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能・歌舞伎・文楽

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能・歌舞伎・文楽に関する記事です。
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【文楽と雑記】増補大江山など

【文楽と雑記】増補大江山など

 2024年4月27日(土)、28日(月)に、国立文楽劇場@大阪に、令和6年4月文楽公演を観に行きました。私は関東に住んでいて、基本的に遠出はしないのですが、文楽に限って大阪に行くことがあります。
 以下、記録を残します。

■公演概要 4月公演は、29日(月・祝)が千穐楽で、公演も終盤のため、簡単に記載します。

第1部(午前11時〜):絵本太功記

第2部(午後2時30分〜):団子売、襲名披露

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【文楽】戻駕色相方、艶容女舞衣

【文楽】戻駕色相方、艶容女舞衣

 2024年2月11日(日)、日本青年館ホールに、人形浄瑠璃文楽(令和6年2月公演)を観に行きました。記録を残します。

■公演概要(1)会場・日程

会場:日本青年館ホール

日程:2024年2月5日(月)~2月13日(火)

 昨年10月末で国立劇場が閉場してから、他劇場を借りて公演が行われていますが、今回の「日本青年館ホール」で文楽を観るのは初めてです。
 一番近い駅は、銀座線の外苑前駅のよ

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【令和6年初春文楽(後編)】近頃河原の達引、伽羅先代萩など

【令和6年初春文楽(後編)】近頃河原の達引、伽羅先代萩など

 2024年1月7日(日)に見た初春文楽公演ですが、第1部・第2部について記事を書いてみようと思います。後編です。
 前半の記事はこちらです(↓)。

■七福神宝の入舩(第1部より) 七福神という新年らしいスタートでした。宝船に乗った七柱の福の神がそれぞれ芸を披露する話です。琴や胡弓の演奏に加え、(三味線による)琵琶の演奏もあり、あまり音楽に詳しくない私にも聴き応えがありました。
 新しい作品のよ

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【令和6年初春文楽(前編)】平家女護島、伊達娘恋緋鹿子

【令和6年初春文楽(前編)】平家女護島、伊達娘恋緋鹿子

 2024年1月7日(日)、大阪の国立文楽劇場で文楽を観ました。令和6年初春文楽公演です。いくつかの演目を観ましたが、夕方から開演される第3部を中心に記録を残します。

■初春文楽公演概要(1)開催期間と場所

期間:2024年1月3日(水)〜1月22日(月)

場所:国立文楽劇場@大阪

(2)演目

第1部(午前11時〜):七福神宝の入舩、近頃河原の達引

第2部(午後2時30分〜):伽羅先代

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【歌舞伎・文楽】双蝶々曲輪日記(感想後編、八段目「引窓」を中心に)

【歌舞伎・文楽】双蝶々曲輪日記(感想後編、八段目「引窓」を中心に)

 前回、『双蝶々曲輪日記』の全体像について記載したのですが、今回は後編として、八段目「引窓」の感想を中心に書いてみたいと思います。

 同日に投稿した前回の記事(↓)を先に読んで頂けると分かりやすいです。

■今年の鑑賞について 今年私は、『双蝶々曲輪日記』を2回観ました。
 1回目は7月の歌舞伎鑑賞教室、2回目は11月の文楽公演です。それぞれの内容は以下のとおりでした。共通して上演された場面は、

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【歌舞伎・文楽】双蝶々曲輪日記(感想前編)

【歌舞伎・文楽】双蝶々曲輪日記(感想前編)

 12月も半ばを過ぎ、今年も残り僅かとなりました。今年、なかなか上手くまとめられず、ボツにした記事もあります。「双蝶々曲輪日記」の感想もその一つです。年末最後に投稿しようかと思いましたが、頑張って投稿してみようと思います。

■作品『双蝶々曲輪日記』について(1)作者等

 寛延2年(1749)7月、大阪・竹本座で人形浄瑠璃(現在の文楽)として初演された作品。作者は、二代竹田出雲、三好松洛、並木千

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【文楽】源平布引滝

【文楽】源平布引滝

 2023年12月10日(日)、東京都足立区北千住にある「シアター1010(センジュ)」に、文楽を観に行きました。記録を残します。

■12月の文楽について(1)通常の12月公演

期間:12月4日(月)~12月14日(木)

会場:シアター1010(足立区文化芸術劇場)

演目:源平布引滝(竹生島遊覧の段、九郎助住家の段)

 プログラムによると、12月公演は、中堅・若手を中心とした座組で、若手

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【能・狂言】葛城・苞山伏

【能・狂言】葛城・苞山伏

 2023年12月9日(土)、国立能楽堂で、能・狂言を鑑賞しました。12月の普及公演です。記録を残します。

■演目等解説・能楽あんない:岩橋説話と女神の舞、山中 玲子 (法政大学能楽研究所教授)

狂言:苞山伏、能村 晶人(和泉流)

能 :葛城 大和舞 井上 裕久(観世流)

■今回のテーマ(1)能と狂言の共通のテーマ

 パンフレット等をみますと、能、狂言ともに、出羽の羽黒山から来て、奈

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【文楽】面売り

【文楽】面売り

 2023年11月18日(土)、大阪の国立文楽劇場で文楽を見ました。メモを残します。

■2023年11月の文楽(国立文楽劇場@大阪) 3部制でそれぞれの演目は以下のとおりでした。

第1部:10時30分〜、『双蝶々曲輪日記』『面売り』

第2部:14時15分〜、『奥州安達原』

第3部:17時45分〜、『冥途の飛脚』

 今回、私は第1部だけ見ました。大阪で用事があり、国立文楽劇場に立ち寄った感

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【歌舞伎】極付印度伝 マハーバーラタ戦記

【歌舞伎】極付印度伝 マハーバーラタ戦記

 2023年11月12日(日)、歌舞伎座に『極付印度伝 マハーバーラタ戦記』を見に行きました。同舞台は11月25日(土)まで上演されています。
 メモを残します。

■11月の歌舞伎

 11月の歌舞伎座は江戸時代の名残もあり、「顔見世」の名前がついた興行となっております。
 午前の部は「マハーバーラタ戦記」、午後の部は「松浦の太鼓」「鎌倉三代記」「顔見世季花姿繪(かおみせづきはなのすがたえ)」で

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【劇場感想】国立劇場・国立演芸場 閉場記念式典

【劇場感想】国立劇場・国立演芸場 閉場記念式典

 2023年10月29日(日)14時から、半蔵門にある国立劇場(大劇場)にて、「国立劇場・国立演芸場 閉場記念式典」に参加させて頂きました。
 メモを残します。

■国立劇場・国立演芸場について 国立劇場・国立演芸場は、老朽化による建て替えのため、今年の10月末(明後日ですが)で、一旦閉場となります。
 国立劇場は1966年(昭和41年)、国立演芸場は1979年(昭和54年)からの歴史に幕を下ろす

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【シネマ歌舞伎・読書】海神別荘(泉鏡花・生誕150年)

【シネマ歌舞伎・読書】海神別荘(泉鏡花・生誕150年)

 2023年10月28日(土)、神奈川県の橋本にある映画館・MOVIX橋本に、シネマ歌舞伎の『海神別荘』を見に行きました。メモを残します。

■泉鏡花・生誕150年 泉鏡花は、1873年(明治6年)11月4日生まれの文学者です。今年で生誕150年。生誕日も、いよいよ来週に迫っています。
 松竹のシネマ歌舞伎では、10月下旬から11月中旬にかけて、「坂東玉三郎✕泉鏡花」の4作品を上映しています。

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【シネマ歌舞伎】野田版 桜の森の満開の下

【シネマ歌舞伎】野田版 桜の森の満開の下

 2023年10月1日(日)、シネマ歌舞伎の『野田版 桜の森の満開の下』を見ました。
 上映期間は、9月29日(金)〜10月5日(木)までです。東銀座の東劇は、10月19日(木)まで上映しているようです。
 DVDも出ているようなのですが見たことはなく、私は今回が初めてでした。一度は観てみたいと思っていた作品でしたので、良かったです。

■概要
 もとになった作品は、坂口安吾の「桜の森の満開の下」

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【8・9月文楽】菅原伝授手習鑑

【8・9月文楽】菅原伝授手習鑑

 2023年8月末から、国立劇場(小劇場)で文楽公演が行われています。演目は、菅原伝授手習鑑(三段目以降)、寿式三番叟、曾根崎心中です。
 今回は『菅原伝授手習鑑』について、気づいたことを書いてみようと思います。

■『菅原伝授手習鑑』について (本当に)大まかなストーリーですが、チラシから引用します。

 全五段の時代物で、今回は、今年の5月の公演で初段と二段目、8・9月公演で三段目から五段目と

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