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文学研究の意義とは――日本近代文学研究を事例に
はじめに
皆様、こんにちは。今回、KUNILABOから誠に寛大な出版助成金をいただきましたこと、とても栄誉あることと感動しております。博士論文を書いた長年の苦労は、書籍という形で出版されることでついに実を結びます。私の研究になんらかの価値を認めて、この出版を可能にしてくださいましたことを、心から感謝申し上げます。
本日は自分の研究と文学研究そのものについて少しお話をさせていただきます。博士
今、なぜ『失われた時を求めて』? ――名作だけれど読み始められないわたしたちのために(3)
小説の普遍性のために名前を消す
――ありがとうございました。おそらく今、この物語の核心に迫るようなお話を頂いているような気がするのですが。今の中野先生のお話を受けて鈴木先生にコメントを頂きたいと思います。
鈴木:あんまりフランス語もできない日本の学生がね、原稿なぞを読んで、そして「マルセル」というのは消される方向にあったなんていうことを言ったもんだから、フランスのプルーストの錚々たる研究家たち
今、なぜ『失われた時を求めて』? ――名作だけれど読み始められないわたしたちのために(2)
フランス文学におけるプルーストの位置
――ありがとうございました。お二人のプルーストへの熱い思いを伺ったところで、次にフランス文学におけるプルーストの位置について、またプルーストの作品の特徴について少し話を進めていきたいと思います。まず中野先生にもう一回お願い致しますが、プルーストを文学史上に位置付けるとどうなりますでしょうか。大学1年生の概説授業のようなイントロをお願いできますでしょうか。
今、なぜ『失われた時を求めて』? ――名作だけれど読み始められないわたしたちのために(1)
はじめに
――今年は折しもプルースト生誕150周年です。あえて150周年という風に言祝がれるからには、プルーストは今でもとても大切な作家だと見なされているということだと思います。ですが、読めない……で、ピカピカに綺麗な『失われた時を求めて』の第一巻をいまだにずっと持っておりました。そういうわけで今日は、長くて難しいとされるプルーストの『失われた時を求めて』に少しでも近づいてみたい、という思いから
フェミニズムと英文学と『源氏物語』(3)〜結婚・就活・恋愛と女性の生きづらさ〜
KUNILABO人文学ゼミ「『源氏物語』を読む」と人文学講座「フェミニズムと英文学──語り直される女たちの物語」2講座コラボスピンオフ企画「フェミニズムと英文学と『源氏物語』」座談会、最終回です。白熱の討議は、恋愛しない女性たちの話から、大黒摩季を経て、女性の就活問題から見た『高慢と偏見』の問題点、そして制度としての恋愛へ…
(画像:『源氏物語画帖』 所蔵:国文学研究資料館)
参加者:西原(日本
フェミニズムと英文学と『源氏物語』(2)〜結婚・階級・セクシュアリティ〜
KUNILABO人文学ゼミ「『源氏物語』を読む」と人文学講座「フェミニズムと英文学──語り直される女たちの物語」2講座コラボスピンオフ企画「フェミニズムと英文学と『源氏物語』」座談会の第2回をお届けします。今回は『高慢と偏見』でリジーはなぜ最初ダーシーのプロポーズを断ったのかから出発して、植民地問題、『源氏物語』の「もののけのような語り」、アイデンティティとセクシュアリティの話まで話は広がります。
もっとみるフェミニズムと英文学と『源氏物語』(1) 〜『高慢と偏見』は婚活小説?〜
KUNILABOで2018年から開講している西原志保先生の人文学ゼミ「『源氏物語』を読む」では、『源氏物語』の宇治十帖を読んでいます。そこで、2020年9月期に開講された河野真太郎先生の「フェミニズムと英文学──語り直される女たちの物語」で扱われたオースティンの『高慢と偏見』が話題となったため、河野先生お迎えしてオンライン座談会をおこない、初の2講座コラボスピンオフ企画が実現しました。その様子をお
もっとみる啓蒙時代における美学の誕生(2) ――井奥陽子『バウムガルテンの美学』をめぐって
2021年4月期に人文学講座「近代美学入門」を担当される井奥陽子さんは、昨年『バウムガルテンの美学』(慶應義塾大学出版、2020年)を上梓されました。本書の出版を記念して、昨年11月、市民講座「みんなで読む哲学入門」にて上野大樹さん(KUNILABO講師)とのオンライン対談が行われました。その中からヨーロッパ啓蒙と美学の誕生にかんするお話の一部を抜粋し、二回に分けてお届けいたします。前編はこちら。
もっとみる啓蒙時代における美学の誕生(1) ――井奥陽子『バウムガルテンの美学』をめぐって
2021年4月期に人文学講座「近代美学入門」を担当される井奥陽子さんは、昨年『バウムガルテンの美学』(慶應義塾大学出版、2020年)を上梓されました。本書の出版を記念して、昨年11月、市民講座「みんなで読む哲学入門」にて上野大樹さん( KUNILABO講師 )とのオンライン対談が行われました。本稿では、その中からヨーロッパ啓蒙と美学の誕生にかんするお話の一部を抜粋し、二回に分けてお届けいたします。
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