と…

初めて泣かずに登園できた。

新しい保育園に転園し、間もなく1ヶ月が経つ。 GWが間近で「もうちょっとで、長いお休みだね」の言葉に安心したのか、今日は保育園に登園しても泣かなかった。 友達の名…

「異人たちとの夏」は、どうかしてた。

40歳過ぎの脚本家が、幼少期に事故で失った両親と再会する物語。楽しい日々を送るも、主人公の英雄は徐々に死界へと足を踏み入れる。 人情味溢れる浅草で、束の間、日常を…

推さないWebサイト「osanai」を作りました。

推さないWebサイト「osanai」を作りました。

2022年8月15日、映画テキストサイト「osanai」をリリースしました。

*

何を提供するサービスなのかosanaiとは、推さないという意味です。

推す・推し活といった言葉が頻繁に使われている昨今、個人の好き嫌いでない視点が大切だと思いました。

いろいろな映画作品についてのテキストを掲載しています。映画を観た感想、映画に関する取材など。他にも、映画について深く考えたり、解釈したり、映画

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愛すべき、言行一致しない人間たち。(小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を読んで)

愛すべき、言行一致しない人間たち。(小川哲『君が手にするはずだった黄金について』を読んで)

昨年読んだ『地図と拳』から、小川哲ブームが続いている。

ブームとはいえ、たかだか小川哲さんの書籍は3冊しか読んでいない。雑誌「Pen」で連載されている「はみだす大人の処世術」をほぼ毎号読んでいるとはいえ、小川哲を語るにはちょっと心許ない。

だが、小川さんと比較的年齢が近いこともあり、他の作家と比べて(非常に烏滸がましいことだが)「うんうん」と頷いて読むことが多い気がするのだ。

近著『君のクイ

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自分で、自分の育て方を学んでいく(宇多田ヒカル)

自分で、自分の育て方を学んでいく(宇多田ヒカル)

4月10日、宇多田ヒカルさんがベストアルバム「SCIENCE FICTION」をリリースした。

メディア出演もあり、いくつかの番組をチェックした中で、「NHK MUSIC SPECIAL」でのファンとのやりとりがとても良かった。

僕が印象に残ったのは、不安への向き合い方のこと。

質問したのは20代で美容師になったばかりの女性。「新社会人になって不安が出てきた。落ち込むこともあるが、どんなふう

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地元で生まれ、地元で育つ。

地元で生まれ、地元で育つ。

GW、公園で遊んでいたら、息子が小学校の友達と遭遇した。

ご両親も来ていたので、ご挨拶。「堀さん、若いですね。20代ですか?」なんてジョークを真に受けそうになりつつ、世間話に。聞けば、そのお父さんは42年間ずっと地元で生活していたとのことだ。

「この辺に、良いとこなんてねえっすよ〜」

なんて謙遜でなく答えるから、「いやいやいや!」と夫婦(+義母)で引っ越した立場での土地の魅力を伝えた。我々の

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GWは家で過ごす。

妻の両親が遊びに来ている。

3月末に引っ越して、物理的に離れてしまったけれど、機会をつくって会いにきてくれるのは嬉しいこと。この日に合わせて、妻もせっせと迎える準備をしてくれて、そして義両親も僕らの暮らしぶりを面白がってくれた。

「東京と違って、星もよく見えるんじゃないか?」

なんて質問も。家からは案外普通なんだけど、20時過ぎに田園そばを自転車で走っていたら確かに夜空に星が瞬いていた。カエ

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(映画「マリウポリの20日間」を観て)

(映画「マリウポリの20日間」を観て)

「マリウポリの20日間」
(監督:ミスティスラフ・チェルノフ、2023年)

──

先日行なわれたアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した本作。奇しくも、ウクライナ史上初のオスカーとなりました。
ジャーナリストであり、本作の監督を務めたミスティスラフ・チェルノフさんは「この映画が作られなければよかった」と受賞コメントを発表。

内容は、ウクライナ東部に位置するマリウポリにロシアが侵攻を開始し

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車移動に慣れる

東京に住んでいたとき、「車なんて絶対に要らないよ」と思っていた。

東京を離れ、地方の町に住む意思決定をしたときも、なるべく車を使わないような暮らしを模索していた。

たまたま、親族が使っていた車を譲ってもらえることになり(まじでありがたい話だ)、思いがけず車のある生活になった。

毎日、とはいわないが、車が欠かせない生活を送っている。

息子の保育園の送り迎えは、息子の体力づくりのためになるべく

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ヤーレンズのおしゃべりは、ずっと聴いていられる。

M-1グランプリ2023で準優勝を果たし、注目のお笑いコンビとなったヤーレンズ。月に1回、最終土曜日にヤーレンズが「オールナイトニッポン0」にレギュラー出演することになった。

単発放送でも感じたことだが、改めて初回放送を聴いてヤーレンズの凄みを実感した。

とにかく、どこまでも繋げて「おしゃべり」ができる。ひとつのボケから始まり、言葉尻をつかみとりながら新しいボケとツッコミが連鎖、見事という他な

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社会の課題解決の担い手は「私たち」である。(田内学『きみのお金は誰のため』を読んで)

社会の課題解決の担い手は「私たち」である。(田内学『きみのお金は誰のため』を読んで)

「お金」が社会の中でどう位置づけられているか/位置づけられるべきかを考える良書でした。

「フランス革命のころと同じくらいの格差やと思っている人は、お金しか見てへん。格差はずっと縮んでいると僕は思うで」など、本質を突いた言葉が何度も出てきて、その都度ハッとさせられました。

『きみのお金は誰のため』
(著者:田内学、東洋経済新報社、2023年)

──

「お金の教養小説」と帯にある通り、本書はゴ

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街に書店がない

街に書店がない

消滅可能性の市区町村が公表されて間もなく、「書店ゼロ」の自治体に関するニュースも報じられた。

僕は先月引っ越したが、かろうじて転居先の町には大きめの書店がひとつある。ラインナップにも不満がないが、逆にいうと、ここが撤退すると一気に「本」へのアクセスがなくなってしまうわけで。命綱を守るべく、なるべく書店で本を買うようにしたいと気持ちを新たにした。

人口減と書店数減はそれなりに関係があるだろう。そ

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エッセイのプレイリストとか

エッセイのプレイリストとか

Apple MusicやSpotifyの普及によって、音楽は「サブスクで聴くもの」というメディアになった。

20代の頃はせっせと購入またはレンタルしていたCDは(僕にとっては)過去の産物になってしまい。初回限定版として何か特典がつくといったレアケースを除いてはCDという装置を買うことはなくなった。

サブスクによって、視聴方法も変わった。

アルバムという単位でなく、曲単位で音楽を聴くようになっ

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1分間スピーチ

1分間スピーチ

小学校の頃、毎週月曜日だったか、ふたりくらいが前に出て1分間スピーチをする時間があった。

これがけっこう難しく、みんな「何を話そうか」とネタ探しに必死だったと記憶している。タイミング良く旅行にでも行っていれば、そのことを語れるのだけど、日々の生活において(だいたいみんな週5で学校に通っていた)、特筆すべき出来事は発生しない。

だが、この1分間スピーチがべらぼうに上手な同級生がいた。

彼が語る

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住んでいる地域が「消滅」しないとしても。

住んでいる地域が「消滅」しないとしても。

「少子化だから人口が減って、将来けっこう大変なことになりそうですよね」なんて感じで、あまり危機感を抱いていなかった10年前。

自分の住む地域がなくなってしまうかもしれない、と従来の人口動態調査に一石を投じた人口戦略会議。「消滅可能性自治体」と名付けられたレポートが、10年ぶりにアップデートされた。元資料はこちら。

住んでいる地域は「消滅」しないらしい。

良かった良かった、で終わらせるのでなく

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タモリと発信の怖さ。

タモリと発信の怖さ。

かつて、若かりし頃にこんな発信をした。

14年前のことなので呆れるよりも笑ってほしいのだが、即、「『夕刊⇔タモリ』のネタはそれはもう何十年も前から言われている」というレスをもらったのだった。

「知らない」ということは強いが、ひとたび「知る」に変換されるとき、恥を伴うことがある。“赤っ恥”という言葉があるが、このときも顔から火が出るほど恥ずかしかった記憶がある。(確か、西武新宿線 高田馬場駅の近

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初めて泣かずに登園できた。

初めて泣かずに登園できた。

新しい保育園に転園し、間もなく1ヶ月が経つ。

GWが間近で「もうちょっとで、長いお休みだね」の言葉に安心したのか、今日は保育園に登園しても泣かなかった。

友達の名前も、ちらほら聞こえることに。登園時の呼名にもしっかりお返事できているみたい。

3年後、卒園するときになったら「あんなこともあったねえ」なんて、保育士さんと笑える日が来るのだろうか。

前の保育園でも、保育士さんと「入園したときは、

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「異人たちとの夏」は、どうかしてた。

「異人たちとの夏」は、どうかしてた。

40歳過ぎの脚本家が、幼少期に事故で失った両親と再会する物語。楽しい日々を送るも、主人公の英雄は徐々に死界へと足を踏み入れる。

人情味溢れる浅草で、束の間、日常を忘れることができた日々。後半にかけて孤立と幻想が交差し、観るものを不思議に郷愁へと誘っていく。

「異人たちとの夏」
(監督:大林宣彦、1988年)

──

35年前に製作された映画である。

もちろん、それっぽさに溢れているのだが、

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