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【君は君で、私は私。それがいい】『たのしいムーミン一家』トーベ・ヤンソン/著(講談社)

【君は君で、私は私。それがいい】『たのしいムーミン一家』トーベ・ヤンソン/著(講談社)

みんなちがって、みんないい。
個を大切にするムーミンらしさがぎゅっと詰まった、ムーミン初心者にもうってつけの一冊。

おすすめ度・読者対象・要点おすすめ度 ★★★★★
読みやすさ ★★★★☆

小学4〜 どの世代も
ただ、大人にはくどいと感じる表現もあるので、大人の目線で読みやすさは★4

春。スナフキンが帰ってくると、ムーミンたちは冒険に出かけ、そこでムーミンパパのシルクハットにそっくりな帽子を

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【運命なんかに、負けるな】『精霊の守り人』上橋菜穂子/著(偕成社/新潮社)

【運命なんかに、負けるな】『精霊の守り人』上橋菜穂子/著(偕成社/新潮社)

運命に翻弄されないように、しかと立って、歩いて、未来を掴み取れ。
日本で生まれた王道ファンタジー。

おすすめ度・読者対象おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★

・小学6年生・中学生〜どの年代も
・ファンタジーを読みたいが、想像しにくく躊躇している人(日本人作家ということもあり、日本文化が馴染みやすい)

あらすじ

短鎗遣いの女バルサは、川に流れてきた第2皇子チャグムを助けた。彼はなん

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【強きをくじけ】『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』 斎藤惇夫/著(岩波書店)

【強きをくじけ】『冒険者たち ガンバと15ひきの仲間』 斎藤惇夫/著(岩波書店)

恐ろしいイタチに立ち向かい、残してきた家族と仲間たちを救え。
ドブネズミのガンバが、広大な海を知り、冒険に魅了されていく。その体験を読者も味わう事ができるようなリアリティー溢れ、心揺さぶられる冒険譚。

おすすめ度・読者対象・要点おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★☆
推奨は小5・6〜中学生。
読める子なら小学3年生からでも。
読書感想文にするなら、中学生まで。道徳っぽい話ではなく、純粋な

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【自由を忘れた人たちへ】『モモ』ミヒャエル・エンデ (岩波書店)

【自由を忘れた人たちへ】『モモ』ミヒャエル・エンデ (岩波書店)

時間に追われ、心を無くした私たちへの、警鐘と救いのおはなし。
何をやってもつまらないあなたのところへ、モモがきっと駆けつけてくれますように。

おすすめ度・読者対象・要点おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★

読書対象は小学3・4年生から大人まで。
どの世代にも読みやすい文体、響く言葉であるといえる。
子どもだからこそ楽しく読める。
人生を見つめ直したい大人にもおすすめだ。

とある劇場

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【友達って何だろう】『ブレイブ・ストーリー』宮部みゆき(角川書店)

【友達って何だろう】『ブレイブ・ストーリー』宮部みゆき(角川書店)

運命を変えたい。 人生をやり直したい。
それが全てか? 本当は、どうしたらよかったんだろう。
ぶつかり合える出会いが、主人公を変える。

おすすめ度・読者対象・要点おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★☆

読者対象は小4・5~ 高校生以上ももちろん良い。

主人公の亘は小学5年生。
普通の生活を送っていたけれど、突然家族がバラバラになってしまう。
家族を、元の暮らしを取り戻したい一心で、運

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【伝われば、どんな形でも愛なのだ】『そしてバトンは渡された』瀬尾まいこ/著(文藝春秋)

【伝われば、どんな形でも愛なのだ】『そしてバトンは渡された』瀬尾まいこ/著(文藝春秋)

数奇な人生の中で、家族の愛につつまれる女の子の話。
心が辛い時にこそ、手に取りたい。

おすすめ度・読者対象・要点おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★

読むなら中学生から。
主人公は基本高校生。
子ども目線でも、親目線でも読める、優しい作品。(易しくもある)

主人公・優子には3人の父親と2人の母親がいて、現在は3人目の父と2人で暮らしている。
それを苦に思った事はないが、周りから同情

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【楽しい気持ちになる小説】『有頂天家族 二代目の帰朝』森見登美彦/著(幻冬舎)

【楽しい気持ちになる小説】『有頂天家族 二代目の帰朝』森見登美彦/著(幻冬舎)

子供というのは、訳もなく泣くものさ。

全力の大喧嘩に巻き込まれる!
化け狸たちのファンタジー 第二巻。

おすすめ度・読者対象・要点おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★☆
・読みやすいのは大学生から
・1巻は必読
・読者対象は問わず誰でも

1巻の解説はこちら

破天荒な化け狸・矢三郎が、山でツチノコ探しをしているところに、西洋の調度品が落ちてくる。
なんとそれは、我らが堕落師匠・赤玉先

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【人生の岐路に立つ人へ】『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』町田そのこ(新潮社)

【人生の岐路に立つ人へ】『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』町田そのこ(新潮社)

進む・立ち止まる・戻る。
そのすべては、それぞれの、正しい選択だ。

人生の岐路で迷う人の背中を、そっと押してくれる小説。

おすすめ度・読者対象・要点おすすめ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
・高校生以上
・全体的に20代後半〜40代の女性向け

人生に悩む人の心の繊細さ、どちらに進めば良いか迷うその機微に、優しく丁寧に向き合っている。
明るく読める話ではないが、進退を迷う人の心には寄り添

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【小説紹介】君は君らしく生きていいーー『カラフル』

【小説紹介】君は君らしく生きていいーー『カラフル』

これは私が中学生の時に読み、私の人生を大きく変えた本です。
『カラフル』森絵都/著(理論社・講談社・文春文庫)

オススメ度・読者対象

対象年齢:中学生(~高校生)
オススメ度 ★★★★★
読みやすさ ★★★★★

・”仲間外れ”になりたくないと思ったことのある人
・「みんなと歩幅を合わせる」ことに違和感を覚えている人
・なんとなく息苦しいなと思っている人

私の中学時代より、今を生きる中学生・

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【推理小説の原点に帰る】『緋色の研究【新訳版】』 アーサー・コナン・ドイル(創元推理文庫)

【推理小説の原点に帰る】『緋色の研究【新訳版】』 アーサー・コナン・ドイル(創元推理文庫)

シャーロック・ホームズシリーズ第1作目に手を出しました。
ミステリー好きには絶対履修してほしいシリーズについて解説する。

シャーロック・ホームズといえば世界中の誰しもが知る探偵だが、そんな彼が、助手であり医者のワトソンと出会ったいきさつをご存じの方はどれだけいるだろうか。

おすすめ度・読書対象おすすめ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
幼くは、読める子であれば小学5年生~でも可
年齢問わず

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【文学に酔う】『熱帯』森見登美彦/著(文藝春秋)

【文学に酔う】『熱帯』森見登美彦/著(文藝春秋)

マトリョーシカのように話が折り重なり、謎が謎を呼ぶ怪奇小説。
この小説に「結末」は存在しない。

おすすめ度・読者対象おすすめ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★☆☆☆
・一風変わった小説を読みたい人
・純文学が好きな人向け

結末まで誰も読んだことのない不思議な小説ーー『熱帯』。
本の中の主人公たちは、どうすれば『熱帯』の結末にたどり着けるのかと思案し、ある人は当てのない旅に出る。
そして読者である

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【元気をくれる小説】『有頂天家族』森見登美彦/著(幻冬舎)

【元気をくれる小説】『有頂天家族』森見登美彦/著(幻冬舎)

世間にうんざりしたら読みたい本。
楽しいことをしたらいい。
何なら、何だって楽しくなる。
何でも気楽に考えられる小説。

おもしろきことは良きことなり!

おすすめ度・読者対象・要点おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★
・メインは大学生以上〜
・読み手は選ばず 中学生〜読める

我らがよく知る京都は、なんと、狸と天狗と人間の三つ巴で回っている。
そのうちの狸は、天狗に教えを乞い、人間に化

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