ゆきぐもり

書いて、歩いて、読んで。京都、水湧くところ。

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  • エジプト珍道中

    エジプトでの旅日記です。2023年5月の連休に。

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#14 エジプト珍道中 ファラオ村

エジプトの旅で、妻がいちばん行きたいところに挙げたのは、ファラオ村だった。ナイル川の中洲にあるテーマパークだ。 鼠をモチーフにしたあの人気キャラクターがいる夢の…

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8か月前
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3行日記 #180(畑仕事、脱輪、鯖江の家)

五月四日(土)、晴れ 午前、実家の畑仕事を手伝う。畑には、にんにく、じゃがいも、ミニトマト、ブロッコリー、モロヘイヤ、つるむらさき、などが植えられていた。まずは…

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15時間前
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3行日記 #179(大声コンテスト、ブルーハワイ、将棋)

五月三日(金)、晴れ 午前、帰省する道中に鯖江で下車し、つつじとレッサーパンダで有名な公園でやっているイベントに寄った。途中、地元のパン屋で昼ごはんを買って、公…

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3行日記 #178(弓なり、逆走、錠剤)

四月三十日(火)、くもり時々雨 穀雨、牡丹華、ぼたんはなさく、牡丹の花が咲き始める。 穀雨、科斗作陣、かとじんをなす、オタマジャクシが隊列を作って泳いでる。 午前…

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3行日記 #177(押し葉、白と黒、ハイタッチ)

四月二十七日(土)、くもり 午前、某私立中学校のアフタースクールを手伝った。自分で染めた糸を使って織物を体験するワークショップで、先週の一回目に糸を染め、今日は…

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10日前
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3行日記 #176(ペロ、運び先、胡麻和え)

四月二十五日(木)、晴れ 穀雨、霜止出苗、しもやみてなえいずる、霜が収まり苗代の稲が育つ。 穀雨、烏鵶営巣、うあすをいとなむ、カラスが巣をつくる。 最近また日記を…

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12日前
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3行日記 #175(厨房に立つ、林檎の皮、バーデイ)

四月二十二日(月)、くもり 夜、妻の実家でお好み焼き。お惣菜のハンバーグ、林檎。初めて妻の実家の厨房に立った。とはいっても、食後に林檎の皮を剥いただけだが。林檎…

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2週間前
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3行日記 #174(LiSA、藤棚、着信)

四月二十日(土)、晴れ 穀雨、葭始生、あしはじめてしょうず、ヨシが芽吹き始める。 穀雨、越燕始翔、つばめかけはじむ、燕が飛び始めた。 午前、電車で。横並びに座って…

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2週間前
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3行日記 #173(黄砂、ちっこいの、ほっそいの)

四月十八日(木)、くもり 朝のニュースで黄砂がすごいと言っている。窓から外を見ると、遠くの景色が見えないほど白く霞んでいる。洗濯物がたまっているが、明日に見送っ…

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2週間前
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3行日記 #172(野花、蓬、屋上遊園地)

四月六日(土)、晴れ 午前、出町から高野まで川沿いを歩く。土手の桜は五分咲きくらいだったが、場所よってはほぼ満開の枝もあり、何組かのひとたちが敷物をひろげてお花…

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1か月前
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3行日記 #171(電気メス、おでこ、干し芋)

四月四日(木)、晴れ 清明、玄鳥至、つばめきたる、燕が南から飛来する。 清明、菜花布金、なのはなきんをしく、菜の花が一面に金色。 午後、手術。服を脱いで全裸になり…

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1か月前
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3行日記 #170(必殺仕事人、怒鳴り声、脱毛)

四月三日(水)、雨 夕方、いつもの喫茶店で本を読んでいると、チャララ〜、チャラララララララ、ラララ〜♪ 聞き覚えのある音が流れだす。あれかな、必殺仕事人の曲? …

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1か月前
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3行日記 #169(かえすがえす、太鼓のリズムで、チュロス)

四月一日(月)、晴れ 夜、妻が休みで実家で料理をしたので、私も実家でいっしょに食べた。コロッケ、大根と牛すじの煮物、苺、林檎。お祖母ちゃんはまだ骨折のリハビリ中…

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1か月前
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3行日記 #168(青大将、ぼよよ~ん、チュロス)

三月三十一日(日)、晴れ 午前、住んでいるマンションの自治会に参加して地蔵盆のことを引き継いだ。その後、チャックの散歩、簡易版。北へ少し行って戻る。神社の境内に…

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1か月前
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3行日記 #167(木の階段、旅立ちの日に、燕の巣)

三月三十日(土)、晴れ 春分、雷乃発声、かみなりすなわちこえをはっす、春の雷が鳴りはじめる。 春分、梨花欺雪、りかゆきをあざむく、梨の花は雪に負けないくらい白い。…

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1か月前
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3行日記 #166(出汁パック、雪柳、台車)

三月二十九日(金)、晴れ 朝方は雨が降っていたが、午後は晴れて気温がぐんぐんあがり二十度を超えた。 朝、妻が味噌汁の鍋をのぞいて、何やらつぶやいている。ないなあ…

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1か月前
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#14 エジプト珍道中 ファラオ村

#14 エジプト珍道中 ファラオ村

エジプトの旅で、妻がいちばん行きたいところに挙げたのは、ファラオ村だった。ナイル川の中洲にあるテーマパークだ。

鼠をモチーフにしたあの人気キャラクターがいる夢の国では、入園後に乗りたいアトラクションをめがけて走りだす人もいるらしいが、ファラオ村に入ってまずやることは、待つことだった。

最初のアトラクションでボートに乗るのだが、できるだけ多くの人をまとめて相手にしたいらしい。だが、いくら待っても

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3行日記 #180(畑仕事、脱輪、鯖江の家)

3行日記 #180(畑仕事、脱輪、鯖江の家)

五月四日(土)、晴れ

午前、実家の畑仕事を手伝う。畑には、にんにく、じゃがいも、ミニトマト、ブロッコリー、モロヘイヤ、つるむらさき、などが植えられていた。まずは、じゃがいもの苗に土をかぶせた。畝の斜面の端にある乾いた砂をスコップですくって、苗の根本にかける。次に、にんにくの畝の草むしり。普段は草としてなんとなくしか見ていなかったことに気づく。意識しながら向き合うと、草の種類などがわかるようになっ

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3行日記 #179(大声コンテスト、ブルーハワイ、将棋)

3行日記 #179(大声コンテスト、ブルーハワイ、将棋)

五月三日(金)、晴れ

午前、帰省する道中に鯖江で下車し、つつじとレッサーパンダで有名な公園でやっているイベントに寄った。途中、地元のパン屋で昼ごはんを買って、公園の芝生に座って食べた。イベントのステージでは、お昼から大声コンテストなる催しがあるらしい。妻は出よう出ようと乗り気だが、私は渋ってしまった。大声コンテストがはじまった。トップバッターは猫背のおばあちゃん、その後は小さい女の子が続く。順番

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3行日記 #178(弓なり、逆走、錠剤)

3行日記 #178(弓なり、逆走、錠剤)

四月三十日(火)、くもり時々雨
穀雨、牡丹華、ぼたんはなさく、牡丹の花が咲き始める。
穀雨、科斗作陣、かとじんをなす、オタマジャクシが隊列を作って泳いでる。

午前、将棋の駒を買った。クレジットカードで支払ったのだが、店員のおばちゃんにカードを渡したら、タッチ決済の読み取り部に金色のICチップの部分を押しつけて、むぎゅうっと、カードが弓なりにしなって折れるのではと心配になるほど、強く押し当てられた

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3行日記 #177(押し葉、白と黒、ハイタッチ)

3行日記 #177(押し葉、白と黒、ハイタッチ)

四月二十七日(土)、くもり

午前、某私立中学校のアフタースクールを手伝った。自分で染めた糸を使って織物を体験するワークショップで、先週の一回目に糸を染め、今日はできた糸を使って織る日だった。準備のために少し早めに教室で待っていると、やがて、この春に入学したばかりの一年生の女の子二人がやってきた。二人とも、手にビニール袋をさげている。何入ってるの、と訊くと、単子葉類です、という。見ると、青々とした

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3行日記 #176(ペロ、運び先、胡麻和え)

3行日記 #176(ペロ、運び先、胡麻和え)

四月二十五日(木)、晴れ
穀雨、霜止出苗、しもやみてなえいずる、霜が収まり苗代の稲が育つ。
穀雨、烏鵶営巣、うあすをいとなむ、カラスが巣をつくる。

最近また日記をサボりがちだったので、最近の出来事をつめあわせで。先週、まちを歩いていると、思わず目をひきつけられた。空色の壁にある白いドアの上に、黄色いテント生地のこぢんまりとした雨除けがついていて、そこに可愛らしいフォントで「ペロ」と書いてあったの

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3行日記 #175(厨房に立つ、林檎の皮、バーデイ)

3行日記 #175(厨房に立つ、林檎の皮、バーデイ)

四月二十二日(月)、くもり

夜、妻の実家でお好み焼き。お惣菜のハンバーグ、林檎。初めて妻の実家の厨房に立った。とはいっても、食後に林檎の皮を剥いただけだが。林檎が入った容器の蓋をあけると、花に顔を近づけたような甘い香りが立った。おばあちゃんが横から覗いてくる。分厚いな。むくの下手やな。冷蔵庫の横に貼ってあるカレンダーのメモ。清貴バーデイ、東京ぼうけん。

チャックの散歩、左へ、神社を抜けて東へ、

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3行日記 #174(LiSA、藤棚、着信)

3行日記 #174(LiSA、藤棚、着信)

四月二十日(土)、晴れ
穀雨、葭始生、あしはじめてしょうず、ヨシが芽吹き始める。
穀雨、越燕始翔、つばめかけはじむ、燕が飛び始めた。

午前、電車で。横並びに座っている大学生くらいの女性二人の前に、杖をついたお婆ちゃんが立った。座ってください。二人が席を立つ。あら、ありがとう、でもすぐ降りるからいいのよ。二人は引き下がらない。座ってください。いいのよ、次で降りるから、そのまま座ってて。そんなやりと

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3行日記 #173(黄砂、ちっこいの、ほっそいの)

3行日記 #173(黄砂、ちっこいの、ほっそいの)

四月十八日(木)、くもり

朝のニュースで黄砂がすごいと言っている。窓から外を見ると、遠くの景色が見えないほど白く霞んでいる。洗濯物がたまっているが、明日に見送った。

最近、日記をさぼってしまっていたので、習慣を取り戻すために、最近あったことの詰め合わせにしようと思う。

まずはパピロンの話。家で育てている古代エジプトの紙の原料のパピルスのことだ。冬のあいだ、部屋のなかで寒くなりすぎないように注

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3行日記 #172(野花、蓬、屋上遊園地)

3行日記 #172(野花、蓬、屋上遊園地)

四月六日(土)、晴れ

午前、出町から高野まで川沿いを歩く。土手の桜は五分咲きくらいだったが、場所よってはほぼ満開の枝もあり、何組かのひとたちが敷物をひろげてお花見をしていた。最近主流になった、一滴ずつ落とすタイプの醤油が中洲に転がっていた。チェロを取り出すひとがいる。これから練習だろうか。ラテン系っぽい外国人の観光客の夫婦。男性は桜を、女性はもっと低い地面すれすれに咲いている野花にスマホのレンズ

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3行日記 #171(電気メス、おでこ、干し芋)

3行日記 #171(電気メス、おでこ、干し芋)

四月四日(木)、晴れ
清明、玄鳥至、つばめきたる、燕が南から飛来する。
清明、菜花布金、なのはなきんをしく、菜の花が一面に金色。

午後、手術。服を脱いで全裸になり、旅館の浴衣みたいな水色の手術着に着替える。荷物はロッカーに。ベッドに横になる。ものすごく狭い。シングルの幅もない。左腕に筋肉注射。点滴の針をいれる。下腹部の剃りが甘かったらしく、ゼリー状の何かを塗られる。ひんやりする。じょりじょり剃刀

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3行日記 #170(必殺仕事人、怒鳴り声、脱毛)

3行日記 #170(必殺仕事人、怒鳴り声、脱毛)

四月三日(水)、雨

夕方、いつもの喫茶店で本を読んでいると、チャララ〜、チャラララララララ、ラララ〜♪ 聞き覚えのある音が流れだす。あれかな、必殺仕事人の曲? ばかでかい音で店内に鳴り響いている。しばらくすると、音が止み、もしもし、と珈琲カップの返却棚の前にいるおじさんが電話にでた。あの人か、と状況をつかめて視線を本に戻すと、うるせえ! ととつぜんの怒鳴り声。電話にでたおじさんが、不服そうな顔を

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3行日記 #169(かえすがえす、太鼓のリズムで、チュロス)

3行日記 #169(かえすがえす、太鼓のリズムで、チュロス)

四月一日(月)、晴れ

夜、妻が休みで実家で料理をしたので、私も実家でいっしょに食べた。コロッケ、大根と牛すじの煮物、苺、林檎。お祖母ちゃんはまだ骨折のリハビリ中で右手が使えないので、左手でフォークを使って食べていた。きょうのお祖母ちゃん語録。かえすがえす、残念や。ごはんは顔見てから。

テレビで、能登地震の三カ月のニュースをやっていて、生き埋めになったひとがスマホで撮った映像を流していた。隙間の

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3行日記 #168(青大将、ぼよよ~ん、チュロス)

3行日記 #168(青大将、ぼよよ~ん、チュロス)

三月三十一日(日)、晴れ

午前、住んでいるマンションの自治会に参加して地蔵盆のことを引き継いだ。その後、チャックの散歩、簡易版。北へ少し行って戻る。神社の境内に裏から入ると、門のところに、細長い青大将がいた。気づいたチャックが見つめて興奮し、顔を近づけると、青大将はUターンして鉄柵のむこうに逃げて、木にのぼって避難してしまった。妻の実家の前の駐車場に、大量のバナナの皮が捨てられていた。何重にも積

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3行日記 #167(木の階段、旅立ちの日に、燕の巣)

3行日記 #167(木の階段、旅立ちの日に、燕の巣)

三月三十日(土)、晴れ
春分、雷乃発声、かみなりすなわちこえをはっす、春の雷が鳴りはじめる。
春分、梨花欺雪、りかゆきをあざむく、梨の花は雪に負けないくらい白い。

午前、午後に用事があるので、先週につづき北大路へ。ビブレのスタバで物書き。

昼、おにぎりを食べたあと、近くに住んでたころによく食べていたたこ焼きを買って公園で食べた。公園の入口に、うしろにリアカーのついた自転車が停まっている。遠くか

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3行日記 #166(出汁パック、雪柳、台車)

3行日記 #166(出汁パック、雪柳、台車)

三月二十九日(金)、晴れ

朝方は雨が降っていたが、午後は晴れて気温がぐんぐんあがり二十度を超えた。

朝、妻が味噌汁の鍋をのぞいて、何やらつぶやいている。ないなあ、ないなあ。何がないの、と訊くと、消えた出汁パック。自分の味噌汁の椀を漁って、ないなあ、ないなあ。私の椀を漁ると、くたくたの白菜にまじって、出汁パックがでてきた。

夕方、そろそろ桜の咲くころだろうかと、水路のほうへ。いくつか咲きはじめ

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